今回は少し会話が多めです。
響を養子にしてからおよそ1年、響との信頼関係も築けて俺は少し嬉しかった。
それに俺にも今、幸せが来ている。
それは、半年前に天羽奏と付き合うことになり、彼氏彼女関係となっていた。
告白は彼女からだったが、最初俺は少し戸惑ったが、交流も沢山あったし、彼女が嫌いでもなくむしろ好きだったので、その告白をOKした。
そして今日はツヴァイウインクのラストライブの日。
あの事件の負い目からか奏は歌を唄う度に拒絶反応が出てしまい、シンフォギアすらまともに纏う事も出来なくなっていた。
そこで奏は今日のライブで自分の歌を最後とし、引退後は翼のサポートに専念すると言っていた。
それなら俺はそのラストライブを盛大にして終わらせたらどうかと奏に相談したらこれをアッサリと許可。
正直言って俺はその時ばかりは困っていた。
そこで俺は仕方なくライブが終わったらすぐにオメガモンに変身し、そこで花束を渡すという事で話をつけた。
ちなみに響には俺がオメガモンだということは伝えており、最初見せた時には驚きの連続とばかりな顔をしていた。
そして現在俺は響をベアー号の後ろに乗せて、早速ライブ会場へと向かっていた。
「ねぇねぇお義父さん!」
「んあ?どうした響?」
「お義父さんライブの最後に奏さんに花束渡すんだよね?」
「おう!オメガモンに変身して会場をあっと驚かせるつもりだぜ!」
「そっかー、でもそこでお義父さんが奏さんにプロポーズできたらもっとスゴイ事になるんだろうなー?」
「ファッ⁉︎」
俺はとっさの一言に対応できずバランスを崩しかけたが、どうにか持ちこたえさせた、
「い、いいいいいきなりなに言いだすんだよ響⁉︎プロポーズだぁ⁉︎奏はまだ18だぞ⁉︎」
「ふふーん!そこは愛で補わないと!愛し合う者同士に年齢の差なんてないって未来もいってたし!」
「Oh…未来ちゃん、響になに吹き込んだんだよマジで…」
「それで、お義父さんはプロポーズするの?」
「んー…そうだなぁ…」
俺は少し考えてみた。
確かに愛に年齢の差なんて無いという理屈はわかる。
生前俺が結婚する時だって妻との差は5つも違っていた。
そう考えると、プロポーズもありなんじゃないかと俺は思っていた。
しかし18歳の奏と結婚するにしたって、色々こちらにp考えたい事が山程ある。
それに奏と付き合ってまだ1年だ。普通に考えてもまだ早すぎるとわかる。
だがどうも響は俺と奏をくっつけさせたいらしく、俺が考えてる最中にも奏との生活を考えていた。
俺は会場につくまでしばらく考え込む事を想定していたが、響がやたらうるさいのでちょいお仕置きすることにした。
「ーーーなあ響?」
「ん?何?」
「舌 噛 む な よ?」
「え?」
俺はベアー号のスピードを徐々に上げていき、最終的には100k近く出ていた。
「そんじゃあかっ飛ばすぜぇ!」
「おおおおお義父さん⁉︎速度!速度上げ過ぎだよ⁉︎」
「しゃらくせぇ‼︎ベアーハウリング!ゴォォォォルデンドラァァイブッ‼︎」
ベアー号を宝具モードにして最高速で高速道路を突っ走っていった。
「イィィィィィッヤッホォォォォォ‼︎」
「誰か助けてぇぇぇぇぇぇ⁉︎」
それから僅か数分でライブ会場に到着し、俺はツヤツヤな笑顔だったが、響はげっそりとした顔立ちだった。
「おいおい響?そんなテンションじゃこの先のライブ観れねぇぞ?」
「………お義父さんのバカァ………」
そんな会話をしながらも、俺達はライブ会場の席に着くことができた。
そしてそこから数分とたたない内にライブが始まり、会場のボルテージは開幕から最高潮になっていた。
もちろん響もこの時とばかりにテンションを上げてツヴァイウイングの応援をしていた。
かく言う俺も応援はしていた。
「いいぞぉぉぉぉ‼︎奏ぇぇぇぇ‼︎愛してるぜぇぇぇ‼︎」
俺が歌っている奏に向かってそう言うと、なぜか奏はこっちを向き、翼が歌っている好きに口パクで「あたしも」と言っていた。
なぜ気がついたかはわからないけど、それでと俺はその言葉が嬉しかった。
そしてついにライブも終盤へといきつき、俺は響に行ってくるとだけ伝えて、一旦会場の外に出てオメガモンに変身しておいた。
そしてライブが終わったのを境に、私は再び会場へと入った。
『それじゃあこのライブのフィナーレに、ツヴァイウイングのお二人に花束が贈呈されます!贈呈してくれる方は、このお方だ!』
司会者がこちらに向かって言うと、スポットライトがこちらに向き、会場の皆もこちらに注目していた。
「あぁ!オメガモン!」「嘘ぉ⁉︎本物⁉︎」「俺達を助けてくれたオメガモンだ!」
なぜみんな私の事を知っているかというと、やはりあれだけ派手に暴れてしまえばマスコミも放っておく筈がなく、私は社会にとってはツヴァイウイングとその会場客を救った英雄となっていた。
そんな事を思い出しながら、私は二人のいるステージへとゆっくり向かった。
響の近くまで行くと「頑張って、お義父さん!」と言って勇気づけてくれた。
そして二人のいるステージへと辿り着くと、私は事前にもっていた花束を二人に渡し、一言言った。
『ツヴァイウイングの二人よ。素晴らしいライブをありがとう。ここにいる会場のファン達に変わってお礼を申し上げる。風鳴翼、これからはソロでの活躍になると思うが、我々ファンは君のこれからの活躍を期待している。どうか無理せず頑張ってくれ』
「感謝します、オメガモン」
『そして、天羽奏、君が音楽の世界に去ってしまうのには我々はとても悲しい。しかし、君の帰りを我々はいつでも待ち望んでいる。これからも頑張ってほしい」
「おう、サンキュ」
そして私は別れを惜しんだが、そのまま会場を出ることとなったが、ここで響の言葉が胸に引っかかり、やはりこのままではいけないと思い、私は人間体の姿に戻り、駆け足で会場へと戻った。
『それでは皆様、これにて当ライブを終了と「ちょっと待ったぁぁぁぁ‼︎」は、はい?』
俺は勢いよく扉を開ける。会場のファン全員は一斉に俺の方に視線を移し、奏達も俺を見ていた。
そして俺は玉砕覚悟、人に嫌われる覚悟で叫んだ。
「奏ぇぇぇぇぇ‼︎」
「…!」
「俺と結婚してくれぇぇぇぇぇ‼︎」
ーーーー言った。
ーーー言ってしまった。
これで俺はみんなの嫌われものだ、まだ付き合って1年なのにプロポーズってだめやん。
きっと奏も俺の事を嫌ったに違いない。
ーーーしかし、奏の返事は俺の想像とは違っていた。
奏はステージ衣装のままステージを降りると、俺の方まで走ってきた。
きっと俺を殴りに来たんだと思ったが、そうではなかった。
ーーーー俺のとこまで着くと、走った勢いのまま俺に抱きついてきたのだ。
そして耳元で。
「…バカァ…なんでもっと早くに言わなかったんだよぉ……」
と、泣きながら言ってくれた。
「…悪りぃ、ちと迷ってた…。それによ、こんなこんなオッさんと結婚するって普通嫌なんじゃないかなーって思ったら、中々言い出せなくてよ…」
「うるさい…そんな言い訳聞きたくない…」
「だな…ホント悪かった…」
「やだ、許さない…」
「どうしたら許してくれんだよ?」
そう俺が言うと、奏は一旦俺から離れ、目を瞑りながら唇を差し出した。
俺は少し照れ臭かったが、それに答えるかのように奏の唇にキスした。
すると会場からすごい歓声が上がり、ヒューヒューと言う者や、「奏さんを幸せにしなきゃゆるさねぇぞー!」と言う声もあがっていた。
響もその光景を見て涙を流し、ただ俺を見ながら拍手しているだけだった。
「…これで許してくれたか?」
「うん…」
「これからも…その…よろしく、頼むわ…」
「おう、ちゃんとあたしを幸せにしろよ、アンタ?」
「…おう!」
こうしてツヴァイウイングのライブは、俺のプロポーズによって終わり、後の世にラストライブ告白という名目で後世に語り継がれることとなるのは、それはまた別のお話
。
「奏が、結婚……?」
ただ、一人だけは、この状況をよく思わない奴がいた。
あれからまた一年。
現在俺は家族3人で私立リディアン音楽院に来ていた。
ここで響が寮生活をすると考えると少し寂しかったが、響の規模もあり、その淋しさを抑えながら身持つを運んでいた。
「…うしっ、とりあえずこれで全部だな」
「ゴメンねお義父さん、せっかくお仕事お休みなのに手伝わせちゃって…」
「いいっていいって!たまにの休みぐらいしかこんなことできねぇんだからよ、それに明日からはこの寮で暮らすんだ、これぐらいの事父親がしなきゃ誰がすんだよ?」
「うん、ありがとう、お義父さん」
「だからいいっつってんだろ?」
そうやって義理とはいえ親子のやり取りをしていると、響の後ろから人影が見えた。
「ひ〜び〜、きー!」
「わわっ⁉︎…ってなんだお義母さんか…ビックリさせないでよ…」
「いいじゃんいいじゃん!しばらくはこんな事できないんだしさ?」
響に後ろから抱きついた奏。
しかし思ったが、19歳と15歳の親子って、歳が近いせいもあってか姉妹にしか見えない。
響も最初はお義母さんと言えるか心配していたが、奏のポジティブさもあってか、すぐに打ち解け、このように普通に親子として接していた。
「ほれほれ〜、もっとヒビキニウムを補給させろ〜」
「ちょ、お義母さん、やめ、く、くすぐったいよ〜」
「よーし!俺も混ぜろー!」
「えぇ⁉︎お義父さんまで、あ、あははははは‼︎く、くすぐったいってば〜!」
こんなやり取りが小一時間程続いたが、それでも俺達親子はこのやり取りを時間ギリギリまでやめる事はなかった。
つづく
今回でプロローグは終了です。
次回からいよいよ無印編ことルナアタック編が始まりますわ、