《完結》【蒼明記・外伝】カメラ越しに映る彼女たち――― 作:雷電p
ラストフォルダー
嵐が過ぎ去った後というのは、どうしてこうも清々しく心晴れやかな気持ちになるんでしょうか?
それは多分、嵐が来る前よりも来た後の方が、雲ひとつない快晴が空を青く染め上げてくれるからだと私は思っております。 それに人という生き物は、燦々と輝くお天と様の光を浴びるとぐんぐんと成長していくモノで、より活発化してしまうモノなのですよ。
特に、じめじめした梅雨の後ならなおさらです。
気が付けば、もう梅雨が明けて、絶好の夏日和が解禁されまして、我々学生たちもあともうしばらく学校に登校すれば、晴れて夏休みという自由を手に入れられるわけで今からもう楽しみで仕方ありません。
そんな私は、優雅に自分の部室内でエアコンをガンガン効かせて、ロックな氷たちを山盛りにさせたジュースを呑んでいるわけで、ちょっとした豪遊気分です♪
「……ぷはぁぁぁ! キンッキンッに冷えたリンゴジュースは、やはり何ものにも後れを取らない至高の一品ですぅ~!!」
今日に限ってめちゃくちゃ熱い日になるとは思ってもみませんでしたが、こうした場所でくつろぐことが出来ると、何ともダメ人間になってしまいそうですぅ~………このままだらけたいですぅ~~~………
「洋子、さすがにだらしなくねぇか?」
「そうだにゃぁ! そんなところでゴロゴロしていると、牛さんになっちゃうにゃ!」
………そうでした、お2方が来ていることをすっかり忘れていました。
お2方の呆れたような視線を浴びながら、私は身体を起こして姿勢を整わせてもらいます。 こほん、と咳払いをしまして、当初行うことを予定していたことについて話し始めることにしました。
「それでは、改めまして。 お2方から見た今回の一件についてお教え願います♪」
これが、このファイルの締めくくりとなる最後の
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「そもそも、今回のアレは何が原因だったのでしょうか?」
「まあ、一言で言えば、兄弟のヘタレっぷりのせいじゃねぇかなぁ? ああ見えて、自分のことになるとダメになるからなぁ」
「ヘタレですか……」
蒼一さんの事を一斬りにヘタレという烙印を押してしまう明弘さんは、用意したお茶を口に含めながら軽く言い放ちました。 私から見ると、そうは見えなかったのですが……やはり、長く共にいるこの人だからこそ見えるモノや言えることもあるのでしょうね。
「あぁ、それと付け加えるとしたら、兄弟はいろんな女にちょっかい出し過ぎたってことかな? ただでさえ、穂乃果たちに振り回されているのに、μ’sのヤツらにもいろいろと関わったからな。 しかも、悪いことにみんな好意を抱いちまったわけだが……その後の処理を万全にしなかったのが悪いな」
「あー……何だか分かるような気がします。 人助けをしてしまうと言う癖が自然にそうさせているのでしょうけど、それが返って八方美人のような感じで、気を惹かせてしまったと言うヤツですか?」
「そゆこと」
ビシッと、人差し指を突き出して、それだ! と言う仕草をして見せますと、ちょっと間を開けてから、顎に手を添えて考えてました。
「いや、待て。 とは言っても、一概に蒼一を悪く言うことはできねぇな………」
「と、言いますと?」
「あの廃墟の中でも言ったように、蒼一は以前、信頼できるヤツらに裏切られ心を閉ざしていた。 それをずっと引き摺って、他人をあまり信頼しようとしなかったのさ。 その中で、俺だったり蒼一の家族とかは別だったな。 あとは、謙治さんと……あの人くらいか………」
「なるほど………あのぉ……その蒼一さんに起こった悲劇というをもう少し詳しくお聞かせ願いませんか?」
「残念だが、こればかりは今の俺からは言えねぇ………時が来たらまた話すとしようか」
そう言って、椅子に深々と座り直すと、肩に掛かっていた力を抜くように大きな溜め息をついてました。
「そう言えば、みんながこんな状況だったのに、凛ちゃんだけは大丈夫だったのですか?」
「んにゃ?」
ふとした疑問を抱き、話題を凛ちゃんの方に切り替えますと、目をぱちくりさせて私の方を見て下さいました。 ほんと、こう見ますとネコみたいな子なのですね♪
「う~ん……凛にもよく分かんないかも……凛も蒼くんの事好きだけど、多分、かよちんや真姫ちゃんみたいな好きじゃないと思うんだ」
「それって、恋愛感情ではないと言うヤツですかね?」
「多分そうだと思う。 凛には、まだそう言うのが分からないからだと思うにゃ」
「なるほど、そう言うことにしておきましょうね。 あ、穂乃果ちゃんから御饅頭を貰ったのですが、お1つどうです?」
「いいの! わぁ~い!! 洋子ちゃんありがとー!」
私からそれを受け取りますと、袋を乱暴に開けてすぐに口の中へと入れてしまいました。 その時に見せた、無邪気においしそうに食べる姿が何とも愛らしいですね。 こういう感じですから何ともなかったのでしょうね。
「そういやぁ、あん時に洋子が言い放った言葉が傑作だったなぁ~何だっけなぁ………?」
「あー! 確か、穂乃果ちゃんたちに言ったアレだにゃ!」
「え……? ちょっ………」
「確かこう……『あなたたちは一体何をやっているのですか!! あなたたちの大切な人が大変なことになっていると言うのに、何いざこざを起こしているのですか!! 馬鹿ですか!? それでもあなたたちは、蒼一さんとくんずほぐれつイチャコラして一線を越えた仲ですか?! いい加減にしなさい!!!』…だったけな?」
「わぁー! わぁ―――!! や、やめて下さい!! 恥ずかしいですぅ!!!」
「何言ってんだよ? あんな最高な言葉を並べ立てたのに自分で恥ずかしくなてるのかよ?!」
「だ、だって………あれはその場の雰囲気に押されてなので………」
「けどまあ、そのおかげで穂乃果たちは何とかなったんだけどな」
いやぁ………忘れもしませんよ、あの蒼一さんが希ちゃんたちに連れ去られた時に言った言葉なんて……もう、忘れて、思い起こしたくないです…………
「あっ、最後に写真、よろしいですか?」
(カシャッ!)
〖広報部部室内にて撮影:滝 明弘、星空 凛〗
「あ、あの……洋子ちゃん………」
「はい、どうしましたか?」
「えっとぉ……さっき撮った写真……もらえないかなぁ……?」
「あぁ、いいですとも。 あとで焼き増ししますよ」
「ほんと!! ありがとにゃー!」
「いいですよ、これくらい。 というより、明弘さんとはうまくいってるのですか?」
「にゃ?! な、何のことかにゃ……?」
「惚けたって無駄ですよぉ~凛ちゃんが明弘さんのこt…「にゃにゃにゃぁ~!!! そ、それ以上は言わないでぇ~~~!!」」
「あはは、冗談ですよ。 兎も角、あとは任せて下さいよ」
「むぅ~……洋子ちゃんのいじわるぅ~………」
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―――
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さっきは、いい写真が撮れましたねぇ~♪
この調子でドンドン取材をしていきたいものですね。 それでは、お次はどなたに致しましょうかねぇ?
部室を出た私は、気ままに廊下を歩きまわり、いいネタ……取材可能な人を探しているところです♪
おや? 賑やかな声が聞こえてきましたねぇ………行ってみましょうか
「おやおや! こんないいタイミングに集まってたのですか!」
教室の端の席で、何やらお話に花を咲かせていましたのが目に入りましたので、早速取材をと聞いてみたわけです。
そのお相手とは―――――――
「あ! 洋子ちゃん。 どうしたの?」
「いやですねぇ~、今回のことで取材の方をですね、してもらえないかと思いまして………あぁ、海未ちゃんもことりちゃんも一緒にお願いしたいのですよ」
「ことりも?」
「洋子、何か企んでたりしてませんか?」
「い、いえ、そんなことございませんよぉ~あはは………」
穂乃果ちゃんとことりちゃんからは、心よく引き受けて下さりそうな雰囲気なのですが……海未ちゃんの疑い掛けるような視線を受けまして……とてもやり難いです………
「もぉ、海未ちゃんてば、心配し過ぎだよ」
「そうだよ、海未ちゃん。 私たちはありのままのことを話せばいいんだから♪」
「ですが……わかりました。 ただし、変なことは聞かないようにしてくださいね?」
「わ、わかってますって、あはは………」
本当に、慎重なお方ですからね……私が考えているあれやこれやらとお話を聞きたいのですが、これはもうしばらくお預けのようですね………
それでは、取材の方をさせていただきましょうか。
「失礼承知で聞きますが、やはり、3人とも蒼一さんの事が好きだったからあのような行動に出たのですか?」
「あはは……本当に失礼な内容だね………うん、穂乃果は最初からそのつもりでやってたところはあったよ。 それに、蒼君が傷付くところをもう見たくなかったってのもあるんだけどね」
「私も同じですかね。 何と言っても蒼一は私の心の支えでもありましたし、何かを失うと言うことがどれほど辛いものかを分かっていましたから」
「ことりは……やっぱり、蒼くんが好きだった。 ただそれだけだよ………」
3人ともこの話題について触れますと、やや気分が落ち込んでいる様子です。 蒼一さんの幼馴染であるこの3人は、本来ならば蒼一さんの事を支える側にあるはずが、逆の立場を選んでしまったという苦い想いがあるからでしょう。
その後悔の念が未だに残っているのでしょうね。
「でもね、穂乃果は結果的によかったと思ってる。 確かに、穂乃果は海未ちゃんやことりちゃん、みんなに迷惑をかけたけど、蒼君の気持ち、みんなの気持ちもわかった。 そして、穂乃果がずっと仕舞いこんでいた気持ちを打ち明けられた。 だから、すべてが悪かったって思ってないの」
「穂乃果の言う通りかもしれませんね。 みなお互いの気持ちを知らなさすぎた、故に互いを傷つけるほかなかったと言うこと。 ですが、今は違います。 お互いを知ることが出来たからこそ、今の私たちがあるわけなのですから」
「このまま、みんなの気持ちを知らなかったら、多分私は素直になれなかったと思うの。 みんな私よりもすごいんだって、ずっと決め込んで自分を追い込んじゃってた。 だから、こうして素直な気持ちになれてホッとしてるの」
そう嬉しそうに話をするみなさんの表情には、一点の曇りもないモノを感じられました。 これが成長した証しなのでしょうね。
「ではでは、写真の方もお願いしますね♪」
(カシャッ!)
〖2年生教室内にて撮影:高坂 穂乃果、南 ことり、園田 海未〗
「ちなみに、先程はどんなお話を?」
「あのね! これから蒼君と一緒にいる日程を考えていたの!」
「に、日程…………」
「これからは堂々と蒼君と一緒にいられるからね! ちゃんと決めておかなくっちゃ♪」
「え~っと、ことりは夜がいいなぁ~また一緒にお風呂に入れそうだし♪」
「私は……今のところ下校時で大丈夫です……一緒に帰れる時ほど落ち着いていられますからね」
「えぇー! そ、それじゃあ……う~ん、どうしようかなぁ………」
「あはは………蒼一さんの気苦労がまた増えそうですね………」
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―――
――――
さてさて、穂乃果ちゃんたちの話をずっと聞いていたら、太陽が沈んでしまいそうですね。 それでは、お次はどちらに行ってみましょうかな?
ここだとそうですね…………おや、中庭にちょうどいらっしゃりますね!
「すみませーん! お話をお聞かせ願いたいのですが!」
中庭のベンチに座っていましたお2人を見つけますと早速取材の準備を始めてしまいます。
それでは始めましょうかね――――
「あ、洋子ちゃん。 花陽たちに何か用かな?」
「あら、洋子じゃないの。 その感じだと、また取材ね」
「その通りなんですよ、真姫ちゃん。 是非とも今回の話を聞かせていただきたいのですが………」
「ええ、構わないわよ。 ちょうど、作曲も終わったことだし、花陽は?」
「うん、私も大丈夫だよ。 私に出来ることなら何でも聞いてね」
「はい! それではじっくりとお話の方を聞かせていただきますね♪」
真姫ちゃんは持っていた楽譜を一旦仕舞い、花陽ちゃんも準備を整えてくれました。
ではでは、始めさせていただきますね――――――
「私が思うに、真姫ちゃんが蒼一さんと同棲していたと言うことは、とても興味深いモノですが、逆に嫉妬されやすいことだと思うのですが、その辺はどうでしょうか花陽ちゃん?」
「ふえぇ?! わ、私ですかぁ?!」
「はい、以前に蒼一さんと一緒に暮らしたいと言う願望があったようなので、どうかと思いまして?」
「そ、そうだなぁ……確かに、蒼一にぃと一緒に暮らせるって考えたら嬉しすぎちゃうなぁ。 実際、私は嫉妬しちゃったし………真姫ちゃんが羨ましかったよ………」
「まあ、それが普通の事だと思うわ。 それは花陽だけじゃなくって、みんなも同じことを考えていると思うわよ。 けど、それがここまで酷いモノになるとは思ってなかったけど」
「うぅ……ごめんね、真姫ちゃん………」
「は、花陽が謝ることじゃないでしょ?! というより、私迷惑かけちゃったんだからお互いさまよ。 でもね、おかげで私は前より強くなった気がするわ。 弱気だった私から結構変わったと自分でも思うわ」
「むぅ……確かに、以前の真姫ちゃんよりも何と言いましょう、輝きを増した気がしますよ?」
「あら、そう言ってくれると嬉しいわ♪」
実際そうなのです。 以前の真姫ちゃんよりも、より積極的になったといいますか、気持ちが分かりやすくなったような気がするのです。 それが見た目にも大きく反映されてまして、彼女の魅力が高まったのです。
「花陽は……まだ、何も変わってないよ………自分に自信ないし、臆病になっちゃうし………」
「大丈夫よ、あなたも蒼一と一緒にいればきっと変われるわ」
「蒼一にぃと……?」
「えぇ、私は蒼一と一緒になれたから変わることが出来たのよ。 花陽も頑張りなさい。 出来るだけ蒼一と一緒にいられるようにね♪」
「う、うん! ありがとね、真姫ちゃん♪ 花陽、頑張ってみることにするよ!」
「その調子よ、花陽♪」
あー……何でしょう……私が入っていける余裕がまったくないような感じがして………ダメですね、これは入れないです。 いよいよ、2人の世界が作られる時が近いのでしょうか? いやはや、これは楽しみです♪
「あのぉ……最後によろしいでしょうか……?」
(カシャッ!)
〖中庭にて撮影:西木野 真姫、小泉 花陽〗
「ちなみに、蒼一さんとどんなことをしたらそんな感じに?」
「そうね……まずは、食べ合いっこするでしょ。 一緒にお風呂に入って身体を洗い合うでしょ。 そして、一緒に寝ることかしら? あと、おやすみなさいのキスも必要よ♪」
「いやいやいやいや、普通の女子高生が応える内容じゃないですよ?!」
「でも、私はそうやってきたからしかたないでしょ?」
「仕方ないと言われましても………あれ、花陽ちゃん?」
「花陽………? ダメだわ、気絶してる………」
「いくらなんでも刺激が強すぎたのですよ………」
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――
―――
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ふう、何でしょう………聞けば聞くほど、すごいことばかりを聞かされているような気がします………私の知らぬ間に、みなさんこんなにも成長をなさっていたとは…………いえ、成長し過ぎなのかもしれませんね。
さて、お次は………ん、もしかしたら………
ふと、とある直感が働きまして、アイドル研究部の部室の方に行けば、出会えるかもしれない何かを感じとったような気がします!
もしかしたら、これが希ちゃんの言うスピリチュアルパワーなのでしょうか?
まあ、行ってみないと分からないですね。
「――――失礼しまーす、っと。 おや、やはりこちらにいらっしゃいましたか!」
「あら、洋子。 どうしたのかしら?」
「ウチらに何か用でもあるん?」
「いや、ここはにこが言い当ててみるわ! そうね………ズバリ、私たちの事を取材しに来たのね!!」
「えっ! あ、はい、そうですけど……?」
にこちゃんは言い当てられたことに喜んでいるのか、ガッツポーズを決めてました。
あれ? 私が来ただけでそれだと判断しちゃうのですかね? 私も有名になりましたね~
「ちゃうで、洋子ちゃん。 にこっちはさっきから洋子ちゃんの事を見て、絶対に取材に来るに違いない! って言ってただけやからね?」
「ちょ、ちょっと希! バラさないでよ!!」
あ、そうなのですか………期待して、損した気分です………
それはそうとして、早く取材の準備をしなくては……!
「それでは、言葉通りに取材させていただきますよ♪」
「今回の件の黒幕って、本当に誰だったんだろうって感じていましたが、まさか希ちゃんだったとは………」
「そ、それを先に言うんかいな!?」
「そうね、そこは私も驚きだったわ。 まさか、希だったなんて知らなかった………」
「にこも失念していたわ………なんで希だけ大丈夫だったのか疑問に感じていた時に、真実が見えたんだからある意味手遅れだったわ」
「うぅ……思いだすと、めっちゃ胸が痛くなるわ………」
希ちゃんのあれは私から見ても意外でしたからね。 しかも、タイミングもバッチリな時の登場でしたから混乱が起きるのも当然でしたね。
「でも、よかったわ。 希も同じだったんだって、ちょっと安心しちゃった」
「ふぇ? どういうことなん?」
「にこたちがああなったのに、希だけならなかったら、これからどう声をかけたらいいのか分からなかったんだからね」
「純粋故に触れにくい、ってことですかね?」
「そうね、多分それが大きいかも………」
「ええぇ?! そうなん! それじゃあ、ウチが何もせえへんかったら、えりちやにこっちは…………うぅ……」
「えぇっ?! の、希?!」
「あ、アンタ何泣いてんのよ!?」
「だ、だってぇ………それやったら、ウチがまたひとりぼっちになるんやないかって思って………」
「「希………」」
すると、突然希ちゃんが泣き出しまして、一時騒然となってしまいました。
でも、仕方ないですもんね。 希ちゃんはかなりの寂しがり屋ですから………
「大丈夫よ、希。 あなたは絶対ひとりぼっちにはさせないわよ」
「そうよ、あれはもしもの話であって、現実じゃないんだから。 今はこうして一緒になってあげるから………か、感謝しなさいよね……!」
「えりち………にこっち………! うん、あんがと……!」
そう言うと、希ちゃんは2人の腕を掴んで引き寄せました。 そして、ギュッと抱きしめているのでした。
最初、2人は驚いていましたが、次第に慣れてきたようで、すっかり希ちゃんの言う通りになっちゃってますね。
「まあ、このままでも写真に収めても大丈夫ですね………?」
(カシャッ!)
〖アイドル研究部部室内にて撮影:絢瀬 絵里、東條 希、矢澤 にこ〗
「そう言えば、昨日の夜はお盛んだったと聞きますが、どういった内容でしたか……?」
「「「え゛っ…………!!!」」」
「おや? どうしましたか? 蒼一さんとナニかをしたのでしょう? お聞かせ願いたいのですがぁ~……?」
「そそそ、それはねぇ………ななな、何も無かったわよ………ね、ねえ、2人とも?」
「せ、せやなぁ………う、ウチらはただケンゼンに蒼一の家で寝泊まりしとってただけやし………な、なあ、二こっち………?」
「そそそそそ、そうねぇぇぇ………!! なななな、何も変なことなんて起こってなんかないもんね……!!」
「おや、そうでしたか………」
「「「そうそう、何も無かった!!!」」」
「そうですかぁ………いやですね、こんなところに、みなさんの喘ぎ声が収録されたモノがございましてね………? これはどなたの声でしょうか………?」
「「「う゛っ………!!!」」」
「しかし、違うと言うのであれば仕方ないですね……持ち帰って、もう一度確認して見ますね♪」
「「「ちょっ、ちょっとまってぇぇぇぇぇぇ!!!」」」
―
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―――
――――
うふふ♪ いやぁ~これで生徒会に大きな貸しが出来てしまいましたねぇ~♪
おかげで、私から奪ったデータをすべていただきましたことだし、それにお願いごとも聞いてくれるようになってくれましたし、結果オーライですね♪
さてさて、最後はやはりあの人ですね…………
長い階段を上って行きまして、扉を開きます。
そこはみなさんがよく知っての屋上です。
すばらしいくらいの風が気持ち良く全身に当たって、リフレッシュ出来たようです♪
「――――どうやら、全員に聞けたようだな」
すべてを見通されたような声が、背後から私に臨みますとその声の主に逢うために振り向きました。
「そうです、あなたが最後なのですよ――――蒼一さん」
不敵な笑みを浮かばせて私に段々と近付いてきますと、何か今までとは違った気配を感じ取り、一瞬身震いをしてしまいました。
何かが変わったのでしょうか――――?
そんな疑問さえも抱かせてしまうその姿に私は立ち向かうのです。
「それでは、お聞かせください。 あなたの本心を―――――」
「蒼一さんは、今回の一件をどう見てますか?」
「う~ん……そうだな。 正直に言えば、苦痛だったな。 何せ、アイツらが急に人格が変わるわ、仲間同士で争うわ、おまけに刺されるわ、薬で意識を朦朧とされるわ………あかん、考えてたら涙出てきた………」
「わー! わぁー!! どうしてそうなるんですかぁ?! というか、止めましょう! これ以上は、傷口をナイフで抉られそうだから止めましょう!!」
「………はっ………! いま、突き落とされるところを思い出した……」
だから、もういいですから!! こっちが泣きたくなってしまいますからァァァ!!!
というか、一体どんなことをされてきたというのですか?! 私が聞いていた以上の事が出てきて、もういっぱいいっぱいなのですが!!?
「……まあ、気分を落ち着けよう………」
「そうですよ……普通にお願いしますよ………」
「そうだな………確かに、苦痛だったかもしれないが、おかげで自分の気持ちに正直になれたし、アイツらの気持ちもわかったから、まずまずと言ったところかな?」
「へぇ~……やっぱりみなさんは、言うことがほとんど同じなんですね」
「なに?」
「いやですね、私も同じような質問を投げかけてみたのですが、こぞって『よかった』って言うのですよ。 いや、不思議ですねぇ~」
「ふ~ん、アイツらが同じことを………」
その時、蒼一さんが少し微笑んでいるようにも見えたのですが、すぐにその表情では無くなったので、気のせいなのかもしれないと思いました。
「蒼一さんはアレですか? 一気に彼女が8人出来て幸せだったりしますか?」
「なんて言えばいいのかなぁ……まだ、実感が湧かないんだよなぁ………確かに、俺はアイツらの彼氏になったってことになるのだが、俺自身はいつもと変わらない関係なんだと思ってる。 いつもそこにアイツらがいて、楽しく遊んで、馬鹿やっていられる、そんなごく普通な関係だと思っているんだ。 だから特別、大きく変わったんだってことは無いって思っているんだ」
眉をひそめるような苦笑いをして語りだすのですが、それでも、屈託のないような笑みにも見えて何だか羨ましい感じがしました。
「そんなこと言って、今のあなたはとても幸せな表情をしていますよ」
そう言ってあげますと、照れくさそうに頬を掻いていました。 そういう愛嬌を見せられるくらいに、いまのあなたは輝いていますよ。
「それじゃあ、最後に。 蒼一さんは、この先ずっと、彼女たちを愛し続けますか?」
こうした質問に、蒼一さんは一瞬悩んでいる様子を見せますが、すぐに笑って応えてくれました。
「俺がいつまでアイツらを愛し続けていられるか何て分かりやしない。 突然、何かの拍子で出来なくなってしまうかもしれない。 人間は脆く儚い生き物だから――――――
――――それでもな、俺のこの生命が使い果たせる限り、俺はアイツらの事を愛し続けてやるんだよ。 何故なら俺は―――――
―――――アイツらの彼氏だからだ!」
そう、自信満々に応えて下さったあの笑顔が今でも忘れられませんでした。
「では、これで最後です」
(カシャッ!)
〖屋上にて撮影:宗方 蒼一〗
こうして、この話に幕が閉じられるのだった。
―
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―――
――――
いかがだったでしょうか?
これが彼女たち、μ’sとその指導者、宗方 蒼一と滝 明弘に起こってしまった悲劇の物語―――――
とても、見苦しいモノがあったかもしれませんね。
しかし、これは彼女たちの1年の中で起こった、ほんの半月の出来事に過ぎないのです。 それから彼女たちはどのような学校生活を送り、人生を歩んでいくのか……そうしたことが大きく変わるのは、この1年間なのです。
できれば、私の手でもう少しお話しさせていただきたかったのですが、お時間が来てしまったようです。
またいつか、こうしたお話が出来ることを切に願いたいものです。
はい。
私が保管しているファイルはまだございますから、気が向き次第、開いて眺めて参りたいと思います。
それでは最後に、このファイルのエピローグをご覧くださいです。
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―――
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『うわああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
「な、何なんですかぁ?!?」
蒼一さんの写真を撮り終えたその時、屋上の扉から雪崩れるように彼女たちがやってきたのでした!
「まったく、また盗み聞きかよ………んで、今度は何しに?」
「えへへ……ちょっと、蒼君の事が気になるって海未ちゃんが………」
「んなっ!? どうして人に押しつけようとするのですか穂乃果!! 元はと言えばあなたがいい出したではないですか!!」
「まあまあ落ち着いてよ2人とも、そういう海未ちゃんだって蒼くんのことが気になるって言ってたよね?」
「こ、ことり……! な、何を言って……!」
「往生際が悪いわよ、海未。 あ、でも否定するのなら、私が蒼一をいただいちゃうわよ?」
「え、絵里まで……!」
「ちょっと、絵里!! 蒼一と一緒にいるのは、このにこよ! にこが隣にいるのが当たり前なんだから!!」
「いやぁ……にこっちだと心許ないもんなぁ………」
「ちょっと、希? どこ見て言ってるのかしらぁ……?」
「しょうがないわねぇ~。 いいわ、蒼一は私が貰っていくから、以上」
「ええぇっ?!! 真姫ちゃんが貰って行っちゃうのぉ!!? だ、だめぇぇぇ! そ、蒼一にぃは花陽と一緒にいるんですぅぅぅ!!!」
「あっはっはっはぁー!!! カオスだなぁ~兄弟ィィィ!! そして、羨ましいぞコノヤロォォォォォォ!!!」
「あはは♪ 凛は、こういうかよちんや弘くんやみんなが大好きにゃぁ♪」
「何なんですかこれは? 入って来て早々、ドリフの大爆笑並のドンチャン騒ぎって、ちょっとしたカオスですよ!! どうするんですか! これ止められませんよ!!?」
「まあ、落ち着けって。 こう言う時は、アレがいい」
「あれ?」
アレとは一体何なのでしょうか? しかし、蒼一さんは自信満々にそう言ってくださったので、まあ、何とかなるとは思いますが………
「おい、お前ら!! こっちに来て――――――――――」
「なるほど、記念撮影ですか」
「それだと、みんな落ち着くだろうからな。 それがいいと思ってよ」
「しかし……蒼一さんの周りにみなさんが………まるで、花弁みたいにくっ付いてますね………」
「穂乃果、もう少し離れて下さい……!」
「だめだめ! これ以上はむりぃ~!!」
「わぁ~い、蒼くんのと・な・り♡」
「むぅ……もう少しだけ近付きたかったわ……」
「ウチは背中で十分やで♪」
「じゃあ、にこは肩にするにこ♪」
「それじゃあ、私は腕にしちゃおうかしら、うふふ♪」
「蒼一にぃにくっ付ければ十分ですぅ~♪」
「みんな楽しそうだにゃぁ~♪」
「楽しい一時が一番だからな!」
「おや、そろそろカウントダウンですよ!」
「それじゃあ、みんなでやるか――――!」
『9』
『8』
『7』
『6』
『5』
『4』
『3』
『2』
『1』
『ハイ、チーズ!!!!!!!!!!!!』
(カシャッ!)
〖屋上にて撮影:μ’s、宗方 蒼一、滝 明弘、そして、私〗
今日は、なんて素晴らしい夏景色なんでしょう―――――!
~Go to the Next Storys~
ドウモ、みなさん。うp主です。
半年間、読み続けてくださいまして、ありがとうございました!!
これにより、『【蒼明記・外伝】カメラ越しに映る彼女たち――― 』の執筆は、これにて終了となります。
短い間でしたが、お付き合いしてくださりありがとうございました!
後書きの方は、また後日に、この話のすべてを書き綴ってから御出し致しますので、エンドロールまでが1つの作品なので、よろしくお願いいたします!!
そして、半年の休載を経て、ようやく再始動を迎えます本編にて、またお会いしましょう!