絶望依存症の彼女は希望を求める   作:二次元ラブ100%

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今回と次回とかは八幡の視点です


由比ヶ浜に説得⑴

由比ヶ浜と雪ノ下が学校へ来なくなった一週間後、俺は小町からの依頼で由比ヶ浜と雪ノ下を、学校へ連れ戻すということになった。

 

あいつ、神谷沙織は恐ろしいやつだ。

絶望を求め、絶望に忠実に動く。そして周りの人間を巻き込むはた迷惑なやつだ。

 

「––––––ったく、思い出したくねえ」

 

あれは俺が中学の頃。親の都合で転校してきたあいつの一言はこうだった気がする。

『みんな、絶望に染まりましょう』

その頃は気味悪がられて、俺みたいなぼっちだった。でも、俺がす……告白したやつに気に入られ、周りに馴染んでいた。

その様子を横目で見ていたのを俺は覚えている。そして、俺が告白をしたあの時、あいつはドアのそばにいたのだ。

そして、みんなにそれを広めた……。

 

思い出したくねえつって全部思い出してんじゃねえか。

 

「はあ……」

 

思い出すとため息がでる。あいつの依頼については、答えはもうでている。解決法もわかっていたりはするのだ。でも、その解決方法は俺じゃできない。葉山みたいなやつじゃないとできない解決法が。

 

「––––––ま、んなこたいいか」

 

まずは、由比ヶ浜の説得からいくか。

 

 

 

由比ヶ浜の家の前。

うわー……女子の家に訪れんのって緊張するわー。っべー。

恐る恐るインターホンを鳴らす。

 

「……はぁーい」

 

なんか知らない女の声。まさか不倫!?

と思ったら由比ヶ浜のママ、由比ヶ浜マがだった。

 

「あら……あ、あなたがヒッキー君、ね?」

「あ、どうも。比企谷八幡です」

 

由比ヶ浜マ。ものすげえ若えな……。

 

「とりあえず上がって上がって!」

「あ、ども」

 

由比ヶ浜のお母さんすげえな……。

とりあえず中にお邪魔することにする。突撃隣の晩御飯とかいったらご飯たべれないだろうか。いや、うちには愛する小町のご飯があるからな!それはできないぜ!

 

「––––––それで、ヒッキー君どうしたの?」

「あ、えと、由比ヶ浜……さんの説得にきまして」

「きゃんきゃん!」

「おっ!さ、さぶ……佐原どうした?」

「うちの犬はそんな名前じゃないわよー?ふふふ」

 

なんだっけこの犬……サブロー……サブ八……。サブレイ……サブレだ。

 

「それで、結衣の説得……ね」

「はい。まずはどんな様子か伺いたいんですが」

「結衣は一週間も部屋に閉じこもってるわねえ。お風呂とトイレとご飯以外は全部部屋にいるわね」

 

ご飯は食べてんのな……。

 

「たまに泣いてるのよあの子。『ごめんヒッキー』ってなんどもつぶやいていたわ」

 

その言葉を受けて、少し戸惑った。

あの時、それはちゃんと終わりにしたはずなのに、なんだかとても胸が苦しかった。

神谷が昔のことを持って来なければ、こうはならなかった……。いや、人のせいにするのはよくないな。すべて自分が悪くて社会が悪い。

 

「–––––ま、とりあえず説得してくるんで」

「よろしく頼むわー」

 

由比ヶ浜。お前は間違ってる。

俺は別に気にしてなんていないし、お前は俺みたいにならなくていい。戦うのを放棄して、諦めて閉じこもるのなんて俺だけでいい。由比ヶ浜は由比ヶ浜らしさをだせばいいのだ。普段の優しい由比ヶ浜に戻ればいい。

さて、逃げるのは終わりだ由比ヶ浜。戦え。

 

 

 


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