IS学園……
千冬「何故貴様らが来てあいつ(一夏)は来ないんだ?」
ミール「何か問題でも?」
千冬「大ありだ!わたしが受け持つクラスの生徒である以上は遅刻も欠席も許さん!
オマケに本人が本国で怪我をして来れなくなったのなら台車に括り付けて来れば我々がなんとかするものなのに!
だからわたしは寮に入ることを勧めたと言うのにそれをやすやす踏みにじりおって!!」
ティア「あなたみたいな人は信用出来ないから聞かなかったのよ」
千冬「何か言ったか?」
ティア「いいえ何も」
クロエ「いい加減にして欲しい……」
イチカが怪我で来れないのが不服の織斑教諭に問い詰められ、3人は呆れ気味だった。今回の件は既に学園長を通じて教員達に通知されてるのだが、納得のいかない本人はミール等に説明を要求していた。
ミール「話の内容は学園長から全部聞いてる筈ですよ、“イチカは本国での任務中に負傷して来られなくなった。”と」
千冬「そんなのは本国の奴らに任せたらいいじゃないか!よりによって本人が怪我するとは、貴様らの国はどれだけ落ちこぼれなのだ?!」
ティア「その発言、我がアストロリアスへの宣戦布告と捉えてもよろしいのでしょうか?幾ら織斑先生がブリュンヒルデと呼ばれてることはご存知ですが、今の発言は流石に無いですね」
千冬「一夏を誑かした貴様らごときに言われたくないわ!!」
ミール「一夏?知らないわねそんな男は。
もとより、私の夫はあなたが知ってる弟さんとは関係ないので、一緒にしないでほしいですね」
千冬「雌豚の分際でえぇええええ!!」
真耶「織斑先生、それ以上の発言はやめて下さい!この国を戦争に巻き込むことになりますよ!少しは頭を冷やして下さい!!」
話が進むに連れ織斑教諭の暴言もエスカレートして、遂には禁句に等しい言葉まで出た為山田先生が間に入って止める形で事は収まった。
これ以上何も起こらないことを願ったミール達だが、現実はそう甘くはなかった。
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千冬「HRと行くが、その前に本国のヴァレンスに伝えておけ、“クラス代表に備えて、政府がお前に専用機を用意する。”とな」
クラスメイト1「えっ、1年のしかもこの時期に専用機ですって!?」
クラスメイト2「いいなぁ〜、私も早く専用機欲しい♪」
クラスメイト3「ちょっと待って、ヴァレンス君って確かアストロリアス人だよね?それなのに日本政府が外国の人に専用機を用意するなんて……」
織斑教諭の口からイチカの専用機を用意する話が出たのだ。
ミール「織斑先生、専用機なら本国から用意される事で決まってますから。それに、その件は本国からの了解は取ってあるのですか?」
千冬「当たり前だろ」
ミール「嘘ですね、だったら私達にも通達がある筈ですから。それにイチカは日本人でもないのに何故日本の政府がアストロリアスの人間であるイチカに専用機なんか渡すのですか?」
千冬「一夏が日本人だからに決まってるだろう、お前達がわたしの生徒だと言うのなら黙って一夏をこちらに渡せ。勿論拒否権は無いぞ」
ミール「下らないですね、あなたは○チ○のヒ○ラ○ですか?幾ら織斑先生が私達の担任だからって、そんな事を押し付ける権利はありませんよ。
それに言っておきますけど、あなたの生徒だからといって、あなたの命令に従うか否かは学園長が決めるのですから、あまり誤解しないことですね」
千冬「貴様らは黙ってわたしの言う事に従っていればいいんだ!!」
クロエ「付き合い切れん……」
ティア「山田先生、この人の事はそちらにお任せします」
真耶「任せて下さい、これも私達の仕事ですから」
千冬「人の話を聞け!!」
織斑教諭の言い草に萎えたミール達は山田先生に本人の処置を任せ、織斑教諭そっちのけに授業を進めた。
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昼……
ミール「はぁ……昨日以上に疲れた……」
箒「仕方ないだろうな、あの織斑先生に詰め寄られては誰だってそうなるものだ」
セシリア「それにしてもイチカさんはお怪我をなさっておられるのですよね、出来ればお見舞いに行きたいのですが……」
簪「イチカの国って入国禁止だから、行きたくても行けないのが現実なんだよね」
食堂でミール達は昨日仲良くなった四組の簪と一緒に食事をしていたが、イチカの事があってなかなか手が進まない。
ミール「ならば一緒に来ないか?私達の国に」
「「「えええっ!?」」」
そんな時にミールが発した言葉に箒達3人が驚いた。何せアストロリアスは(秘密を知る為に)外部からの入国は一切禁止されている為、例え各国首脳でさえ立ち入ることが国連の採択で決められているから驚くのは当然のことだ。
セシリア「よろしいのですの!?あなた方の国は入国出来ない筈では!?」
ミール「確かにそうだ。だが私が本国に言えば皆だったらなんとか出来るさ。但し、秘密は守ってもらうがな」
セシリア「勿論守りますわ!」
箒「イチカの仕事場とか拝見してみたいな、私も頼む」
簪「私も騎士としてのイチカをこの目で見たい」
ミール「なら決まりだ、学校終わりに学生寮近くの森に集合だ」
「「「うん!(はい!)(ああ!)」」」
最初は戸惑ったセシリア達だったが、最後はミールの言葉に全員が同意した。
クロエ「いいのですか姉さん、母上が承諾するとは思えませんよ?」
ミール「なに、イチカに頼んで母上をゴネ倒すよう伝えておくさ」
ティア「だったらなんとかなると思うけど、イチカが気の毒ね……」
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夕方……
一日の授業が終わった放課後……
千冬「……」
箒「……(急いでいるのに、何故呼び止められなきゃならんのだ?)」
織斑教諭に呼び止められた箒は、学生寮の寮長室に連れて来られていた。本当ならすぐに集合場所へ行きたかったという時に呼ばれた本人は怒りが込み上げてきていた。
箒「一体何の用ですか織斑先生、私はこの後予定があるので要件は手短にお願いしますよ?」
千冬「そう慌てるな、それに今ぐらいは“千冬さん”と呼んでもいいのだぞ」
箒「お断りします。それに私もあなたと長話していられるほど暇ではないので、サッサと要件を話したらどうですか?(ここは我慢だ、この程度で憤ってはならん)」
箒は込み上げてくる怒りを堪えながら話を進める。
千冬「せっかちな奴だな、まあいい。なら倉持技研に伝えろ、“一夏の専用機を作れ”とな」
箒「はっ?」
千冬「何をトボけている、お前は倉持の企業代表なのだから、そのくらいを頼むこと程度出来るだろ?」
箒「そんな事は他の企業に任せたらどうですか?それに、今の倉持は、クラス代表に備えての機体のチューンナップに追われて専用機を作る余裕なんかありません。
あとイチカはアストロリアスの人間ですし、本人の専用機は本国で用意される予定なのですから、作る必要はありません」
千冬「何を言っている?あいつは日本人だしわたしの弟だ、それにあいつにはわたしの暮桜の後継機を持つ義務があるのだからな、暮桜を作ったお前の企業が専用機を作るに決まってるだろ?」
箒「はぁ……(全くこの人ときたら……)」
織斑教諭から発せられた言葉に箒は驚き、そして呆れ返った。彼女は正直、織斑教諭と話すのは嫌いだった。以前の箒ならなんとも思わないだろうが、今の彼女にしてみればウザいとしか言いようがないのだ。
箒「それを決めるのはイチカ自身であって織斑先生ではありません、それに倉持は先程申し上げた都合のもと専用機なんて用意しません」
千冬「わたしに喧嘩を売っているのかお前は?」
箒「私が喧嘩を売ってる?織斑先生が私に喧嘩を売っているの間違いではありませんか?
それに私はあなたの安い挑発に乗る程子供ではないので、いっぺん学校に…いえ、幼稚園から人生やり直したらどうですか?最も、今のあなたでは幼稚園からやり直しても無駄でしょうけど……」
千冬「小娘風情がいい気になるな!」
≪キンッ!≫
千冬「!?」
箒の言葉についに憤慨した織斑教諭は突然日本刀を取り出して斬り掛かったが、直前で箒が構えた2本の短剣で躱され本人は驚きを隠せなくなった。
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千冬「お前、何故刀を使わないのだ?!篠ノ之流はどうした!?」
箒「そんなのはもう捨てましたよ。今の私にしてみれば、昔の私を象徴とする忌まわしき印ですから」
千冬「そんなことをして貴様の親が黙っている筈ないだろ?!」
箒「親なら既に認めていますよ、“今の私に篠ノ之流は合わない。”と話したらすぐ承知してくれましたよ」
千冬「貴様それでも武士か!刀を使わんか!!」
箒「あなたがどうしてもと言うのなら抜いて差し上げますよ。但し、抜かなくとも短剣のみであなたを倒せますがね」
千冬「減らず口を!やれるものならやってみろ!!」
箒「では遠慮なく」
織斑教諭からの挑発に乗った箒は攻撃を始めた。
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箒「双牙斬!」
≪ザンッ!≫
千冬「うわっ!?」
箒「業華炯乱!」
≪ゾンッ!≫
千冬「つうっ!」
斬り上げからの高速斬りを見舞い……
千冬「何故だ…何故わたしが…押されてるのだ?!」
箒「人は変わらないままでは、何れ進化し続ける新たな力に押されそして負けるのです。あなたはそんな変わらないままの人と同じです。
今私が、進化し続ける力というのがどれ程の力を生み出すのかお見せしましょう!」
千冬「!?」
そして……
箒「片付ける!
阿頼耶に果てよ!
嵐月流・翡翠!!」
≪ザザザアァアアアア!≫
千冬「ぐわあぁああああああああ!!」
往復するように斬撃と蹴りの連続攻撃の後に斬り抜けて織斑教諭を圧倒した。
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千冬「し…信じられん、わたしがお前ごときに……」
箒「言った筈です、“人は変わらないままでは、何れ進化し続ける新たな力に押されそして負ける。”と。そして私は、自身の進化をそして変化を望んでこの剣術“嵐月流”を生み出したのです。
あなたとしてはイチカのつもりでやってるのでしょうがそれは大きな間違いです。普段からイチカを…いえ、織斑一夏を見てやれなかったあなたの責任です。自分の罪を自覚することですね、では私はここで失礼します」
そう言って箒は部屋を後にした。
千冬「……お…おのれ……(わたしが…一夏をちゃんと見てやれなかっただと?違う、あれは気付けなかったからでわたしの責任ではない。そうだ、あれは篠ノ之の言い掛かりなのだ。何も知らないくせに…待ってろ一夏に篠ノ之、お前達は必ずわたしが元に戻してやるからな)」
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それから箒は集合場所に着いたのは、すっかり陽も落ちて夜となっていた。織斑教諭に呼ばれたこともあって、指定された時間より大幅に遅れての到着だった。
箒「すまない、織斑先生に呼び止められて遅れた」
ミール「構わないさ、そんなに長くは待ってはいない」
セシリア「その通りですわ。わたくしだってほんの5分前に到着したばかりですもの」
ティア「それに、遅れてるのはあなただけではないわ」
箒「と言うと?」
クロエ「簪が姉に捕まって、なんでも一緒に来ることになったそうで、まだ来ていない」
箒「そうだったのか……(簪…お前もお前で不憫だな……)」
集合場所に着いた箒は遅れたことを謝るが、自分以外にも簪が遅れてると知って本人が哀れに思ったのであった。
簪「みんなごめん、遅れちゃって」
「はいはーい、簪ちゃんのお姉さんも着いて来ちゃいましたよ〜♪」
そこへ簪と共に彼女の姉が遅れてやって来た。
箒「そちらが簪の姉さんか、確か名前は……」
セシリア「楯無さんですわよ、生徒会長を務めていらっしゃいますわ」
楯無「あらあらセシリアちゃん、お姉さんのことを御存知とは感心ね」
セシリア「(あの扇子は台詞代わりなのでしょうか?)」
箒「(指摘したら余計話がややこしくなるだろうから何も言わないが……)」
そう言って本人が開いた扇子には“ご名答!”と書かれてあった。
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簪「ところで、ここからアストロリアスまでどう行くの?」
ミール「それなら簡単だ、私かティアかクロエの何れかと腕を組んでくれ」
セシリア「腕を?何故そのようなことを?」
ティア「置き去りになっても知らないわよ」
セシリア「わ、分かりましたわ!すぐ組みますから!!」
箒「確かに、ここまで来ての留守番は流石にいやだな」
簪「言う通りにするしかなさそうね」
楯無「ふふ。女の子同士で腕を組んでなんて、お姉さんなんか恥ずかしくなっちゃうわ♪」
そういったワケで、箒はミールと、セシリアはティアと、簪と楯無の二人はクロエと組むことになった。
箒「それで、ここからどうすると?」
ミール「それでは行くぞ、ジャンプ!」
ミールの言葉を合図に装置の左端のジャンプボタンを押し、全員はアストロリアスへ…いや、センチネルへと転移した。
なんだかんだで書いたら5000文字超えちゃった、次回くらいはもう少し短くしたい……
それにしても箒さん、あの千冬さん負かすなんて…まじカッケ〜〜!!
っというワケで次回は、センチネルでの一時(仮)……