絶望依存症の彼女は希望を求める   作:二次元ラブ100%

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君は絶望という名に跪く

––––––––神谷さんってなに考えてるかわからないよね。

––––––––正直言ってキモい。

 

私の名前は神谷 沙織。総武高校に通う高校2年生。彼氏はいなくて、友達も少ない。

 

私は昔から自分がないと言われていた。

 

それもそのはず。私はこの世界に絶望している。退屈していて世界の全てに絶望している。

 

よく私は虚ろと言われるけど、まさにその通りだと私は思う。

 

「神谷。このレポートはなんだ」

「世界の絶望についてですけど?」

 

そんな私が、職員室で平塚教諭に尋問を受けている最中だ。

 

「それはタイトルでわかる。問題はなぜこれをまとめようかと思ったってことだ」

「世界に絶望は必要ですから。絶望の必要性についてまとめただけですけど」

「だからといってなぜこうなる。君はなんか悩み事でもあるのか」

「いえ」

「悩み事があるなら奉仕部というところにいくといい。相談に乗ってくれるだろう」

 

奉仕部……?

 

「なんですかそれ」

「生徒が生徒の悩みを解決してくれるところだ。気が向くといくといい」

「はあ」

 

どれ、ちょっくら見にいって見ますかね。

 

「わかりました。行ってみます」

「うむ」

 

平塚教諭は笑顔で頷き、帰っていいと促す。

私は早速奉仕部へ行くとした。

 

奉仕部の前に立つと、なんだか話し声が聞こえてくる。

ゆきのん?ヒッキー?誰だそりゃ。

とりあえず、私はドアを開けてみた。

 

「あら」

「…………げ」

 

由比ヶ浜さん。小声でげって言ったの聞こえてますよ。

まあ、そうだわな。私は自慢じゃないが嫌われている。もっとも、人間という生物に絶望し、希望を見出せず、どうしてもアンチテーゼを取ってしまうからね。慣れている。

 

「こんにちは」

「や、やっはろー沙織ちゃん」

「うん」

 

由比ヶ浜さんが引きつった笑みを浮かべて挨拶をしてくる。そんなに嫌ならしなくてもいいんだけどね。

 

「お前……失礼だろ」

「そうね、由比ヶ浜さん。そういう態度はよくないと思うわよ」

「だ、だよねー……。ごめんね、沙織ちゃん」

「いえ。私が嫌われてるのは知ってますし。包み隠さず嫌と伝えていいんですよ。私は傷つきませんし、なにも遠慮する必要なんてありませんよ」

 

私には感情がない。泣くことも、笑うこともない。それを全て忘れてしまった。だから私はなにを言われても傷つかないし、感じたりしない。

 

「え、えーと……」

「コミュ力高い由比ヶ浜ですら嫌う相手とか何者だよ」

「そうね。正直怖いわ」

「えーと……そうだね……」

「それで依頼って何かしら」

「えーと、世界を絶望に染めるお手伝いを」

「…………あなた、本気で言ってるの?」

「半分、ね」

 

絶望がないとつまらないじゃん。全てが希望だなんて気持ち悪いにも程がある。

 

「悪いけどお断りするわ。第一、まともなことを、述べてから出直しなさい」

「そっか。君たちも私のことがわからないんだ」

「それが依頼か?」

「うん、ら君たちに依頼というのは私を見つけて欲しいんだよ。私を」

 

この人たちは私を見つけられるのだろうか。この人たちは私を見つけた途端どんな顔するのだろうか楽しみだ。


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