心機一転、一夏ヒロインルート
織斑一夏が何故アレほどまでに鈍感なのかが明かされるルート
条件 NTRルート、誰得!?一夏ルートのグラフィックを100%にすること。
先日、簪さんからのお願いで料理を教える事になった四五六です。
料理を教える事はいいのですが、あいにく食材があまり無かったので休日に一緒に買いに出かける事にしました。その事をついうっかり楯無さんに話してしまい、殺されかけたのは別の話し。
さて、当日になったのですが簪さんとは10時に駅前で集合、という事でしたのでただいま駅前に向かっております。
「さて、と。ここら辺だったはずなんだけど……」
駅前で簪さんを探してあたりを見回すと、いました。少し離れた所の噴水の前にいました。
「おー……」
声を掛けようとしたとき簪さんが此方に振り向き、その姿を見た俺はつい声が止まってしまいました。なぜならその姿はとても可愛く、綺麗だったからです。ああ、言葉で上手く表せれない自分の語彙のしょぼさが悲しすぎる。
その姿を確認した後、自分の姿を見ました。顔はいつも通りに黒髪黒目黒縁メガネで服装は、一言で言えば地味、それ以外に言い表せない格好でした。
これはまずい。このまま簪さんの前に行ったらいろいろな意味でまずい気がする。すぐさま其処を離れ簪さんに電話をしました。
「あ、簪さん」
「どうしたの?四五六君」
「もう待ち合わせの場所についちゃってるかな」
「うん。もうついてるけど」
ちなみに今の時間は9時30分です。
「そっか。悪いけどもうちょっとだけ待っててもらえるかな。時間には間に合わせるから」
「分かった。大丈夫だよ。時間より速く着いちゃったのは私のほうだし」
「ごめんなさい。すぐ行くから」
「うん。待ってる」
そうして携帯を切りすぐさま近くの服屋に入り込み、すぐさま新しい服を買いました。店員に似合うの?貴方みたいな人に、的な目で見られましたが気にせずに試着室を借りてそこでメガネを外し、カラーコンタクトを取り、色落しのスプレーで髪の色を銀色に戻し、今しがた買ったこの服に着替え、試着室をでます。
出たとこでいかにも似合わない服装を笑ってやろうとしていた店員と出くわしましたが、店員は出てきた俺を見て呆然とした表情になってました。ざまぁ!!
服屋を出て簪さんが待っている噴水のところまで向かうと、簪さんが複数の男性にナンパされてました。……ビキィ!!
「ねえねえ、良いだろう?俺たちと一緒にさ遊びに行こうぜ」
「そうそう。待ち合わせなんかほっといてさ〜」
「……結構です」
「そう言わないでさ〜」
簪さんが嫌がっているのに手を掴もうとしたその手を掴む。
「其処までにして貰おうか。彼女は俺の待ち合わせの人なんでな」
「な!テメェなに、さま……」
男達が見たのは銀髪に赤と青のオッドアイのとてもカッコいい男性でした。男から見ても美しいといえるほどの……
「簪さん、遅れてごめんね?」
「え、あ、うん」
「彼女は俺と待ち合わせしてたんだ。離れてもらえるかな」
「す、すみませんでした」
「すんません」
慌てて離れていく男達。
「ごめんね。遅れたせいで不快な目に会わせちゃって」
「う、ううん。気にしてない、けど……四五六君なの?」
「そうだよ」
「嘘……」
簪さんはとても驚いた表情だった。
「あ〜似合わなかったかなこの格好」
「ち、ちが!!その……とってもかっこいいです」
最後の方は顔を赤く染め呟く様に話す簪さん。
「そっか。よかった。じゃあ、行こうか」
そういって手を差し出す。
「え?」
「今日は人が多いからはぐれないようにね」
「……う、うん」
おずおずと手を取り繋ぐ二人。
「さあ、行こう」
「うん!!」
「此処は、映画館?食材買いに来たんじゃないの四五六君」
「そう思ってたんだけど、今から買っちゃうと後が大変だから此処で時間を潰そうと思ったんだけど、ダメだったかな?」
「ううん、大丈夫だよ」
「そっか……なら何見ようか」
今この映画館で上映されているのは、「戦場で紡ぐ愛 敵兵とのラブストーリー」「ザ・サラリーマン2〜再就職先はブラック企業!?〜」「歴代ヒーロー大集結!!これがヒーロー魂だ!!」の三本だった。
「どれがいいかな?簪さんはどれが……」
簪さんの方を向いて見たらヒーロー物に釘付けだった。
「簪さん?」
「へぅ!?な、何かな」
「どれ見ようか?」
「え、えっと……じゃあ、その戦場で紡ぐ愛、で」
「分かった。店員さん「歴代ヒーロー大集結!!これがヒーロー魂だ!!」、を大人二枚で」
「かしこまりました」
「四五六君!?」
「あんなに凝視してちゃあバレバレだよ」
「うぅ……」
顔を赤くしそっぽを向く簪さん。
「じゃあ、行こう」
「……うん」
「歴代ヒーロー大集結!!これがヒーロー魂だ!!」はタイトル通り、今日までに放映された戦隊ヒーローが集結し映画版の巨大な敵組織を打ち破る、と言う王道パターンだったけど隣で見ている簪さんは目をキラキラさせながら時折体や手を動かして見ていた。
「楽しかったね!!四五六君」
「そうだね。手や体が動くくらいだったもんね?簪さんは」
「な!そ、そんな事してないもん」
また顔を赤くして否定する簪さん。
「ハハ、じゃあそういう事にしておこうかな」
「し、四五六君!!」
ポカポカと軽く胸を叩いて抗議している簪さんは可愛かった。
「っと、こんな時間か、お昼にしようか?」
「もうこんな時間なんだ」
気が付けばお昼を回った時間だった。
「何処か行きたい場所ってある?」
「……じゃあ、あそこで」
そうして連れて行かれた場所は大手チェーン店のファミレスだった。
「……ハッ、い、いらっしゃいませ」
店員さんが何故か呆けていたが気にしない。
「2人で」
「かしこまりました。此方にどうぞ」
案内された場所にすわり注文を終えたあと簪さんに話しかけられる。
「あの、四五六君」
「なに?」
「その髪の毛の色も、もしかして……」
「ああそうだよ。この髪の色と目の色が俺の本当の色だよ。驚いたでしょ」
「う、うん。ビックリしちゃった」
「本当は今日もいつも通りの黒髪黒目の地味な格好で来ようとしたんだけど」
其処まで話してちょっと微笑む。
「簪さんの姿を見たらちょっとね……」
「えっと、変だった?」
「いや、可愛すぎてね」
「か、かわっ!!」
真っ赤になる簪さん。最近真っ赤になる頻度が多くないか?
「可愛い簪さんと一緒に出かけるなら俺もそれ相当の格好しないと、って思ってね」
「うぅ……」
ますます赤くなる簪さん。可愛いな、ホント。
「そ、そういえば映画楽しかったね」
いかにも話題を逸らそうと話しかける簪さん。
「うん。映画だとやっぱり一味違うよね」
「そうそう。テレビで見るのもいいけど大きなスクリーンで見るのは格別だよね」
しばらく話して、話が途切れた時、こう聞かれた。
「四五六君、その、女の子がこうやってヒーロー物の話をするって変、じゃないかな」
「?、どうして」
「だって、その、クラスの女子の話とか聞いてるとヒーロー物とかじゃなくて可愛いものの話や最近の芸能人の話とかしてて私、ついていけなくて」
「……」
「いつも一人で整備とかしてて、その傍らにテレビでヒーロー物ばっかり見てて、私って女の子らしくないのかな」
さっきまでの楽しげな表情から急に悲しげな顔になる簪さん。
「……いいんじゃないかな、それでも」
「…え?」
「たとえヒーロー物が好きでもいいと思うよ俺は」
「でも……」
「それに、女の子らしくないって言うけど俺から見たら簪さんは十分に可愛い女の子だよ」
「……」
俺の話を聞いて目を潤ませ、赤くなる簪さん。
「か、簪さん!?なにか俺悪い事言ったかな」
「ううん、違うの。その嬉しくって」
「簪さん……」
その後、簪さんが落ち着いた後注文した料理が来て二人で楽しく話しながら食べてお店をあとにする。
「それでは、今日の目的の食材選びに行こうか」
「うん……四五六君、その……」
おずおずとしながら俺の手を見つめる簪さん。
「ああ」
簪さんと手を繋ぐ俺。
「じゃあ行こうか」
「……うん!!」
食材の選び方を教えながら一緒に買い物をし、夕方になり学園に戻る事に。
「四五六君、今日はありがとう」
「どうしたの急に?」
「その、今日は私のためにいろいろしてくれたから……」
「ああ、気にしなくていいよ。俺がしたかったからしただけだから」
「それでも、だよ。本当にありがとう」
その時の簪さんの笑顔は夕日と相まって本当に綺麗だった。
「……だからこれはお礼だよ」
「え?」
簪さんが近づいてきたと思ったら俺の頬にキスをされた。
「……フフ、私先に帰ってるね」
「……」
呆然とする俺に、イタズラが成功したような顔をしながら先に帰っていく簪さん。
「……まいったな、これは」
突然の不意打ちに呆然とするも全く嫌な気持ちは無く、むしろとても心地よい気持ちになった。
「惚れちゃった、かな」
この後、同じ部屋に住んでいることを忘れていた二人はとても気まずい雰囲気になりました。
ただし、他所から見ればとても甘酸っぱい雰囲気ですが。