ザマ勝利のカルタゴの雷光   作:刀の道

4 / 5
大将軍の威

 

 

 ローマにレイシフトをしたカルデア一行と、ネロ皇帝率いる正規軍。

その眼前には、視界一杯に広がり。一列に猛進するZOUとカルタゴの雷光 ハンニバル・バルカの姿があった。

 

 「なんと言う事じゃ…。帥たちが呼び出したのか?」

 

 「いや知らないよ!てか何あれ?!」

 

 「ロマニさん、あれはサーヴァントですか?」

 

その問いに答えたのは、ドクターではなく。サーヴァントである英霊たちだった。

 

 「いや生憎そんな気配は微塵もねぇな」

 

 「えぇそれにあれ程の存在を、聖杯が呼び出すことは恐らく不可能です」

 

 クー・フーリンとアルトリアがそう口にした。

彼らが見ているのは、魔術的要素というファクター越しの光景。

 

少なからず、魔術や神秘に触れている者はわかるのだ。

あの魂達の恐るべき大きさ。そして強烈な威の高さを……。

 

 スルスに乗ったハンニバルは、その隻眼にサーヴァントの姿を捕えていた。

 

 「妙じゃな。なんか身構えてるようじゃ」

 

 「阿呆か!身の回りを良く見ろ」

 

ハンニバルは自身の軍勢を見やる。

怪光線を放ち、殺気を漲らせる100頭以上のZOU。及び自身に憧憬の念を抱いた戦士たち。

 

 「なんも、おかしい所はありゃせんわ」

 

その言葉に、スカサハの鉄拳が飛ぶ。

 

 「全部可笑しいわ!!まずスルス一頭にして、殺気を治めい!!」

 

大将軍の奥方の怒声を受け、ハンニバルの身に収まって行く面々。

しかし戻る面々の心魂は一つ。

 

 ((許可が下りたら即戦闘じゃあ!!))

 

一欠けらも悪いとは、思っていなかった。

 

 

 そしてスルス一頭と。その上に二人がいる、という形になったのだが。

この時点で、かなり彼らとの距離は縮まっていたのだが……

ハンニバルの顔を確認した、ローマ皇帝ネロは……

 

 「皆の者!偉大なる大敵。ハンニバル・バルカ殿の道を作るのだ!!」

 

 「「ハッ!!!」」

 

決して粗相の無い様。そして無礼があってはならぬと。

兵士たちは左右に、分かれ跪き首を垂れる。

中央の道には、象が通りやすい様。大き目に間隔がとられた。

 

 そして道の真ん中近くで、ネロはハンニバルを待ち。

片膝をつけて礼を行なう。

 

これらの作業は、あっという間に行われた。

カルデアの一行等。ポカーンとしていただけだ。

 

 (なんか凄く、敬われてるんだけど?!)

 

 (仕方ない事です。何せ相手が相手ですし)

 

 (あぁ何せローマからすれば伝説だろ?)

 

 (其れだけ彼の御仁は、凄かったのだろうマスター)

 

 ぐだ男はその光景に畏怖を覚え、サーヴァントに問いを投げる。

それに対し、当たり前だろうヨーロッパでは。という反応のアルトリアとクー・フーリン。

20世紀の英霊であるエミヤも、世界的に有名なハンニバル・バルカが強かったと解釈した。

 

 「史上偉大なる神敵(ローマ史上最大の敵)。ハンニバル・バルカ殿で在らせられるか?」

 

神祖ロムルスが作り上げた、ローマという国家であり自身。

それに立ち向かったハンニバル・バルカか?という問いを投げたのはネロだった。 

 

片膝を付いて目を伏せながらも、その身が感じるのである。

莫大な熱量、戦場で名を馳せた大将軍。自身の心臓と身体を締め上げられる様な感覚。

そして……あまりにも大きいその魂を。

 

 対しハンニバルは、目を閉じながらスルスから降りる。

地上に足を付き、目の前の童の前で隻眼を見開き…

 

 「如何にも、儂がハンニバル・バルカ。うぬ等ローマの大敵なり」

 

 ローマの正規軍、そしてネロはその言葉を聞いた瞬間。

汗が噴き出し、空気が薄くなったように感じた。

 

 「あ、あの!」

 

その時ネロの後方から、声をかけたのはぐだ男だった。

 

 「貴方は『聖杯』に呼ばれたんですか?!」

 

『聖杯』その言葉を聞いたハンニバルは凄まじい憤怒を生じさせる。

ハンニバルの心魂に呼応する様に、空は紫雲に包まれ雷光が天を駆け回る。

 

 「聖杯……か。…嘗めるなよ、小坊主が使った杯なんぞ要らんわ!

 あんな盗賊如きが、創り出した物に左右される儂ではないわぃィイ!!

 あの時代のローマを滅亡寸前まで追い込んだ、ワシ達の全身全霊の戦。

 そしてそれを生き抜いた。この雷光の魂、それ等は儂自ら勝ち取る事こそ誉よ…」

 

 サーヴァントは、途中から彼がどういった者なのか

漠然とだが分かった。いや分からされた。

 

彼は間違いなく神の力を掌握した存在であり、サーヴァント等で呼ばれる存在ではない。という事を

そしてジャンヌは、己の啓示スキルがしきりに危険を知らせていた。

キリストの聖書について言及している事を、なんとなく理解していたジャンヌは。

その事をハンニバルに告げようと、思考した時から危険だと出ているのである。

 

 (まるで彼を恐れているみたい…)

 

 一方ネロは喜悦を浮かべていた。

 (これが、あの。あの『ハンニバル・バルカ』か!!)

 

畏敬すべき敵。ハンニバル・バルカがどれ程の高みにおり、その伝説が後世まである事に

彼女の胸は、不思議な高揚感と喜びで一杯だったのだ。

だが、聞くべき事がまだ残っていた。

それは……

 

 「ハンニバル殿、何故再びローマに居られるのか。お聞かせください」

 

 彼の真意を聞くことが残っているのだ。

 

 

 





 ハンニバルは、バアルの歌をパクッてるの知ってますからね。
力関係でいえば、イエス君は神の中では下の方です。

イエス (絶対にバアル様の逆鱗に触れるなよ!!)

ジャンヌ (凄いレッドアラートです……)

こんな感じです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。