アニメ アイドルマスターシンデレラガールズ 3rd SEASON (完結)   作:栗ノ原草介@杏P

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 Cパート

 

 

 

 美城常務に、呼び出された。

 身なりに気をつけるように言われた。

 

 プロデューサーは、式典用のスーツを着て本社へ向かった。

 

「よく来てくれた。先日のライブについて君から話を聞きたい、という人がいてな」

 

 それが誰だか、美城常務は明かさなかった。ついて来てくれと言って、部屋を出た。

 エレベーターに入り、押されたボタンを見て、プロデューサーは姿勢を正した。

 

 それは、最上階のボタンだった。

 そこにあるのは――

 

 会長室。

 

「お連れしました」

 

 美城常務の口調は、かしこまっていた。肉親であるはずだが、きっちり公私(こうし)を分けているようで、馴れた様子は見せなかった。

 プロデューサーは、足もとに絨毯の柔らかさを感じつつ、全身を棒のように硬直させた。

 

「私が無理に呼びつけたんだ。そんなに堅くならないでくれ」

 

 そう言われても、緊張してしまう。

 美城グループの、会長と対面しているのである。

 式典の際に遠くから眺めているのとは、わけが違うのである。

 優しさと鋭さを内包した視線を、一身に向けられているのである。

 

「あのっ、シンデレラプロジェクトの、担当プロデューサーをしておりますっ」

 

 プロデューサーは、いつも以上に堅い口調で言って、頭を下げた。

 

「先日のライブ、拝見させてもらった」

 

 記憶を再生するかのように、会長は深く目を閉じた。

 

「正直に言うと、私はアイドルというものを、舐めていた。芸能に長く(たずさ)わってきた者として、たかがアイドルと、思っていた。だから、アイドル事業部の廃止という提案に、賛成した」

 

 ゆっくりと、会長の目が開く。その眼光の鋭さに、プロデューサーは息を呑んだ。

 

「これでも〝芸能〟という世界に長く関わっている。それに(たずさ)わる人間の良し悪しは、正確に判断できると自負している。もし、君の育てたアイドルが、単に容姿を武器にするだけの少女であれば、アイドル事業部は潰していた」

 

 さて、これが本題だ。

 言わんばかりに、会長が立ち上がった。

 

「どうして、彼女達はかくも魅力的だったのか。その理由を、教えてもらいたい」

 

 相手が会長であることを、一時的に忘れた。

 プロデューサーは、ただ、アイドル達の顔を思い浮かべて――

 

「笑顔です」

 

「……それはつまり、どういうことかな? 笑顔が魅力的なのは、誰だって同じだ」

 

 向けられる視線は、自分を試そうとするかのように厳しい。

 しかしプロデューサーは、美城グループにおける最高権力者の視線を、真っ向から受け止めて――

 

「うわべだけの笑顔ではなく、心の底からの、笑顔です。私の仕事は、アイドル達の〝いい笑顔〟を引き出すことであると考えております」

 

「…………」

 

 会長は、渋面を浮かべている。立ち上がったまま、無言でプロデューサーを見据えている。

 その視線を無遠慮に受け止めていたプロデューサーだが、挟まれた沈黙によって冷静になった。慌てて、視線をはずした。

 会長に対する態度として、ふさわしくなかったと反省し、謝罪を口にしようとした瞬間――

 

 会長が、破顔した。

 渋面から一転、子供の活躍を喜ぶ親のような顔をして――

 

「君は、娘から聞いた通りの男だな。貫くべき信念をもった、頑固者(がんこもの)だ」

 

 会長の笑みが、ゆっくりと変貌(へんぼう)する。

 血判を押す極道のような、凄みのある微笑を浮かべて――

 

「君は、信頼に値する男だ。そして、有能なプロデューサーだ」

 

 会長の手が、書類を持ち上げる。

 それを見たプロデューサーは、呼吸を忘れる。

 

「この仕事、受けてくれるな?」

 

 それは企画書で、その表紙には――

 

 〝シンデレラプロジェクト 2期生〟

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 オーディオコメンタリー(あとがき)


 プロデューサーの皆様、やみのまでございます!
 このたびは拙作にお付き合いいただき、まことにありがとうございますっ!

 今回は、みんな大好き武内Pのお話を書かせていただきました。
 765の赤羽根Pと、これでもかってくらい属性の違うPチャンです。不審者に間違われて警察のお世話になりやすいPとか、アイドルよりもキャラが立ってる気がしますw
 しかし彼には、ヤミノマな過去があるようで……

〝彼は臆病になって、シンデレラ達を舞台へ送る歯車になった〟

 今西部長の言葉は衝撃的でした。なんていうか、全力で応援してあげたくなりました。
 アイドルを笑顔にしたら、最後にはあんたも笑顔になってくれよマジで!
 とか思いながらデレアニを見ていました。

 だから――

 最後に武内Pが笑顔になる小説が書きたくて、拙作の執筆を始めました。
 武内Pを笑顔にできて、大満足でございますっ!


 そしてそして――


 至らないところだらけの拙作に、最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございましたっ!
 大好きなデレマスの小説を書けて、最高に楽しかったです!

 もしかしたら2期生編など書くかもしれませんが、予定は未定ということで……(滝汗w













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