さてさて、どうなる事やら。
楯無さんの質問に命がけで答えてきた四五六です。
楯無さん問いただす口調は柔らかいのに目が笑ってないんだ。しかも後ろの方にISがユラリユラリと見え隠れしてたし。下手な事言ったら次の日の光を見れなかった……
さて、そんな話は置いておき、今俺は部屋の中でMIKUから来た情報に悩まされています。
「そうか……もうこんな時期か」
そう、シャルル・デュノアとラウラ・ボーデヴィッヒの編入イベントです。
この2人が入学してくるという事は部屋換えがあるという事。部屋換えではシャルル・デュノアが厄介だ。なぜならデュノアは最初は“世界で二番目の男性適合者”という事で編入してくる。俺がいるから三人目だが。
原作では一夏と一緒になったが、この世界では俺と言う不確定要素がある。つまり俺と一緒になる、と言う可能性もあるという事だ。
別に嫌なわけではない。デュノア自体はいいんだ。問題なのは簪さんと離れる事だ。……俺は今の簪さんと一緒のこの空間がとても居心地がいいんだ。簪さんと一緒にいる時、別にいつも話をしているわけではないけど、簪さんが傍にいてくれる。それだけで俺はとても安らげるんだ。
これはやっぱり簪さんの事、好きになってる、ってことなのかな……。
そんな風に部屋換えの事で悩みながら、遂に来た二人の入学の日。数日前からクラスでは入学生が来る、と言う話題で持ちきりだった。
「今日入学生が来るんだって、しかも2人」
「そうそう。しかも三人目の男性適合者とか……」
「もう一人は軍の関係者とか……」
そんな話し声を聞きながら席に座っていると予鈴の鐘が鳴り、織斑先生と山田先生が入ってきた。
その後は原作のようにデュノアさんの自己紹介で黄色い悲鳴が上がり、ボーデヴィッヒさんの自己紹介でなんともいえない雰囲気となった。
そんな中、ボーデヴィッヒさんが俺の前まで歩いてきた。……はて?何で俺の前に来るんだ。一夏の前じゃないのか?
「……貴様が織斑一夏か?」
……ただ間違えただけか。
「いいえ。一夏は向こうの男性ですが」
「何!?」
一夏の方を見て、また俺を見るボーデヴィッヒさん。
「……すまない、間違えた」
そんな事を言ったボーデヴィッヒさんはちょっとだけ顔が赤かった。
その後、一夏の方に向かおうとして授業開始の鐘が鳴ってしまいしぶしぶ席に戻るボーデヴィッヒさん。まさか俺がいるだけで一夏へのビンタが無くなるとは……。
授業中一夏にガンを飛ばし続けるボーデヴィッヒさん。でも見た目のせいで何故かほほえましく見えるのは気のせいなのかな。
その後もボーデヴィッヒさんは事有るごとに一夏に声を掛けようとしたのだがこれまた事有るごとに邪魔されて一夏に話せないでいた。そしてちょっとふてくされてた。
……何だろうこの胸に来るキュンとした気持ちは?
そんなこんなで、放課後のHRにて織斑先生が一言。
「〜以上で報告は終わりだ。……っとそうだ、織斑一夏に篠ノ之箒」
「は、はい」
「はい」
「数日中に貴様達は部屋換えとなる。部屋換えの準備をしておくように」
「「は、い?」」
2人が織斑先生の言葉に呆ける。
「……ってなんでだよ!!千冬姉!!」
「そうです!!何で部屋換えなんか……」
「ほほう、毎日毎日事有るごとに騒動を起こし部屋のドアを破壊してるのは誰だ?」
「「「うぐっ」」」
二人に加え、オルコットさんも唸る。
「私が何度修理業者に頭を下げた事か……。今では電話しただけでため息が聞こえてくるようになったんだぞ」
「「「すみません」」」
頭を下げる三人。
「……じゃあ、俺は誰と一緒になるんですか?織斑先生」
「デュノアとだ」
その声に反応するクラスメイト達。
「一夏×デュノア、それともデュノア×一夏!!」
「金髪の美少年に迫るイケメン男子……ブハァ」
「……キタァーーー!!これで今年のコミは勝てる!!」
だめだ、こいつら腐ってやがる。……これ俺の正体ばれたらやばいんじゃね。それと周りの反応について行けなくてちょっとオロオロしてるボーデヴィッヒさんに萌えた。
「静かにせんか!!」
一喝で静まるクラス内。
「……あの織斑先生」
「なんだ篠ノ之」
「一二三は部屋換えはしないんですか」
「しない」
「何故!?」
おおう、何故か篠ノ之さんが俺の事を持ち出した。
「一二三は今日まで一切騒動を起こした事は無い。ついでに生活態度も問題は一切無い。挨拶などの礼儀もしっかりとしているから教師陣では手の掛からない生徒として助かっている」
「……」
「ゆえに今の部屋のままでも問題はないと判断され今回の部屋換えは織斑と篠ノ之の2人になったのだ。織斑も女子ではなく同じ男子となら騒動は早々起こさないだろう」
ため息と共に話す織斑先生。……織斑先生ご苦労様です。あと篠ノ之さん、俺を睨まないで。睨むなら一夏にして。
「この話はこれで終わりだ。以上解散」
織斑先生が出て行った後、デュノアさんとボーデヴィッヒさん、それと一夏の所に人が集まるのを横目にこっそりといつも通りに教室から撤退する。
……よかった。簪さんとこれからも一緒の部屋だ。地味に、でも礼儀正しく生活したかいがあったものだ。
「そんな事が今日は有ったよ」
「そっか。転入生って四五六君のクラスに入ったんだ」
「うん」
「……その2人ってどんな感じだったの?」
「気になるの?」
「別にそうじゃないけど……」
ちょっとふてくされた表情で聞いてくる簪さん。……かわいいな。
「金髪の男性がシャルル・デュノアさんで銀髪で眼帯をつけているのがラウラ・ボーデヴィッヒさんだよ」
「ふーん」
「デュノアさんは好青年って感じで、ボーデヴィッヒさんは軍人って事で何か厳つい雰囲気が有ったけど見た目が小さくてかわいい子だったよ」
「ふ〜〜ん」
俺が2人の事を話していてボーデヴィッヒさんの事をかわいいと言ったら目に見えて不機嫌になった簪さん。
「……四五六君ってロリコン?」
「ブフゥ!!な、なんで!?」
「だって、小さい子が好きなんでしょ」
「いやいやいや、別に好きじゃないよ」
「ふ〜〜ん」
疑いの眼差しで見てくる簪さん。
「俺が好きなのは簪さんみたいな人で……ハッ」
「え?」
最初は俺の言葉を理解できなかったのか呆けていたけど理解した後は見る見る内に顔が赤くなっていく。
「え、いや、そのこれはなんと言うか」
「……」
俺がつい言ってしまった事にあたふたしている間に簪さんは何と言うか頭から煙が出るんじゃないかってぐらいに真っ赤になっていた。
「え、いやその……お、俺ちょっと風に当たってくる!!」
居た堪れなくなって逃げ出す俺。その姿に簪さんは
「……四五六君の意気地なし」
そう呟いたそうな。