ペロロンチーノの災難 original end~モモンガによろしく~ 作:善太夫
この結末は作者の私が望んだものではありません。
この結末に至るにはいくつか条件がありました。
一つ、本編にてアインズ・ウール・ゴウン魔導王国が建国される
二つ、本編において最後までペロロンチーノが登場しない
三つ、本編においてペロロンチーノが魔導王国を訪れる事を誰も語らない
これらの条件が成立する時、三から分岐する物語の結末として『ペロロンチーノの災難』が完結する事になります。
しかしながらこの結末は『ペロロンチーノの災難』を読んできてくれた方々を裏切る内容でもあるので、一つの結末の形『original end~モモンガによろしく~』として独立したものとさせて頂きました。
これらの事情を考慮の上でお読み頂いたら有り難く存じます。
『全くひどいめにあった…』
やっとの思いでバハルス帝国にたどり着いたペロロンチーノはため息をついた。
帝国の首都はどこもかしこも活気に満ち溢れていて、皇帝ジルクニフ・ルーン・ファーロード・エル=ニクスの治世の確かさを象徴していた。
市場には品物が溢れ、行き交う人々の表情はみな明るかった。
王国の様子を曇り空とすると、帝国はまさに夏の晴れ渡った青空といえた。
『さて…どうするか?』
目下の重大事は枯渇した資金をどうするか、である。
数時間で手っ取り早く大金を稼ぐなんて虫のいい話があれば良いのだが、現実はそうはいかない。
今までのように魔術師組合に登録するのも良いのだが、まずは何か他の方法を探してみたい。
正直なところ魔術師組合には少し飽きてしまったのだ。
いっそのこと第五位階魔法まで使用出来る事を公言しようかとも思ったが、この世界では一般的に第三位階魔法を習得した者ですら、驚嘆される存在であり、また、この帝国の伝説的英雄、フールーダ・バランタインですら第六位階魔法しか使えないそうだからかなりの話題となるかもしれない。
かといってあのカッツェ平野で目撃したように超位魔法を使える存在もあるのだから、まだまだ自重すべきだろう。
なにしろ現在のペロロンチーノはユグドラシル時代では最弱の部類に過ぎないのだから。
やがて街の中央にやってきた。
大きな建物―古代ローマの円形競技場に良く似ていた―コロッセウムが見えてきた。
中からは群集の歓声が響いてきていて、なかなかの盛況ぶりであった。
観覧にあたって無料の席もあるとの事、せっかくだから覗いていく事にした。
あわよくばこれに参加して賞金を獲得するのも良いかもしれない。
冒険者チームとモンスターとの戦いが終わり、次の対戦を知らせるアナウンスがされた時、観客のほぼ全員が熱狂しだした。
どうやら武王というのはこの競技場の絶対的王者としてとてつもない人気を博しているらしい。
その対戦相手が告げられた瞬間、ペロロンチーノは耳を疑った。
アインズ・ウール・ゴウン????
一体どういう事なのだろう?
何故、アインズ・ウール・ゴウンの名前が?
挑戦者が姿を現した瞬間、ペロロンチーノは思わず叫んでいた。
『モモンガさん!!!』
※ ※ ※
試合は呆気なく魔導王アインズ、いや、モモンガの勝利に終わり、武王は絶命した。
アインズはマイクを手にすると観客に向かい語りかけた。
『聞け!帝国の民よ!私はアインズ・ウール・ゴウン魔導王である!』
アインズの演説は続いていた。
ボンヤリと痺れた頭でアインズの演説を聞きながら、ペロロンチーノはアインズ・ウール・ゴウン魔導王国、エ・ランテルへ向かう事を心に決めるのだった。