ゴールデンカイトウィッチーズ   作:帝都造営

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第九話 「ブイ・ツー~まちなみ~」前編

 まさに満点の星空。当然だ。海の上は視界を遮る排煙を吐く工場もないし、眼を眩ませる生活光もない。月も新月から回復し始めたばかりで、まだまだ空は遥か彼方の恒星たちの独壇場。それぞれが声高に叫び合っている。対する海はなにも自己主張をすることがなく、空が明るいからようやくそこに海があるのだと認識できるくらいの中途半端な暗さ。

 

 当直と言葉を交わしつつ艦橋の外へと出た石川大佐の視界に入ってきたのは、そんな空と海の境界線だった。

 

「……」

 

 誰もいない飛行甲板を見下ろし、それからもう一度水平線へと視線を戻す。潮風に乗って海のささやきが聞こえてくる。どんより暗い海に真っ黒となって浮かび上がるのは僚艦の姿。衝突防止用の側舷灯すらも灯火管制がキチンと敷かれた中では見えない。

 

 第五航空戦隊は台湾海峡を通過、現在は華僑大陸を沿うように西へと進路をとっている。艦橋で聞いた話によれば海も穏やかで、明日の朝か……遅くても昼前には一回目の寄港地である香港に入港できるとのことだ。

 

 内ポケットから手のひらサイズのオイルライターを取り出し、やめる。迷うように弄ぶ。

 

 

「……まーた吸いに来たの?」

 

 

 と遮るように声が聞こえた。相手が分かってる石川は、海を見たまま返す。

 

「昼だと北条少将とかち合うことが多いんでな、落ち着いて吸うにはこの時間が一番いい」

 

「まったく、現役のウィッチ様が喫煙なんてホント子供たちの風上にも置けないわね」

 

「前では吸わないようにしてるじゃないか」

 

 そう言い返せば、声の主でもある「加賀」艦長の霧堂は石川の隣へ。

 

「でしょーね、ヒトミンとか絶対気づいてない」

 

「……何しに来た」

 

「なにも? 副長みたいに艦の見回りしてたら男装した面白ウィッチがいたもんでね、ちょっと声をかけてみたくなったのさ」

 

 男性用の将校服に身を包む石川大佐は、霧堂艦長を一瞥するだけ。

 

「明日、203に華僑民国軍からのウィッチが合流するんでしょ? 寝不足でクマつくって初対面とか、あんたの顔じゃトラウマもんだよ?」

 

「貴様だって明日は補給とか色々仕事があるだろうに」

 

「あー、それは優秀な司令に丸投げしときゃいいでしょ」

 

「貴様は上司をなんだと思ってるんだ……」

 

 霧堂艦長はそれに返さず、石川大佐もそれ以上は言わない。再び海の上は静けさに支配される。

 

「……ま、これで制空用のウィッチも数が揃ってきたし、参加国がそろった意味でもようやく203ゴールデンカイトウィッチーズの本格始動かな?」

 

「だといいが」

 

「そそ、F-4なんて旧式機は、もうお役御免ね」

 

「……なんだと?」

 

 石川大佐が目を細めた。霧堂艦長は真顔だ。

 

 

「いつまで『大空のサムライ』坂本美緒を気取ってるつもり?」

 

 

「口を慎め……『ハルトマン』」

 

 そう石川大佐は言う。霧堂艦長はやけに長い間を取ってから、不敵な笑みを浮かべた。

 

 

「……それなら、ヴィルケ中将に例えて欲しかったかな」

 

 

 石川大佐は黙ったまま。それをいいことに霧堂艦長は前を、艦首方向へと視線を飛ばした。まだ朝は遥かに遠いはずなのに、水平線の先が光っている。

 

「ほら見て石川……香港だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 まだ中華大陸が荒漠に覆われる前、そこには強大な帝国が栄えていたという。

 

 その末裔がモンゴル帝国やここ華僑民国な訳であり……その中でも、香港という街は特に目を引く場所であろう。1997年にブリタニアから華僑民国へと返還されたこの街はまさに中華大陸にて最も富が集中し、そしてブリタニア統治時代の欧州文化と一世紀以上塗りつぶされることのなかった華僑文化が入り乱れる街でもあるわけだ。

 

「……補充要員?」

 

 首を傾げたのはひとみだ。香港入港を控えてブリーフィングルームに集められたひとみたち203空メンバー。その指揮官である石川大佐が説明する。

 

「そうだ、203空には発足時より華僑民国空軍の参加が決まっている。もとよりここ香港で合流の予定ではあったのだが、着艦訓練も兼ねて一時間後に加賀(ここ)へ来ることが決まった」

 

「はい石川大佐!」

 

 盛大に手を挙げたのはのぞみだ。

 

「なんだ大村」

 

「華僑空軍の機体はなんですか?」

 

「ミラージュ2000だな」

 

 その言葉を聞いたのぞみは、少し不安げに言う。

 

「……それ発艦出来るんですか?」

 

 間。

 

「……米川准尉が発艦で来ている以上、出来ないわけではない」

 

「のぞみ先輩、なんですか? そのなんとか2000って」

 

 ひとみはこっそりのぞみへと聞く。まあ四人しかいないブリーフィングルームで内緒話ができるはずはないのだが、のぞみも応じるようにこっそり答えてくれた。

 

「ミラージュ2000。ガリアのゲッソー社が開発した多目的機(マルチロール)。ウィッチの少ない203なら使い勝手がいいだろうって判断なんだろうけど、だから余計にSTOL性能高い機体が欲しかったわねぇ……」

 

 そうブツブツいうのぞみ。彼女の操るF-35FBは戦闘機としては203で唯一「加賀」より直接発艦できるストライカーだ。ひとみのF-35FAがオスプレイから発艦したり、コーニャのA-100がロケットブースターで無理矢理発艦するのと違って手間がかからないからすぐ飛び立てるわけで、空襲を受けた際には真っ先にのぞみが飛び出すことになっている。つまり、「加賀」直掩に関してはのぞみに大きな負担がかかっているのだ。

 

「いい加減……「加賀」にもカタパルトが欲しいものだな」

 

「でも蒸気カタパルトなんて超重いだけですし、2万トンの出雲型には無理ですよ」

 

 

 のぞみがそう言ったとき、突然スピーカーからデパートの館内放送とかで流れるような上り調子の音が聞こえてきた。懐かしいねぇとのぞみが言うと、扶桑のデパートなんて行ったとこがないコーニャが首を傾げ……軍艦に不相応なサウンドを使った犯人を察した石川大佐がまたしても盛大なため息をつく。

 

『えー艦橋より迷子のお知らせですー、人類連合からお越しの石川大佐。石川大佐はいらっしゃいますかぁー?』

 

「霧堂ゥ! いい加減にしろ!」

 

 石川大佐は聞こえるわけでもないのにスピーカーに向かって叫ぶ。ところが相手は満足げに返してきた。

 

『よーし聞こえてるね、CICによるとなんか華僑空軍機がこっちに向かってきてるみたいだけど……なんか予定より早くない?』

 

「なんだと? 確かに早いな……」

 

『でしょう? だから受け入れの準備しといてね。それではっ!』

 

 

 そしてスピーカーはご丁寧に下がり調子の音を奏でてから沈黙。どこにもやりきれない怒りを石川大佐は持て余しているようだが……マイクを持っていないのに、どうして会話が成立していたのだろう? むしろそっちのほうが気になったひとみだった。

 

 

 

 

 

「はいこれ」

 

 というわけでひとみに渡されたのはなんだかすごい古そうな銃。ボルトアクション式の単発銃らしく、大半の部分が木でできている。黒光りしそうなほど磨かれて使い込まれていることが感じられるそれはとっても手に馴染むのだけれど……一つだけ問題が。

 

「……こ、こんな長いのを持つんですか?」

 

「まー儀仗任務だからね」

 

 そう、長いのである。なぜか興奮気味ののぞみが抱えた銃はのぞみの身長と同じくらいの長さ。ひとみよりはちょっと大きいぐらいだ。普段使っているWA2000(ワルサー)が長さ90㎝くらいなのに対して、この銃に銃剣とかつけたら長さは140㎝くらい。いつもより50㎝も長くなってしまうのである。なんとひとみの背丈より長い。

 

「はい着剣して」

 

 のぞみに言われるままに銃剣を着ける。ずいぶん昔の銃剣らしく、デザインもいつもの――――使う予定はないけれど、一応支給されている――――ともどこか違う。

 

「銃剣もすごい古そうですね……」

 

 そう思ったままの感想を口にするひとみ。するとのぞみが信じられないといった顔をした。

 

「え……米川もしかして、三八(サンパチ)式を知らないの? 扶桑の魂なのに?」

 

「そ、そうなんですか?」

 

 そう返すと、のぞみはどこか楽しげな顔つきに。

 

「よーしじゃあ大村家流軍事知識クイズだ。三八式の『三八』とは何を意味するのでしょうか?」

 

「え? え、えっと……三八だから、1938年?」

 

 きっと六十四式(ロクヨン)と同じだろう。そう思っての回答だったが、のぞみは笑みを深めるだけ。

 

「……やっぱり引っかかってくれたねぇ」

 

「えっ違うんですか?」

 

「違うも違うも大違い、三八式の三八は仮採用された明治三十八年から来てるんだね」

 

「えっと、明治三十八年ってことは……」

 

「1905年。一世紀以上前の武器ってことだね、ちなみに二度のネウロイ大戦でも大活躍してるよ? 陸軍歩兵の装備としてだけど」

 

「す、すごい……」

 

 なんかよく分からないけど、すごい。そんな感想を口にしたひとみ。

 

「さ、三八式歩兵銃殿のありがたみも分かったところで、さっそく捧げ銃の姿勢を取ってみよう!」

 

「は、はいっ!」

 

 ちなみにひとみは今、カッチカチの正装に着替えている。なぜかと言えば、もちろんこれからやってくる新しいウィッチを迎えるためだ。統合戦闘航空団は著名な多国籍部隊であり、新しい参加国を迎え入れるのは大事な儀式。

 

「というわけで、ポリウスロケット中尉。号令よろしくぅ!」

 

「……Покрышкин(ポクルィシュキン)

 

 いつものように返しながら、コーニャはサーベルを抜いた……って、サーベル?!

 それからコーニャは小さく息を吸い込むと、いつもの無表情を崩して目を見開き、力強い号令を放った。

 

 

「На караул!」

 

 

 沈黙。ぎっちりと固まった三人は誰一人として動かない。

 

 

「えっと……それなんだっけ?」

 

 のぞみが懐より『誰でも分かる扶桑オラーシャ会話語集』とでかでかと書かれた小冊子を取り出す……って先輩、どこにそんなの仕舞ってたんですか。

 コーニャはいつもの無表情に戻ると、それからぼそりと言った。

 

「……捧げ銃。その本には絶対載ってない」

 

「あー、うん。そうだろうとは思ったよ」

 

「На караул」

 

 もう一度コーニャが号令をかける。

 

「ほ、ほら米川、捧げ銃しないと」

 

「あ、は、はいっ」

 

 

 もうグダグダである。

 

 

()()()()なかなか様になってるじゃないか……馬子にも衣裳とはこのことだな」

 

 そう声をかけながらやって来たのは石川大佐だ。リベンジとばかりにコーニャが号令をかける。

 

「На караул!」

 

 それに合わせてのぞみとひとみが捧げ銃。今回は決まったようだ。石川大佐は答礼して、それから全員をひとりずつ見ていく。そして姿勢がしっかり乱れないことを確認すると、満足げに頷いた。

 

「よろしい、これなら華僑民国軍に恥じることない出迎えが出来る」

 

 それから石川大佐は、ひとみのほうを見て何かに気付いた。

 

「米川……もしかして重いのか?」

 

「はi……あっいえ! いいえ!」

 

 ひとみは「はい」と言いかけて、慌てて訂正する。はいと言おうとした瞬間、急に横からとんでもない気配を感じたからだ。

 

「……ならいいんだが、大村はどうだ?」

 

「はっ! 儀仗兵の任を預かり光栄でありますっ!!」

 

 肺と口だけを動かして返すのぞみ。もちろんひとみに圧力をかけたのはこのヒトだ。

 

「……そういうことは聞いていないんだが」

 

 そんな会話を交わすうちに、いよいよひとみの腕は限界が近づいているようだった。ぷるぷると三八式が震え始める。

 

「米川……大丈夫か?」

 

「は、はい……そ、そのあんまり大丈夫じゃ……」

 

 そんなひとみを見た石川大佐は、コーニャへと目配せ。

 

「Вольно!」

 

 再び沈黙。コーニャちゃん! 多分『休め』なのは分かるけど! 雰囲気で分かるけどさ!

 

 結局ひとみの腕は震えたまま、もう二の腕あたりが弾け飛びそうだ。そこまでしてようやく、石川大佐はやれやれとかぶりを振って見せた。

 

「もういい、総員休め」

 

 その言葉でようやく銃を下すことが許される。息を深くつくひとみに、のぞみがからかうように言う。

 

「米川ぁ、いくらなんでも筋力なさすぎ。だいたい、サンパチとロクヨン、ワルサーだってみんなおんなじくらいの重さだよ? なんで耐えられないかなぁ」

 

「だ、だって……」

 

「……ひとみ、頑張って」

 

 他人事みたいに言うコーニャだったが、よくよく考えてみるとコーニャが扶桑語で号令してくれればもっと早く休めたはずだ。ひとみはささやかな抗議の視線をオラーシャ人に送る。

 そんな三人に、石川大佐は呆れた調子で言った。

 

「こらお前ら、休めの姿勢で私語をするな」

 

「「「ごめんなさい」」」

 

 至極当然の注意に三人同時に謝る。石川大佐は困ったように頭をかいた。

 

「もういい、隊列解散。いろいろ言いたいことはあるが……とりあえずポクルィシュキン中尉。号令はオラーシャ語ではなくブリタニア語でかけるように。本番で失敗は許されないぞ」

 

「……ん」

 

「まあつまり、いよいよ我が第203統合戦闘航空団(ゴールデンカイトウィッチーズ)でも公用語がブリタニア語になるのですかねぇ」

 

「そうだな」

 

 のぞみが何故か感慨深げに言う。石川大佐も頷いて肯定を示した。

 

「公用語がブリタニア語……って、ええ!?」

 

 大きな声を出してしまったのはひとみだ。皆は何事かと視線を注いでくるが、何事もなにも、ひとみにとってそれはもう重大な危機である。ブリタニア語が公用語。今ですら石川大佐のブリタニア語講座でひいひいなのに、あれが公用語となってしまったらどうなるというのか。絶望しかない。

 

「ブリタニア語……」

 

「あと大村、さっきの返事は訳が分からなかった。とりあえず聞いたことにキチンと答えてくれ」

 

「了解です大佐」

 

「毎日、ブリタニア語……」

 

「あぁそうだ米川、三八式で捧げ銃を保つのが厳しいようなら拳銃装備にするか? 正式なものではないが、途中で態勢を崩すよりかは……」

 

「ブリタニア語……毎日がブリタニア語……」

 

 せっかく石川大佐がひとみの腕が機能不全になるのを防ごうとしてくれているのに、どうやら「公用語がブリタニア語」というのに押しつぶされてしまっているようだ。耳には何も入っていない様子。

 

「……ひとみ、頑張って」

 

 ひとみの肩に手を添えるコーニャ。ちなみにこの台詞、本日二回目である。

 

「無理ですよう……」

 

 ひとみが盛大に肩を落としたタイミング――――いきなり盛大に警報が鳴った。瞬間的にのぞみとコーニャが身構える。それと同時に左耳に突っ込んでいた魔導インカムに入感。

 

『PAN-PAN PAN-PAN PAN-PAN, CODE-U, Uniform, Uniform, Uniform.Chi-RAF WITCKA-01 request emergency landing for mechanical troubles.』

 

 響いた声はおそらくいつも航空無線を担当してくれている人の声。早口の声がすると同時に飛行甲板が一気にあわただしくなった。

 

《石川大佐、戻って》

 

 霧堂艦長のいつになく真剣な声がする。当の石川大佐もすぐに「了解」とだけ返して、艦橋の方へと消えていった。

 

「米川! そんなところに突っ立ってると邪魔!」

 

「へ? えぇっ!?」

 

 いつの間にやら艦橋の方へ走りだしているのぞみを追いかけるようにひとみも走り出す。

 

「何があったんですか!?」

 

「機械トラブル抱えたウィッチが緊急着艦してくる! パンパン言ってるんだから非常時だって気が付きなさいよ!」

 

「そんなこと言われても……!」

 

 確かに航空無線でパン-パンはメーデーの一歩手前らしいとは聞いてはいるが、こんなタイミングで来るなんて考えてもいなかった。

 

「さっさと壁際寄っておく! あたしらがいても邪魔なだけだから!」

 

「は、はいっ!」

 

 のぞみはそういうと艦橋のそばの壁際に立つ。ひとみがそこの壁際に寄ったとたん、その艦橋の入り口が勢いよく開いた。観音開きのドアがばね仕掛けのごとく開け放たのである。

 

「ひゃぁっ!」

 

 その音に驚いて肩を思いっきり跳ね上げる。横を見るとオレンジ色の目立つバッグを背負った人が飛び出してくる。白いベストに白いヘルメットのその人に続いて、担架を担いだ同じ格好の人が続く。

 

「あー、医療隊まで待機ってことは結構ヤバイ感じかな……?」

 

 のぞみが恐ろしいことを言い始めた。それに被るように甲板ではいろんな大きな音がし始める。

 

「万が一の落水に備えてオスプレイが上がって、バリケード・スタンチョンが立って……ほんとにザ・緊急態勢。面白くなって参りました!」

 

「そんな不謹慎な!」

 

 のぞみにそう突っ込むひとみだが、甲板が見たこともないような状態になっているのは確かだ。オモチャみたいに小さな消防車――あんなオープンカー見たいな消防車があるなんて知らなかった――が引っ張り出されたり、甲板の真ん中あたりに大きなネットが張られていたり、甲板は大忙しだ。

 

 そんな喧騒の中に、ひとみは何かとんでもなくおぞましいものを見つけた。

 

「あ、あのネット……なんなんですか……?」

 

「バリケードスタンチョンに掛かってるあれ?」

 

 そもそもバリケードスタンチョンがわからないのだが、のぞみがネットを引っ張っている柱――普段は甲板に埋まっているのだが――を指さしたからとりあえず頷いておく。

 

「あーあれね、謎の緑の液体ついてるやつでしょ」

 

 そこだけ聞けばかなり怪しいが、見た目も実際怪しいので仕方がない。粘り気の強い粘膜っぽいのがしたたる目の細かい網が加賀の甲板を横切るように張られていた。

 

「米川はアレだっけ、非常時着艦見るの初めてだっけ?」

 

「は、はい……」

 

「空中でのホバリングとか、垂直着陸とかだと思いっきりストライカーに負担かけるのは知ってるわよね?」

 

 のぞみにそう言われて頷く。魔導エンジンがあれば確かに空中でホバリングだってできるし、短距離での着陸が可能だ。実際にひとみも着艦は完全な垂直着陸ではないものの、高揚力装置と姿勢制御装置のおかげで加賀の甲板に着艦することが出来ている。

 

「今回加賀に突っ込んでくる誰かさんはメカニカルトラブル……要はストライカーユニットがぶっ壊れたって言っているわけだ。その状況で垂直着艦(VTOLランディング)なんてさせられないでしょ。だからあれに突っ込ませて無理矢理止めるわけ」

 

「それって大丈夫なんですか……?」

 

「かなり痛いらしいけどね。まぁ甲板でヤスリ掛けよりはマシでしょ? それにあのヌメヌメがローションみたいな感じになるから、緩衝材になるし、まだマシなんじゃない?」

 

 痛いとかマシとか、大丈夫ではなさそうな言葉が飛び出してくるあたり、かなり大変な状況らしい。

 

「でも正直あのヌメヌメって後処理大変なのよね。手とかならいいんだけど髪に着くとねー。夜間用の蛍光塗料ってなかなか落ちないし」

 

「あ、あの緑って夜間用なんですか……」

 

「塗料を使わないとただの謎の白い液体だけどいいの?」

 

「謎の……?」

 

 のぞみがなにを言っているのかわからないでいると、コ―ニャから肩をぽんと叩かれた。

 

「ひとみは、知らなくていい……」

 

「はい……?」

 

 コ―ニャがどこか遠い目をしている。どうやら触れなくてもいい話題らしい。それをどことなく察したタイミングで魔導インカムが入感する。

 

《Chi-RAF WITCKA01, KAGA-APPROACH, We already stand by your landing. Cleared to approatch in CACE I RECOVERY. Decend and maintain 1,200》

 

 デッキの用意は整ったから降りてこいということらしい。着陸管制パターンはケースIリカバリー。上空から緩やかに降下しながら加賀の右舷側上空を追い越してから大きく反時計回りに回り込んで高度と位置を合わせるアプローチ法だ。有視界飛行規則(V F R)で飛ぶから計器に頼らなくても飛べる。

 天候も落ち着いているし、これが妥当な判断だろう。ところが、無線の応答は思わぬものだった。

 

《NEGATIVE. Request Straight-in. I can NOT maintain flight level. Chi-RAF WITCKA01》

 

 のぞみよりも大分高い声。声だけ聴くとかなり幼いような高い声が返ってきた。どこか詰まったような音の裏に、警報音が鳴っている。

 

「えっと……これって……」

 

 のぞみの方を見るとのぞみが厳しそうな顔をした。

 

「高度を維持できないから回り込まずに直接突っ込ませろってことは……相当やばいかもね、これは」

 

 その声にかぶるようにして無線はまだまだ続いている。

 

《Willco, Chi-RAF WITCKA01.Your request is affirmative. Decend 700》

 

《Rojer,Decend 700, Chi-RAF WITCKA01》

 

 高度700フィートまで降下の指示。もうかなり低い。コ―ニャは軽く唸るように目を閉じた。耳と尻尾が出てきているので、魔法で何かをしているらしい。

 

「……速度もあんまり出てない。右の飛行脚が完全に死んでる」

 

「えぇっ!? それって危ないんじゃ……!」

 

「あのねえ米川。危なく無かったら緊急着陸なんてしないの。香港の空港にも戻れないような緊急事態だよ?」

 

「そ、それはそうですけど……」

 

 そう言っている間にも無線が続く。

 

《Chi-RAF WITCKA01, KAGA-APPROACH, Call Ball》

 

 管制官からのコールボールの指示。ミートボール、要は光学式着艦指示灯(F L O L S)が見えるかどうかの確認だ。ちゃんと着艦できる位置を飛んでいるかをそれで確かめながら飛ぶから、これが見えなければ着艦できない。

 

《Ball》

 

《Ball Roger, Chi-RAF WITCKA01, Cleared to full stop》

 

 無事にミートボールを確認できたので、着艦許可が下りる。デッキにも緊張が走っていく。

 

「上手く突っ込みなさいよ、華僑空軍!」

 

 のぞみがそう言って加賀の艦尾の方を見る。黒い煙を引いた何かが高速でこちらに突っ込んで来ようとしてるのが見えた。

 

「あ、あれ……!」

 

「降下率が大きすぎる」

 

 コ―ニャがそう言った。左右に大きく振られながらもこちらに向かって必死に飛んできているのがわかる。

 

「がんばれ――――っ!」

 

「米川、叫んでも多分聞こえない」

 

 のぞみの冷静なツッコミが入るが気にしていられない。無事に加賀までたどり着いてくれることを祈る。

 

「ばっか……速すぎる!」

 

 のぞみが焦ったようにそう言った。海面スレスレを飛んでくるように突っ込むそれはあっという間に影が大きくなっていく。かなりの速さなのは間違いないが、ひとみにはどれだけ速いのかはわからなかった。だが、ひとみにもわかるぐらいにその高度が低すぎることはわかっていた。

 

「ぶつかるっ!?」

 

 後部甲板の影に隠れるような位置まで来てその影がいきなりふわりと高度を上げた。甲板の上に滑り込むような角度、そしてその影がつんのめった。飛び込んできた魔女の表情も驚いたようなモノになる。空中で前転をするようにストライカーユニットが振り上げられ、低い放物線を描くように吹っ飛んでいく。あの姿勢では揚力も魔導エンジンもなにもない。ただ慣性だけで吹き飛ぼうとしていた。

 

「きゃぁっ」

 

 ひとみはとっさに目を閉じる。そのまま甲板に叩きつけられるような気がしたからだ。何かがぶつかるような音、金属が軋むような音、どこか水っぽい――ぬちゃぁ、とかべちゃぁとかそんな感じの――音がした。

 

 恐る恐る目を開けて、あのウィッチが飛んでいったであろう方向を見る。そして、息をついた。

 

「えっと……あれって大丈夫なんですか?」

 

 指さした先では上下逆さまにネットに磔にされたウィッチの姿があった。緑色のあの液体はどうやら強い衝撃でぶつかったウィッチを明後日の方向に吹き飛ばしたりしないように、接着剤のような効果も果たすらしい。純白であっただろう制服のジャケットは既に黄緑のようなその液体がドロドロと這っている。

 

「……あんな形で着艦するウィッチ初めて見たわよ」

 

 とりあえずのぞみがそう言って溜息をついたあたり、なんとか着艦成功と言ったところだろうか。消防車がその近くに寄っていき、煙を出してくすぶっているストライカーユニットに水をかけまくる。

 

『※△〇☆◇▽□~~~!』

 

 それに耐えきれなかったのかそのウィッチの女の子が大暴れしながらストライカーユニットを足から外した。直後に彼女が甲板にでろん、という感じで落ちる。

 

 

「えっと……あの子って今日203に来るはずのウィッチの人……ですよね?」

 

 そういうひとみにのぞみやコ―ニャは黙り込んだ。その横を医務隊に抱え込まれたその子が医務室まで連行されていく。

 

「……儀仗兵は、必要なさそうね、ほんと」

 

 引き攣った笑みを浮かべながらそう言うのぞみに笑っていいのか分からず、ひとみは曖昧な笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……外傷とか打撲はなし、いたって健康だってさ」

 

 代表して華僑民国空軍ウィッチの容体を聞きに行っていたのぞみが戻ってきた。

 

「よかった……」

 

「……ん」

 

 あれだけ盛大に搬送されていたものだからヒヤヒヤしていたひとみたちはその言葉でほっと胸をなでおろす。相変わらず狭い「加賀」の通路内では手に持った三十八式歩兵銃がぶつかりそうだ。

 

「よーしじゃあ出迎え行ってみよー」

 

 と、いきなり調子を変えるのぞみ。

 

「え?」

 

「いやだって、早く出迎え済まさなきゃね。向こうも元気だっていうし、「加賀」を引っ搔き回した華僑人の顔を早く拝んでやりたいし」

 

「は、はぁ……」

 

「……ん」

 

「ではレッツゴー! プロビデンス中尉、先導よろしく!」

 

「……Прасковья」

 

 抗議の言葉と共にコーニャがすたすたと歩き出す。のぞみが三八式を肩に乗せた担え(つつ)の姿勢で続き、ひとみもそれにならう。幸いにも背が低いので三八式が天井にぶつかることはなかった……ひとみとしては、ちょっとフクザツである。

 

 

 

 

 

「……ついた」

 

「よーし米川、配置につけ……ダイナミック・エントリーだ。犯人は一名、人質はナシ。犯人はミラージュで武装している」

 

 ところが、到着と同時にのぞみはやけに楽し気な調子で扉の真横の壁に張り付いた。

 

「え? あ、あの……先輩?」

 

「アーアー、大村班突入準備完了です。いつでも行けます、オクレッ」

 

「いや誰に向かって言ってるんですか先輩!」

 

 するとコーニャがのぞみの隣に駆け寄り、サーベルに手をかけた。止めてくれるかと期待したひとみだったが

 

「我らに仇なすは一柱……いや、堕天し翼を折られた闇の愚物がひとつ……。よかろう、我が聖なる力でその魂を穢れから解き放とうぞ……せめて、来世でまた人として生き行けるように。これ以上(カルマ)を失わぬように……っ!」

 

 あぁ、そう言えば。ここ数日はなりを潜めていたが、そう言えばコーニャ(このひと)もこういうヒトだった。

 

「さあ行こうか米川。オデッサの階段を駆け上がり、我らの正義を打ち立てようぞ!」

 

 のぞみもさっきまでの特殊制圧部隊風味の台詞を投げ捨て、そっち方面にシフトしたらしい。ちなみに、両者の会話は全くかみ合っていない。

 

「刮目せよ! 嫉妬の魔女が我に授けし愛の力!我が右目に集いし闇の光! 闇を葬る罪を恐るるなかれ! 世界に求められた暗闇の集積地(необходимое зло)!!」

 

「なんでコーニャちゃんまでノリノリなんですか!」

 

 そしてツッコミ役になってしまっているひとみ。というか最近ずっとツッコんでばっかりだ。

 

「……まあ茶番はおいといて、米川。挨拶やってみる?」

 

「え”?」

 

 のぞみによる予想外の切り返しに固まるひとみ。

 

「いや、まあ私やポリタンク中尉がやってもいいんだけども?」

 

「……Покрышкин。ひとみ、やってみて」

 

 さっきまでと打って変わって無表情に戻ったコーニャも、ひとみに挨拶役を勧めてくる。

 

「お、お譲りします……」

 

 控えめにのぞみとコーニャに道を譲るように身を引くひとみ。ところが

 

「まあぶつかって砕けろ、ゴー!」

「そんなっ」

 

 次の瞬間のぞみは扉を開け、ひとみを医務室へと押し込んだ!

 

 

「あ……」

 

 医務室はいつも通りの明るさで、他の部屋とは違う色合いの床には塵ひとつ落ちていない。

 そして、その部屋の真ん中にぽつりと座った人影。

 

「あ……えっと……」

 

 間違いない、さっき甲板で見た華僑民国からのウィッチだ。どこかむすっとした表情で座る彼女は粘着質なアレに引っかかったせいで制服はすごい、そう、なんというか、すごいことになったまま。どうして着替えなかったんだろう……いや、違う違う。まず何か言わなきゃ。

 

「えっとぉ……あの」

 

 と、とりあえずブリタニア語でいいよね? なんだっけ、挨拶、挨拶ってなんだっけ? 大変だ出てこない!

 そうこうしている間にも相手はじっとりとこちらを見てくる。まるで異星人を見るみたいな目、相手の恰好が恰好なので本当に緑色の異星人と出会った気分である。ブリタニア語すら通じなさそうだ。

 しかし後ろにはのぞみとコーニャがひとみのブリタニア語力を見定めるように待機しているのである。退却は許されない。ひとみは渾身のブリタニア語を放つ。

 

「……どぅ、どゅーゆーすぴーくぶりてぃっしゅ?」

 

「あんた発音どうなってんよの、ブリタニア語はイントネーションがいのち! もう一度!」

 

 精一杯やったつもりだったのに、のぞみが進み出てくると咎めるようにひとみに言う。慌ててやり直す。

 

「どぅ? づぅ? どぉぅゆー?」

 

 唇に引っかかって上手く発音できない。やり直せばやり直すほど、頭の中の理想からどんどん遠ざかっていってしまう。

 

「まず『ぶりてぃっしゅ?』をなんとかしなさいよ。なんで『しゅ?』に力を入れるのよ、しかもブリタニア語話せますか? って挨拶にすらなってないし……Hello,I’m Nozomi Omura.Empire FUSO NAVY. 分かったわね? はいやってみる」

 

 お手本のごとくスラスラ言ってみせるのぞみ。

 

「……は、ハロー。アイム、ノゾミ、オオm」

「バッカ、なんでアンタまで『のぞみ大村』になってんのよ」

 

「そそ、そういわれましても……」

 

 

 

「……扶桑語ぐらいわかるですよ」

 

 

 

「……」

「……」

「……」

 

 ひとみ、のぞみ、コーニャ。共に沈黙。

 

「……な、なんでやがりますか」

 

「キ……」

 

 のぞみの口から言葉が漏れる。

 

「き?」

 

「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!!」

 

 瞬間、のぞみの奇声が医務室を揺るがした。ひとみは腕を振りながらハッキョーしたように叫ぶ先輩に(おのの)き、コーニャは何かを察したように少しばかり目を逸らす。

 

「うっさい!!」

 

 華僑人が対抗するように叫び、ピタリと一時停止するのぞみ。コーニャは小さく一言。

 

「……のぞみ、すべった」

 

 のぞみ、しばし沈黙。それから

 

「キェェェェェェアァァァァァァスベッタァァァァァァァ!!!」

 

 またしても再始動した。「加賀」の医務室は陸軍部隊の乗り込みも想定しているためだだっ広く、空きベッドが並べられた部屋にのぞみの声が響いていく。

 

 

「……何してるんだ、大村准尉」

 

 と、石川大佐が扉を開けて入ってきた。

 

傾注(Attention)!」

 

 その姿を認めるや否や直立し、ブリタニア語で教科書通りの海軍式敬礼をするのぞみ。石川大佐は一瞬面食らったようだったが、それから小さくため息。

 

「変にごまかすな。今のは見なかったことにしておいてやるから」

 

 それから石川大佐は華僑空軍軍人へと向き直る。

 

「部下の非礼を詫びよう。扶桑皇国海軍の石川、第203統合戦闘航空団の司令だ」

 

「……華僑民国第499戦術戦闘機連隊所属、(ガオ)夢華(モンファ)。階級は少尉。本日付で人類連合軍に着任となりやがります」

 

 その少女、華僑民国のウィッチは、(ガオ)夢華(モンファ)と名乗った。華僑の名前は姓の後に名前なので、夢華が名前ということだ。

 

「よろしい、我が隊は人材不足でな。華僑民国の国際貢献に感謝する」

 

 そう言いながら石川大佐は手を伸ばし……微妙なところで止まった。

 

「……」

 

 そりゃそうだ。なんせ少女は……身体中をネトネトでベトベトな緑色のアレにデコレーションされてしまっているのだから。

 

「大村、まずは客人を清めてやってくれ。着任の手続きはその後とする」

 

「了解です大佐」

 

 それだけ言って石川大佐は踵を返す。去り際に「あれはムリだ、ムリ」と聞こえた気がしない訳でもなかったが、ひとみは聞かなかったことにする。

 それから華僑民国のウィッチ、高夢華の方を見てみると……自身の手、というか全身を見ながらなんとも言えない微妙な表情になっている少女の姿が。

 

 

「よし。大佐の命令だ。連れて行くよ」

 

 のぞみがそう言い、扉へ向かおうとする。

 

「あ、そーだ。その前に自己紹介しておかないとね。私の名前は大村のぞみ。海軍准尉だから、一応アンタの方が上官になるわね」

 

 そう言いながら振り返って身分証を見せびらかすのぞみ。

 

「上官だっていうなら、そんなエラソーな態度を取らねえで欲しいってんですよ。(ダー

)(ツォン)(イー)(ズィ)(ジュン)(シュゥ)(ヂャン)

 

 身分証をわざわざ華僑の発音に直して読み上げるあたり、どうも夢華はのぞみのことが気に入ってないらしい。のぞみも喧嘩腰に口調が変わる。

 

「ふーん……ところで華僑空軍、アンタの名前って寝ると見る『(ゆめ)』に華僑の『()』であってる?」

 

「だからなんでやがりますか」

 

 それを聞いたのぞみは、ニヤリと口角を吊り上げた。

 

「いやなに、確認をとっただけだよー()()()少尉殿?」

 

「なあっ……!?」

 

「扶桑語読みじゃあ『ゆめか』になるんだから当然だよねぇ?」

 

「勝手に扶桑語読みすんじゃねーです、あたしの名前は『Meng fua』! 『ゆめか』じゃねーです!」

 

「の、のぞみ先輩、やめた方がいいんじゃ……もんふぁちゃんも怒ってますし」

 

「そっちも! ちゃん付けしやがんな!」

 

 両手を天井に突き上げて夢華は抗議する。

 

「はいはい、そんなちっこい身体で言っても効果ないぞー」

 

 のぞみのいう通り、夢華はこれまで203空では一番小っちゃかったひとみよりもさらに一回り小さく……

 

「うっさい! あたしは上官だぞー!」

 

「……」

 

 夢華より上位の中尉であるコーニャも、どこか穏やかな目線で見守るだけだ。

 

「少尉殿のワガママよりも石川大佐の命令が優先! ほら、ついてくる!」

 

 そう言ってぬめりのある緑色の液体に臆することなくのぞみは夢華の手を握ると、さっさと医務室から連れ出した。

 

「や、やめやがるんのですっ!」

 

 抵抗むなしく連れ去られる夢華。

 

「……さて、どう料理してあげようかねぇ」

「なっ!」

 

 のぞみが医務室を出る間際に放ったとどめの一言に、夢華の顔は見事に引きつった。

 

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