ちょっとスランプ気味です(しみじみ
今日は挿絵付きですよ〜
それではどうぞ
ーー寒い
最初に感じたことはそれだった。
まるで氷、例えるなら北極に下着で放り出され背中に貼るカイロを貼られただけの喪失感、虚しさ、寂しさの様な…
この状態から一刻も早く逃げ出す為に体は徐々に感覚を取り戻し、頭は覚醒を始め、2つの目は光を取り戻し始める。
「う、うん…?」
目を開けて最初に目に入ったのは模様…ではなく天井だった。
「こんな時よく小説の主人公が言うお約束の言葉がありますが、まさか自分がいう羽目になるとは」
そう物語で主人公が目覚めて最初に言う言葉、お約束の言葉がある。
え? なぜ知っているかって、日本の小説や物語は面白いからよくプライベートで読んでいるからですよ。
「それでは遠慮なく言わせてもらいますか…ごほんッ 、知らない「ノエル兄!!」………」
ガラリ と音を立ててドアが開いた。その音を立てたドアの前に立つのはノエルの弟分である織斑 一夏だった。
彼の予期せぬ登場でお約束の言葉は言えなかった、まぁこの展開もある意味お約束ではあるが…とにかく 咳払いまでして準備完了だったノエルだが、結局彼があの言葉を言うことはこれから先無かった。
「? どうしたんだよノエル兄、そんな ぼーっとして」
「いえ、何でもありませんよ…」
「? そ、そうか なら良いんだけど」
「ところで一夏、あの後どうなったんですか?怪我人は?」
「ノエル兄のおかげで怪我人はゼロ、みんな元気だよ」
「そう、良かった」
「でも代わりにノエル兄が……」
「私はこの通りピンピンしてますよ、問題ないですよ」
「でもノエル兄あれから5時間も寝てたんだぜ。それにまだ精密な検査もしてないし、何よりみんな心配してるよ」
「全く、一夏は昔から心配性ですね。私の体の事は私が1番よく知ってます。大丈夫だから心配しないで一夏」
そう言いながら私は出来るだけ微笑みながら一夏に言った。
「ノエル兄…わかったぜ。じゃあ みんなにノエル兄が起きた事を教えてくる、それと後で俺の部屋に来てくれよ、約束のクッキー用意してるからさ」
「はい、後で必ず」
一夏は静かに部屋から出て行った。
ノエルは再び1人になった。
「まさか、5時間も寝てるだなんて」
誰もいない部屋に独り言を呟く、言葉を返してくれる者はこの部屋にはいない。
ノエルは不意に口の中が鉄臭いような気がした。
側にあったテッシュを2、3枚ほど取り口の中を拭くと綺麗な赤色ではなく、赤に黒が混じった血が付着していた。
「あぁ、こんなに早く」
既に辺りは暗く、外に光は無い。黒と青だけの色が空というキャンパスに彩られており外からは海鳥の声は聞こえず代わりにいつも以上に大きく聞こえる波の音と遠くからでも聞こえる十代の女子たちの声だけだった。多分一夏
がノエルが目を覚ました事を女子達に伝えたのだろう。
………
……
…
この部屋からは人がいるのに物音すら聞こえない。
日が完全に落ちた今、電気もつけていないこの部屋ではノエルの姿は影と同化し暗いシルエットとして残っていた。
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ノエルが起きる数時間前
学園の地下50メートル。そこにはレベル4権限を持つ関係者しか入れない、隠された空間があった。
ノエルによってトドメをさされ機能を停止した謎のISはすぐにその怪しい空間へと運び込まれ、すぐさま解析が開始された。
この空間で今も カタカタ と途切れる事なくパソコンを打つ音や忙しく動く機械達の
解析開始から約2時間。
千冬が繰り返し流される先程の戦闘映像を腕を組み仁王立ちの状態で画面を睨んでいる。
その顔は酷く冷たくまるで北極の氷を連想させる、ただの人間では今の千冬の顔を直視する事は出来ないだろう。
「お、織斑先生?」
そんな鬼に心配そうな声色で声をかける人間がいた。
ディスプレイに割り込みでウィンドウが開く。ドアのカメラから送られて来たそれには、ブック型端末を持った真耶が映っていた。
「どうぞ」
許可を貰いドアが開く、そこには何時ものようにポワポワとした雰囲気を纏っていないピシッとした真耶がいた。
「例のISの結果が出ました」
「ああ、どうだった」
千冬の声で更に空気が冷たくなる。
「はい、あれは無人機でした」
「そうか」
真耶の告白に千冬はいたって普通に冷静に返した。
「あの動きは人間じゃできん、それは分かっていた、私が聞きたいのは
「はい、もう1つの件ですが、解析結果ーー不明です」
「…そうか」
「ですが1つだけ判明したことがあります」
「何だ…」
ここに来て更に空気が重く冷たくなっていく。
「解析の結果、あのISは…異常です。敵のISの攻撃を受けても小破のみの硬い装甲、武装の圧倒的エネルギー及び熱の放出、何より…第1世代の形状で第三世代とも渡り合う性能。特にこの場面ですが」
そう言って真耶は目の前のディスプレイにある場面を映し出した。
それは敵のISが最後の悪あがきとして放った一発の特大の凶弾。もしあれが当たっていたら最悪の事態になっていただろう。
映像は進みやがてある場面で止まった。
「この時のこのISの出力は今の技術では簡単には出せるものではありません、飛行に特化したものならわかりませんが」
「つまり、どう言うことだ」
「……つまり、このISは見た目は第1世代ですが、性能は第三世代以上と言うことです、ですがこのISの性能が上がった瞬間、パイロットにも変化が起こっています。変化というのは機体の性能が上がった瞬間パイロットの脳波が急に上昇しています」
「脳波?」
ここまで静かに報告を聞いていた千冬が反応した。
「はい、それはもう急に、まるでISがパイロットの体の負担を減らすかのように強制的に上がっています。こんな事がずっと続けばまず常人では体が持たず、体の内部からどんどん壊れていってしまうでしょう……早急に対策が必要かと」
「……」
千冬はそれを聞き苦い顔をする。
「分かった、報告ご苦労」
「はい、それでは失礼します」
そう言い残し真耶は部屋から出て行った。
残ったのは千冬ともう1人
「……お呼びですか」
その声の主は影で姿は見えなかったが、声から判断すると女性の様だった。
「ああ、悪いがお前に1つ仕事を頼みたい」
「何なりと」
「暫くの間この男の監視をして貰いたい」
そう言い千冬は1枚の写真を渡す。
「主にその男の体調及び無茶をしないかの監視だ」
「…分かりました」
千冬は1つ頷く。
「頼むぞ」
「はい」
次の瞬間にはもう気配は無く、いつ出て行ったのかも分からなかった。
再び1人になった千冬はもう一度ディスプレイの映像を見る、そこには胸部から若干エメラルド色の光を放出し、苦しみから必死に逃れるために腕を伸ばし虚空を掴む ウイングゼロ の姿が映っていた。
千冬はディスプレイを睨め付けるのではなく、悲しそうな顔をしながら今度はディスプレイを見ていた。
「ーーー」
ーー彼女の呟きは誰にも聞こえない。
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ノエルが起きてから数時間経った。
現在彼は自分の部屋に帰る途中であり、延々と長い廊下を歩いている。
先程まで約束通り彼は一夏の部屋に行っていたのだ。一夏の部屋には当然ルームメイトの箒もいた。
ノエルが部屋に着くなり箒は玄関で頭を90度曲げ彼に謝罪と感謝の気持ちを伝えた。
どうやら自分のせいで彼が怪我をした事を彼女なりに気にしていた様だった。当然ノエルはこれを笑って許した。
その後お詫びの印にと箒がノエルと一夏の夕食を作る事になった。
出て来たのは炒飯だった。ほくほくと湯気が上り香ばしい匂いがする炒飯だった。
しかし味がなかった、そう味が全くない炒飯だった。
しかしすぐ側で2人の顔を心配そうに見ている箒に対し不味いなど死んでも言えない為2人は口に無理やり流し込み完食した。
食べた後、美味しかったと一夏とノエルは箒に感謝の言葉を伝えると箒はその顔に可憐な笑顔を恥ずかしそうに咲かせたという。
「味は無かったが暖かくとても満足する炒飯でした」とのちにノエルは語った。
その後、一夏のクッキーを3人でつまみながら雑談をして9時を過ぎたところでお開きとなった。
そして今に戻ってくる。
「ふぅ〜、それにしても今日は色々な事がありましたね」
思い出されるのは今日襲撃して来たIS。
そしてZEROのーー
「………ん、いつの間に」
ノエルは気がつくともう既に自分の部屋の前に立っていた。
「とりあえず、今日はもう寝ましょう。…疲れてますし」
ドアに手をかけゆっくりと開ける。
「お帰りなさいませ、ご主人様」
部屋の中にはメイドがいた。
「お風呂にしますか? ご飯にしますか? それとも わ・た・し?」
「……ただいま、疲れたから今日はもう寝ます」
ノエルは眠そうに言う。
「分かりました、私ですね…それではこちらへ」
「いや、ベットに」
「あらやだ、ご主人様ったら大胆♡」
メイドは体をくねらせながら言う。
「……はぁ」
ノエルは己の活動限界が来たのか、それとも面倒になったのか、そのままベットへ向かいまるでミノムシの様に布団達を体に巻きつけそのまま動かなくなった。
その隣にメイドが潜り込んでいるとも知らずに……
まだまだやりますよー
メイドって誰かわかるかな? 会長ですよ(小声