アニメ アイドルマスターシンデレラガールズ 3rd SEASON (完結) 作:栗ノ原草介@杏P
「346プロは、存続します」
ライブの翌日、事務所に集めたアイドル達へ、朗報を伝えた。
一瞬の沈黙があって――
歓声が弾けた。
喜ぶアイドル達を見て、プロデューサーは胸をなでおろした。最悪の報告をせずにすんだことを改めて嬉しく思った。
「プロデューサー! 次は何ができるのかな?」
未央の瞳に、星がきらめいた。
「企画、検討中です」
一斉に、非難の声が飛んできた。
「Pチャンはそればっかりにゃ! ワンパターンにゃ!」
「ロックな企画、考えてくださいよ!」
アスタリスクが、珍しく意気投合していた。
「きらりちゃんも正式にLMBGのメンバーになってもらうのはどうかな?」
「あっ、それいーかも! きらりんロボ、好評だったし☆」
「きらりは大賛成だにぃー☆ みんなでハピハピ、しちゃおうにぃー☆」
凸レーションが、声をそろえて笑った。
「プリクリューチェニィ、あー、もっと冒険、してみたいです」
「そうだね。もっといろんなこと、してみたいねっ」
ラブライカが、手を繋いだ。
「堕天使に休息の時は無い。その翼折れるまで突き進むのみっ!」
蘭子が、ポーズをとって赤い目を光らせた。
「杏は、もっと慎重に考えていいと思うよ。ゆっくり、10年ぐらい考えてもいいんじゃないかな」
「杏ちゃん、それじゃ印税生活できないよ」
「ぐっ、痛いところを……。じゃあ、杏の代わりに、このウサギのヌイグルミに働いてもらう方向で――」
「なんでやねんっ!」
智絵里・かな子のツッコミを受けた杏がソファーに沈んだ。
「私は、もっと熱い、パッションあふれるお仕事がしたいなっ!」
「じゃあ、あたしはもっとクールな仕事、かな」
「島村卯月、キュートなお仕事、がんばりますっ」
ニュージェネレーションズの笑顔がきらめいた。
アイドル達の抗議を受けたプロデューサーは、首の後ろをさわりながら――
「企画、検討します……」
アイドル達が、一斉に笑った。
プロデューサーも、笑った。
アイドルによって笑顔を失った男に、笑顔を与えてくれたのは、アイドルだった。
彼はシンデレラ達を笑顔にして、そして自分も、笑顔になった。
――だからこれは、プロデューサーの物語。
誰よりも〝笑顔〟を愛する男が、〝笑顔〟を取り戻すお話。
「プロデューサーさんの守りたかったもの、守れましたね」
ちひろの言葉に、プロデューサーは頷く。
シンデレラ達の笑顔をみて、やっぱり思う。
――いい笑顔です。
担当アイドルが笑顔でいてくれること。
彼にとって、それが最高の報酬だった。