尸魂界 『技術開発局』
部屋の薄暗さとは相反するほどの明るさを持つ画面の光が、部屋とそこで働く人々を照らしている。
多くの隊員は椅子に座り画面を見つめている。
大きなあくびをする者、優雅に茶を飲む者、持ち込んだ菓子を幸せそうに頬張る者。
その様子を見るだけで、彼らの手持ち無沙汰が伺える。
「暇だなぁ~・・・」
「何言ってるんですか。ようやく来たこの時ですよ!」
「まぁ確かにあの時に比べたら、暇も至福だけどな~」
尸魂界、いや世界を震撼させた滅却師、ユーハバッハとの戦い。
多くの死神が傷つき、死に至り、そして尸魂界事態も大きなダメージを受けた。
そんな事から復興を遂げ、約10年あまりの月日が経った。
そんな隊員達とは打って変わり、部屋の隅では2人の男が顔をしかめて、1枚の紙を見ていた。
「謎のひずみ、か。」
「はい。ただひずみが発生しただけで、尸魂界や虚圏、現世とのバランスや空間に支障をきたしていることはないようです。」
「・・・・不思議だな。」
「まさか私達にも知らない世界が・・・」
「馬鹿言うな。元々世界はこれしかないに決まっている。」
「阿近副隊長のおっしゃる通りです・・」
「とにかくこれは涅隊長に報告だ。引き続き監視を頼む。」
「はっ!!」
阿近は瀞霊廷が映し出されているモニターを見上げた。
「妙な胸騒ぎは気のせいであると信じたいがな・・・」
深いため息をついて、歩き始めた。
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「先程、技術開発隊から一方が入りました。」
1人の男が部屋に入り、そう告げた。
椅子に座り、机に並べてある書類を見ていた目は上を向く。
「何だ。」
「空間にひずみができたそうです。」
「ひずみ・・・」
「おそらく、この尸魂界、現世、虚圏の他に世界があるのでは、という見解です。」
「・・・・・」
椅子に座っている男は静かに目を伏せた。
「それはこの世が破滅に向かっているという知らせか。」
「いえ、まだわかりません。」
「・・・お前はそのひずみとやらが別世界に繋がっていると思うか?」
「可能性としてはゼロではないはずです。」
「・・世界は均衡を保っている。」
椅子から立ち上がった。
「約10年前、この世界は危機を迎えた。そう、『裏切り』という行為によって生み出された戦いに。そしてようやく平和を迎え入れることができた。だが今平和が乱される予感がする。」
「・・・」
「この『新井家』が作り上げてきた尸魂界を、崩すわけにはいかぬ。いかなる敵が現れようとも、我々は命をとして守らなければならない。わかるな・・・大介。」
大介は口を一文字に結び、ただただ見つめていた。