先日から私のルームメイトになった世界で二人目の男性IS適合者である一二三四五六。
かなり珍しい苗字と名前の彼だったけど、はじめて見た感想は地味。その一言に尽きた。
始めてあった頃は殆ど興味なんて無かった。私は“この子”を完成させる事だけを考えていたから。
それからしばらくの間私たちは殆ど会話らしい会話をせず、同じ部屋に居るだけの他人、そんな関係だった。
でもある日、彼が私の食生活について質問?をしてきた。
「簪さんはいつもそんな食事してるの?」って。
その頃の私の生活は授業以外は殆ど部屋に篭り、パソコンのモニターに写る“この子”の事だけを考えていた。だから食事は殆ど携帯食糧とビタミン剤で済ませてた。食堂では数日に1、2回しか利用してなかった。
そんな風に言ったらすごく怒られた。やれ、「女の子がそんな食事では~」とか「成長期に~」とかクドクドと言われた。
そんな彼に私はうっとおしく感じ、「……其処まで言うなら貴方が作ってよ」と言ってやった。こう言えば料理も出来ないくせに私の食生活に口出しできないだろうと思っていたのだけど、次の日、私の目の前にはかわいらしい模様の布で包まれたお弁当が置いてあった。
そのお弁当を前に彼はどや顔で立っていた。地味だけど。
流石に実物を出されてはしょうがないと取り合えずその日はそのお弁当を持って授業に向かった。
そしてお昼の時間。私は人通りの少ない場所で彼のお弁当の中を見て驚いた。
失礼だけど彼の見た目からは想像できないほど美味しそうなお弁当だった。見た目の配色に栄養バランスの考えられたおかず。全体の量も私にぴったりの量だった。
味の方もかなり美味しくて気が付いたら綺麗に食べ終わっていた。
その日の夜、彼は何所と無くわくわくした表情で私にお弁当の感想を聞いてきた。
何か癪だったから「……まあまあ、だったよ」と言ったら、「なら美味しいって言うまで作り続けてやる」と言われ、その言葉通りに次の日から私のお弁当を彼が作ってくれるようになった。
癪だけど、彼が作るお弁当は毎回毎回美味しい物ばかりで、気が付いたら私はお昼のお弁当の中身を楽しみにしていた。
同じ料理は一度も無くてその日その日で変わるお弁当の中身は毎日私を楽しませてくれる。そんな彼に対してちょっとだけ嫉妬しまったのは私だけの秘密である。
毎日毎日同じような日々が続いていたが今は違う。彼が作るお弁当の中身が楽しみで私は明日が楽しみになった。
……アレ?私餌付けされてる?
文字数が足りなかったので少しだけ加筆。