魔法少女&仮面ライダー育成計画 〜Episode of Mirror Rider〜 作:スターダストライダー
こちらもある程度オリジナル設定になっているかと……。
「おっ。だいぶ集まったな、キャンディー」
「ッシャア! この調子で稼ぐぞ! 絶対にライアを死なせたくないしな! 頑張ろうぜ!」
「……あぁ」
翌日以降、ライアのそばには必ず誰かが付き添う事になった。理由はもちろん、ライアに迫る死の運命を変える為だ。九尾とスノーホワイトは当然の事、ナイトとリップルも嫌々ながらも、やはり不安があるのか、ライアの護衛に協力している。
そしてこの日は、龍騎とトップスピードがライアと共に高速道路付近をパトロールし、キャンディー集めに精を出していた。ラピッドスワローに跨るトップスピードと、ブルームベントによって同じく魔法の箒を出した龍騎と後ろに乗ったライアが並んで上空を走行していた。
そんな中、ライアは1人、考え込んでいた。自分の占いによって出た、次の脱落者。本当に、その人物の運命を変える事は、可能なのだろうか、と。
「……いや、変えてみせるさ。必ずな」
「そうそう! その意義だぜ、ライア!」
龍騎がハッスルする中、トップスピードが不意に浮かない顔になって、ライアに尋ねた。
「……なぁ、ちょっといい?」
「何だ?」
「何で、そんなに平気そうなんだよ? 自分が死ぬかもしれないってのに。俺だったらさすがにビビっちまうし、よくそんなに堂々とできるなぁって」
「『かもしれない』じゃない。俺の占いは当たる。『絶対』だ」
何度も聞き慣れた言葉のはずなのに、この時ばかりは、重みが感じられる。他の2人がそう思っていると、ライアはさらに言葉を続ける。
「だが、運命は変えられる。少なくとも、俺はそう信じたい」
「そっか……。じゃあさ、ついでにもう一つ聞いていい?」
「あぁ。構わない」
「ライアはさ……。何で、そんなに運命にこだわるの?」
それを聞いた途端、ライアの動きが止まったように見えた。
「……それは」
「いや、無理して答えなくても良いけどさ。そこまで運命なんてものに敏感になるのが、ちょっと気になってて……」
「……」
ライアはしばらく黙りこんだが、しばらくして、腰のカードデッキに手を当てながら、口を開いた。
「……この力は、本当は俺のものじゃない。俺が最も尊敬する親友に与えられるはずのものだった。俺はそいつの代わりになったようなものだ。ライアになるのは、本当はその男だったはずだ」
「そ、そうなのか……?」
ライアの、手塚の親友。新たに出てきたワードに、2人は困惑している。
「……で、そのダチはどうしてるんだ?」
「死んだ」
間髪入れずにトップスピードの質問に答えるライア。2人はどう声をかけて良いのか分からず、互いに目を合わせていると、マジカルフォンから、モンスター出現の音が鳴り響いた。
「「「!」」」
3人は反応のあった地点に向かい、近くにあった窓ガラスから、ミラーワールドに突入した。
突入してすぐに、ライアの首に巻きつくものがあった。
「グッ……!」
「ライア!」
龍騎とトップスピードが前方を見ると、鳳凰型のモンスター『ガルドサンダー』が尾羽を鞭のようにライアの首に絡めていた。伸縮自在らしく、ガルドサンダーは尾羽を強く引っ張ってライアを引き寄せる。
[挿入歌:果てなき希望]
「させるかよ!」
「行くぜ!」
だが2人もそれを黙って見過ごすはずもない。占いの件もある。ライアの死の運命を変えたい一心で、2人は動き出した。
『SWORD VENT』
龍騎はドラグバイザーにベントインし、トップスピードはマジカルフォンをタップして、各々ドラグセイバーを手に持ち、トップスピードは尾羽を、龍騎は直接ガルドサンダーを斬りつけた。
「大丈夫か⁉︎」
「あ、あぁ」
「グァッ⁉︎」
ハッと声のした方を見たトップスピードとライア。龍騎がガルドサンダーの体当たりを受けて倒れこんだようだ。そしてガルドサンダーはそのまま2人に向かって突進してくるが、ギリギリのところでかわした。着地したガルドサンダーは、口から火球を3人めがけて発射した。
「うぉわっ⁉︎」
「アッチィ! ドラグレッダーのやつぐらいヤバいぞあれ!」
「くっ……!」
3人は避ける事で精一杯のようだが、そこを狙ってガルドサンダーは再び急降下する。狙いはトップスピードだった。
「危ない!」
「! よせ!」
龍騎がいち早く反応し、トップスピードの前に立ち、代わりに攻撃を受けた。ライアが制止するよりも早かった。
「り、龍騎! 大丈夫か⁉︎」
「へ、平気だよ、これくらい」
龍騎は仮面の下で笑みを浮かべながらそう返事する。先日、トップスピードの、つばめのお腹に新しい命が宿っている事をメンバー内で唯一知った龍騎の中で、トップスピードの身の安全を最優先に考えるようになったが故に、彼女に対して過保護になったようだ。
だが、ライアの安堵も束の間、ガルドサンダーは再び猛威を振るう。
『ギェアァァァァァァァァァァァァ!』
雄叫びと共に突撃するガルドサンダーを迎え撃つように、ライアが前に出て蹴りを入れた。
『COPY VENT』
そして素早くコピーベントでドラグセイバーをコピーして、ガルドサンダーを斬り裂いた。尾羽の鞭を突き出すも、ドラグセイバーであっさりと切り払われる。いつも以上に攻めの姿勢になっているライアを見て、呆然とする2人だったが、すぐに気持ちを切り替えてライアの援護に向かう。
占いでは、ライアが死ぬと出ている事もあり、それがいつどこで起きるのか分からない以上、彼が真っ先に危険に晒されていてはいけない。2人が向かってくる事に気付いたライアが、唐突に叫んだ。
「待て! こいつは俺がやる!」
「な、何言ってんだよ! このままじゃお前が!」
「大丈夫だ! 俺はそう簡単に死なない!」
『ALTER VENT』
ライアはそう言いながら、パートナーカードであるアルターベントを使い、ラ・ピュセルの魔法同様、手に持っていたドラグセイバーを肥大化させた。ガルドサンダーが放つ火球も、ドラグセイバーが盾代わりとなって防いでくれていた。
業を煮やしたガルドサンダーが、突撃してきた。龍騎とトップスピードもドラグセイバーを構えて迎え撃とうとするが、ライアが手を伸ばして制止する。そしてカウンターとばかりに蹴り飛ばして距離を取ると、
『FINAL VENT』
後方から現れたエビルダイバーの上に乗り、ガルドサンダーに向かって『ハイドベノン』を放った。対するガルドサンダーも炎を纏って突撃し、対抗しようとしたが、ぶつかり合った瞬間、パワーで競り負けたガルドサンダーはその場で爆散した。
ガルドサンダーを倒したライアは地面に降り立ち、キャンディーを獲得した事を確認してから、息を大きく吐いた。
そんな彼の元に、龍騎とトップスピードは駆け寄ってきた。が、その表情は優れない。
「す、スゲェけどさ……。何でそんなにムキになって自分1人で倒そうとしたんだよ」
「そ、そうだぜ! あのままじゃ、お前が死んじまうかもしれなかったんだぞ!」
「そ、それは……」
何かを言いたげなライアだったが、マジカルフォンから、活動時間の限界を知らせる音が鳴り響くと、謝りながら言った。
「……悪かったな、心配かけて。だが大丈夫だ。運命は変えられる。さっきも言ったが、俺はそう簡単に死なないつもりだ。……さぁ、ここを出よう」
そう言って背を向けるライア。ミラーワールドを出てからも、龍騎とトップスピードはライアの意図が分からず、首を傾げてばかりだった。
翌日、ライアの変身者、手塚 海森はとある場所に足を運んでいた。やって来たのは、市内の大病院。そこに入院しているパートナーの様子を見に来たのだ。
途中でパートナーの両親と出会って軽く会話を交えた後、手塚は真っ直ぐに一つの病室の前に立った。ドアをノックすると、小さな返事が返ってきた。手塚がドアを開けると、中にいた少年は、僅かながら目を開けた。
ラ・ピュセルの変身者、岸辺 颯太である。
「手塚、さん……」
「久しぶりだな」
屋上でレアアイテムの件を話し合って以来だった。手塚は微笑むと、持参していたフルーツの盛り合わせをテーブルの上に置いた。テーブルの上には、千羽鶴と、色々と書き込まれたサッカーボールが置かれている。彼が所属しているサッカーの部員達が見舞いに来ていたようだ。
「良い仲間に恵まれてるな」
「……えぇ」
「足の方はどうだ? リハビリを始めたと聞いているが」
「……正直、これで治るのも五分だって、担当の人が」
ようやく太いギプスが外れて素足が見えるようになった颯太の足だが、依然として痛々しい手術の痕が残っている。まだ1人で歩けるようになるには時間がかかるようだ。
それから、颯太が話題を変えて、さらに暗い表情で尋ねた。
「……ウィンタープリズンが、シスターナナが、ファムが死んだって、本当ですか」
「……あぁ」
手塚は丸イスに座りながら、そう肯定する。
「運命を変えられなかった。今回の責任の一端には、俺も含まれている事だろう」
「そんな事、ないですよ……。手塚さんは、むしろ頑張ってる方です。みんなの事、ちゃんと考えて動けていて、それが凄く輝いて見えて……」
それに比べて僕は……、と、颯太は顔を俯かせて呟く。
「……僕がこんな怪我さえしなければ、みんなの事、守り切れたかもしれないのに。自分勝手に戦いを挑んだせいで、大地やみんなに迷惑をかけて……。魔法少女になれたからって、結局僕は、何も出来なくて、ずっと弱いままで」
「そこまでだ」
唐突に颯太の自虐を止める手塚。その瞳は真剣そのものだった。
「お前がそう思う気持ちもよく分かる。だが、お前は自分を低く見過ぎている。お前にはお前なりの強さを持っている。それは、俺もよく知っている」
「でも、僕は……!」
「それに」
颯太の言葉を遮り、手塚はこう言った。
「力が弱い事、何も出来ない事が、迷惑をかける事が悪い事だとは思わない。……俺がそれに気付けたのは、全てが終わってからの事だったが、お前は違う。今なら、お前の運命を変えられる」
「……?」
手塚の言い方に疑問を抱く颯太。手塚は丸イスに座りなおしながら、一度深呼吸して、再び口を開く。
「少し、昔の話をしようか。今の俺を作り上げるきっかけとなった、俺の親友、『
手塚はどこか悲しげな表情を浮かべた後、窓の外に目を向けて語り始めた。
「……あいつは、斎藤 雄一は最後まで、俺にとって誇れる友だった」
物心ついた時には、手塚は人の運命を見通せる力を身につけていた。占いは百発百中。周りにいた誰しもが、神から与えられたであろう彼の才能に目を輝かせていた。小学生の頃は、男女問わず彼の周辺に群がっていた。
が、中学に上がる頃になると、今度は彼の占いを忌み嫌うようになった。あまりにも当たりすぎる占いに、いつしか恐怖を覚えたのだろう。1人また1人と彼のそばを離れて、気がつけば、彼は椅子に座って1人、孤立していた。だが、彼にもその事は分かっていた。それもまた、見通していた運命だったから。遅かれ早かれ、人はいつか孤独になる。これもまた、定められた運命なのだと、そう自分に言い聞かせていた。
少なくとも、大学に入って雄一と出会うその時までは。
手塚と雄一の出会いは、ほんの偶然から始まった。空いた時間に占いをしていた所を偶然にも通りかかった雄一が興味を持って話しかけてきた。そして彼はこう語った。
『運命なんて、変えちゃえば良いんだよ。それが出来るから、人間って、人生って面白いんだろ?』
運命は変えられる。生まれて初めてそんな事を言われた手塚は、内心楔が取れたような感覚になった。以来、手塚は雄一との仲を深めた。
後で分かった事だが、雄一はインドアな性格で、大学に入るまで、親友と呼べる者は誰1人としていなかったそうだ。手塚と同じ大学に進学するきっかけも、そういった友人作りの為だったという。喫茶『ATORI』で雄一は恥ずかしそうにそう語ってくれた。
大学を出てからも、彼らの付き合いは続いた。雄一は、インドア派だった事もあってか、海外で名を馳せるピアニストになるのが夢となった。まだ駆け出しではあったものの、その才能を手塚は高く評価していた。バイト先のフレンチレストランで客を和ませるようにと置かれていたピアノで練習を重ね、ようやくコンクールに入賞して、注目を浴びるようになりつつあった。何度も彼を支え続けた手塚も、ようやく実を結んだ親友の努力を祝福した。
……が、そんな矢先の事だった。バイトから帰る途中に、雄一は偶然そこにいた通り魔に襲われたのだ。それにより、雄一はピアニストの命とも言える腕に重傷を負った。颯太の時と違って、もう再起不能に陥るほどに酷い怪我だったという。
突然全てを終わらされた事に、雄一もショックが大きかった。手塚やその家族も、彼を気遣い、何度も彼の元を訪れる。彼は親友が様子を見に来てくれる事に感謝しつつも、どこか無理をしているような表情で、占いの結果などを交えて会話をしていた。そして会話の中で決まって雄一が口にする言葉があった。
『……何でだよ。他の事だったら何でも出来るのに、何で俺の夢だけは……!』
悔しげに呟く雄一を、その時だけ手塚は目を逸らしていた。親友が背負ってしまった運命から逃げ出そうとしていたのだ。
そして。今から半年ほど前に、手塚の親友は自ら命を絶った。
いつものように彼の見舞いに訪れた手塚は、椅子に座って、テーブルの上に上半身をぐったりと預けている雄一を発見。いくら呼びかけても反応を見せない事に不審を抱いた手塚は近づいて、足元に血だまりが出来ている事に気付き、彼の右手を掴んだ。右手首からは血が垂れており、そばには血の付いたカッターナイフが。
『……雄一! 雄一ィ! 何で、お前が……! ウァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ……!』
手塚は、冷たくなっている親友の亡骸に寄り添ってしばらく泣き続けた。
雄一の死から数日が経ち、手塚は雄一が書き残したものであろう遺書に目を通した。そこには、これ以上手塚や周りのみんなに迷惑をかけたくないという、強い意思が込められていた。
全てを読み終えた手塚は自分を思いっきり殴りたかった。親友の気持ちに気付いてあげれなかった悔しさ、そして何よりも彼の運命を変えれなかった不甲斐なさが、彼の頭の中を駆け巡った。だが、立ち止まってばかりもいられなかった。
運命は変えられる。その言葉を頭の中で繰り返しながら、手塚は今日も困っている人々に対して、占いを続けている。
「……ここだけの話、俺には、あいつが自ら命を絶つ運命が見えていた。でも、それなのに、俺は運命を変えようとはしなかった。何もしなかった。俺が、殺したようなものだ」
「……」
夕日が差し込む病室内で、手塚は下を向いて、手に持ったコインを見つめている。颯太はいつの間にか流れ落ちた涙に気付いて慌てて拭う。
「たぶん、雄一にも分かっていたんだと思う。俺がそう占っていたのを」
そう呟いてから、ポケットにコインをしまった。
「……どうして」
「ん?」
「どうして、雄一さんは、自殺なんて考えたんですか。まだ生きる事だって出来たはずなのに」
「あいつは最後まで、他人に迷惑をかけるのを拒絶したんだ。それを臆病だと、自意識過剰だという奴もいるかもしれないが。俺はあいつが誰よりも強いと思うし、それがあいつにとっての選択なら、自分らしく正しいものだったと信じたい」
「正しい、選択……」
颯太が呆然と呟く中、手塚はこう尋ねた。
「今の話を聞いて、どう思った? ライダーでも、魔法少女でもない雄一が、弱いと思えるか?」
颯太はとっさに首を横に振るう。
「俺にとって本当の強さとは、自分が正しいと思った事を最後まで貫き通せるものだと思う。それが果たして、この競い合いにどこまで通じるかはさておいてだが」
手塚はカードデッキを取り出し、雄一の遺書を読んだ後の事を語り始めた。
「雄一が死んでから、俺はあるものに目がついた。それが、『仮面ライダー育成計画』だ」
「!」
その単語を聞いて、颯太は顔を上げる。『魔法少女育成計画』と同様、この過酷な戦いを身を委ねるきっかけとなったソーシャルゲーム。
「まだあいつの腕が動いていた頃に紹介してもらった事があった。本物になれる可能性があるという噂も、その時にな。……話を戻すが、あいつのスマホに残っていたデータを見るうちに、俺は何かに取り憑かれたかのように、そのゲームデータを俺のスマホに引き継がせた」
「引き継いだ……?」
「そう。このカードデッキは、生きていればあいつが手にするはずだったものだ。雄一が死んで、少しでもあいつの為にとゲームを始めた。……その時のライダーの名前は今とは別のものだったが、俺が後から変更した。それが『ライア』だ」
そして手塚は、名前をライアに変えた理由を語りだす。
「占いでは、時に真実とは真逆、もしくは捻じ曲げて相手に結果を告げる事が多い。まさに嘘つき……ライアーという言葉がぴったりと当てはまる。もちろんモチーフであるエイがラテン語でライアという意味もあるんだが、その時は、自分を戒めるように『ライア』と決めた」
そしてデータ引き継ぎから数週間後、シローのスカウトによって手塚 海森は仮面ライダー『ライア』となった。
手塚は思った。この力があれば、変えられなかった運命を変えられる。雄一が託した想いを形に変える事も出来る、と。
「俺は、あいつの信じた正義を無駄にしたくない。その一心で、ライダーの力を使い続けた。今までもそうだし、これからも同じだ」
「……」
初めて知った、パートナーに隠された哀しき過去。きっと同じように怪我で道を見失いかけている自分と雄一を重ねて、打ち明けてくれたのだろうと颯太は思ったが、同時に納得がいかない事もあった。
「でも、僕……。僕は、手塚さんがやろうとしているそれが、本当に正しいって言い切れるのか、よく、分からないです……。何も出来ない自分がこんな事言うのも変かもしれませんけど。手塚さんには、もっと違う考えが合うんじゃないかって思って……」
「正直だな。まぁ、それもあるかもしれない。だが俺とて譲れないものもある」
そう言って手塚は立ち上がった。
「今の俺には、どうしても変えたい運命がある」
「えっ……」
「それも、一番重要な事だ」
そして手塚は、ある事を颯太に告げる。全てを聞き終えた颯太は大きく目を見開き、今すぐにでも動こうとするが、手塚は笑みを浮かべて彼を止める。
「無理にお前が動く必要はない。今はゆっくり体を休める方がいい」
「でも……!」
「俺の占いは当たる。だが、運命は変えられる。その為に、俺は戦う」
「手塚さん……!」
「それが終わった頃には、お前も自分なりの正義が見えてくるかもな。それを見つけたら、何が何でもそれを貫き通せよ、颯太」
それじゃあお大事に、と告げて、手塚は病室を後にした。また1人になった颯太は、何もしてあげれない虚無感に苛まれながら、再びベッドに寝転んだ。
お気づきになった方も多いかもしれませんが、今作における雄一の最後は、劇場版の優衣と似せてあります。
さすがにライダーにならなかったからモンスターに食われて死ぬのは、ちょっと……と思いまして。