凪のあすから おもいのカケラ   作:柊羽(復帰中)

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第四十六話 眠りの町

「ただいま」

 

 その言葉は薄く溶け込んでいき、潮の流れに揉まれるように消えてなくなった。いつもなら返ってくる「おかえり」は見つからない。

 

 見慣れた玄関を上がってすぐ右手前のリビングを見る。しんとした場所には、いたるところにぬくみ雪が積もっている。沙月が一歩、踏み出すと床にあったぬくみ雪が舞う。微弱な光が窓から差し込み、ぬくみ雪に当たってきらきらと光る。

 

 階段を上り、両親の寝室へ向かった。クラゲを思わせるライトが乗った小さなテーブル。それを挟んで二つ並べられたベッドに両親はいた。おふねひきで父親は合唱隊にいたから、家に戻ることができなかったのではと心配だった。きっとウロコ様が運んでくれたのだろう。

 

 ぐっすりと眠っていて、しかし胸部当りが上下に動かないのがとっさに気になり、二人の口元にそっと手をかざす。大丈夫、かすかに息はしていた。そして微かに積もったぬくみ雪が、両親に化粧をしているみたいだった。

 

 

 

 ひとつ隣の部屋に、沙月の祖母はいた。敷き布団の上で仰向けになり、祖母は満足そうな微笑を浮かべいるように見えた。病院に入院したときもかなりショックを受け、日々心配してばかりだった。そして、この冬眠ときた。祖母は、

 

『こんな弱っちい体で幾年も寝てられるのかしらねぇ。寝たままあの世に行きそうだわ』

 

『もう、おばあちゃん!縁起でもないこと言わないで!』

 

 こんな会話をしていた。そして沙月たちでおふねひきを昔のように行って、冬眠をなくしてもらうよう海神様へ伝えるのだと言った。それを祖母はうんうんと笑顔で頷きながらお茶をすすっていた。

 

『みんなと一緒なら、できるかもしれないねぇ。うん、頑張ってきなね』

 

 優しくて、温かい言葉をいつも沙月にくれた。だからこそ、この結果になってしまったことに沙月は悔しさを覚えた。

 

「ごめんね、おばあちゃん。海神様には届かなかったみたい」

 

 部屋を見渡す。祖母は編み物を趣味としていて、小さい頃の沙月にセーターやニット帽などを編んでくれた。裁縫セットが棚の一角に置いてある。その側に揺り椅子があり、祖母はいつもそこに座って編み物を楽しんでいた。沙月は薄く積もったぬくみ雪を手ではらい、座ってみる。

 

 少しだけ軋んだが、体重移動でそれは前後に揺れる。

 

 ああ、そうだ。沙月は思い出す。小さい頃は祖母が編み物をしているときに、膝の上にまたがるように乗っかっていた。当時の自分からして見れば、祖母の慣れた手つきで毛糸が編み込まれていくのが魔法みたいで、ずっと見ていられた。

 

 沙月は立ち上がると、祖母の右横あたりで正座する。祖母の顔をのぞき込むようにして沙月はひとり、喋り始める。

 

「おばあちゃん」

 

 無論、返事はない。

 

「私ね、ちゃんと伝えたよ。自分の想いを、面と向かって」

 

 沙月は思い出す。一ヶ月も経っていないのに、手の届かない遙か遠い昔のことのようにさえ感じてしまう。それはきっと、渦に飲まれる海遥に届かなかったからだろう。

 

「やっぱり、驚いてたよ。そりゃ、そうだよね。だから……、ううん、だとしても答えを出すのは待ってほしいって」

 

 沙月は自身の手のひらを見つめてから、祈るように組む。

 

「たったひとつの言葉を口にするのに、ここまで時間がかかって、こんなに怖く感じるなんて……。びっくりだよ。でも伝えることができたら、言葉にできたら、心が軽くなったというか、安心したんだ」

 

 組んだ両手を胸元までもってくる。忘れない、忘れたくないぬくもり。どこかに行ってしまいそうな背中を無我夢中でつかんだ、この両手。

 

 わけがわからないほどに落ちていく涙。これから自分の、精一杯の気持ちを、想いを伝える。単純に怖かったのかもしれない。でもこれが、自分の気持ちを抑え込んでいた鎖だったのかと、そうも思える。

 

「海遥はまだ起きてこないみたい。それがいつになるかわからない。怖いよ、正直。だって、私が目を覚ましたら五年も月日が経ってた。海は凍って、ここだって氷に覆われてる。変わりすぎて怖い」

 

 あの日、目を覚まして二人が沙月をしっかりと抱きしめてくれた。声も知っている。なのに視界に映る二人の姿は沙月の知っているのと少し違う。同年代、茉紀はひとつ下だったのに、もう覆せない時の差が生まれていた。そして自分たちがいるのは海の上。凍った海の上にいて、航大も目覚めた直後で。二人がまもなく目にしたのは、地上で見られるはずのない巴日。

 

「五年経っただけで、色々と変わってた。昨日のことなのに世界は五年も前の話になる。航大は、とっても怖がってた。あいつは、あいつだからこその恐怖があったんだ。でも、吹っ切れたみたい」

 

 学校からの帰り道。大生の両親とわかれて海岸沿いを歩いていた。そして航大が吐露したのは、自分と世界とで口を開いた時間差、それ故に生じる変化だった。航大は里実が好きで、でもその"好き"に対する"答え"が、この時間差で変化して、最悪消えてしまうのではと、ずっと怯えていた。あんな航大は初めて見た。

 

「海遥もいつ目覚めるかわからない。でも、私はこの想いを忘れたりはしない。怖いよ、自分で保っているつもりでも、徐々に薄くなっちゃうのかって……。それでも、離したりはしない。消えさせない」

 

 祈りの両手をより強く握りしめる。

 

「澄澪もまだ起きてこない。それにお母さんもお父さんも、おばあちゃんも。でもきっとすぐに目が覚めるよ。だからそれまで待ってる」

 

 祈りをほどいて両手を床につき、立ち上がる。

 

「それとね、洋斗は冬眠から免れてたみたい。でもね、私たちが眠っている間になにかあったみたいなの。それも解決しなくっちゃねって、航大は真剣だった」

 

 ――――よっぽどのことがあったんだろうな、洋斗には。

 

 吹っ切れた航大の顔にはいつもの調子が見られ、かつ驚きの状況を聞かされて真剣な顔をしていた。いつも明るくムードメーカーとしている航大だからこそ見せる真剣さは、本物だ。

 

「私も頑張るから、いろんなことを。また来るね、おばあちゃん」

 

 そうして祖母の部屋を出て、両親にも言葉を語りかけてから沙月は家を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 白化粧につつまれた道を歩く。自分が家に戻ったときにできた足跡を見ながら広場まで来ると、隅にあるベンチで航大が座っていた。けれど両膝に腕を乗せて、俯いていた。

 

「航大?ごめん、時間過ぎちゃってたかな」

 

「……ああ?いや、むしろ時間内だぜ」

 

 声をかけられてから航大はむくりと顔だけを上げる。その顔は、しかし深刻さを物語っていていた。

 

「なにか、あったの?」

 

 沙月にはその理由を導き出すものが限定されていて、もしや冬眠中の航大の両親に異変が見つかったのか、と思ってしまった。自然と声が震えていた。

 

「いいや、ぜんぜん。二人ともぐっすり寝てたよ」

 

「そうなんだ、よかった……」

 

「ただな」

 

 航大の言葉に沙月は安心したのもつかの間、航大は声を少しだけ小さくするようにして続けた。

 

「家が近いからさ、俺行ったんだよ。澄澪の家に」

 

「う、うん」

 

「どの家も鍵なんてかかってなかったからさ、中に入ってみたんだよ。ほら、俺ら渦にもみくちゃにされただろ?俺の親父も、たしか沙月んとこも合唱隊だろ?で家に戻ってきてんなら、澄澪もそうだろうって」

 

 ぽつぽつと話す航大。その言葉の先が、いったい何を言いたのか、それが沙月にもわかってしまった。小刻みに震える手が口を覆い、声もまた震えていた。

 

「もしかして」

 

「ああ、いなかった。そうだ、そうだよ!俺らは同時に目を覚ましたからわからないけど、でも親父は家に戻されてた。あのウロコがそうしたんだろうって、なんか安心してたんだよ。もしかしたら……って!」

 

 航大は悔しそうに頭をかきむしっていた。確かにあの渦が親切心を持っていたなどとはひとかけらも思っていなかった。ただ、疑惑はありながらもウロコ様がどうにか家に帰してくれていると、そうどこかで信じていた。

 

 だが、それは違った。間違いだった。

 

 航大の言葉を最後まで聞くことなく沙月は走り出していた。航大は急に立ち上がって足がもつれそうになりながらも、沙月の後を追う。向かう先は言うまでもなく、海遥の家だ。

 

 

 

 

 

 

 

 引き戸式の玄関をすばやくくぐり抜け、居間とは反対側の廊下に出る。一番手前が海遥の部屋だ。

 

「海遥!」

 

 沙月は勢いよくドアを開ける。しかし、そこに海遥の姿は見当たらず、ドアを開けた音だけが嫌に響いて消えていくだけだった。

 

 すでに追いついていた航大も沙月の後ろから部屋を覗くが、もう彼は察していた分、驚きは沙月よりもましだ。

 

「やっぱり、か」

 

「じゃあ、あの二人はどこにるの?」

 

 ゆるりと振り返って沙月は航大の衣服をつかんだ。どうしていいかわからない小さな子どもが親に助けを乞うような声で、何度も衣服をつかんだ手を揺する。航大は自身の戸惑った顔を深呼吸して押し戻す。そして口を開いた。

 

「確証はない。でも、可能性のひとつとしてあるなら、あのでっかい氷の柱しかない」

 

「!」

 

「あれがもっとも怪しい。果那ノ海全体を覆っている氷があそこから生み出されたのだとしたら、尚更だ。ウロコがいないのもあれだが、俺らが見なくちゃいけないのはどっちみちあれだ。時間はまだある」

 

「……うん。そうだね、行こう」

 

 取り乱してしまった沙月は目を閉じて深呼吸をする。大丈夫、落ち着いて、と言い聞かせてから航大を見る。互いに頷いてから、海遥の家を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 石階段を駆け下りて氷柱がずっしりと佇む場所を目指す。見慣れた道を進み、曲がり、階段や坂道を駆け上がって。その度に積もったぬくみ雪がギュッと鳴るのが聞こえる。

 

 そしてその音は、次第に変わっていく。これはぬくみ雪ではなく、小さな氷の粒を踏みつぶしている音だ。それはそうで、もう遠くに見えていた氷柱を見上げる距離まで近づいてきたからだろう。

 

「ここって、案外続いてたんだな」

 

「うん。とくに何かあるわけじゃないし、そもそもこうして道が続いているのも知らなかった」

 

 生まれ育ってきた町なのに、自分たちの知らない道があることに驚きながらも足は止めない。

 

 やがて岩陰の目立つ場所にやってきた。駆け抜けてきた道は町の中だからこそ舗装されているが、もう道とは言えなくなっている。ごつごつとした足場に気をつけながら進む。

 

 氷柱はずっと根元部分が見えなかった。町の建物に隠れているのかと思っていたが、岩陰にすら匿われている。まだ時間はあったはずなのに、どんどん時の針は進んでいく。こんなにも入り組んだ場所にあるとは予想外だった。遠く見える建物に近づこうとしても、案外距離が離れている。つまりそれを体感しているのだ。

 

 二人の努力をたたえるように、細い道がやっと開ける。息を切らした航大が真っ先に出てみるが、達成感に包まれようとしていた顔が急変する。それは沙月も同じだった。

 

「こ、これって」

 

 息が詰まりそうだった。その光景は、例えるなら"最期"だろうか。腕が折れ、胴体が折れ、または装飾が剥がれてちぎれて。何体、何十体、いやそれ以上の木製のおじょしさまの残骸が地面を覆っていた。

 

「今までずっと行ってきたおふねひきで作ったおじょしさまは、ここに流れ落ちてきてた、ってこと?」

 

「ああ、そういうことになる」

 

 航大は、そして目先を奥へ奥へと動かす。ついに捉えた氷柱の根元があった。それはまさしく"根元"で、巨大な一本の木のように幾重にも根を伸ばしている。それは間もなくして地面にめり込んでいるのがわかった。

 

 改めてこの氷柱を見ると、不覚にも見とれてしまう。果那ノ海を覆っていた氷の壁もそうだが、これだけの規模、大きさや厚さがあるにもかかわらず、硝子製品と間違えてもおかしくないくらい透明度が高い。二人は多少気まずそうにおじょしさまの上を泳いで氷柱に近づいていく。遠くから見てもわかったのだから言うまでもなく巨大だ。それなのに氷柱の向こう側も透けて見える。向こう側にもおじょしさまの残骸があった。

 

 と、航大の視線が氷柱の向こう側から内側、氷柱の中に見えた()()()に注がれる。

 

 温度が低い果那ノ海。それをも超える冷風が体を覆ってきたような感覚。全身が鳥肌だった。

 

「お、おい。あれ」

 

 声はうわずっている。口はわなわなと震えながらも右手の人差し指は氷柱の中を指し示す。沙月は航大が見ている場所に目をこらした。刹那、引き締めるような悲鳴を上げて両手で口元を覆う。

 

「す、澄澪!」

 

 おじょしさまの残骸を蹴散らし、二人は走り出す。氷柱の根元に辿り着き、根っこによじ登って額をくっつけながら航大は氷柱を叩く。そして叫ぶ。

 

「おい、澄澪!澄澪!!」

 

 その氷柱の中に、澄澪はいた。これは明らかにまわりの岩肌と違って、人工的に造られたものであろう、人の両手の形をした岩。その両手は外見とは正反対で、優しく水面から水をすくい取るように、柔らかに包むような形状になっている。そこに澄澪は横にうずくまっていた。ところどころ裂けたり汚れているものの、着ていた制服は残っていた。

 

「どうして、どうしてこんなところに」

 

「知るかよ、んなこと!」

 

 航大は力の限り氷柱を叩いてひたすら澄澪、澄澪と叫ぶ。しかし当の澄澪はぴくりともせず、二人が見てきたように冬眠状態にあった。

 

 眠る澄澪の顔は穏やかでもなく、苦しそうでもなく、ただただ無表情だった。氷柱の中だけあってか航大が表面を叩いたことによる震動が伝わり、ほんの僅かだけ澄澪の制服がゆらりと踊る。

 

「くそっ、なんで。なんでこんな」

 

「これじゃあ、澄澪がまるでおじょしさまだよ」

 

 沙月は動揺を隠せず、航大が叩き続ける氷柱の表面をそっと触る。果那ノ海を覆う氷の壁よりも冷たく感じた。そしてその低温は、自分たちを拒絶しているのではと思ってしまうほどだ。

 

「澄澪が、あの昔話みたいな生け贄?おかしい、そんなのは絶対に……」

 

「なんじゃ、まったく騒がしいのぅ」

 

 叩いても叩いても傷ひとつつくことはない。悔しさで航大は歯ぎしりし、一発より強く氷柱を叩いて項垂れる。こんなことがあってたまるか。遠い遠い昔話のような、本当の人間が生け贄になってしまうようなことなどあってたまるか、と。

 

 そのとき、二人の後ろから声がかけられる。驚いて同時に後ろを振り向くと、若干の逆光で表情は窺えないが、聞いたことのある声だった。

 

「う、ウロコ様!?」

 

「海の守人だからやっぱり眠ってなかったか。なぁ、おい。果那ノ海を覆ってる氷も、澄澪を閉じ込めてるこの氷柱も、全部海神様の仕業か?それともウロコ、お前の仕業か!?」

 

 航大が獣のように吠え掛かって地面を蹴った。おじょしさまなど見てもおらず踏みつけて近づいていく。けれど沙月はある違和感に気づいて、慌てて航大を止めに行く。

 

「待って航大!」

 

「なんでだよ!」

 

「この人、本当にウロコ様なの?」

 

 沙月の言葉に航大は眉をひそめながら改めて目の前にいる人物を見る。「どう見てもウロコだろうが」と言い返そうとしたが、まじまじと見てみると、航大にも疑問が生まれ始めた。

 

 近づいたからこそわかった。顔立ち、そして毛色と膝まである長い髪の毛。鋭い目つきに、あの聞き慣れた声。けれど、服装がまるで違う。裾がボロボロになっている衣服を着崩した、なんとも神様とはいえない恰好。それがウロコ様だった。なのに二人の目の前にいる人物は、清らかな濃い青の着物を羽織っていて、内側の白と紫の着物もこれほどまでと言わんばかりに綺麗だ。なにより、額に金色の飾り物をしている。そして、首筋にまで水色のウロコが見える。

 

「ふむ、ウロコ。ウロコねぇ。そう名乗るのは当然じゃな」

 

「まさか」

 

 沙月は目を見開き、首を振りながら後退する。違和感は確信に変わった。航大も意表を突かれた顔をして動けなくなっている。

 

「あんた、海神様、なのか」

 

「そうじゃ、小童よ。そして我が子孫たちよ。儂は海神。海を守り、海のすべてを司る神じゃ」

 

 二人は、絶句だった。もう遙か昔を生きた海神が、目の前にこうしているのだから。

 

「な、冗談はよしてくれよ。だって海神様は」

 

「そうじゃな。とうに儂は死に、今ある御霊火としてお主らを見てきた」

 

「!」

 

「だがこういう事態になったのは必然。どうにもこうにも、避けられないもの」

 

 どうにかしてウロコ様の茶番だと、そうであると言ってほしかった。けれど、それはかなわない。目の前にいるのは、やはり海神だった。

 

「ここまで辿り着いたこと、褒めてやろう。しかし、変えられぬものは変えられぬ。お主らの求めるものがその娘なら、このまま帰ってもらおう」

 

「そんな!私たちは……」

 

「冬眠からいち早く目覚めたところで、お主らは海の者に変わりはない。しかし、お主らの"おもい"は儂には届かない」

 

 海神の声は、あの氷柱を触れたときのように冷たく、今目の前にいるのに遠く離れているようだった。彼もまた、二人を拒絶しているのか。

 

「ざっけんな!俺たちはなぁ、みんなを早く冬眠から」

 

「二度も神に喋らせるな」

 

 海神の目が一層細くなり、声音が強くなる。航大を刃物で突き刺すように言い放った。

 

 そして海神がひとたび右腕をはらうと、たちまち二人の足下が揺れ、渦が形成される。

 

「無理は言わん。諦めろ」

 

「くそっ、なんでだよ!」

 

「やめて、やめてよお!」

 

 二人の意思など蹴散らすように渦は二人を持ち上げていく。氷の天井の一部がずれて、穴が開いた。そこから投げ出すつもりだ。

 

 悔しさ混じりに航大は海神を睨む。そんなものさえ届かぬぞと、そういった顔で航大を見ている。その顔には、感情ひとつ読み取ることはできなかった。




今日で「凪のあすから」放映五周年!
みんなに愛されているのがTwitterを見てても伝わってきます。
公式さんも新規版権を出してたりと、盛り上がっております。

そんな流れであれなのですが、これまたしばらく更新が途絶えます。少なくとも今年はこれが最後です。来年、少なくとも四月前後……?物語の急展開でこんなに間を挟みたくないのですが、事情によりやむを得ず、です。リスタートを活動報告で伝えるかも。
気長に待ち続けてくれるとありがたいです。
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