インフィニット・ストラトス ただあの空を自由に飛びたくて 作:如月ユウ
今年最初の投稿はアーキタイプブレイカーのキャラがゲストとして登場
それでは、どうぞ
日曜日となり、シャルロットとラウラとお出掛けすることになった。本当なら鈴と二人で行く予定だったけど許してくれたから感謝でいっぱいだよ。
「おう、悠人。いらっしゃい」
「どうも悠人さん」
カウンターで武士さんが挨拶すると棚を整理してる春斗も反応して近付く。
「今月にやるキャノンボール・ファストだけど、IS学園の生徒が渡せるチケットがあるけどいる?」
「マジですか!? 今年のは絶対に行きたいと思ってたんですが一般のチケットが取れなくて諦めてたんですよ」
今年のはという言葉は気になったけどほしいなら渡しておこう。
「春斗って携帯は持ってないんだよね?」
「高校入学したらやるつもりだからな」
スマホを持ってないならあとで郵便配達で送ろう。それにしてもチケットを貰えるのか、かなり興奮気味になってる。
「今年のキャノンボール・ファストは特別司会者がいてそれが目当てで行きたいんです」
「特別司会者?」
「オニール・コメットとファニール・コメットっていう名前の人で俺と同い年なのにアイドル活動している双子なんですよ」
カウンターの後ろの壁には今年のキャノンボール・ファストのポスターが貼られて二人の女の子が描かれている。
まだ子供なのにアイドル活動とはかなり大変だね。
「前に言いましたけどフリーダムのガンプラは追加注文しました?」
「専用機はガンダムなんだろ? かなり売れるだろうな」
僕と一夏の姿が一般公開されるので白式とフリーダムの機体も世界中に見られるということで、もしかしたらガンプラの売り上げにも影響すると思い、木康模型店では各種類のフリーダムのガンプラを発注させた。
仮に売れなくてもシュヴァルツェ・ハーゼ隊やアルベールさんとロゼンタさんのお土産として買うつもりである。
「ガンダムが専用機なのはすごいことなの?」
「外見なら可能だと思うが」
「それはそうですよ。コスプレでやるにもかなり労力が必要でかさ張るので置く場所とか大変なんですよ」
某ショップモールでも等身大のファーストガンダムを建設させたし、その勢いに任せたのかユニコーンガンダムも建設させてNT-Dモードになるように展開装甲を開発したはある種の才能だと。
それにコスプレでやる人は本当にすごいから敬意を表したいよ。
「それにアニメと同じように飛ぶんですよ! 戦っている姿をリアルで! 生で! 間近で!」
「私とラウラも悠人と模擬戦をしたけど武装を取り付けてるから拡張領域から出すときに狙われて大変なんだよね」
「ガンダムと戦ったんですか!? それって見せられます?」
「すまん、一般の人に公開するのは漏洩の危険があるから閲覧はIS関係者じゃないと無理なんだ」
「あっ……そうですよね。ガンダムも基本的に機密扱いですし」
ガンダムに乗った主人公にも一般人がいて、軍隊に拘束されて戦う代わりに最重要機密に触れた事を許してくれた。
「キャノンボール・ファストのときに見れるからそときにガンダムが戦う姿を体験して」
「はい! すっごい楽しみにしてます!」
チケットを貰えた春斗の笑顔を見て、木康模型店を後にして駅前のレゾナンスに行く。
「いつも思ってたけど悠人って同じ服ばかり着てるよね?」
「私も同じこと考えていた。そのシャツはお気に入りなのか?」
「んっ? あぁ、このシャツね。愛着が沸いているというか、着慣れているって感じ?」
自由と書かれたTシャツのこと言われて、何度も着ているから同じ服にしていると答えるとあまり良くない表情をする。
「駄目だよ、プライベートの服もちゃんとしたのを買わないと」
「お偉いさんがいるときはスーツを着ればいいし」
「公共の場で過ごすのにスーツでは堅苦しいだろう」
「そうそう。じゃあ、今日は悠人の服をコーディネートしよう」
「それはいいな。だが、私は男性の服に関しては疎いぞ」
「大丈夫、男の子の服装も勉強したから任せて」
意見は聞いていないのか今日は僕の服装を購入することになった。
「着る服はどういったものが良い?」
「ブランド物って良くわからないから今の季節に合った服がいいかな」
「なら、肌の露出を抑えた服装にして首巻きが必要だろう」
「だったらスカーフも用意しないとね」
色んなブランド店に足を運んでコーディネートをしていく。
「こんな感じかな?」
着ている服は長い袖がある白いシャツで裾はズボンの中に入れずに出して、首には赤のスカーフを巻いている。
下は太ももから膝がフィットして、足首がゆったりしているタイトストレートの黒いズボンを履いている。
「さっきよりも格好良くなったな」
「ん~僕よりシャルロットが着たほうが似合うかな」
「私が男の子の格好したらおかしいって」
「IS学園に来たときは男装したのに?」
「あれはお父さんからの指示で仕方なく」
「僕が着る服の参考にもう一回、シャルルの格好が見たいな」
「一回だけだよ?」
ということでシャルロットも僕が着る服のために男装をしてくれてことになった。
「これでいいかな?」
30分くらい時間をかけてシャルロットのコーディネートが完了した。
その姿は薄手のトレンチコートを羽織って首まである黒いシャツとズボンを着て、革製の手袋を付けている。
いわゆる
「なにこれ、僕より男前……」
圧倒的な格差を前に膝をついた。
男である僕よりも女の子であるシャルロットのほうが男らしいんだよ。
あり得ないだろ、こんなの絶対おかしいよ。
「あの、写真は大丈夫ですか?」
「私も撮っていいですか?」
「私もお願いします!」
男装したシャルロットの格好に周りにいた人達が写真を撮ろう集まる。
「すみません一緒に撮ってください」
「うん、いいよ」
「あと、お兄ちゃんも一緒にお願いします」
「お兄ちゃんって僕のこと?」
「はい。お姉さん、携帯持ってくれますか?」
「構わないぞ」
左右が違うサイドテールをしている二人の女の子が僕も含めた写真が欲しいらしいのでシャルロットと一緒に撮ることになってスマホを持たされたラウラが写真を撮る。
「あの、お時間ありますか?」
騒動が静まると先ほど一緒に撮った二人の女の子が声をかけてきた。
「なにかな?」
「名前をお聞きますがシャルロット・デュノアさんです?」
「えっ? うん、シャルロット・デュノアですが」
「やっぱり!」
急に自分の名前を聞いてきたので他人行儀の話し方で答えたら右サイドテールをした女の子が跳ねながら喜んでいる。
「そっちの銀髪のお姉さんはドイツ代表候補生のラウラ・ボーデヴィッヒさんですよね」
「そうだ」
「お兄ちゃんの名前は山田悠人さんで合ってます?」
「そうだけど?」
「本当に! 本当に山田悠人さんですね!」
「う、うん」
「やったよお姉ちゃん! すっごい有名人に会ったよ」
「えっ、えぇ……そうね」
妹さんが喜んでいる姿に左サイドテールをしたお姉さんは困惑してどうすればいいのかわからない様子。
「あの……二人はいったい」
「私、オニール・コメットって言います。ほら、お姉ちゃんも」
「ファニール・コメットです。妹が迷惑かけてすいません」
右サイドテールの女の子のオニールちゃんがはしゃいで、左サイドテールのお姉さんのファニールちゃんが謝罪するとふと、二人の名前に聞き覚えがあった。
「もしかして二人はアイドル活動している?」
「そうです! 私達はカナダから来て今年のキャノンボール・ファストで特別司会者として日本に来たんです」
疑問が確信に変わって納得した。
春斗が話してたアイドルってこの二人だったのか。
「立ち話もなんだし、時間もちょうどお昼だから何処かで食べない?」
「というものの何処にする?」
「実は一昨日から来たばかりでここの場所とか良くわからないんです」
「二人は油っぽい物は大丈夫?」
「大丈夫です」
「私も大丈夫だよ」
「じゃあ、僕が行きつけのお店……劉禅さんがいる中華料理店にする?」
「鈴のお父さんが働いてるお店だよね?」
「いいんじゃないか?」
二人も特に言うことがなかったので劉禅さんが働いているお店にすることにした。
「夏休みに鈴と行ったんだよね? オススメはなに?」
「酢豚定食かな。鈴の得意料理だから」
「じゃあ、私はそれにします」
「私もお兄ちゃんがオススメのにする」
ファニールちゃんとオニールちゃんは僕がオススメした酢豚定食にするようで僕達も自分が食べるメニューを選ぶ。
「メニューはお決まりですか?」
「エビチリ定食、回鍋肉定食、麻婆豆腐定食が1つずつ。酢豚定食が2つ。デザートにマンゴープリンを5つ」
「エビチリ定食が1つ。回鍋肉定食が1つ。麻婆豆腐定食が1つ。酢豚定食が2つ。マンゴープリンを5つ。デザートは食後でよろしいですか?」
「お願いします」
「はい、出来上がるまで少々お待ちください」
メニューを復唱して確認すると一礼をしてさがった。
「ここってよく行くお店なんですか?」
「鈴……幼馴染のお父さんが働いていてね。前は自分のお店を持ってたんだ」
「鈴さん……ってことは中国代表候補生の鳳鈴音さんですよね?」
「詳しいね。どうしてわかったの?」
よくわかったな。鈴っていう名前はありきたりだからそれだけで当てるのは難しい。
「私達はですねカナダの」
「ちょっとオニール、ストップ!」
「むぐっ!?」
「まだ駄目よ。キャノンボール・ファストまでは、はなすなってマネージャーに言われてるでしょ」
オニールちゃんがコクコクと頷くとファニールちゃんは口から手を離した。
「こほん。実は私達、悠人さんのファンでして。好きな有名人の家族構成や友人関係を調べるのが趣味なんです」
変わった趣味だが相関図やそのキャラの性格、経歴を調べることで一つの作品を深く知ることも出来る。
「世界で二人しかいない男性操縦者が見つかったニュースをみたとき一目でファンになっちゃいまして」
「それで今年のキャノンボール・ファストで特別司会者としてのオファーがきたので行くと即決しました」
「当日に会うと思ってたけど今日の日に会うなんて、すごい偶然だよね!」
「まあ、ISが使えること以外は普通の学生なんだけどね」
「それでも世界中から番組のオファーが来てるでしょう? デュノア社で撮影したときもフランスで一番有名なカメラマンにして貰って、私と悠人のツーショットがホームページにして飾ってるし」
リヴァイヴを装着した僕とシャルロットの写真をデュノア社のホームページにしたその日からアクセス件数がかなり上がってそれからデュノア社の株価が大幅に上昇。
国からの支援や開発資金を出してくれるスポンサーも増えていった。
「アイドル活動してるって言ったけどお兄ちゃんは私達の活躍をみてたの?」
「ごめん、二人のことは友達から聞いたからよく知らないんだ」
「そうですよね、カナダで知らない人はいなくても日本は初上陸だから知名度は低いですよね」
「いつか世界中の人が知ってるアイドルなるのが私達の夢です」
僕よりも年下なのに大きな目標を持っていて、その夢を叶えるために努力しているその姿は素晴らしく誇らしく思える。
「二人が世界で有名なアイドルになるよう応援してるよ、頑張って」
「はい、ありがとうございます」
「もし、日本でライヴが開催されたらチケットをあげるから見に来てね。もちろん楽屋にも通してあげるから」
「ちょっとオニール。楽屋に通していい人はマネージャーに聞いてからよ」
「えへへ、お兄ちゃんに会えたから嬉しくてつい」
「お待たせしました」
注文したメニューが来てテーブルに並べられるといただきますと言って食べ始める。
「あ、これすごい美味しいよ!」
「本当に美味しいわね。中華料理は初めてだから楽しみだったのよ」
口にあったのかどんどん食べていく。
日本に来て間もない二人は箸が使えないのでフォークとスプーンを使っている。
「お店を持ってたときは薬膳料理も作ってたよ」
「薬膳?」
「生薬を煮込んだスープを使う料理で健康を気にしている人でも美味しく食べれるんだよ。薬膳ではないけど日本には七草粥があって、一年の無病息災を願って1月7日に食べるお粥」
「どうして1月7日に食べるの?」
「年末は忘年会に年越しそば、新年は新年会とおせちで胃にくる物ばかりを食べて胃もたれするからその日は休める意味も込めて食べるの」
「日本の食べ物はどうしてカロリーが低いのか。それは健康面を気にしているからなのか」
「だから悠人も健康的な身体で無駄な脂肪がついてないんだ」
健康的な身体でも身長は低いだけで日本人にも不健康でデブな人だっているんだよ。
それにカップラーメンやジャンクフードが好きだけど健康的にうるさい鈴に止められている。
「食べ終わったお皿をさげてもよろしいですか?」
「大丈夫ですよ。あと、デザートを頼みましたが」
「はい、すぐお持ちします」
てきぱきと食べ終わった皿を片付けて下がるとデザートのマンゴープリンをテーブルに置いてくれた。
「これも美味しいね」
「カナダだとこういったデザートはないから新鮮ね」
「マンゴープリンみたいに甘くはないが日本にも同じような物があったな」
「茶碗蒸しのことね。あれは蒸し器を使ってるからプリンと同じような作り方だから」
「マンゴープリンも蒸し器を使ってるの?」
「あれはゼラチンを使って冷やして固めてるからどちらかといえばゼリーの部類に入るよ」
マンゴープリンも美味しそうに食べて初めての中華料理に満足したようである。
「お支払はカード一括で」
「はい、またのご来店をお待ちしております」
デザートも済んでキャッシュカードで会計を済ませるとファニールちゃんが急に慌ててバックから財布を取り出した。
「じ、自分達の分はちゃんと出せますから」
「いいよいいよ、これくらいなら奢るよ」
「で、でも……」
「貰ったお小遣いがいっぱいあるから遠慮しないで」
実はデュノア社とドイツ軍からの謝礼金が目が飛び出るほどの金額で所得税も引かれてないのでそのまま僕の通帳に引き落とされた。
海外の有名大学に入学しても余裕で遊べるほどで僕には不釣り合い過ぎて返したい気持ちがある。
「だったらキャノンボール・ファストの日にお兄ちゃん達を楽屋に招待しようよ。それならいいよね?」
ファニールちゃんがなかなか、ひかない事にオニールちゃんが妥協案を出した。
「それはマネージャーに聞かないと」
「ISが使える男性操縦者ならマネージャーだって納得するよ。それにお姉ちゃん達も代表候補生だからお話とか聞いてみたい」
シャルロットとラウラは国を代表する有名人だからどんな人で何をしているか気になるよね。
「そのことだけどIS関係者じゃない友達も連れて来ていいかな?」
「一度、話をしてからでいいですか?」
「全然構わないよ」
「でしたら連絡先を交換してください。決まったら連絡します」
お互いに連絡先を交換する。
アイドルの連絡先を貰うってかなり珍しいことだよね?春斗だったら発狂して喜んでそう。
◇
「その、今日は本当にありがとうございました」
「次はキャノンボール・ファストの日に会おうね」
ファニールちゃんはペコリと頭をさげてオニールちゃんは手を振って二人と別れた。
「ファニールちゃんはしっかりした子だったね」
「妹が天真爛漫な性格だから振り回されているのだろう」
あれから特にこれといったことがなく時間が流れて、時刻は5時過ぎ。モノレールに乗って学園の帰路まで歩いていく。
「今日は楽しかったね」
「久々に嫁とのデートをしたから有意義な休日だった」
座席に座ると左右に挟まれて腕を抱かれている。
シャルロットから伝わるのは柔らかいふたつのマシュマロに包まれる感触とラウラからは身体全体からくる人肌の温かさ。
慣れたとはいえ、やはり恥ずかしい。
「悠人、前にお父さんから連絡があってリベルテを開発したときに規格落ちしたパーツの中で上質な物を選んだ余剰パーツを使って組み上げているって。本来、出せるリベルテの性能より低いけどリヴァイヴよりは上だって」
余剰パーツを使ってなんとか開発してるんだ。
さしずめ陸戦型ガンダムといったところでシャルロットは量産機に縁があるようだ。
「装備のほうは大丈夫なの?」
「フォームシステムは完成してるって。それでもギリギリだからキャノンボール・ファストのときに全部持ってくる」
「それって、かなりヤバイんじゃあ……」
「最悪、
一夏もセシリアさんとクラス代表決定戦のときに第一移行する前の白式で戦ったが今回は訳が違う。
それに
「大丈夫だよ、夏休みにリベルテを動かしたから操作性も覚えてる。それにフォームシステムはすごい発想だよ。普通のバックパックなのにパッケージと同じ性能を持って武装も懸架出来る設計だからいちいち拡張領域から出さずに済むよ」
「便利になったけど
「そんなことないって、拡張領域から出すより懸架してすぐ取り出せるほうが楽だからね」
最初は不満そうにしていたがISの機体として実際に使ったら好評価のようだ。
「ふむ、そんなに便利な物なら我が部隊の新規装備の候補に入れておこう。商談は可能か?」
「お父さんに聞いてからだね。私一人で簡単には決められないよ」
「ダース単位の購入で割り引きは出来るか?」
「出来ません、野菜を買うときと同じような感覚で買うんじゃないんだから」
「真面目な話だったがそういう風にくるか」
「ラウラの天然ボケがシャルロットの生真面目な精神をガリガリ削っていく」
「もう、変なオチ付けないでよ」
僕達は笑い合い、落ち込んでいた気持ちが吹き飛んでいった。
最初のゲストはオニール・コメットとファニール・コメットでした
参考画像に左がオニールで右がファニール
【挿絵表示】
活動報告にて原作7巻の取材について書いてありますので確認お願いします
みなさんは七草粥は食べましたか?
私はまだです