魔法少女まどか☆マギカ×Fate   作:くまー

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その頃のあの人たちは、的な。

或いは未来の被害者たち、とも言う。


まどマギ×Fate 3

 宝石の導き。

 観測される世界。

 因果の糸。

 連なる道筋。

 

 

 

 ――――その日、青年は運命に巻き込まれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■ まどマギ×Fate ■

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――風見野市。

 隣町の見滝原市に追随するように、開発が進められている日本の地方都市の一つ。

 とは言え見滝原市のように最先端技術がつぎ込まれているわけではなく、郊外には本来の長閑な市の景観を残している。

 特筆するところの少ない、どこにでもある地方都市の一つ。

 どこにでもある地方都市の、一つ。

 

 青年はそんな都市に訪れた、一般的に言うならば学生である。

 

 イギリスの倫敦に住む学生。高校卒業後に渡英。恋人でもあり師匠でもあり相棒でもある人物と共に勉学に励んでいる。

 一緒に学び舎に向かい、真面目に授業を受け、知り合いの屋敷にて使用人として働き、夜は恋人と食事を楽しむ。

 時々爆発したり崩壊したり弾丸が飛んできたり文句を言われたりするけれど、基本は平和な日常。普通の――青年にとっては『普通』の日常を送っている。

 

 だがそんな青年にとって、昨日と言う日はいつもと違う日であった。

 

 夕食の準備をしていて。

 その準備中に恋人の師匠――つまりは師匠の師匠――が訪れて。

 何故か無理難題級の依頼を投げ渡され。

 着の身着のままのロクな用意をする間もなく帰省することになって。

 予め取っていたという飛行機のチケットのおかげで、翌日には機上の人になっていた。

 依頼を受けてから出国するまでに掛かった時間は約半日程度。師匠の師匠と言う関係性から断るという選択肢が元々存在しなかったとはいえ、学び舎にもバイト先にも恋人にすらも手が回っていたことを考えると、言葉にし難い遣る瀬無さが青年の胸中を覆う。

 

「ハァ……」

 

 日本について、特急電車に乗って、幾つか在来線を乗り継いで。

 青年を乗せた電車が目的の駅に着いたのは、日付が変わるまであと一時間を切った頃だった。

 既に外は夜の帳で覆われている。意外と時間が掛かったなぁ、と疲れ切った頭でそんな事を青年は考えた。そしてこれからもっと疲れる事になるんだよなぁ、と諦めを含んだ溜息を吐き出した。

 これから起こるであろう疲れる事態に思いを飛ばして疲れる。

 疲れの自給自足とは難儀な男としか言いようが無い。

 

「ハァ……」

 

 もう一度小さく溜息。外見の年齢に似合わぬ哀愁を帯びた背中は、それだけ濃密な人生を過ごしてきた証か。或いは苦労人としての性か。

 だが青年はピシャリと自らの頬を叩くと、先ほどまでの複雑な心境を無理矢理に霧散させた。

 

 ――――ごめんね。でも、任せるしかないみたい……

 

 昨日――時差があるから一昨日か――の夕食の席。遣る瀬無さを覚えていたのは青年だけではない。

 何を意図して弟子の弟子でしかない青年にだけ依頼をしたのか。そしてそもそも何故依頼主が自ら動かないのか。

 疑問に思うところは多々あるが、今更それを訊く術は無い。知るには依頼を完遂するしかないのだ。

 ――――上等だ。やってやろうじゃないか。

 サクッと依頼を終わらせ、イギリスに戻る。そして恋人であり師匠であり相棒の心配なんて無用であった事を証明する。

 それが青年の――恋人であり弟子であり相棒の――役割である。

 そうと決まれば悩んでいる暇などない。

 

「……ん?」

 

 青年の嗅覚が不可思議な臭いを捉えたのは、悩みに一区切りをつけたその矢先だった。

 獣臭さと鉄臭さが混じった、とてもではないが良いとは言い難い臭い。臭いの元を探りながら周囲を見渡すが、視界に映るのは人工の灯りに照らされた駅の構内。だが青年の勘と経験はその光景を只の光景とは見ていなかった。

 臭いの強い方へと足を進める。それは駅を出てすぐそばの路地裏から臭った。

 ――――近いな。

 ここにあるのは何の異常も無いどこにでもある街並み。周囲の人々も異常に気が付いた様子はない。

 だが青年は気のせいと言う結論を出さなかった。

 漂う臭いに誘われるように路地裏へ足を踏み入れ、

 

「ここ、だな」

 

 路地裏の奥。不自然に暗いビルとビルの間のスペース。

 眼は何の変哲もない光景を映す。だが青年の嗅覚と経験と勘は、異常を捉えていた。

 

 

 

 ――――そしてそれは如何なる技術か。

 青年がさらに一歩深く足を踏み入れた瞬間。世界が変貌する。

 真っすぐな裏路地が円形のスペースへと様変わりする。

 周囲には障子のようなものが無数浮いており、円形のスペースとその先とを区切っている。

 夜の暗さが解消されており、光源こそ不明だが今いる場所の全貌を把握するのに不都合はない。

 それはまるで、異世界に迷い込んだと言っても差し支えないような唐突な変化。

 だがそんな変化など、目の前の異常に比べれば可愛いものだ。

 

 

 

 青年は旅行鞄を抱え直すと、大きく気合を入れる様に息を吐き出した。そして前に視線を向ける。

 青年の視線の先――つまりはスペースの中心には、言葉にし難い生き物が佇んでいた。

 骸骨のような頭。襤褸切れのような髪。頭部から直接足が一本だけ生えている奇怪な姿。そして青年の倍以上はあるだろう背丈。頭蓋骨こそ人の形を模しているが、どう贔屓目に見ても人間には見えない。

 そして何よりも。ソレから溢れ出る敵意が雄弁に青年とソレとが相容れない事を示している

 

「悪霊や魍魎の類か」

 

 青年はソレに近しい存在を知っている。ソレに近しい存在と対峙したこともある。

 一つ違うところがあるとすれば、ソレは今までに見た奴らとは段違いに強力な事。つまりは今までの相手と同じ考えで挑めば、返り討ちに遭うということだ。

 逃げ場は無し。

 相手は此方を捉えている。

 説得は不可能。

 ……ならば相手が強かろうと倒すしかあるまい。

 

「――――」

 

 旅行鞄を地面に置くと、無手のまま青年は一歩を踏み出した。気負いも何もない、自然すぎる一歩。

 だが如何なる手品か。一歩を踏み終えた時には青年の両手には双剣が握られていた。刀身が黒と白の夫婦剣。まるで最初から握られていたかのように、青年は疑問に思うことなく構えた。

 

「……もしかしてだけど……ルビーの奴が絡んでいるとか無いよなぁ、これ」

 

 

 

 尚。青年は知らぬことだが。

 今しがた青年が入り込んだのは魔女の結界。

 そして青年が対峙しているのは主である魔女。

 青年が口にした心配事とは、本来であれば無縁の存在である。

 

 

 

 ――――青年の名前は衛宮士郎。

 イギリスの倫敦に住む魔術使いである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カレイドステッキが逃げ出した。

 すまんが捕まえてくれ。

 場所はこの辺りだ。多分。

 では、よろしく頼むぞ。

 

 ……何故自分が、という顔をしているな。

 理由は三つだ。

 一つ目は、アレの重要度を知っている者。言うまでも無かろう。

 二つ目が、宝石の系譜である事。これについても言うまでも無かろう。

 そいて三つめが――まぁ、これが最大の理由なのだが……君が適任なのだ。

 

 そう、他の誰でも無い君で無ければいけないのだよ。

 時計塔のロード共でも無く。

 経験豊かな執行者でも無く。

 有望な魔術師でも無く。

 

 ロード・エルメロイⅡ世でも無く。

 バゼット・フラガ・マクレミッツでも無く。

 ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトでも無く。

 或いは、君の師である遠坂凛でも無く。

 

 衛宮士郎。

 君でなければいけないのだ。

 

 では、頼んだぞ。

 朗報を期待している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 対峙はほんの一瞬だった。

 そして決着も。

 

 

 

 士郎が別の――第三者の気配に気が付いたのは、目の前の敵に向かって双剣を投擲したその瞬間だった。

 巧妙だった。完璧なまでに隠されていた気配は、士郎の攻撃に合わせる様にして表舞台へと出てきた。直接向けられていた訳でない士郎だからこそ寸でのところで気付けたのであって、きっと相手は最期まで気が付かなかったに違いない。

 

 そう、最期まで。

 

 投擲した双剣を防ぐように、相手が地中から触手を繰り出す。

 それが相手の行った行為の全て。

 相手が行使できた行動の全て。

 なにせ次の瞬間には。相手は頭上から降ってきた巨大な槍に、その頭部を切り裂かれたのだから。

 ――――何が起きた!?

 士郎は咄嗟にバックステップで槍から距離を取った。状況が分からぬまま呆然としているのは悪手であり死に急ぐことと同義であるからだ。

 

「アンタ、ラッキーだな」

 

 そんな士郎の胸中を知ってか知らずか。絶妙のタイミングで声を掛けられる。

 声の方へ視線を向けようと――するよりも早く眼前に人影が降り立つ。

 見上げた先には燃えるような紅い長髪を黒いリボンで纏めた少女が居た。

 

「一応お礼は言っとくよ。アンタのおかげで労せずして仕留められたからな」

 

 身長は目算で大凡160cm。腰まで届くであろう長い紅髪をポニーテールに纏めている。外見年齢は中学生くらいだろうか。まだ幼さが残る顔立ちではあるが、所謂美少女と言っても過言ではない。上機嫌である事が分かるくらいに顔を綻ばせており、その口から覗く八重歯が印象的である。

 

「……君は?」

「ん? どーだって良いだろ、んな事はさ」

 

 少女は士郎に興味はないらしい。おざなりな態度がその証明である。

 だが士郎からすればそんな訳にはいかない。

 この状況に疑問を持っていない事。

 あの化け物を一撃で葬る戦闘能力。

 そして何よりもその身から溢れ出る尋常ではない量の魔力。

 慣れ。戦闘能力。魔力。そして依頼。

 脳裏に過るは単語の足し算と引き算。

 出てきた答えは一本のステッキ。

 

「ちょっと待ってくれ。訊きたいことがあるんだ」

 

 想像が当たってほしいとも思うし当たってほしくないとも思う。こんな微妙な気持ちは初めである。

 立てた決意は何処へ。発した言葉は震えていたし、何故か冷汗のようなものが背を這う。脳裏を過った一本の影のせいで、キリキリと胃が痛みを訴えているような気がした。

 

「アタシには無いね」

 

 一方で。そんな士郎の事など歯牙にもかけず。

 取り付く島もない、とはこの事か。士郎の言葉を適当に聞き流して少女は槍の柄を掴む。応じる様に巨大な槍が少女の身体に合わせたサイズへと縮んだ。

 

「暫くしたら結界も消える。そしたらさっさと帰って寝ちまいな」

「……それは忘れろって事か」

「その通りさ。察しが良いじゃないか」

 

 士郎に目を向けることなく、少女は化け物の躯を漁っている。それは彼女の中で士郎の存在が全くと言ってもいいほど気にされていない事の証明でもあった。

 だが士郎とて少女に言われたことを鵜吞みにして黙って従う訳にもいかない。依頼解決の糸口をみすみす逃す程楽天家ではないのだ。

 

「いや、待ってくれ。そう言われても――――っ」

 

 だが言葉は最後まで紡げなかった。

 なにせ士郎が声を上げた瞬間。声に反応して少女が煩わしそうに士郎へと目を向けた瞬間。

 ソレは、動いた。

 

「っ!?」

 

 倒れ伏していた骸骨が動きを再開する。動きは至ってシンプル。真っ二つに割れた筈の身体をくっつけようと再生を始めたのだ。

 当然その中心にいる少女からすれば堪ったものではない。

 

「くっそ、コイツ……」

 

 少女は反射的に槍を突き刺すことで挟まれることは回避するが、身動きが取れない事には変わりない。

 油断をした。その一つの事実に胸中で舌打ちをする。

 だが原因を思い返す余裕は少女には無い。

 再生を遅らせる事で精いっぱいだからだ。

 

「この……っ」

 

 魔力を全開にして少女は抗おうとする。だが槍に込め切る前に、赤い液体が身体を飲み込んだ。

 ――――ヤバい。

 過程も理解もすっ飛ばしてそう少女は思った。この状況が自分に取って喜ばしくないであろうことを本能的に理解したのだ。

 その証拠に身体の自由が利かなくなる。急速な圧迫感が全身を締め付ける。本能と経験が嫌な未来を脳裏に映した。

 

 

 

「――――停止解凍、全投影連続層写」

 

 

 

 躯が飛ぶ。液体が飛ぶ。破片になって飛んでいく。周囲が削られて飛んでいく。

 目まぐるしく変わる状況。だが自身の身体が自由になった事を察すると、咄嗟に少女は自身の槍に魔力を込めた。そして一回転。

 赤い光を纏った大槍が周囲に残っていた残骸を力任せに吹き飛ばす。

 そう、残骸を。

 

「……チッ」

 

 くるりと。右手の手の甲で槍を回して柄の先を床に突き立てる。周囲には化け物の残骸が散らばり、そのグロテスクな躯の間を縫うようにして幾つかの刀剣が突き刺さっている。

 少女は酷く不愉快であった。周囲の状況に、では無い。自分が結果的には助けられたという現実。一般人であるはずの存在に助けられた事実。そして何よりも。死にぞこないに一杯食わされたことと、それを許した自身の油断と慢心に。言いようの無い不快感を覚えていた。 

 

「……クソッ」

 

 悪態を零し、自らの胸元に手を置く。

 ――――それは如何なる技術か。

 少女の身体を赤光が包んだかと思うと、一瞬の間に様相が変貌していた。

 濃い赤色をした神父服風の衣装が薄青色のパーカーに。

 上着に合わせていた薄赤色のスカートは黒色の短パンへ。

 そして背丈を超えるような大槍が消え、代わりに少女の手には炎の様に輝く宝石が。

 お伽噺の中の恰好から現代風の衣装へと変わる――いや、戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 骸骨の頭をした不気味な化け物が倒れたことで、周囲の景色が絆されていく。

 一呼吸の合間にあの不可思議で不気味な空間は消え去り、元いたビルの路地裏へと戻る。

 ただ一つ異なるのは、士郎の目の前には少女がいる事。燃えるような紅い髪をした少女がいる事。

 少女は何かを拾い上げると、士郎に向けて投げ渡した。

 

「っ、……宝石……いや、違うか」

 

 宝石については善し悪しが分かる程度には見慣れている。

 大きさは士郎の掌にすっぽり隠れる程度。丸形の黒色の中心部を守る様に桜の花を模した装飾が施されており、持ち手らしき上部は簪の形に、反対に下部は針状になっているだけのシンプルな造りだ。

 が、一目見てわかる。この物体が高度な技術を以って造られたものであると。

 だがそれ以上に士郎には気になる事があった。

 

「……魔力?」

 

 じんわりと。滲み出る様に。

 士郎の掌は装飾品から出ている魔力を感知している。

 ……まず間違いなくこれはただの装飾品ではあるまい。

 自然に発生したものでは無い。造形と言い魔力と言い、誰かの手が加わっていることは明らかだ。

 

「グリーフシードだよ。それでさっきのはチャラだ」

「グリーフ、シード?」

「ああ? アンタ、それが目当てじゃなかったのか?」

「いや、俺は偶然通りかかっただけだ」

「は、じゃあ偶然魔女の結界に入り込んだって事かよ」

「魔女の結界? さっき居た空間の事か?」

「……アンタ、本当に何も知らないんだな」

 

 グリーフシード。直訳で「嘆きの種」。そして魔女の結界。

 随分と物騒な名前だ、とやや外れた感想を士郎は抱いた。

 

「何者だい、アンタ。魔法少女でもないのに魔女に対抗できる奴なんて聞いた事もない」

「……魔法少女?」

「アタシのような存在だよ。それを含めて色々と訊きたいことがあるんじゃねーの?」

 

 魔法少女。決定的とも言える単語。脳裏にかつてのトラブルとトラウマが蘇り、眩暈に視界が歪む。そして思う。アイツ、逃げた先で欲望に任せて魔法少女を量産しているのかと。

 カレイドステッキ。師匠の師匠が片手間で作り上げた愉快型魔術礼装。そして今回の依頼の対象。

 目の前の少女はまだ中学生くらいだろうか。つまりはあのステッキがターゲットにしそうな年齢である。好んで接触しては適当にノリと勢いと正当性っぽい我儘で契約しているのだろう。そして被害者を量産しているのだろう。ありありとその状況を思い浮かべ、頭の奥が痛みを発し始める。まだ見ぬアレに関わってしまったが故の被害者たちを想い、心の中でさめざめと涙を流した。

 

「……大丈夫か、アンタ」

「……ああ、何とか」

 

 折れかけた心を支えるのは恋人の遣る瀬無さに満ちた顔。そうともこんなところで折れてはいられない。さっさと依頼を終えて、二度と逃げ出さないように厳重に保管する。それが自分のするべきことだと、士郎はしっかり認識していた。まだ依頼は始まったばかりなのだ。

 一方で少女は。そんな突然虚ろな目になった青年を危なっかしいものを見るような目で見ていた。コイツ頭大丈夫なのか、と割と失礼な事を考えていた。でも会話の途中でいきなり虚ろな目になって膝が折れれば誰だって同じことを考えるだろう。別に少女が特別ドライなわけではない。

 ……まぁいいか。問いかけに返答があった事。そして合わせた目に生気が戻ってきている事。以上の二つを判断材料に少女は思考を打ち切った。

 

「あー、それでだな。魔法少女とやらも含めて色々と訊きたいことがあるんだが……」

「……あぁ、いいぜ。アタシも訊きたいことはあるんでね」

 

 士郎の傍らを抜けて、一足先に少女は表通りへと戻る。

 そして挑発的な笑みを浮かべながら振り返った。

 

 

 

「佐倉杏子だ。腹減ってんだよ。先にメシ食ってからでいーよな?」

 

 




 おまけ


「悪いけど来たばかりでここら辺の飲食店知らないんだ。何かオススメはある?」
「お、それなら美味いラーメン屋があるぜ。案内してやるから奢れよな」
「ラーメンぐらいなら……うん、今の手持ちでイケるな」
「へへっ、じゃあ早速……」
「ちょっと待った。そっちの君、昼の万引き犯だろ」
「!?」
「一先ず署まで来てもらうよ。それからそこの君も――――ガハッ!?」
「!? おい、何で殴っ……」
「逃げるぞ、油断したっ」
「いや、ちょっと待って、何を――――!?」


※とりあえずこの場は逃げ切りました。


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