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年中雪に包まれている島の森を数人の男が駆けている。男達は息ぜききってかなり切羽づまっている様子だ。何かから逃げているのだろう。それを示すかのように男達は時々背後を確認している。
森の外れまで来て視界が開けて来て漸く男達は立ち止まり息をついた。
身なりの良い分厚いコートを羽織り、カバの様な顔をした男が叫んだ。
「ハァハァ…!漸く振り切ったようだな!」
「ワポル様、まだ油断は出来ません。直ぐに逃げないと白猟の奴がいつ姿を現すか分かりません。」
付き従う男にワポルと呼ばれた男は雪が降るこの島にかつてあったドラム王国の王様だったワポルだ。ワポルは王とは言えない人間だった。自分の思うがままに振る舞う性格が国民には嫌われていた。それでも隠居していたワポルの父が不満を封じ込めていたからワポルは王様で居られたのだ。だが何年か前、悪政王アバロ・ピサロと言う世界的犯罪者の襲来により、ドラム王国は滅ぼされて父はアバロ・ピサロと戦い戦死、ワポルは守ってくれる人も居なくなり一人で逃げた。それからワポルは力を付けて昔の配下を集めて再び、元ドラム王国に舞い戻って支配を始めた。
だが、ワポル自身の性格は直ってなかった。如何に力を付けても人の性格はなかなか変わらない。それこそ強烈な衝撃を受けない限り…それを国民が許せるはずもなく、不満は直ぐに溜まり、運が悪い事にたまたま来た麦わら一味と鉢合わせして戦い、負けた。負けた直後にモクモクの実の能力から「白猟」と異名を取るスモーカー海軍大佐率いる海軍に見つかり今ワポル一味はスモーカーに追われていた。
ワポルはまだドラム王国を作る事を諦めてなかった、諦めの悪い男である。麦わら一味に負けてもなお、まだ自分はドラム王国国王だと思ってる妄想に取り付かれた男だった。
しかし、そんなワポルに迫る影が二つあった。
「よし!!今からまたドラム王国に戻って再び支配を始めるぞ!あの憎い麦わらももう旅立った頃だろう!」
ワポルがそう言い、号令をかけようとした時、背後の森の中から声が発せられた。
「残念ながらそう言う訳にはいかんでのう…」
「「「誰だ!?」」」
ワポル達がビックリして振り向くとさっきまで誰もいなかった森に男二人が立って居た。二人はワポル達よりもかなり身長が高くワポル達を見下ろして居た。一番目を引くのは二人の内一人は物凄く目立つ服装をしていた。堅気者が着る高級スーツに身を包み、胸には薔薇を付けていて威圧溢れる出で立ちをしていた。一方、もう一人はかなり地味な服装をしていてボーイが着る様な簡単な服を着て顔にはサングラスを付け、顔は分からないがパーマをしている変な男であった。しかし、ワポル達が驚愕したのは二人とも海軍でも上位にあるものが来ていた海軍コートを羽織っていた事だ。ワポルはかつて国王だった時に海軍ともそれなりに交流があったからあのコートを着ている二人がかなりの地位にある事は予測出来た。最低でも少将クラス…少将クラスでも今のワポル達では到底歯が立たない相手だ。中将ともなるともう逃げるしか選択肢がない。
ワポル達は突然の事態に動揺したが何とか心を落ち着かせた。
「貴様は誰だ!?」
随分言葉遣いが荒いがワポルも必死で虚栄心を張り、恐怖心を抑えようとしているのだ。
だが、現実は無情である。
「儂か?儂は赤犬じゃあ…」
ワポル達は息が止まりそうになった、少将・中将ならまだ能力を使って逃げ切れたが、大将相手では無理である。レベルが違い過ぎる。しかし、ワポルはまだ大将がまだ自分達を捕まえるわけでは無いと希望をまだ抱いていた。
「そ、そうか!その赤犬大将殿が一体何用かね?ひょっとして麦わら一味を捕まえに来たのか!?ならば場所を知ってるぞ!」
「貴様はあほじゃのう…儂ら二人は貴様らを捕まえに来たんじゃ。」
「そうだねぇ、ここまで言わないと分からない奴って始めて見たよ。」
〜ワポル〜
くっ!捕まえるつもりか…何とかして逃げ切らないと…ともかく切り札を使わなければ!
ワポルはいきなり周りにあった鉄を食らうと身体から巨大なロボットを出した。
「これは俺の能力、バクバクの実!鉄や金属を喰らい、武器に変化させる!食らえええい!」
ロボットが二人に襲いかかる間にワポル達は直ぐにその場を離れようとしたが、前方に氷の壁が出来て行く手を阻んだ。
「なっ!?」
「諦めなよ?俺も一応赤犬と同じで海軍大将だからな〜名乗ってなかったけど、青雉って言うんで宜しく〜」
ワポル達の顔には絶望が広がった。海軍大将が二人いるといる無情に…
それに追い討ちをかけるように後ろから声が響いた。
「こんなロボットごときで儂を止めようとは舐めた真似をしてくれたのう?」
そこには腕を巨大なマグマに変化させてロボットの腹を貫いた赤犬がいた。
そして二人はワポル達の前に立った。
「お、俺は捕まるのか!?」
赤犬は顔を歪め、
「安心せい…別に捕まえはせんわい、まあ一時捕まってもらうから捕まえることにはなるか。」
青雉が吃驚した顔をして、
「どう言うことだい?」
「ああ、ワポルは役に立つ、ただ問題なのは性格だ、このままでは前と同じになるからな…今の内に性格を矯正しなければいけんのじゃ。」
青雉は赤犬がそんなことを考えていたことにかなり驚いた。しかし、折角乗り掛かった船だ、して見るのも良いかもと思った。
「さて、ここまで説明したのだから必ず心を入れ替えてもらわんとのう…」
赤犬は笑みを浮かべながらワポル達に近寄った。
ワポル達は逃げたくても逃げたら今度こそお終いである事を直感で感じていた為、逃げられなかった。
そのときのワポル達には赤犬が悪魔に見えたと言う…
パサロ・ピサロは間違いでした。アバロ・ピサロです。修正しました。