インフィニット・ストラトス ただあの空を自由に飛びたくて   作:如月ユウ

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活動報告でフリーダムはどの世代なのか質問したらエネルギー効率を解決しているから第5世代だという人がいましたが第4世代の自己成長機能がないので第3世代だろうという人もいました
読者様からしてフリーダムはどの世代なんでしょうか?
まあ、第3世代以上なのは確定していますが

あと今回、悠人がキレます



38話 奪われた者VS奪った者

ブザーが鳴ると同時に更識先輩が僕に向かってきた。接近戦では勝ち目はないのでルプス・ビームライフルを撃ちながら後退する。

 

「逃がすと思っているの!」

 

むしろ逃がしてください。代表候補生である鈴を倒した実力を持っているんですから接近戦になったら勝てるわけないじゃないですか。

そんな考えを知らずに接近を許されたので左手でラケルタ・ビームサーベルを持って蒼流旋とつばぜり合いをする。

 

「貴方には簪ちゃんは渡さないわ!」

「なら、僕を倒して簪と仲良くすればいいじゃないですか」

「知ったようなことを!」

 

あくまで感情的にならず落ち着いた口調で話すがその態度が気に入らないのか蒼流旋の連撃が過激する。

攻めではなく防御を徹底するためにルプス・ビームライフルを腰のマウントに付けてラケルタ・ビームサーベルを持ち、二刀流で受け流す。

 

「守ってばかりで勝つ気はあるのかしら」

「僕にとって勝ち負けはどうでもいいです。簪が全力を尽くしたならそれでいいです」

 

はじめから勝つことは考えていない。

成長速度が異常な一夏と国の代表である更識先輩のタッグでは僕達の勝算はゼロに等しい。勝ってみろと言う人がいるなら逆にお前がやってみろと言いたいくらいだ。

 

「簪が僕のことを好きだと言ったときは驚きましたが嬉しかったですよ。僕みたいな何もない人を好きになるなんて思わなかったですから」

「それならどうして簪ちゃんの!」

『家を追い出そうとする先輩よりはまだ優しいと思ってますよ』

 

このことは簪には聞かれたくないのでプライベート・チャンネルで話しかける。

 

『自分勝手の理由で簪を追い出して、僕に押し付けて、それが簪の幸せ? 姉としての幸せ? ……ふざけんな! 追い出された簪の気持ちを考えたのか!? えぇ!? どうなんだ、更識楯無!』

 

僕の言葉に何も言えなくなった更識先輩。どうやら図星らしく本当に話し合いすらしていないようだ。

 

『簪のことを考えているなら自分の本当の気持ちを伝えたり、喧嘩したりするでしょう! それをしたのか! いや、していないだろ! だから簪を追い出す考えしか思い付かなかったんだ!』

『知らない癖に……何も知らない癖にそんな風に言わないで!』

 

ガンッ!とラミネートアンチビームシールドから振動が伝わる。

 

『更識家は危険な仕事をするから命を落とすことがあるのよ! 簪ちゃんにはそんな危険な仕事をさせたくない!』

『だったらそれを話せばいいでしょう!』

『言えたらこんな苦しい思いはしなかったわよ!』

『違う! 先輩は逃げているだけだ! 本当のことを伝えるのが怖くて逃げてる臆病者だ!』

『黙りなさい! 簪ちゃんの告白を捨てて他の子の告白を受けとる貴方のような最低男なんか!』

『簪を見捨てる先輩よりはマシだと思ってますよ!』

 

蒼流旋を弾き、アンチラミネートビームシールドでタックルするとミステリアス・レイディのシールドエネルギーが削れる。

 

『この勝負が終わったら僕は最低な人間だと簪に言っても構いません。簪と先輩が仲直り出来るなら僕は──』

 

水蒸気のようなものが僕を包むと思ったらいきなり爆発をした。

 

清き情熱(クリア・パッション)。熱したフライパンに水を入れると激しく弾け飛ぶでしょ? それと同じことをしたの。簡単な原理でしょう?」

 

どこに逃げても逃れることが出来ない水蒸気爆発を受け続けていた。

水蒸気の爆発程度ならフリーダムは耐えられるがシールドエネルギーが大幅に削れる。

 

「これで最後よ」

 

ミステリアス・レイディに纏っていた水が蒼流旋に集まっていく。

 

「ミストルテインの槍で機体ごと!」

 

装甲を守っていた水が蒼流旋に一点集中して巨大な水の槍となると更識先輩が突撃していく。

 

「ごめんキラ……今、この瞬間だけフリーダムを乱暴に扱う」

 

ピクウス76mm近接防御機関砲を地面に撃ち込むと砂埃が舞い、僕を包んで隠した。これはチャンスと思い、後ろにさがって離脱する。

 

「簪、そっちは大丈夫?」

「防戦一方の状態!」

 

零落白夜を展開した雪片弐型を夢現で防いでいる。

 

「すぐそっちに行く! 昨日考えた作戦でいくよ!」

 

瞬時加速(イグニッション・ブースト)で接近して簪と一夏の間にはいると雪片弐型をアンチラミネートビームシールドで防いだ。

 

「悪いけどこっちはフィナーレを迎えたいからご退場願おうか!」

 

クスィフィアス・レール砲を撃ち、白式のシールドエネルギーを削られ、一夏は雪羅のビームシールドを発動して後退すると簪が山嵐を起動させる。フリーダムのデータを流用して搭載されたマルチ・ロックオン・システムが一夏と更識先輩をロックオンする。

 

「いって、山嵐!」

 

ミサイルが一夏と更識先輩に向かって発射された。

フリーダムを高機動空戦(ハイマット)モードに切り替えるとクスィフィアス・レール砲、バラエーナ・プラズマ収束ビーム砲を展開させてルプス・ビームライフルを持って一斉射撃をした。

 

「一夏君! 回避するわよ!」

 

「は、はい!」

 

大量のミサイルとビームとレールガンを前に撃つ余裕はなく、回避しようとしているが僕が狙ったのは二人ではなく……。

 

「きゃあ!」

「うわっ!」

 

ビームとレールガンがミサイルに直撃して爆発、二人は誘爆に巻き込まれる。

最初から一夏と更識先輩に当てようとは考えていない。なぜなら僕の腕では簡単に回避されてしまうからだ。

なら、どうするか?

ミサイルに当てて誘爆に巻き込めばシールドエネルギーを削れるのではないかと考えた。

 

「実力でも技術でも差があるなら!」

「武器を応用して戦う!」

「これが僕の!」

「私の!」

「「高機動一斉射撃(ハイマット・フルバースト)だぁぁぁぁ!!!」」

 

山嵐から放たれる計48発のミサイルをフリーダムの高機動一斉射撃(ハイマット・フルバースト)で爆発させて誘爆を巻き込ませる。

避けようにもミサイルの誘爆が広く、二人のシールドエネルギーが一気に削れた。

 

「まさか簪ちゃんの山嵐を撃つなんて考えもしなかったわ」

「やっぱり悠人は強ぇな……」

 

更識先輩は悔しそうにしているが一夏は頬を吊り上げて笑っている。

 

「簪、シールドを渡すね。それで防ぎながら春雷を撃って」

「わかった」

 

昨日のうちに使用承諾(アンロック)していたアンチラミネートビームシールドを渡そうとしたら──

 

ドガァァァァン!!!

 

巨大な爆発と同時にアリーナ全体が揺れると上空のシールドエネルギーが破壊されて4機の機体が降りてくる。

 

「なに……この機体……」

 

更識先輩が驚いているが僕と一夏、簪はその機体を知っていた。

 

「ガンダム!?」

「機体は悠人君のフリーダムと同じ、SEEDシリーズ」

「デュエル、バスター、ブリッツ、イージス……くそっ!よりによってGAT-Xシリーズかよ!」

 

前の専用機であるストライクと同じ初期GAT-Xシリーズの機体。性能はフリーダムには劣るが装甲はPS装甲。

つまり実弾は効かない。

 

『全員、アリーナから脱出しろ! すぐに教員の部隊が』

『大至急! 箒、セシリアさん、ラウラをアリーナに寄越してください! 実弾兵器では対抗出来ません!』

 

オープン・チャンネルから千冬さんが脱出しろと言うが僕はビーム兵器を持った専用機を増援に寄越してほしいと言う。

実弾武器しか持っていないISではガンダムには勝てない。

 

『だが、教員部隊が制圧を』

『ビーム兵器でないとガンダムには勝てません!前の事件で知りましたよね!?』

 

箝口令を敷かれて話すことが出来ないので内容をぼかして臨海学校で現れたガンダムと同じ機体だと伝える。

 

『大丈夫です! あくまで時間稼ぎに徹底しますから急いでアリーナに向かわせてください!』

『……わかった。無理はするなよ』

 

通信を切るとラミネートアンチビームシールドとルプス・ビームライフルを持ち、更識先輩を守るように前に出る。

 

「先輩は先に脱出してください。ミステリアス・レイディの武装では」

「いえ、生徒を守るのが生徒会長の務めよ。大丈夫、私がみんなを守るわ」

「その武器ではガンダムには勝てません! あの装甲は」

 

僕の言葉を無視して先輩は蒼流旋を構えて行ってしまう。

 

「あぁ、もう! 一夏と簪は一緒にガンダムと戦って。僕は更識先輩を追いかけるから」

 

更識先輩の武器ではガンダムには勝てない。はやく止めないと。

 

 

 

 

「先輩、ガンダムが現れたということは」

「今回の襲撃、束は関係していないな」

 

もし、現れたのが無人機ISなら束が関与していたがガンダムが現れた以上は無関係と判断した。

 

「遮断シールドとアリーナに行く道のりがロックされています」

 

画面には最高レベルでロックと表示されている。三年の生徒が解除をしているが時間がかかっているようだ。

 

「束と同等、それ以上の奴がハッキングした可能性がある」

「どうしてアリーナに続く道のりだけを閉じたんでしょう?」

 

「理由は分からない。なぜ観戦している生徒には手出ししないでアリーナにいる織斑達だけを狙ったんだ?」

 

アリーナに現れたガンダムはどういう目的で悠人達に襲っているのか分からないままである。

 

「真耶、この機体も山田が使っているのと同じ物なんだよな?」

「はい、あの機体もガンダムです。ストライクと同時期に開発されたガンダムであれもPS装甲を使っています」

「教員の武装では無力化は無理だな……」

 

ISが使う銃火器は現在でも実弾が主流である。

レーザー及びビームを使った兵器の数は少なく、束が開発した白式と紅椿を除けばブルーティアーズのスターライトmkⅢやシュヴァルツェア・レーゲンのプラズマ手刀、打鉄弐式の春雷しか存在しない。

教員が使用しているラファール・リヴァイヴはビーム兵器はなく、実弾しか搭載されていない。

 

「私達じゃガンダムには勝てないんですか……」

「あぁ、『私達』ではな」

 

千冬は私達という言葉を強調させた。

 

「私達では?」

「悠人なら勝てる。あいつは宗村さんと同じ信念を持ってる。最愛の弟を信じろ。臨海学校で現れたガンダムよりはスペックが低いのだろ?」

「は、はい。武装はそれぞれ違いますがスペックはストライクとあまり変わりありません」

「なら、悠人のガンダムならあいつらを……真耶」

「なんですか?」

「さっきアリーナに現れたのはガンダムは何機だ?」

「4機です」

「なら、なぜ『3機』しか見えないんだ?」

「3機? いえ、アリーナに現れたときはちゃんと4機いたはずです」

 

画面からアリーナの様子を確認すると襲撃したガンダムは3機しかないない。

 

「どうなっている!? アリーナに現れたときは4機だったはずだ!」

 

「悠人! ガンダムが3機になってるけど、どうなっているの!?」

 

『ブリッツのミラージュコロイドだよ!』

 

通信を繋いで状況を伝えると悠人は驚いたり焦ったりせずにいる。

 

「ミラージュコロイド?」

『ステルス迷彩だよ!』

「ステルス迷彩?」

『光学迷彩のこと! 透明になれるって言えば分かる!?』

 

例えを言っても理解してない姉にイラついているようだ。

 

『ミラージュコロイドを使うとPS装甲が使えない上にバッテリーが消費するけど1時間以上は連続稼働出来るから時間切れを待つのは得策じゃないよ』

 

ミラージュコロイド使用中は通常の装甲になるとはいえ、姿が見えないのであれば死角を一方的に狙われる。

 

「悠人はどうするつもりなの?」

『ブリッツ以外を速攻片付けてから倒すよ。増援はまだなの?』

「アリーナに向かう道が閉ざされて解除に時間がかかるわ」

『わかった。なるべく生き残ることを考えて動くよ』

 

時間稼ぎをすると言い、通信を切られる。

 

「今回の山田は慎重に行動しているな」

「一応、規則は守るようですけど……」

「どうした?」

「いえ……」

 

悠人はガンダム破壊を優先に動いている。

これ以上規則を破れば専用機を剥奪されてしまうかもしれない。はやく箒達が来て欲しいと真耶は願う。

 

 

 

 

「ブリッツがミラージュコロイドを使って姿が見えないから厄介だ」

 

ブリッツはミラージュコロイドを発動して姿を消した状態で動きまわっている。

ミラージュコロイドは電磁波を遮断する特殊なコロイド状の微粒子を装甲に定着させることでほぼ透明になることが出来る。

弱点といえば移動の音とPS装甲が使えないことだがISにはシールドエネルギーがあるので音だけを無視すれば4機の中で一番の強敵だ。

 

「危ない!」

 

姿が見えない場所からビームが撃たれてラミネートアンチビームシールドで防ぐ。

恐らくブリッツの攻盾システム『トリケロス』の武装のひとつである50mm高エネルギービームライフルを使ったんだろう。

 

「先輩、ブリッツが姿を消してビームライフルを撃ってますから僕から離れずに」

 

聞いていないのか無視しているのか分からないが僕の言葉に耳を傾けずイージスに接近している。ブリッツの奇襲から守るように後ろから追いかける。

 

「邪魔しないで!」

「邪魔なんかしてません! 先輩では勝てませんからはやく脱出してください!」

「私はロシアの代表で生徒会長よ。足手まといには」

「武装の問題ですよ! あの装甲は」

 

蒼流旋に搭載されているガトリングガンが発射されるがイージスはシールドで防がずそのまま近付いて腕のクローをビームサーベルにして更識先輩に斬りつけようとする。

すぐさま前に出てラミネートアンチビームシールドで防いで銃口穴からルプス・ビームライフルを撃とうとしたらイーゲルシュテルンを撃ちながらイージスが後退した。

 

「咄嗟の判断が上手い……やるな」

 

敵でありながら思わず褒めてしまう。

 

「さっき見て分かりましたよね? 実弾を避けないでそのまま近付いてきたのを」

「あれはシールドエネルギーがあるから」

「シールドエネルギーがなくてもPS装甲が機体を守ります。あれは中にあるバッテリーが切れなければ実弾を無効化する装甲になってます」

 

簡潔に手短に必要な部分だけを話す。

 

「代表とか学園最強とかの問題ではありません。武装の相性の時点で先輩はガンダムには勝てません」

 

言いたくないけどこの際だから正直に言ったがいい。

 

「はっきり言って先輩は邪魔です。はやくアリーナから脱出して」

「うるさい!」

 

いきなり蒼流旋を振りかざしたので後ろにさがったら瞬時加速(イグニッション・ブースト)をして僕から離れた。

 

「待ってください! 単独行動は!」

 

目の前に霧が現れて爆発して追いかけることが出来なかった。

 

「くそっ、今のは不味かった」

 

失言だった事を気付くのが遅かった。

今の更識先輩は冷静じゃない、おまけにシールドエネルギーも残り僅かで強制解除でもしたら命が危ない。

ガンダムでも言えることだが生身でISの武装を喰らえば死に関わる。

 

「例えパイロットがいても更識先輩を助けるためなら」




ということで初期GAT-Xシリーズの機体が登場させました
スペックからしてフリーダムより下ですがそれでもISよりは上です
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