東方妹従者 ~変態の潜む紅魔館~   作:丁太郎

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6.【侵入者撃退・後篇】

「よい……しょっと」

「~~~ッ!」

 

 私が魔理沙を抱えると、彼女は声にならない悲鳴を上げた。どうやら腰をひどく打ってしまったようだ。

 ちなみに勝負の後は一切恨みっこなし(もちろん、後日にて再戦するのは自由。不意打ちなどは許されない)なので怪我をしてしまった相手を気遣うのは当然だ。

 というわけで私は彼女を抱えて紅魔館の一室へと戻ってきた。

 

「くっ……予想以上に強敵だったぜ蒼波」

「強がってる暇があったらこの湿布自分ではりなさい」

「手を後ろに回すと痛いから頼んだ」

「仕方ないですね」

 

 えっと、確かこの棚に永琳から買った湿布がもう一枚……あれ? ない……。

 

「それにしても、最後のアレがなんだかよくわからないんだが」

「えっと…………んー、まあ種明かししてもいいですけど、それだけじゃ突破させませんよ?」

「ふぅん。そんなもんか」

「そういうものです」

 

 あちゃー、もう塗り薬しかないな。しかも調合が中途半端だし…………うーん、どうしたものか。

 

「………さっきから何を探してるんだ?」

「見たところ、怪我が結構ひどいみたいです。そのままにしておくのもあれなので、薬を探しているのですがなかなか見つからなくて」

「別に良いってこんぐらい」

「いえ、魔理沙が良くても私は気にするんですよ」

 

 男勝りな魔理沙だが、結構裏では女の子らしくしようとしていることを私は知っている。そんな彼女の体に青あざなど残すわけにはいかないのだ。

 まあ、肝心の薬がみつからないわけだが……さっき見つけた薬でいいかな。湿布の棚にあったなら打ち身にも効くでしょう。

 

「怪我を負わせてしまったのは私ですから、後処理は任せてください」

「そっか。ありがとな」

「それじゃあ、ちょっと失礼して」

 

 それにしても匂いが結構きついなこの薬。正直なところ調合を間違えたとしか思えないが………薬になる成分しか入っていないのなら問題ないだろう。まあ私は危ない橋なんて渡りたくないから手袋をつけるけど。

 ※(人体には影響のない物質でも他の物と混ぜ合わせると化学反応を起こし、有害な物質を生じる恐れがあります。素人は薬を下手に弄らないようにしましょう。永琳()との約束です)

 

「どうですか魔理沙。効いてるでしょうか?」

「そうだな。こう、ジーンと来るものはあるぜ」

「それはよかったです。それでは続けますね」

 

 セーフ。

 本当に問題ないみたいだし、もう少し広範囲に縫っておこう。その方が効果も期待できるはず。

 ※(提示された用法用量はよく守りましょう。どんなにいい薬でも限度を超えれば毒物です。効果が疑わしくとも用量を超えて服用してはいけません。これも永琳()との約束です)

 

「なあ、さっきから腰が異常に熱いんだけどこれ効いてるって考えていいのか? どこで手に入れたんだ?」

「以前、鈴仙が薬を売りに来た時に置いてった奴ですよ。永遠亭の物なら信用できますし」

「そうか。永琳が作ったなら問題ないぜ」

 

 まあ効果はよくわかんないけど…………いや、きっと大丈夫。今のところは問題なさそうだs

 

「蒼波さんか咲夜さんいらっしゃいませんか?」

 

 ん? この声は美鈴かな? 何の用だろう。

 

「何か用ですか?」

「鈴仙が薬を売りに来ました」

 

 おっこれはちょうど良い。ついでに魔理沙のことも聞くとしよう。

 

「ここへ呼んで貰っても良いでしょうか」

「わかりました」

 

 

 

      *     *    *    *

 

 

「紅魔館の奥に入れるなんて思ってなかったですけど……どうしたんですか」

 

 いやー、バニーバニー。今日もいいウサ耳だ。あざと過ぎるだろjk。恰好もjkみたいだし。こんどフラン様にもこういう格好して貰おうかな。

 

「魔理沙が弾幕勝負で腰を強く打ったのでこちらで薬を塗っていたんですが………なにぶん素人なものでさっぱりなんです」

「おい、蒼波! さっぱりってどういうことなんだよ!」

「湿布のほうはきちんと貼ってるようですね。お師匠様が人間用に調合したものなので魔理沙にも効くと思いますよ」

 

 あ、そっちじゃなくてもっと横の方。

 

「ん? ………なんか妙な薬が塗ってあるようですけど」

「何かあったので塗ってみました」

「あ!?」

「ダメですよ蒼波さん。効果がわからない物をむやみに服用してはいけません。それが原因で体調を崩される人もいるんですよ」

「そうですか。勉強になりました」

「効果がわからないってどういうことだよ蒼波!! なんか痒くなってきたんだけど!!」

 

 やっぱりダメだったかー。ま、私は手袋してたし問題ないけど。

 それにしても痒くなってきたってヤバいのかな。掻けばいいと思うんだけど。

 

「掻けばいいのでは?」

「そしたら指まで痒くなっちまうだろうが! おい鈴仙どうにかしてくれ」

「この前盗んだ道具、返してくれるなら診てあげてもいいけど?」

「どうせ妖怪なんだからそれぐらいのこと気にする必要ないだろ!「じゃあ、蒼波さん私はこれで「わかった! 返すから!」

「よっしゃ!」

 

 おお、こんなに慌てる魔理沙を見るのは………珍しいけど久し振りでは無いな。

 痒いのがそんなに辛いのか。そう言えばなんで痒いと掻きたくなるんだろう? 叩いてもいいような気もするが………こんど永琳にで聞くことにしよう。

 

「とりあえずこの薬を布でふき取って………蒼波さん、氷あります?」

「チルノでいいでしょうか?」

「無いんですね…………じゃあ水でぬらした布を当てときましょう」

 

 チルノの氷の何が不満なのだろう。

 

「とりあえずこんなもので。酷くなったら永遠亭に来てくれればいいから」

「おお、サンキュー」

「無事に済んで良かったですね」

「蒼波、お前は今度覚えとけよ」

「鈴仙、その衣裳って誰が作ったものですか? 私、気になります!」

「蒼波さん何かいつもと違いません………?」

 

 至って普通にしているつもりなのだが。

 遺憾である。

 とりあえず、なんだかんだで丸く収まったということにしておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フラン様」

「どうしたの蒼波」

「折り入って頼みごとがあるんですが……」

「なになにー?」

「コレ、着て貰えないでしょうか」

「あ、これ鈴仙のふくでしょー。私にくれるの?」

「はい」

「わかった。ちょっときがえるからまってて」

 

 

 …………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とりあえず、咲夜にまた一つ借りが出来たとだけ言っておこう。

 




10/20追記:わかりづらいので補足を

最後の鈴仙の衣装ですが、蒼波が咲夜に作らせました。それをフランに着せていたので、咲夜に借りができるわけです。

 説明不足で申し訳ありませんでした!!
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