ワンサマー・オブ・ナイト   作:Bloo-D

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原作に入る前に番外編としてこんなの書いてみました。

最後のを除いて全て会話のみなので、描写等は皆様の想像にお任せします。


原作編 Ⅰ
特別編


【帝国の者達】

 

 

 

ゲオルグ「やれやれ、またしても撤退とはな」

 

デューク「呆れたな、お前達には」

 

ゲオルグ「何だと?」

 

デューク「“今度ばかりはどうしても無謀だ”っとあれ程言ったにも関わらず、忠告を無視して手酷くやられて逃げ出すとはな。

オマケに、帝国最強と名高いゼストもこのザマか」

 

ゼスト「あぁん?!テメェみてぇな戦いに参加したりもしねぇ臆病者風情に言われたかねぇな!!」

 

デューク「お前のような敗残者ごときに言われたくは無いな」

 

ゼスト「んだとテメェ!!」

 

ゲオルグ「よさんかゼスト、敗走したのは紛れもない事実だ。否定したところで立場が危うくなるだけだ」

 

ゼスト「アンタもアンタだろうが!オメェが撤退なんざ命令しなけりゃ今頃あの炎騎士を血祭りにしてたってのによ!!」

 

ゲオルグ「言い訳なんか聞きたくもない。

ベアトリス、ゼストを医務室に連れて行け。抵抗しようものなら、手足の1,2本なら折っても構わんぞ。後で治せばいいのだからな」

 

ベアトリス「了解」

 

ゼスト「畜生!離せ!離せぇええええ!!」

 

 

ゲオルグ「それにしても、何故あいつの面倒を見なくてはならぬのだ?」

 

デューク「ゼストのことか?」

 

ゲオルグ「当たり前だ。あんな手の掛かる奴、お前やネビリムのお守りにすればいいものを……」

 

ネビリム「それは出来ない相談ね」

 

デューク「お前、一体いつからそこに居たんだ?」

 

ネビリム「ゼストが連れてかれたところからよ。

言っておくけど、あんな聞き分けも行儀も悪い五月蝿い坊やなんか要らないわよ。別に一人でも問題ないし」

 

ゲオルグ「あのな……」

 

デューク「私は部下は足りてるし、何よりあんな暴れ馬を手懐けられるのはお前だけなんだぞゲオルグ」

 

ゲオルグ「チョット待て、ではゼストの面倒をさせられているのは……」

 

ネビリム「あなたしかあの坊やに言うことを聞かせられないからよ、人間って皮肉ね」

 

ゲオルグ「……(なんだ、この擦り付けられてる感覚は?)」

 

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【帝国の者達②】

 

 

 

ゲオルグ「おいヨアヒム」

 

ヨアヒム「おやおやこれはゲオルグさん、また珍しいお客ですね。

なんですかご用件は?」

 

ゲオルグ「ゼストのことだ、あいつを手懐けるのに散々骨を折ってるのだぞ。

なんとかあいつの性格を変えられるような薬やらなんやら作れんのか?」

 

ヨアヒム「それは無理な相談ですね。記憶を無くさせる薬は難なく作れますが、性格となりますとそうは実験しない限りは出来ませんね」

 

ゲオルグ「だったら早く実験すればいいだろ。この国、もとい軍には実験材料になる輩が幾らでも居るだろが」

 

ヨアヒム「何言っているのですかあなたは!そんな事出来る筈が無いでしょ!!」

 

ゲオルグ「お前な、これまで多くの輩を実験台にしておいてその言動は無いんじゃないか?」

 

ヨアヒム「あれは帝国外からの捕虜達だったから良いですが、同胞をそんな実験に使うつもりは毛頭ありません!」

 

ゲオルグ「お前、そこだけは徹底してるのだな……」

 

ヨアヒム「何ですか一体!人のやり方にケチつけるのですかあなたは!!」

 

ゲオルグ「はぁ、もういい……」

 

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【帝国の者達③】

 

 

 

皇帝「フン。ゲオルグめ、軍最高指揮官にも関わらず敗走するとは、役立たずが」

 

ネビリム「仕方ないことではありませんか?」

 

皇帝「何だと?」

 

ネビリム「あの男は平民上がりの将軍でエクセラとやらの元部下。軍隊の指揮の才はあっても、いざ部隊が混乱すれば撤退しか出来ない男ですからね」

 

皇帝「確かに、あの帝国の裏切り者で売国奴な親不孝者の配下ならそれもそうか。ではあのような能無しは死刑に処すかルーベンスの実験材料にすれば……」

 

ネビリム「水をさすようで申し訳ありませんが、あの者が居なくてはゼストの坊やは自分勝手に暴走して、何れはあなたの座をも奪い来るかもしれませんよ。それでもよろしいのですか?」

 

皇帝「むっ、それは余としても困るな」

 

ネビリム「それにあのヨアヒムとかいう奴は、“同胞らを実験道具に使わない”っと言ってましたし。

オマケに、ゲオルグ以外に軍最高指揮官になりたいという輩は一人もいないのですよ?」

 

皇帝「なんだと?捕虜共を実験台に使うときは目の色変えてやりたがると言うのに、図々しい奴め。

それよりも、軍最高指揮官にはバンタレイ公爵に首を挿げ替えれは良いだろ?奴は軍事には優れた才能を持つ男の筈だぞ?」

 

ネビリム「それはそうなのですが、本人は“私がやるよりゲオルグの方が向いている”と言っているのです」

 

皇帝「はぁ、やむを得まい……。

では軍最高指揮官の座はあのゲオルグに任せるしかあるまい……」

 

ネビリム「適切な判断ですね(ふふっ、いい調子ね。これなら、センチネルの蛆虫共に復讐する頃にはスッカリ心も身体も深淵の闇に囚われてることでしょうね)」

 

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【王国の者達】

 

 

 

フレン「あっ、ユーリじゃないか」

 

ユーリ「ん?フレンか、どうしたんだ?」

 

フレン「実は、たった今野菜スープを作ってみたからご馳走したくなってね。しかも副団長からの梃入れもあるから、味に関しては自信があるよ」

 

ユーリ「本当か?の割りにはスープが紫色に変色してやがるぞ、オマケに妙な匂いもすんだが……」

 

 

イチカ「あれ?ユーリさんにフレンさん、こんな所でどうしたんですか?」

 

ユーリ「!(何でこんなタイミングの悪いとこに来るんだよ!)」

 

フレン「これは副団長、実はこの前副団長から教わったスープを作ってみたのですが、如何ですか?」

 

イチカ「本当ですか?では一口」

 

ユーリ「チョット待てえぇええええ!!」

 

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【王国の者達②】

 

 

 

ミール「イチカ!イチカは何処だ、無事なのか?!」

 

ヴィタリー「心配は無用です、イチカくんは今応急処置中です。命に別状ありません」

 

クロエ「まさかと思って強力な胃腸薬を常備しておいたのが功を奏しましたよ。何せイチカときたら、よりによってたった一口で轟沈したとローウェルが言ってましたし」

 

ヴィタリー「私は医療も詳しいから色々な患者を診断してきましたが、あそこまで皮膚が麻痺して酷く痙攣を起こすような患者は初めて見ました。

余程残酷な料理…もとい、食中毒だったのでしょうね」

 

ミール「なんということだ、可哀相に…イチカ……」

 

 

ユーマ「すみませんが急病人を搬送しますので、道を開けてください!」

 

ティア「すぐに治療してあげるから、それまでの辛抱よイチカ」

 

イチカ「……(ああっ…お花畑が見える……)」

 

ミール「イチカ、頼むから目をあけてくれ!イチカ!イチカあぁああ!!」

 

 

クロエ「それにしてもイチカのヤツ、相変わらず警戒もしないとは……仲間とはいえ気を抜き過ぎにも程があるぞ」

 

ヴィタリー「以降は、フレン隊長は他の人と料理をしてもらった方がよろしいのでは?」

 

クロエ「そうだなトゥイニャーノフ、私の方から姉さんに進言しておく。

待ってろよイチカ、お前の犠牲は…絶対無駄にしないからな!」

 

ヴィタリー「チョット、イチカくん辛うじて生きてますよ?」

 

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【王国の者達③】

 

 

 

イチカ「うへ〜〜、危うく三途の川渡るとこだった……。

っというか何入ってたんだ、あのスープは?

まだお腹がムカムカするし、頭痛が治らない……」

 

ティア「ホントあなたって、仲間だからって警戒もしないなんて、情けないわね」

 

イチカ「でも…確かに俺が手伝ってマトモな味になったってのに……なんでああも酷くなるわけ?」

 

ティア「あなた知らないの?フレンったら、ユーリ曰く殺人兵器並の味覚を持つ悪魔らしいわよ。しかも本人自覚が無いから、料理でも作れば一瞬で世界が血で染まるらしいわ」

 

イチカ「そんな話、聞いたこと無いんですけど……」

 

ティア「これ結構有名な話よ、あのミールも騎士団全体に注意するよう呼び掛けてるのだけど、今回は明らかに自業自得よ」

 

イチカ「うう……」

 

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【王国の者達④】

 

 

 

イチカ「なあマドカ」

 

マドカ「どうしたのお兄ちゃん?」

 

イチカ「前に言ってた俺と姉さんを恨んでた理由についてなんだけど……」

 

マドカ「ああっ、あれね。

実はパパとママはね、私と千冬お姉ちゃんに愛情をたっぷり注いでたそうなんだけど、お兄ちゃんには愛情どころかご飯もあげなかったそうなの。“わたし達は女の子が欲しかったのに”って理不尽な理由でね。

それを千冬さんが黙っていなくて、“私の大事な家族に愛情を与えないお前達など、親でも家族でもない!今すぐ出て行け!!”って怒鳴って殴られた事を理由に、パパとママは私を連れて家を出たの。これが、お兄ちゃんと千冬さんを恨んでた理由よ。

でも、今考えてみれば、お兄ちゃんに愛情を注がなかったパパとママが憎いけどね」

 

イチカ「そうだったのか。それでマドカが亡国企業に入ったのはなんで?」

 

マドカ「世界を回ってる時に、パパとママが亡国企業に勧誘を受けたのがキッカケよ。でもそれから暫くして、パパとママは亡くなったわ、企業内であった実験の爆発に巻き込まれてね」

 

イチカ「そうなのか」

 

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【凶戦士の復活】

 

 

 

センチネルの遥か東にあるとある遺跡。

 

そこに封印されるかのように埋葬されてる戦士がいた。

 

名はバルバトス・ゲーティア。彼は大昔、当時のセンチネルを支配していたネビリムを討ち取ろうと活躍していた勇者達相手にたった一人で挑んだとされる戦士。

 

バルバトスは誰かの為に戦ったワケではない。

『タダ強い戦士と戦いたい』

それがバルバトスが戦う唯一の理由だった。

 

バルバトスはごく普通の人間であるにも関わらず、人間離れした力と戦闘能力を有していて、幾度も勇者達と互角以上に渡り合ったとされる。

 

しかし、バルバトスは勇者達の手で討ち取られ、古代人はバルバトスが二度と復活出来ないよう何重にも遺跡に封印を施して埋葬したとされている。

 

せめて安らかに眠るようにと願いを籠めて……

 

 

だが……

 

≪ドクン……≫

 

『む?』

 

≪ドクン……≫

 

『なんだこの鼓動は?』

 

≪ドクン……≫

 

『この渇きは?』

 

≪ドクン……≫

 

『そうだ、俺が求めるのはこんな牢屋みたいな棺に眠り続けることではない。俺の渇きを癒す者だ』

 

≪ドクン……≫

 

『そうだこの鼓動は、俺の渇きを癒す者が現れた証だ』

 

≪ドクン……≫

 

『俺はここで永遠に縛られる存在などではない』

 

≪ドクン…ドクン…ドクン……≫

 

『俺は自由だ!俺の居場所は…ここではない!!』

 

≪カッ!ズドガアァアアアア……!≫

 

 

長き時の流れで朽ち果て、脆くなった遺跡と封印はバルバトスの力を抑え付けることが出来ずに崩壊。

その崩壊した遺跡から、身の丈もある巨大な斧を片手にバルバトスが姿を現した。

 

バルバトス「ぶるあああああああああああああああああああああああああああああああッ!!

俺は!俺の渇きを癒すために!再び蘇ったぞ!!

待っていろ!双天の鎧を纏う勇者よ!今度こそ貴様を殺し尽くしてくれるわ!!

フハハハハハハハハハハ!!!」

 

太古に封印された凶気の戦士バルバトス。己の欲望を満たすために……今…復活した……

 




なんか日常的な話も書きましたが、結局イチカ達の話に加え、先へと繋がるような話も書いてみました。

次回は…原作キャラの特別編、主に男性初のIS操縦者が発覚する辺りの話でも書こうと思います。
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