バルバトス「さあ!死合うとするか!!」
イチカ「そうは行くか!」
バルバトス「スキだらけなんだよぉ!!」
≪ブンッ!≫
イチカ「ぐっ!」
バルバトス「今死ね!すぐ死ね!骨まで砕けろぉ!!」
≪ドガッ!≫
イチカ「うわ!?」
サッサと片付けようと正面から攻撃を仕掛けようとしたけど、大きく薙ぎ払って怯ませ、真下からかち上げられてそこからの連撃で飛ばされてしまった。しかも一撃一撃が重い。
イチカ「くっ!」
クソッ!ぬかったか!!
イチカ「ならば、裂空斬!!」
≪ザンッ!≫
バルバトス「ぬう!」
イチカ「更に、火炎裂空!!」
≪ゾンッ!≫
バルバトス「ぐはぁ!」
イチカ「まだまだ行くぞ!空牙昇竜脚!!」
≪ザンッ!≫
バルバトス「うはぁ!」
お返しとばかりに連撃で技を叩き込み……
イチカ「これでもくらえ!
燃え上がれ!紅蓮の刃!
荒ぶる王の剣技!魅入る者すべてを解き放つ!
殺劇舞荒剣!!」
≪ザンザンゾンッザンザンッ!≫
バルバトス「うおぉ!」
剣が炎を纏った相手を大きく吹き飛ばす乱舞剣技の大技、殺劇舞荒剣を叩き込んでやった。
イチカ「どうだ?!」
バルバトス「甘いわ!破滅のグランヴァニッシュ!!」
≪ドガアァアアアア!≫
イチカ「ぐはっ!」
やったかと思えば、今度は地面が揺れた思った矢先にトゲが迫り出してやられてしまった。
バルバトス「フフフ…まぁ少しはやるようだな……」
イチカ「この強さから見るとこお前、砦の守備隊を壊滅させた犯人だな?」
バルバトス「砦…守備隊?
ああ、あの小物共か。確かにあいつらを殺ったのは俺だ、だが俺の渇きを満たすには至らなかったがなぁ」
成る程な…だったら尚更退くワケにも行かんしタダで済ますワケにも行かん!
イチカ「爆炎剣!」
≪ザンッ!≫
バルバトス「ぐうぅ!そんなのが通じるものか!
微塵に砕けろッ!ジェノサイドブレイバー!!」
≪ドゴオォオオオオ !≫
イチカ「うわ!」
爆炎剣で攻撃したものの、すぐに反撃を喰らって……
バルバトス「まだだ!
覚悟はできたか?!ワールドデストロイヤー!!!」
≪ズガアァアアアアアア!≫
イチカ「ぐはあぁああ!」
更に反撃で怯んだところを狙われて更に連撃を喰らってしまう。
バルバトス「貴様の死に場所は…ここだあああぁぁぁぁッ!
ここだ、 ここだ!
ここだあああぁぁぁぁッ!!
ルナシェイドおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
≪ザンッザンッザザンッ!≫
イチカ「うわあぁあああああ!!」
そこからダメ押しと言わんばかりに強烈な精霊召喚攻撃で大きく吹っ飛ばされた。
イチカ「つっ!」
か…肩に痛みが……今ので斬られたか!
何とか起き上がったけど、さっきの攻撃のせいで肩に激痛が走ってマトモに立ち上がることが出来ない。このままじゃトドメを刺されてしまう。
バルバトス「どうした、この程度か?」
イチカ「くっ!」
いい気になるな!
イチカ「紅蓮襲撃!」
≪ドゴッ!≫
バルバトス「ぬうぅ!」
イチカ「鳳凰天駆!」
≪ドカッ!≫
バルバトス「うおぉ!」
ジャンプした後からの蹴りに加え、後方に跳んだ後、炎を纏っての急降下。
そして……
イチカ「続けてくらえ!
本気で行くぞ!緋凰絶炎衝!!
これで沈めーー!」
≪ドドドドドドドド!≫
バルバトス「うはぁあああ!」
炎を纏って地面に降り立ち、高速で大地を駆け抜けて炎を撒き散らす広範囲技。流石のあいつでもこれで痛手は被っただろう……
イチカ「これ以上は流石に耐え切れん、ひとまず退いて態勢を立て直そう」
とはいえ、幾ら俺でもこれ以上の戦闘は危険だから、撒き散らした炎に紛れてその場を離脱する他無かった。
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炎が消えた後、バルバトスは辺りを見回してイチカが消えたことを確認した。
バルバトス「チッ、逃したか。まぁいい、それでこそ仕留め甲斐があるというものだ。
フハハハハハハハハハ!!」
それからバルバトスは瀕死の虎を探すようにその場を後にした。
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一方……
イフリート『だから言ったじゃない!危険だから離れなさいって!!』
イチカ「あ…ああ……そのよう…だな……」
俺はイフリートから説教を食らうことになった。無理も無いだろう、何せイフリートからの忠告も聞かずに戦いを挑んでおきながら肩を斬られたりの負傷をしてしまったのだから当然だろう……
その前に……
イチカ「イフリート、悪いが砦に戻ってこの事を伝えに行ってくれないか?」
イフリート『ええっ!?』
このままじゃ手に負えないから、イフリートに砦に戻るように言った。理由は勿論、応援を呼ぶためだ。
イチカ「今の俺じゃあ足手まといだ、イフリートならバルバトスに気付かれずに砦に戻ることが出来る筈だ。丁度増援が到着してる頃だろうから、すぐに応援を寄越すよう伝えてくれ」
イフリート『そんなこと出来ないわよ!もし主に何かあったら、私はどうなるのよ?!』
イチカ「そんな事ぐらい分かってる。けど、この状況を打開するには応援を頼むしかない。ここで唯一頼りになるのは、イフリートだけだ」
イフリート『けれど……』
イチカ「俺は心配ない、いいから行け。このままじゃイフリート諸共皆殺しにされるしかない」
イフリート『……分かったわ、主がそう言うのならば従うわ。
でも約束して、わたしが戻って来るまでの間死なないって!』
イチカ「勿論さ、約束する」
最初のところは流石のイフリートも抵抗したけど、案の定承諾してくれて、イフリートは姿を空気に溶かして俺から離れて行った。
イチカ「頼むぞ、イフリート。
さぁ、俺もここから離れないとな……」
そして俺は、俺を追っているだろうバルバトスと距離を置く為、傷めた肩を抱えながら森の更に奥へと重い足取りで歩んで行った。
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そして砦では王都から増援が到着し、ミール達は守備隊長からイチカが犯人特定のために森の中へ入って行った事を告げられた。
その直後、イチカと一緒にいる筈のイフリートが駆け込んで来たのを見たミール等は驚き、それからイチカの現状とバルバトスの話を聞かされるのであった。
ミール「何ですって!?」
ソニア「バルバトスが!?でもバルバトスと言えば、この世界のどこかに封印されてた筈なのに、どうして今になって……?」
イフリート『そんなことを言ってる場合じゃないのよ!ソイツとの戦闘で、主が負傷したのよ!!』
エクセラ「何だと!?」
ティア「どこを怪我したの?」
イフリート『多分肩のところ、主が痛がってたからそこだと思う。
とにかく急がないと、主がバルバトスに!!』
ミール「こうしちゃいられないわ、今すぐ助けに……!」
シルフ『待ちなさい、幾ら大事な人がピンチだからって先を急ぐワケにはいかないわ』
ヴォルト『そうね、バルバトスが相手となると、わたし達が問題ね……』
事の報せを聞いたミールは一刻も早くイチカを救おうと出発しようとしたが、契約精霊のシルフとソニアの精霊ヴォルトに止められた。
ミール「何でよ、私の大事な夫を見捨てろとでも言う気?!」
シルフ『そうじゃないけど、バルバトスが相手だと考えるべきよ』
ヴォルト『その通りだ、バルバトスは冥府の神より離反した四大精霊の力でやっと倒された戦士。四大揃わない今のままで戦うのは命を捨てに行くようなものだ、危険過ぎる』
ティア「けれど、今はそんなことを言ってる場合じゃないわ」
クロエ「そうだ、イチカは私達にとってもこの国にとっても重要な存在だ。そんなイチカを見殺しにするようなマネをすれば、私達の立場が危うくなることもあり得るのだ。このまま黙って引き下がるワケにはいかない」
エクセラ「その通りだ。それに、我々が総出で掛かれば、幾ら太古の凶戦士といえども撃退させることくらい出来る筈だ」
ミール「そうよ!それにイチカが私達の助けを必要としてる以上、尚更行かないわけにはいかない!
みんな、全力でイチカを見つけ出し、尚且つバルバトスを倒すわよ!!」
『おぉおおおおおおおお!!』
だが結局は精霊達の意見を押し切る形となった。
イフリート『はぁ……なんと言うか……』
シルフ『ポジティブなのか何なのか、分からないわ……』
ヴォルト『まぁいいんじゃない?
イフリートの主が死んで皆が悲しい顔するよりはまだマシよ……』
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イチカ「さ…寒い……」
歩き回っているウチに辺りは暗くなり、次第に温度が下がって来た。特にこの地域は東の国境付近にそびえる山脈群から流れる冷たい風が気温を下げるから、この辺は昼と夜の気温差が激しいところで今の俺には危険と言ってもいい。っと言うのも、普段の俺はイフリートが体温を調節してくれるから気温の変化にすぐ対処することが出来るけど、今は肝心のイフリートがいない上に服もバルバトスとの戦闘でボロボロになったせいで体温調整が出来ない。このままじゃ寒さに負けて凍え死ぬことだってあり得る。
イチカ「けど…諦める…ものか……」
けれどイフリートと約束した以上、こんなところでの不名誉な死なんて出来る筈も無い。
オマケにバルバトスが追い掛けてるだろうから夢中で歩き続ける。
イチカ「はぁ…はぁ……」
けど足取りは重く、しかも意識が朦朧として来た。正直言うところ、今の状態で歩き続けていられるのが奇跡なんじゃないのかと思ってしまう……
イチカ「どこか…安全で…隠れられそうな場所を…見つけ…なきゃ……」
とにかく今しなきゃならないのは、この寒さを凌げられそうで且つバルバトスにも見つからないような安全な場所だ。
そう思って歩いているうちに……
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イチカ「……こ…これは……?」
何だか遺跡への入り口のような地下へと通じる階段の手前に辿り着いた。正直言うとボロくてここに入ってもアイツ(バルバトス)にヤられる気がしてならない。
イチカ「ここに入るしかないか……」
けどやっと見つかった隠れられそうな所だから、助かることだけを考えて中へと入った。
けど……
≪ズリッ≫
イチカ「しまった!うわっ!!」
≪ドカドカドカッ……ドサッ≫
イチカ「うっ……」
足を踏み外して階段から転げ落ち、地下に落ちてしまった。
そこは真っ暗で何も見えない。オマケに動きたくとも、もう手も足も言うことを聞いてくれない……
イチカ「俺…このまま…死ぬのか……?」
そう思いながら…ゆっくり目を閉じた……真っ暗闇の中で……
はぁ……何か腑に落ちないな……
次回は……予期せぬ出逢い……って感じ……
出来れば年明けまでに仕上げて投稿したいです……