インフィニット・ストラトスW ハーフボイルド一夏   作:ベロリンガRX

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Pの好奇心/セシリアに夢中!?

セシリア・オルコット。イギリスの代表候補生としてIS学園に在籍している彼女は今、この学園に来てからのこと、そして自分を打ち破った男のことを振り返っていた。

 

初めにあったときの第一印象はただのかっこつけたがりの男だという印象を受けた。

世界でただ一人のISを動かせる男。ただ男で動かせるというだけで天狗になっているのだろうと彼女は思っていた。

しかし、男は彼女が思っていたほど甘くはなかった。

自分の方が経験も実力も明らかに上だったはず。それなのに、何かで自分は彼に劣っていたのだ。慢心、油断、偶然。言い訳ならいくらでも言える。だが、己のプライドがそれを良しとするはずもなかった。それに、彼が強いということは、あの一瞬で十分理解したし、そこから一切の油断も手加減も無かった。自分は、100%の実力を出し切って、彼に負けたのだ。と……

 

 

「思えば、随分とあっけない幕切れでしたわね……」

自室でシャワーを浴びながら、セシリアは一人独白する。

「わたくしは、これからどうすれば良いのでしょうか……どうすれば、わたくしの誇りを守っていけるのでしょうか……」

答えてくれる他人はどこにもいない。そう分かっていても呟かずにはいられなかった。

 

 

シャワー室から出て、とりあえず明日の授業の準備だけでも済ませておこう。そう思ったセシリアは部屋に戻ると

 

「やぁ、こうして直接顔を合わせるのは初めてだね。僕はフィリップ。よろしく」

 

何故か自分の部屋のソファーに腰掛け本を読んでいた男が話しかけてきた。

突然の出来事に頭が追いつかず、しばらくフリーズしてしまう。

この時運が良かったのはセシリアはバスタオルを身につけていたこと。

逆に運が悪かったのは、フィリップにはその手の知識や常識が無かった事であった。

 

「それで、早速君に聞きたいことがあるんだけd」

「キャーーーーーーッ!なっ、なななななななななっ、なんでわたくしの部屋に無断で侵入してきてるのですかっ!?」

「なんでって、鍵がかかってなかったからだけど?他人に入って欲しくないなら戸締まりはちゃんとしたほうが良い」

フィリップは何がおかしいのか理解できないといった顔でこちらを見てくる。

セシリアは羞恥心が限界を迎えたらしく、顔を真っ赤にしながら

「出て行ってくださいましーッ!!」

フィリップを締め出してしまった。

「はぁ……はぁ……一体なんなんですのあn「ちょっと待ってよ!聞きたいことがあるんだ!開けてよ!」あ~もう分かりましたから!少し着替えるまで待っていてくださいまし!」

セシリアは混乱した思考をどうにか振り払い、まずはしつこくドアをノックしてくる珍妙な客人の相手をするためにバタバタと着替えを始めた。

 

 

しばらくして着替え終わったセシリアはドアを開けると

「やっと着替え終わったのかい?待ちくたびれたよ」

ドアの前で待っていたフィリップが部屋に入ってきてしまった。

「全くなんですのあなた。レディの部屋に無断で入り込むなんて普通ありえませんわよ」

「そうなのかい?一夏の家は鍵が開いてたら勝手に入っても良いって言ってたけどなぁ」

「そんな当たり前のことも知らないなんて……それよりあなた、織斑さんとお知り合いなんですの?」

「僕と一夏は『二人で一人の探偵』だからね。さっきの模擬戦でも一緒に戦ってたし」

「一緒に戦うって……ハッ、まさかあの時の……」

「そう、君は一人芝居なんて言ってたけど、Wはちゃんと僕たち二人で動かしてたのさ」

 

セシリアは思い出した。あの時、織斑一夏が一人芝居をしていた時に声を変えていた方をフィリップと呼んでいた事を。そして目の前にはフィリップと名乗る男。そして彼は二人でISを操縦していたと言った。

「まさか、本当にあのISを二人で操縦していたなんて……成程、わたくしが勝てなかったのもあなたの……いえ、これはただの言い訳にしかなりませんわね」

確かに二人でISを操縦できるというのはとてつもない強みだろう。単純に数が力になる。

例えるならば、PC一台よりも二台の方が処理速度が速いのと同じだ。

しかし、例えそんな反則じみた方法を使おうとも、要は性能差で劣っていたという話だ。性能差で劣っていたからと言ってそれを理由に自分の敗北を仕方ないと片付けたくなかった。

 

「それで、わたくしに聞きたい事とは?負けた感想でも聞きに来たんですの?」

「そんなことに興味はないね。僕が聞きたいのは、君のIS、『ブルーティアーズ』のことだよ」

「ブルーティアーズの事?」

「そうなんだ。いくら世間に情報が出ていると言っても出回っている情報はほんのわずかだ。検索もしてみたんだけど鍵がかかってて閲覧できない。こんなの我慢できないよ!」

 

「僕は君の(ISの)事をもっと知りたいんだ!」

 

フィリップはまるで新しい玩具を前にした子供の様な眼差しを向けてくる。

「フッ……フフッ……フフフフッ……」

ほとんど年齢は変わらないであろう彼の純粋な瞳を見たセシリアは、笑顔で笑っていた。

「どうしたんだい?何かおかしいことでもあったのかい?」

「フフフッ……いえ、なんでもないですわ。ただ、あなたの瞳に覗かれると、不思議と心が軽くなるような気がして。今まで悩んでいたことが急におかしくなってしまって……」

「そんなことより、はやく教えてよ!君の(ISの)事」

「フフフッ……ええ、良くってよ。わたくしの事、そしてわたくしのISの事。わたくしが教えて差し上げれることならいくらでも教えて差し上げますわ」

その時の彼女はとても楽しげに自分の事、そしてISの事を語っていたという。

 




フィリップにセシリアのフラグが立ったようです。
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