エンドレス・ストラトス 終わらない歌とお人好し   作:青の雲

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時間がかかって申し訳ありません
戦闘描写が難しいですね(汗

それではどうぞ


蒼い雫との円舞曲

カタタン

 

ピピッ

 

カタタッ

 

ピピピッ

 

朝の整備室からはキーボードを打つ音や無機質な電子音が聞こえてくる。

今日は月曜日、あの決闘宣言から約一週間が過ぎ今日が決闘の日だった。

彼はこの一週間自分のISの出力調整と、あるシステムに何重にもロックをかけていた。

彼はパソコンに向かって忙しく手を動かし静かに黙々と作業を続けていた。

 

「ツインバスターライフル出力調整完了…装甲に問題なし…エネルギーオールグリーン…機体出力60%に設定…ゼロシステムロック完了……………終わったぁ」

 

彼は先程までの集中していた雰囲気とは打って変わってまるで宿題が終わり喜ぶ幼い子供のようだった。

彼が椅子から立ち上がり腕を上げ伸びをすると バキバキッ と背骨から見事な音が聞こえ彼がどれだけ長い時間椅子に座っていたかわかる。

現在は朝だがもう完全に辺りは明るくなり、生徒たちの大半ももう起きてしまっているだろう。

彼は朝食を取るため調整したばかりのISを待機状態にし首にかけ眠たげな足取りで食堂に向かう。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

何とか食堂に着き食堂のおばさんに挨拶をして目を覚ますためにトーストと普段はあまり飲まないブラックのコーヒーを注文する。

食堂は女子生徒で溢れかえっており席を1つ探すのも一苦労だった。

席が空いておらずどうしようかと考えていると不意に服を引っ張られる感触が、目を向けるとそこにはキツネのような着ぐるみかパジャマのようなものを着ている女の子がそこにいた。

 

(彼女は確か布仏本音さん……何故に着ぐるみ?)

 

「ノー先生座るとこ無いならこっちに座りなよ〜」

「ああ、ありがとうございます。布仏さん」

「のほほんでいいよ〜」

「分かりました。のほほんさん」

 

この際私のあだ名はあえて突っ込まず、彼女は自分の名前を言われると嬉しそうにダボダボの服の袖を嬉しそうにジタバタと振りながら笑っている。

その光景を見ているだけですごく和むのだ。

 

「じゃあこっちこっち〜」

 

彼女の後についていくと窓際のテーブルにあと2人の女の子が座っている。

 

「あっノエル先生!」

「えっ、あっ本当だ!」

「おはようございます。相席いいですか?」

「おはようございます。全然私達はいいですよ」

「うんうん、ノエル先生と朝ごはん食べれるなんてラッキーだし!」

「あはは、そう言ってもらえると嬉しいですね」

「ノー先生朝ごはんそれだけ〜?」

「本当だ、織斑くんより全然少ない」

「私はあんまり朝は食べないんですよ。ゆっくり食べる方が好きなんですよ」

「なるほど、あ!それより今日はいよいよ決闘の日ですね。私達楽しみにしてます!」

「ありがとう、できるだけ頑張りますね。ん?のほほんさんほっぺにご飯粒がついてますよ。…はい、取れましたよ」

「わ〜、ありがとう〜 」

「どういたしまして」

「あー本音ばっかりずるーい」

「えへへ〜」

(和みますねぇ)

 

私はのほほんさん達と雑談しながらゆっくりと朝食を食べ終えたあと彼女達と別れ、いよいよ第3アリーナへ向かっていた。

第3アリーナへ到着すると既に一夏と箒さんがいた。

 

「あっ、ノエル兄!おはよう!」

「おはよう一夏、それに箒さん」

「おはようございます。……ノエル先生あの後考えたんですが、やっぱり私はすぐには姉さんを許すことはできません。でも私は姉さんと会って話がしたいんです!今はこれで精一杯です……」

「十分ですよ、まだ時間はあるからゆっくり考えましょう。私も手伝いますから」

「はい、ありがとうございます」

「お礼なんていいですよ」

「なんかよくわからねぇけど、箒ノエル兄もこう言ってるから大丈夫だぜ」

「ああ、お前がそう言うなら大丈夫なんだろうな」

「ところで一夏ISの練習はどうでしたか?」

「それなんだけどよー、ノエル兄全然わからないんだよー」

「どうせこんなことだろうと思いましたよ。全くこの一週間何やってたんですか?」

「…ずっと剣道やってました」

「………ハァ、じゃあ今から基礎中の基礎だけ教えますからよく聞いてくださいね」

「おおさっすがノエル兄」

「まずーー」

 

 

 

 

 

 

こうして約5分ほどで一夏にISの基礎を教え最低限動けるようにしたが、1つ問題が起きたようだ。一夏のISの到着が遅れているのだ最低でも後1時間以上はかかるらしい。

 

「ど、どうしようノエル兄⁉︎」

 

一夏が動揺するのも無理もない何故なら後5分もすれば試合が始まってしまうのだ。観客の生徒もたくさん集まっている為、今更中止にも出来ないだろう。

 

「ふむ…千冬、私が先に行けば問題ないですよね」

「ああそうだが、ノエルすぐに出れるのか?」

「もちろん」

「フッ、流石だな。ならそうしよう」

 

私は発射口へ向かい自身のISの待機状態を解く

その瞬間に頭に浮かぶのは過去の記憶であり、決して忘れる事がない悲しく惨めな戦いの記憶……。

 

「……ゼロ・カスタム 行きます!」

 

ドォォォン!!

 

『ゼロ』と呼ばれるISは勢いよく発射口を発進し訓練用のISとは比べ物にならないスピードを出した。

彼のISはアリーナの発射口から飛び出した……空は快晴だった。

いくつかの雲が浮かび1つ1つ形も大きさも全く違う。

雲は白く、混じり気のない真っ白な美しい白だったが、彼のISは空に浮かぶ全ての雲よりも白く、ここにある何よりも存在感があった。

傷ひとつない純白の装甲に、まるで天使を連想させる翼のようなカスタム・ウィング、全身装甲(フルスキン)の為ノエル自身は全く見えなかった。

しかし『ゼロ』が現れた瞬間確かにアリーナ内の時間が止まったいうに感じた、1秒が1分に感じ、10秒が10分に感じられた、美しかった 敵であるセシリアやモニター室で見ている千冬や一夏、箒が見惚れるほどに、本来パワードスーツの役割のISは今ではスポーツとなり、その容姿も徐々に変わっていったがこのISはもはやパワードスーツではなかった。

アリーナが静寂に包まれしばらくした頃 ハッと セシリアが我に返りコアネットワークで話しかけた。

 

「貴方そのISはなんですの」

「…このISの名前は『ウイングゼロ・カスタム』…悲しく惨めな歴史の産物ですよ」

「歴史の産物?…まぁいいですわ。見た目がよろしいだけではこの『ブルーティアーズ』には勝てませんわよ!」

 

これが戦いの合図だった、『ブルーティアーズ』はブルーのカラーリングでまさに蒼い雫そのものだった。

彼女のISの1番の特徴はやはりISの身の丈程ある大型のライフルである『スターライトmkIII』と六基の『BT兵器』だ。

考えているうちにセシリアがスターライトmkIIIを撃ち『ゼロ』からピピッ と警告音が鳴る。

ノエルはそれを難なく躱す、セシリアは次々とライフルを撃ってくるがノエルはそれを全て最低限の動きだけで躱していく。

 

「さぁ踊りなさい!わたくしセシリア・オルコットとブルーティアーズが奏でる円舞曲で!」

「円舞曲ですか。…懐かしいですね」

 

ノエルの動きは相変わらず、ただ全てのライフルを避けているだけだった。しかしそれはまるで優雅な円舞曲を踊っているように滑らかで動くたびに天使の翼のようなカスタム・ウィングが優雅に動いていた。

しかしそれで面白くないのはセシリアである。彼女は1発も当たらない事にだんだんとイライラしてきた。

 

「クッ!どうして当たらないんですの!」

 

バシュン!バシュン!バシュン!

 

セシリアのライフルの弾は相変わらずノエルに擦りもしなかった。

 

「クッ!このッ!」

 

バシュン!バシュン!バシュン!バシュン!

 

セシリアはさらに撃つが当たらなかった。ライフルを撃てば必ず弾切れが起こる。それは必ず起こる事だ、普段ならライフルの残弾のことも考えているだろうが今のセシリアはノエルに当てる事しか考えてなかった。

 

 

カチンッ

 

 

「なっ!」

 

スターライトmkIIIの弾がなくなってセシリアはようやく自分のミスに気がついた。

彼はこの瞬間を逃さなかった、『ゼロ』を急旋回し1つ彼は自身のISの翼をたなびかせた。

すると彼が消えた、セシリアからも消えたように感じた、『ブルーティアーズ』のディスプレイにはerror の文字……いや消えたように見えて彼はアリーナの上にいた。では何故消えたように感じたのかそれは簡単だ、彼のISスピードがセシリアのISのハイパーセンサーが確認するより速かった、それだけだった。

セシリアはハイパーセンサーの error の文字がすぐに理解ができなかった。ISは世界で最新の技術が使われており、その全てがハイスペックであり特にハイパーセンサーはズバ抜けていた。そのハイパーセンサーが反応出来なかったのだ誰でも動揺はするだろう。

しかし仮にも代表候補である彼女は冷静に次の手を打った。

 

「ッ!ブルーティアーズ!」

 

ブルーティアーズ彼女のISの名前の元になっている武器であり、遠隔無線誘導型のオールレンジ攻撃が出来る武器である。

ブルーティアーズは1つ1つに意思があるような動きをしながらノエルに向かっていった。

流石のノエルでも全ての『BT兵器』を避けるには難しかった。

そしてついにブルーティアーズの攻撃がノエルに当たった。

 

 

バチィィ!バチィ!バチィィン!

 

 

「やりましたわ!」

 

ブルーティアーズの攻撃が当たり煙で隠れて見えなかったがセシリアは完全に勝利を確信していたーー。

どんどん煙が晴れていきそこにはボロボロになった『ゼロ』があるはずだと想像していた。少し手間取ったが所詮男などやはり取るに足らないとセシリアは心の中で思い、煙が晴れた時試合終了のブザーが鳴り勝者の名前が呼ばれる、とそう思っていた。

そして煙がどんどん晴れてゆきセシリアはこの時間が焦れったかった

煙がついに晴れてゆきそこにはボロボロのISーーー

 

 

 

 

 

 

はなかった。

 

代わりにあったのは翼を前に持ってきて繭のように包まっているISがあった。

驚くべき事にこのIS、あれだけオールレンジ攻撃を食らったというのに傷ひとつなく新品のような綺麗な姿のままだった。

これにはセシリアも驚きを隠せないでいた。『ゼロ』はゆっくりと眠りから覚めるように動き始めた。

『ゼロ』はこの戦いで初めて武器を出した。

セシリアのスターライトmkIIIと同じほどある大型のライフルが2つ、左右の手に持っていた……『ゼロ』はそのライフルをそれぞれ横に向けた、セシリアはもちろん観客席にいる生徒たちも何をしようとしているか全く分からなかった。

 

「最重要ターゲット確認…制圧行動を開始する…!」

 

その瞬間、ISの左右のライフルの銃口からそれぞれエネルギーがチャージされる。

 

「チャージ完了、最低出力攻撃開始…!」

 

ブゥゥン

 

ゴォォォォッ!!

 

『ゼロ』から極太のビームがそれぞれ左右から発射された。アリーナ内は眩しい光に包まれ、音はビームの轟音だけしか聞こえなかった。

さらに『ゼロ』はビームを発射しながらダンスをするようにクルクルと回り出す。

『ゼロ』が回るに連れて周りのブルーティアーズは次々と潰れていく。

『ゼロ』が1〜2周すると後からブルーティアーズが連鎖するように爆発していた。

 

「なっ!」

 

これにはセシリアも動揺し大きな隙が生まれた。『ゼロ』は『ブルーティアーズ』へ最速で近づき、ただの蹴りを放った。

しかしその蹴りで『ブルーティアーズ』は下へ叩きつけられシールドエネルギーも4分の1ほど削れた。

追い打ちとばかりにマシンキャノンを撃つ、その間に『ゼロ』は2つのライフルを組み合わせ1つの巨大なライフルにしてエネルギーをチャージしていた。

マシンキャノンによりさらにダメージを受けた『ブルーティアーズ』はようやく体制を立て直すことが出来たが遅すぎた。

セシリアは自分が負ける未来を想像していた。

 

(わたくしが、負ける⁉︎そんなこのセシリア・オルコットが⁉︎)

 

だがセシリアはもう気づいていた。……彼には勝てないと

彼の強さは誰が見ても異常だった。ーーセシリアは小さい頃からあらゆる才能を持ちまた努力をしてきた。オルコット家の名を汚さないため常に相手より先へ行こうとしてきた、そう生きてきた。

次第に自分より強い者のみへこへこする男というものがどんどん嫌いになっていった。

今回もそうだった、さっさと勝って男より優れていると証明したかった。しかし結果はーー彼の強さに全く歯が立たなかった。

今までこんな男には会った事がなかった。こんな強い男には、それでもセシリアにも代表候補生の意地があった。勝てなくても、せめて彼に1撃当てたかった。

何故か悪くない気分だった。散々見下してきた男に歯が立たないと言うのにだ。ーーああ、こんな男もいるんだと思い知らされた。

 

「ふふ」

 

セシリアは笑っていた、しかし彼女の目がまだ諦めてないと語っていた。

それに気づいたノエルも顔は見えないが微笑んでいるようだった。

同時にライフルのチャージが完了した。セシリアも最後の武装であるミサイルビットを出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

発射は同時だったーー

 

 

 

 

 

 

 

 

時間がゆっくりに感じられたーー

 

 

 

 

 

 

そしてミサイルとビームがぶつかりアリーナは真っ白の光に包まれるーー。

 




戦闘中の主人公の性格が変わっている(汗
戦闘描写は時間がかかって苦手です。
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