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現実世界へと、謂わば里帰りみたいなことをした翌日の昼前。俺はまたヴィタリーさんの研究所へとやって来た。
理由は、“俺が本当にISを動かせるのか?”をテストするタメだ。何せ、昨日の一件をスコールさんがヴィタリーさんに話したことが引き金になって、史上初の男性IS操縦者の誕生となれば大事だから、その前にISを動かせるか確かめる必要があるのだ。
一方のスコールさんは、現実世界に残していた亡国の生き残りや機材等をセンチネルへ移すために、人手を集めて今朝出発して今は留守だ。
昨日使った例の装置は、その日のうちにヴィタリーさんが改良を加えて、今度は行き先も設定出来るようにしたらしいから、取り敢えず一安心。
ヴィタリー「では始めようか」
そんなワケで用意されたのは、思いの外第二世代のIS“ラファール・リヴァイヴ”だ。第三世代もここ(IS開発研究部門)では多く開発されてるけど、いきなりそんなの触らせるのは流石に良くないという魂胆でコイツで試すこととなった。
っていうか、“昨日のはマグレであって欲しい。”その言葉がただ頭の中をぐるぐる回っている。
あれはマグレだったんだ、システムのトラブルだったんだ。そうだ、それに違いない!だから今度ばかりは反応する筈が無い!!
ヴィタリー「イチカくん、早くしてくれんか?」
イチカ「あっ、すみません」
って実験で来てたの忘れてた!
……、とにかくISに触ればいいんだな。
≪トンッ≫
取り敢えずISに触った。ここまでは良い、問題はここから……
≪パアァアアアア……≫
ISがあの時と同じように、機械音と共に光り出した。
やはり、ISが俺に反応してるのは間違いない。
ヴィタリー「やはり、反応があるんだな」
イチカ「じゃあ、俺もISに乗れるってことですかね?」
ヴィタリー「そういうことになるかな?
だが、イチカくんの身体検査の結果は至って普通の男と変わらないそうだからな。何故かな?」
ヴィタリーさんはそう言いながら、事前に行なった身体検査の結果を確認して頭を抱え込んだ。やっぱりヴィタリーさんでもお手上げみたいだ。
それにしても、なんで男の中で俺だけがISに反応するのか?理由は分からず、謎は深まるばかり。
それから俺は、ヴィタリーさん達と研究所内で昼食を済ませてから王城へと戻った。
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王城の王妃様の謁見室。そこには王妃様以外にミール、更にクロエ姉さんやソニアさん、そしてティアさんとフリーゼさんが今日の検査結果を聞こうと待っていた。
王妃「早速だけどイチカ君、今日あった検査の結果を報告してくれるかしら?」
イチカ「はい、それが……」
そして俺は今日あった結果を全て報告した。
王妃「やはり、イチカ君には反応するのね」
ミール「けれど、何故イチカには反応するのか不思議ね」
ソニア「そうよね、イチカも男なのに」
クロエ「実の姉上が関係しているんじゃないんですか?
イチカの実姉は世界最強の女性とか聞きましたよ」
フリーゼ「確かにそうだけど、それが決め手になるとは限らないわ」
ティア「そうね、明確な証拠も無いし。何よりトゥイニャーノフ博士がお手上げなら、私達にも解決出来ないわ」
確かにな。
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≪ガチャッ≫
スコール「お忙しいところ、失礼します」
そんな中、部屋へ入って来たのはスコールさんだった。
王妃「どうかしましたか?こちらは今取り込み中ですから、後でなら伺えるのですが」
スコール「それは勿論承知です。ですが、どうしても皆様とお会いしたい方がお見えになっておりまして」
ミール「今じゃなきゃダメなのかしら?」
スコール「はい。“どうしても今で無くてはならない。”っと、本人が納得しないもので……」
ソニア「誰かしら、知ってる人は居ないの?」
王妃「私も知らないわね。皆さんがご存知な方かしら?」
スコール「残念ながら、ここにいる方で知ってる方は居ないでしょうね」
フリーゼ「私は王妃殿下のスケジュールは熟知してるけど、今の時間帯に面会のある者は居ないわよ」
なんか会いたい人が来てるそうだけど、心当たりのある人は誰もいない。
クロエ「じゃあ誰が……」
王妃「構わないわ、お通し下さい」
そんな誰なのかも分からない中、その空気を破ったのは王妃様自身だった。
ミール「えっ、本気ですか母上!もしかすれば賊かも知れぬのですよ!!」
イチカ「そうですよ!ここは我らにお任せを!!」
王妃「それも一つの手でしょう。しかしながら、この国の責任者はこの私です。どうするかは私自身が判断します」
賊の可能性も少なからずあり得るから必死に止めようとしたけど、王妃様は口を聞かずに相手を招き入れることにした。
そして……
「大変お忙しい中に勝手な御無礼をお許し下さい王妃殿下、どうしても皆様と話がしたく参ったものですから」
入って来たのは60歳くらいで上下共スーツのご老人だった。
王妃「それは構いませんが、随分変わった格好ですね。あなたは、何者ですか?」
「まだ名乗っていませんでしたね、これは失礼を致しました。
私はあなた方で言う異世界、地球より参りました轡木 十蔵(くつわぎ じゅうぞう)。IS学園の学園長を務めております」
どうやらこのご老人、何でもこの前現実世界で見たISに乗る人達を育成する学校の偉い人だったみたい。
ってことは、ひょっとして俺に関して話に来たのか?ってかどうやってここへ?
ミール「IS学園?何なのそれ?」
スコール「IS操縦者を育成する学園よ。この人はそこの最高責任者ってわけ」
クロエ「そんなところの責任者が何故ここにいるんだ?」
ソニア「もしかして……」
スコール「ごめんなさい、それについては私が説明するわ。実は……」
それからスコールさんはワケを語りだした。
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なんでも向こう(現実世界)で亡国狩りを逃れたアジトから、生き残った人間とISやその修理等に必要な機材を運び出してこっち(センチネル)へ戻ろうとした時、偶然亡国のアジトを突き止めてやって来たIS学園の部隊と遭遇して戦闘になり、目的は果たしたもののスコールさんはソイツらに捕まってしまったみたい。
それでこれから学園へ連行される矢先にこの学園長が姿を現して、“君は織斑 一夏の居場所を知っているね?この前テレビに君の顔が写っていたから分かるのだよ。
もし私を一夏君に合わせてもらえるのなら、君を自由にしよう。どうかな?”
っとか言われて、“ならばあなただけが来るのなら合わせても良いわよ。あなた一人で、来るのならね?”ってスコールさんが返した返事に本人が了承してこっちに連れて来て今に至る、らしい……
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ミール「成る程、これは厄介ね」
ソニア「そうなると話を聞かないワケにはいかないけど、聞いたら聞いたで面倒ね」
フリーゼ「確かに。もし対応を誤れば、イチカが人体実験の材料にされるのもあり得るしね」
十蔵「とんでもございません、そのような考えは全くありません。ですが、織斑 一夏君を…いえイチカ君にIS学園に入って頂きたいので、その交渉に伺ったワケです」
イチカ「えっ、俺…というより、自分ですか?」
十蔵「その通りですイチカ君、君は男性で唯一ISを使える方。出来れば我がIS学園でISについて学んで頂こうと思いまして」
それかよ……
ミール「それはとても出来ない。何せイチカは私の大事な夫だし、騎士団の副団長だ。
それにそんな事の為だけに長期間国を留守にしてもらっては、ロンバルディアが攻めて来た時に居ないのでは、我が国としても近隣国家としても危険だ」
ソニア「そうね。確かにイチカは重要な戦力だから、いざという時に不在は困るわね」
確かにな。
でも、もう一度学生時代に戻りたいって気持ちも捨て切れなかったしな。
だけどロンバルディアが来た時には流石に困るしな……
十蔵「それはここへ来る道中に何度と聞きました。私としても、我々の身勝手な理由であなた方にとって重要なイチカ君を引き抜くわけにはいきません」
王妃「それではどうなさるおつもりで」
十蔵「我がIS学園は全寮制ですが、イチカ君にはこちら側から通学して頂き、こちらで何かあればそちらを優先して頂きます。更に、何かあった時にあなた方へご連絡出来るよう、連絡役を兼ねて護衛に最低お一人付けて頂きたいのです」
ミール「成る程な、それなら悪い話ではないな。それで、連絡役兼護衛はこちらで選べば良いのか?」
十蔵「勿論です、そうして頂けると助かります」
ソニア「それはまだしも、ここで私達と話したことはどうするのですか?まさか、口外すると言いませんよね?」
十蔵「滅相もありません、そのようなことは決して致しません。ですが、どこで話したか問われるかと思われますが……」
オイオイ、そんで“異世界で話した”やら言えば厄介なことになるぞ!どうするんだよ!!
フリーゼ「その際はどうするおつもりで?」
十蔵「その件については考えがございます。
実は一週間程前に、ロシア連邦が保有する樺太と千島列島全域を放棄すると発表し、現在までその領有について各国首脳会議で揉めていたのです。これを機にその二つをあなた方アストロリアス側の領土として、新国家の建設を考えているのですが……」
ミール「つまり、それで誤魔化すと?」
十蔵「その通りです」
クロエ「信用出来ないな、そんな事が出来るとは到底思えん」
確かにな……
十蔵「ご心配無く。私は顔が広いので、私の一言さえあれば、明日にも実行出来ます」
王妃「うーん……イマイチ信じ難いのですが、あなたがそう言うのなら、お任せしますわ」
十蔵「ありがとうございます」
そう言って相手は帰って行った。
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イチカ「大丈夫なのでしょうか?」
正直不安だ、信じて良いのかわからない。
王妃「私も信じていませんが、ここはあの方にお任せするとしましょう」
良いのかな?まあ、そう言うのなら別に否定しないけど……
イチカ「それで、付き添いは誰に?」
王妃「そうね……ミールにしましょうかしら?」
ミール「えっ、私ですか?」
王妃「ええっ。あなたはイチカの事を誰よりも知ってるし、何よりもイチカ君の奥さんだからね」
ミール「でも、私は機械とかは苦手ですが……」
イチカ「俺もミールが一緒なら良いよ、その方が俺も安心出来るし。それに、分からなければスコールさん達が教えてくれるだろうしね」
スコール「そうね、だったら構わないわよ。一から全て教えてあげるわ」
ミール「……、分かった。だったら行こう、イチカと一緒に」
イチカ「宜しく、ミール」
ミール「ああっ、お互いな」
そんなワケでこれで大方決まった。
更にその後、念の為にマドカも一緒に行くことが決まった。
更に後日、あの轡木さんから樺太と千島列島の件が通ったことが告げられ、更にその直後、俺がISを使えることが地球全体に発表されて俺は…いや俺達はIS学園へ通うことが決まった。
出来ることならミルドレットの顔とか書いて作品内に貼ろうとか思うのですが、絵の才能が無いから書こうと思っても仕方ないんですよね……(-_-)
っというワケで次回はとうとう原作編へと突入…なのですがまず、特別編として帝国側のキャラの話とか書こうと思います