シンデレラたちとサブプロデューサー(仮題)   作:マスギル

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第9話a

「ワン、トゥー、スリー、フォー、ファイブ、シックス、セブン、エイトッ……」

 

「もっと腕伸ばして! 膝を柔らかく!」

 

「足元見たって観客はいないぞ!」

 

「そんな顔でステージにあがるのか!」

 

 叱咤の声がレッスンルームに響く。

 その声音は怒っているというより、注意・指導といった意味合いを多く含んでいた。

 しかし、そもそも大きな声を上げられる事に慣れていない人間からすれば、その指導ですら恐ろしいものになるだろう。

 

「足元見るなと言ってるだろ、島村!」

「頑張ります!!」

 

「渋谷、表情はどうした表情は!」

「はい!」

 

「周りと合わせることを意識しろ、本田ァ!!」

「っ、はい!!」

 

 だが、彼女達には関係なかった。

 卯月・凛・未央は、ベテラントレーナーの厳しい指導にもへこたれず、真正面から向き合っていた。

 ひたすらに反復練習を繰り返し、その度に注意点が増えていく。

 玉のような汗が彼女達の顔には浮き出ていた。

 

「クルータ……」

「すごい運動量だね……」

「尽きることのない生命の雫か……(すごい体力です……)」

 

 同じレッスンルームを使っていたアーニャ・美波・蘭子も、その様子に驚きを隠せない。

 

 卯月達ももちろんだが、補欠として一緒にレッスンを受けているみく・かな子・智絵里も汗だくで踊っていた。

 ただ、補欠組にはそこまで指導がいかないため、厳しくないように見えるが、卯月達への指導を自分達のことのように聞いているみく達も、ほぼ変わらぬ運動量だった。

 

 けれど、動きのキレが卯月達とみく達とでは違っていた。

 何がどう違うとか、明確に表現できるものではない。

 漠然と、ひとつひとつの動きに気持ちがこもっていた。

 

「(なんで卯月ちゃん達とここまで差が出るの!?)」

「(正直、ついていくのもやっとなのにぃ~)」

「(も、もう……限界です……)」

 

 みくは焦りを隠しきれず、かな子と智絵里は体力の限界を迎えつつあった。

 それでも必死に食らいつく。

 

 その様子に卯月達も負けてはいられない、とやる気を奮い立たせる。

 あのステージに立って、きらきらするために。

 

「よし、一旦休憩を入れる。クールダウン忘れるなよ」

「「「はいっ、ありがとうございます!!」」」

 

 これ以上はオーバーワーク、その少し手前でベテラントレーナーは休憩を指示した。

 返事をした後、すぐにへたりこむのではなく、ゆっくりと体を休めることで肉体へのダメージをやらわげる。

 とはいえ、床に横になりたい気持ちをこらえつつ、それを行うのは中々難しい。

 

 それでも指示に従うアイドル候補生達の姿を見て、何を思ったのかベテラントレーナーは武内に声をかける。

 

「プロデューサー、少し顔を貸してくれ」

「わかりました。サブロー君、少しお願いします」

「了解です」

 

 

 

 武内は監督役を陣内に頼み、レッスンルームの外に出た。

 少し離れたところで、ベテラントレーナーが口を開く。

 

「いったいどんな魔法を使ったんだ?」

「……と、申されますと?」

「あいつらのやる気はなんだ。補欠組はつられてるだけだろうが、島村達三人の気合が入り過ぎてる。悪いことではないが、あれだけ鬼気迫ると事情を聞きたくなってな」

 

 なるほど、そういうことか、と武内は頷いた。

 確かに、ライブ会場の下見以降、メイン三人のモチベーションはずっと高い状態を維持しており、されどギスギスもせず助け合ったりしているという、珍しい事になっていた。

 

 やる気が溢れて空回りしている訳ではなく、明確なゴールを目指して最短距離で突っ走る、そういった表現が合っているだろう。

 若者らしい、当たって砕けろ、といった雰囲気ではなかった。

 

「おそらく、先日ライブ会場の下見をしたことが、大きな影響を与えていると思われます」

「ほう? 面白いことをする。それだけで、あんなにも必死になれるものか。正直、予想以上の出来だ」

「それは嬉しい言葉ですね」

「だが、まだ万全の状態ではない。やる気があるなら、もっと高い完成度を目指す。それなりにハードになると思うが……いいか?」

 

 武内はベテラントレーナーの気遣いに感謝した。

 ただでさえ忙しい中の時間を割いてもらっているというのに、及第点を超える指導を提供してもらえるという。

 元々、ライブまで余裕があった訳でもないので、嬉しい誤算だった。

 

「ありがとうございます。是非、お願いします。彼女達もそれを望んでいると思います」

「ああ、動きからそう感じるよ。あれはもっと先を見てる動きだ。本当はそこまでやるつもりはなかったが、あんな気迫を見せつけられるとな。こっちも力を入れずにはいれられん」

「よろしく、お願いします」

「任された。そっちはそっちであいつらのフォローを頼む」

「もちろんです」

 

 より良いものを目指して、最大限の助力を。

 美嘉のバックダンサーを務めるにあたっての言葉そのままに、武内は動いていく。

 

 

 

 その後、武内とベテラントレーナーがレッスンルームに戻り、引き続き指導をしている頃。

 陣内は陣内で、レッスンの監督に当たっていた。

 

「はい、ワン、トゥー、スリー、フォー、そのままターンしてポーズ!」

 

 基礎的なステップやターンを、アーニャ・美波・蘭子は練習していた。

 三人ともダンス経験が無いとのことだが、それでも筋は良い方だった。

 今日はトレーナーもルーキートレーナーも時間の都合がつかなかったため、初歩的な事なら指導できる陣内が監督役についていた。

 

 また、そうすることで、各アイドル間のより深い相性を見極められるというわけだ。

 中でも、この三人は比較的相性が良かった。

 少しおぼつかない日本語のアーニャを美波が年長としてサポート、蘭子も美波やアーニャには話やすいのか、時折素の口調で話しているところを見かける。

 

 ただ、今日はアーニャが集中力を欠いているようだった。

 

「――ビスパコーィスツァ」

「アナスタシアさん、どうかした?」

「あー、えーと……彼女達、オーバーワーク、心配でス」

「確かに、アーニャちゃんの言う通りです。今にも倒れそうで……」

「湧き出ずる生命の雫にも限界が!(倒れちゃったら大変です!)」

 

 同じレッスンルーム、否応にでも様子が目に入る。

 あまり変わらない年齢の仲間がつらそうにしていたら、不安になるのも仕方がないだろう。

 

 しかし、卯月達の目はやる気に満ちあふれている。

 覚悟と希望が同棲しているような目だった。

 

 それを見て、陣内は心配を止めた。

 さすが、と武内を改めて尊敬したものだった。

 

「心配ないよ。無茶して体を壊すようなやり方はしてないし」

「で、でも」

「新田さん、彼女達の目を見るといい。確かに疲れは見えるけど、まだまだ納得してないって感じがするでしょ」

「あ、確かに……」

「そういうこと。元々、踏むべきステップをいくつか飛び越しちゃってるから、あれだけ無茶はしないといけなかったんだ。ただ、それにやる気がついてこれるか不安要素だった。でも、ご覧の通り、やる気満々。もう心配はしてないかな」

「ライブ、成功できますカ?」

「うん、できる。後は、彼女達がどれだけ納得できるかってとこ。まあまあの出来で終わるのか、これ以上ない完成度で終わるのか」

「新たなる階梯への大きな飛躍を秘めているというのか(大成功したら人気になっちゃいますね!)」

「もちろん、デビューへの道も短くなるとも思うよ」

「我も魔王の座へといざ行かん!(私も負けてられません!)」

「お、こっちもやる気満々だねー。負けないように、レッスン続けよっか!」

 

 陣内の声に、こちらの三人も元気に返事をする。

 その声が卯月やみくにも聞こえたのか、「私も頑張ります!」「みくもやるにゃー!」と元気の良い声が返ってきた。

 

 それが変なツボに入ったのか、アーニャがクスクスと笑い始めてしまい、中々レッスンを再開できない一幕があった。

 ただ、アーニャの心配も同時に溶けていったようで、その後は集中して体を動かしていた。

 

 

 

 

 

 

 今日は衣装合わせということで、衣装室に卯月達は赴いていた。

 

「いっぱいあるんですね……あっ、これライブで川島さんが着てた衣装です!」

「これ、高垣楓のだ。本物なのかな」

「見てみて! こんなスケスケのもある~」

 

 ハンガーラックがいくつも置いてあり、その中からネグリジェ風の衣装を未央が体に当ててみる。

 なんともセクシーな衣装だが、誰が着たというのだろうか。

 というか、着てステージに立って大丈夫だろうか。倫理的に。

 

「未央ちゃん、勝手にいじったら怒られちゃいますよ!」

「そんなケチンボ言わないでよ、しまむー」

「そんなことより、衣装合わせのはずだけど、肝心の衣装は?」

 

 そういえば、と思った矢先に、衣装室の扉が開く。

 

「すみませ~ん、遅れちゃいました~」

「あれ? ベテトレさん……?」

「あ、それは姉ですー。私はまだ新米なので、ルーキートレーナーでルキトレとでも呼んでください」

「じゃあ、ルキちゃんだね!」

「あは、あはは……と、とりあえず衣装合わせてみてくださーい」

 

 そう言って、ルーキートレーナーの慶は、持ってきた衣装ケースを各人へ渡す。

 ケースには『ロッキングスクール』という衣装名と個人名が書かれていた。

 

 各々着替えた後、全身鏡で確認をする。

 

「け、結構過激な感じなんですね……!」

「ふーん。すごいね」

「わお、未央ちゃんだけヘソ出しスタイル! セクスィー!」

 

 赤ネクタイ、大きく開けた胸元、ダメージ加工のシャツにスカート、鋲付きベルト、指抜きグローブ。

 制服のイメージを残しつつ、ロック調に崩して、攻めている衣装だ。

 

「サイズ感、どうですか? 動きにくいところとかあったら言ってくださいねー」

「あ、あの! お、お尻周りが少し……」

「了解ですー。あとで少し緩めてみるので、用意できたらプロデューサーさんに伝えておきますねー」

 

 あ、そうだ、とルーキートレーナーが衣装室の扉を少し開ける。

 すると武内が入ってきた。

 

「プロデューサーさん、こんな感じの衣装ですけど、どうですか?」

「……皆さん、似合っています」

「あれ、露出が多いとか言わないんですね?」

「それは昔の話です」

 

 ルーキートレーナーのからかうような話に、武内は困った様子で答えた。

 なにやら面白い雰囲気を嗅ぎつけた未央がもちろん話に加わる。

 

「おやおや? ルキちゃん、昔の話ってなーに?」

「実はですね、以前プロデューサーさんが担当していたアイドルの衣装を確認した時、あまりの露出度に顔を真っ赤にして「露出が……多過ぎです」と苦情を漏らしたことがあったんですよー」

「あ、青木さん、その話は止めてください」

「いいじゃんプロデューサー! で、どうなったの!?」

「でも、そのアイドルは衣装気に入ったみたいで、なんとかプロデューサーに頼み込んでオッケーもらってましたよー」

「ちなみに、そのアイドルってどなたなんですか?」

 

 卯月の発言に、衣装室がにわかに静かになる。

 それを聞くか、といった感じで凛と未央もなんとなく前のめりになる。

 聞かれたルーキートレーナーはというと、やはりそこを一番話したかったのか、口を開こうとするが。

 

 ガシッと肩を武内に掴まれて中断せざるを得なかった。

 

「――青木さん、それ以上は」

「は、はひっ!?」

「(麗さんと聖さんにお伝えしてしまうかもしれません)」

「っ!? そ、それだけは勘弁してください~!!」

 

 武内が耳元でボソッと呟いた後、ルーキートレーナーは涙目で懇願する。

 何を呟かれたのか聞こえなかった卯月達は、興味深そうに二人を見るも。

 

「今回の仕事には関係ありませんので、お気になさらないでください」

「えぇ!? 気になる「いいですね?」……ハイ、キニナリマセン」

 

 凄みのきいた顔でこう言われては、いくら未央でも何も追求できなかった。

 

「さて、衣装の点はこれで確認が終わりましたが、青木さん」

「はいっ、なんでしょうかっ!」

「……靴だけお借りしててもいいですか? レッスンで実際に動いておいてもらおうと思うのですが」

「問題ないですよ! 特に違和感はないみたいなので、レッスン後に衣装室まで戻してもらえればオッケーです」

「ありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

 後日。

 

 ライブまで残り数日を控えた今日、卯月達はレッスンルームで最後の調整を行っていた。

 

 BGMに合わせて踊る美嘉と卯月・凛・未央。

 本番を想定した流れを通しで行う。

 もちろん、美嘉は口パクあり、バックダンサー組はきちんと表情も豊かにして。

 

 その様子を補欠組のみく・かな子・智絵里が固唾をのんで見守る。

 自分が見られている訳でもないのに、なぜか緊張して、肩に力が入る。

 それは自らも同じメニューをこなしてきたことによる同調だろうか。時折、リズムに合わせて体が動いている。

 

 丁度レッスンルームにいた美波・アーニャ・蘭子も同じく見守っていた。

 以前、アーニャが心配していた日以降も何度か同じレッスンルームを使うこともあり、ずっと応援していた。

 今の自分では到底できないような動きを、軽々とは言わずとも着実にこなす三人の仲間に対して、憧憬をいだきながら。

 

 曲も終盤。

 最後のリズムに合わせて一体感のあるポーズで決め。

 

――パンパンッ

 

 ベテラントレーナーの手拍子で各々力を抜く。

 真剣に通せば、それだけで息があがる一曲に、緊張感までプラス。

 美嘉は余裕そうに笑ってはいるが、卯月達は汗はダラダラ、息はゼエゼエ、と本番さながらだった。

 

 そして、その視線の先はいうと、もちろん指導役のベテラントレーナー。

 彼女は腕を組んで、目を閉じて天を仰ぐ。

 その胸中にあるのはいったいなんなのか。

 

 卯月達が不安にかられる中、ようやく口を開く。

 

「――合格だ。自信をもって本番にのぞめ!」

 

 歓喜の声が響く。

 

「やったー! やりました!!」

「うん、よかった」

「へっへーん、楽勝だったかなー!」

 

 手を取り合って喜ぶ三人。

 いつも通り調子に乗った未央の発言も、ベテラントレーナーは今回ばかりは許してあげるみたいだ。

 

 ライブのメインである美嘉もその出来に喜んでいた。

 

「おめでとーっ! すっごいよかったよ! 本番も楽しもうねっ!!」

「はいっ、よろしくお願いします!!」

 

 未だ興奮冷めやらぬ卯月達の様子に、壁際で見ていた武内も黙って頷いていた。

 

 やはり最初は力量に見合わぬ仕事と思い、不安だった。

 精一杯のフォローを陣内や千川と一緒に行ってきたが、実際に仕事をするのはまだ若いアイドル候補生達。

 ステージデビューが大舞台となることに、良いところも悪いところもあった。

 

 だから、ライブ会場の下見に赴いた。

 覚悟を見極めるために。

 結果、彼女達は尚更にやる気を出し、今日確かな結果を出した。

 

 残るは本番のみ。

 武内にも力が入った。

 

 三人が喜んでいる中、美波達が駆け寄る。

 

「あー、パズドラヴリャーユ! おめでとう、ございまス!」

「卯月ちゃん、凛ちゃん、未央ちゃん、おめでとう! すごかったわ!」

「何とも心震える舞踏であった! 闇が輝き出す!(とってもすごかったです! 本番が楽しみです!)」

 

 それに続いてみく達も。

 

「なかなかやるにゃ! ……じゃなくて、本当すごかったにゃ!」

「完璧なダンスでしたぁ!」

「わ、私のダンスなんかと比べものにならないくらい……本番も、頑張って!」

 

 外で様子をうかがっていた他のメンバーも。

 

「すっごいきれいなダンスだったね! みりあも今度やりたーい!」

「キレッキレでカッコイイ! 私もお姉ちゃんと踊りたかったなー!」

「やると決めたことをやりきる……ロックだね!」

「にょわーッ!! すんごく揃ってたにぃ!」

「よくあんなダンスできるね……杏には到底できそうにないよ」

 

 結局、シンデレラプロジェクト全員がレッスンルームに集まることになり、騒がしくなる。

 

 その様子に、お邪魔になってしまうと考えた美嘉も武内、ベテラントレーナーと同じく壁際に避難した。

 

「城ヶ崎さん、お忙しい中、ご指導ありがとうございました。本番もよろしくお願いします」

「もっちろん! でも、まさかこれだけ仕上げてくるとは思わなかったけどねー。トレーナーさんのスパルタ指導のおかげ?」

「馬鹿を言うな。まだデビューもしてないひよっこにそこまで厳しくなどしない。ただ、あいつら自身が努力した結果だ」

「スパルタは冗談だけど、トレーナーさんにしては珍しく高評価?」

「珍しくとはなんだ。まあ、この男がやる気を出せばこんなものだろう。なあ、プロデューサー?」

 

 武内の過去を知るベテラントレーナーが冗談気味に話をふる。

 お前はまだまだこんなものじゃないだろう、と。

 

 だが、武内の表情は浮かばなかった。

 

「私は、たいしたことはしていません。サブロー君や千川さんに助けられているだけです」

「謙遜も度が過ぎると嫌味になるぞ。実力は確かなんだ。この調子であいつらをトップアイドルまで引き上げてやれ」

「えーと、うまく言えないんだけど、プロデューサーだから莉嘉の事、安心して任せられるんだよね。ってことで、よろしくね!」

「……引き続き、努力します」

 

 言葉少なに、武内は言った。

 それが精一杯の答えなのだとベテラントレーナーはわかっていたし、美嘉もそれ以上は求めない。

 ただ、一時期のように、完全な歯車となっていないことがわかったので、彼女達は少し安心した。

 

 大人達が話し込んでいる中、少女達は少女達で楽しんでいた。

 

「これ、アーニャちゃんと蘭子ちゃんとで作ったの」

「ハチミツレモン、でス!」

「溢れ出る生命の雫を堪能するがいい!(疲れを癒やしてくださいね!)」

「わーっ! ありがとうございます!!」

 

「にゃにゃっ!? みく達も負けないにゃ! かな子ちゃん!」

「手作りの疲労回復ゼリーを作ってきました~。みんなも食べてくださいね~」

「わ、私とみくちゃんは何もしてないけど、どうぞっ!」

「ふふ、ありがと」

 

「あれ? みりあ達、なにも持ってきてないよ?」

「そんなの聞いてないー!」

「まあ、こういう時はロックな激励だけでいいんじゃない?」

「そうだにぃ! はぴはぴパワーを送信ッ!」

「杏の飴、あげよっか?」

「わお、杏ちゃんがそんなこと言うなんてビックリ」

 

 後は本番で結果を残すのみ。

 舞台はすぐそこまで近づいていた。

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