遊戯王GX―はぐれはぐるま―   作:ロジェさんマジかっけぇ

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お読みいただきありがとうございます。古代の機械、良いよね。
またデッキの関係上、未発売(OCG化が決まっているもの)カードを使用する場合があります。

キャラ設定も載せておきます

萩野 優葉 ハギノ ユウハ
アカデミアに入学した1年生の少女。主人公。性格は大人しいを通り越して暗い。幼馴染みで親友の悠乃によく振り回される。いつも自分を連れ出してくれる悠乃には感謝していると同時に呆れている。
銀色の髪に紅い瞳。髪は短く、長い前髪が右目を隠している。
使用デッキ【古代の機械】
デュエリストになったキッカケは、クロノス教諭に憧れたから。古代の機械巨人は持っていない。クロノスとは異なり、古代の機械魔神やガジェットを軸にした戦法をとる。フェイバリットカードは古代の機械魔神。


入学試験!起動せよ古代の機械!

 ――デュエル・アカデミア。

 

 若き決闘者が集まり、様々な物を手に入れる場所。

 あるものは強さを、あるものは仲間を、またあるものは……名声を。

 私はずっと、この学校に入学するために頑張ってきた。

 

「……ねぇ、いつまでそうしてるわけー?」

 

 耳元で聞こえる声。隣に立っているのは、私の幼馴染み。

 

「まだ入試は終わってないんだよ?」

 

 壊道悠乃。私と正反対の性格の親友は、長い赤色のポニーテールを揺らしている。

 

「……そう、だね」

 

 そう。これから私達が向かうのは、デュエル・アカデミアに入学するための実技試験の会場。筆記試験は余裕で回避出来た。だがもし実技の試験で大きな失敗をしてしまった場合は……。

 

 黙って首を横に振る。

 

 大丈夫。この日のために、私は努力してきたんだ。デッキの調整は万全。戦略も組み立ててある。過去の試験のデータから、相手への対処法も考えてある。

 

「ねぇ!聞いてるー?」

 

 私の視界に、青い2つの瞳が飛び込んでくる。活気溢れる悠乃の表情。緊張していないのか……それとも何も考えていないのか。

 

「……えっと……何?」

 

「いや何?じゃないって!ほら、電車来てるよ!」

 

 悠乃に手を引かれ、電車に乗り込んだ。私達が中に入ると同時にブザーが鳴り響き、電車のドアが閉じる。

 

「……悠乃は、緊張してないの?」

 

 窓の外の流れ行く景色を見ながら、私は隣に座る悠乃に話し掛ける。彼女はホルダーから出した自分のデッキを見てニヤニヤしている。

 

「ぅぇへへ……。あ、え、なに?」

 

「なに?じゃないよ。緊張、してないの?」

 

 おおかた、この間やっと手に入れたレアモンスターを眺めていたのだろう。小学生の時からずっと欲しがっていたカード。それを手に入れたときの喜びはひとしおだろう。だが、あまりそれに夢中になりすぎるのもよくない。

 

「そりゃあ、あたしだって緊張するよ。……でも、優葉と同じ学校に行くためだからねぇ」

 

 悠乃は、ハッキリ言って勉強の出来る人間じゃない。だけど中学入試のとき、私と同じ学校に通うためにランクが1つも2つも上の学校を受験したのだ。結果は見事合格。お陰で、中学の3年間は寂しくなかった。

 

「……ま、どうにかなる、ってやつだよ!うん!」

 

 そう言って両手でガッツポーズを作る彼女の姿は、何処か頼もしかった。

 

 それから電車に揺られること数分、私達は受験会場にたどり着いた。大丈夫。私だって、悠乃と同じ学校に入るんだ。そして、あの人に出会うんだ。

 

 

「うぉぉぉっ!俺の勝ちザウルス!」

 

 奇妙な語尾のついた咆哮。実技試験は筒がなく進んでいく。

 

『それでは、受験番号1番、受験番号2番、前へ』

 

 会場に鳴り響くアナウンス。私の受験票に書かれた受験番号は……1。

 

「優葉!頑張ってね!」

 

「悠乃もね」

 

 受験番号は、筆記試験での順位らしい。つまり私は筆記試験て一番の成績と言うことだ。だが驚いたのは、悠乃の受験番号が2番であること。彼女も、きっと血のにじむような努力を重ねてきたのだろう。

 

「受験番号1番、萩野優葉さん。間違いないね?」

 

「……はい」

 

 時間短縮のために、実技試験は何人か同時に行われる……といっても、タッグデュエルをしたりする訳じゃあない。隣のデュエルコートに立つ悠乃は、余裕そうな表情で試験官と話していた。

 

「それでは、準備は良いかな?」

 

「……はい、よろしくお願いします」

 

 青い服を着たアカデミアの試験官がデュエルディスクを構える。

 さぁ、始めよう。私の、最初の戦いを。

 

「「――デュエル!!」」

 

優葉 LP4000

VS

試験官 LP4000

 

「今回のデュエルは、受験生である君の先行だ。さぁ、カードを引くと良い」

 

「……私のターン、ドロー」

 

 手札は……うん。悪くはない。私はそこまで引きの強い方じゃない。だからたまに事故が起こる。今回はそんな事が起こらなくて本当によかった。

 とはいえ、現状この手札で出来ることは少ない。なら、ここは様子見で……。

 

「私はカードを1枚セット、そして手札から、古代の機械飛竜(アンティーク・ギアワイバーン)を召喚します」

 

 デュエルディスクがソリットビジョンを投影する。私のフィールドに現れたのは、古びた金属の体を持つ機械仕掛けの飛竜。

 

ATK1700

LV4

 

 古代の機械。暗黒の中世デッキ。私が召喚したモンスターを見て、観客がざわめく。

 

「古代の機械、だって……?」

「あいつ、クロノスとか言う先生と同じデッキを使うのか」

 

 そう、デュエル・アカデミアの教員に、暗黒の中世デッキを使いこなす人間がいる。名をクロノス・デ・メディチ。私がデュエルを始めるキッカケを与えてくれた、恩師。

 

「古代の機械飛竜の効果を発動。このカードの召喚に成功したとき、デッキからアンティーク・ギアと名の付くカード1枚を手札に加えます」

 

 私が手札に加えるのは古代の機械猟犬(アンティーク・ギアハウンドドッグ)。これで次のターン、相棒を呼び出すことが出来る。

 

「私はこれで、ターンエンドです」

 

 

優葉 LP4000 手札5

古代の機械飛竜

セット1

 

 

「それでは私のターンだ!ドロー!」

 

 試験官は勢いよくカードを引く。そして手札をじっくりと見定めた後、視線を私に向けてきた。

 

「優葉さん。君は全ての科目で満点をとったそうじゃないか。実に素晴らしい。……だが、実技試験は理論だけでは乗り越えられない!理論ではどうともならない『運』が絡んでくるからだ!」

 

 運。残念ながら、私にそんなものは無い。だが噂によれば、どんな不利な状況でも1枚のドローでひっくり返してしまう人間もいるそうだ。私は油断することなく試験官を見つめる。

 

「自分の手札が悪いとき、そして相手の手札が素晴らしかったとき!さぁ、君はこの壁を乗り越えられるかな?私は、ゴブリンドバーグを召喚!」

 

 エンジン音と共に、赤い飛行機に乗ったゴブリンが現れる。

 

ATK1400

LV4

 

「ゴブリンドバーグの効果を発動!このカードの召喚に成功したとき、手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚出来る!来い、ゴブリンエリート部隊!」

 

 ゴブリンドバーグが、照明弾のような物を打ち上げる。それを合図に、試験官の手札から鎧を着たゴブリンの群れが飛び出してきた。

 

ATK2200

LV4

 

「この効果を発動した場合、ゴブリンドバーグは守備表示になる」

 

ATK1400→DEF0

 

「さらに魔法カード、二重召喚を発動!この効果により、私はもう一度通常召喚を行うことが出来る!」

 

 会場がざわめく。当然だ。相手のフィールドには2体のモンスター、そして相手は召喚権を持っている。ここから導き出される答えは――

 

「私はゴブリンドバーグとゴブリンエリート部隊を生け贄に捧げ、針三千本を召喚!」

 

 2体のモンスターを飲み込み、巨大な針の玉が現れる。ヤマアラシのような、針ネズミのような。だがその大きさは先程まで居たゴブリン達を越えている。

 

ATK3000

LV8

 

「うわぁ……えげつねぇ」

「いくら筆記試験1位でも、攻撃力3000に勝てるのか……?」

 

 攻撃力3000の大型モンスター。それはデュエルを一瞬で終わらせるほどの力を持ったモンスターだ。だから既に勝敗は決した。そう思われたのか、私と試験官のデュエルを見る人が減っていく。

 

「さぁ、行くぞ、バトルだ!針三千本で、古代の機械飛竜を攻撃!」

 

「させません。リバースカードオープン、和睦の使者。このターン私のモンスターは戦闘で破壊されず、私が受ける戦闘ダメージも0になる」

 

 私のお気に入りのカード。和睦の使者。発動に成功すれば、バーンデッキでも無い限りはそのターンを凌ぐことが出来る上、サイクロン等の除去にもチェーンして発動できる。私が幾度となく助けられてきたカードだ。

 現れた光の障壁が、降り注ぐ三千本の針を弾く。

 

「なるほど、上手く防いだな。私はカードを2枚セット、ターンエンドだ」

 

 

試験官 LP4000 手札0

針三千本

セット2

 

 

「私のターン、ドロー」

 

 もう観客は殆ど居ない。だが残っている人達は、皆真剣な瞳で私達のデュエルを見ていた。

 

「試験、ありがとうございました」

 

「……なに?サレンダーでもするつもりか?」

 

 サレンダー?冗談じゃない。だって

 

「このデュエルは、このターンで終わりますから」

 

 ほう、と呟いた試験官が、興味深そうに私を見つめる。

 

「私は、古代の機械猟犬を召喚」

 

 歯車が擦れる音と共に、機械仕掛けの猟犬がその姿を表す。

 

ATK1000

LV3

 

 ステータスこそ高くないものの、中々に大きなモンスター。この子が私の相棒を呼んでくれる。

 

「古代の機械猟犬の効果発動。このモンスターの召喚に成功したとき、相手に600ポイントのダメージを与える」

 

 猟犬の口から砲口が現れ、火の玉が打ち出される。それは僅かに、しかし確実に、歯向かうものの命を削る。

 

LP4000→3400

 

「さらに、古代の機械猟犬の効果発動。1ターンに1度、古代の機械と名のついた融合モンスターの素材を手札またはフィールドから墓地へ送り、そのモンスターを融合魔法無しで融合召喚できる」

 

「融合を使わずに融合召喚を行うだと!?」

 

「私は、フィールドに存在する古代の機械猟犬と、古代の機械飛竜を融合。古の魂受け継がれし機械仕掛けの猟犬よ。天かける竜と交じり会い、新たな力と共に生まれ変わらん!融合召喚!現れよ、レベル8!私の相棒、古代の機械魔神(アンティーク・ギア・デビル)!」

 

 地を割り、古の都市に封印されし魔神が這い出してくる。膜の無いコウモリの様な羽、両腕には長い砲塔が3門ずつついている。

 

ATK1000

LV8

 

「古代の機械、魔神……?」

「聞いたこと無いカードだな……」

 

 古代の機械魔神。私の相棒のカード。このカードをいつ手に入れたのかは覚えていない。だけどずっと、私はこのモンスターと一緒に戦ってきた。

 

「古代の機械魔神の効果を発動。1ターンに1度、相手に1000ポイントのダメージを与える」

 

 魔神の持つ6つの砲塔から砲撃が放たれる。1000ポイント。それはライフポイントの4分の1を削る大ダメージだ。

 

「ぐぅっ……!?」

 

LP3400→2400

 

「なるほど。倒せないモンスターが現れれば、即座にバーン戦法に移ることが出来るのか。素晴らしいタクティクスだ。だが君はミスを犯した」

 

 試験官の男は古代の機械魔神を指差す。

 

「攻撃力1000のモンスターを攻撃表示で召喚してしまう……実に初歩的なミスだな」

 

 ……この人、本当に教師なのだろうか。雇われのアルバイトだったりするのだろうか。

 

「……いいえ、ミスではありませんよ」

 

 そう、全ては私の戦略のままに。

 

「バトルです。古代の機械魔神で、針三千本に攻撃。自爆砲撃(デストラクション・ボム)!」

 

「血迷ったか!?良いだろう、手助けをしてやる!私はリバースカード、禁じられた聖槍を発動!モンスター1体を選択し、その攻撃力を800ポイントダウンする!対象は当然、古代の機械魔神だ!」

 

 試験官のセットした2枚のカードの内、1枚が発動された。光輝く槍が魔神に向かって飛ぶ。だけど、そんなものは意味はない。

 

「無駄ですよ。古代の機械魔神は、このカード以外の全てのカードの効果を受けません」

 

 光の槍が魔神に届く直前、黒いもやの様なバリアが魔神を包み込み、その槍を飲み込んだ。

 古代の機械魔神は飛翔し針三千本に飛び付くと、0距離で砲撃を放つ。だが針三千本には傷1つつかない。その砲撃の衝撃波は古代の機械魔神を襲い、魔神の体は鉄屑となって崩れ落ちた。

 

「っ……!」

 

LP4000→2000

 

「折角召喚した融合モンスターを破壊、一体君は、何を狙っているんだ?」

 

「……失礼ですが、あなたは本当に試験官なのですか?」

 

「何?」

 

 私の発言に、試験官の表情が険しくなる。

 

「古代の機械魔神の効果を発動。このカードが戦闘によって破壊されたとき、デッキからアンティーク・ギアと名の付くモンスター1体を、召喚条件を無視して特殊召喚します!」

 

 本当は、とあるカードを出したかった。私の憧れた切り札を。最強の巨人を。だけど私はそのカードを持っていない。

 

「出でよ……古代の機械合成竜(アンティーク・ギアヒドラ)!」

 

 機械魔神の残骸がひとりでに動きだし、合体する。そして新たな古代の機械が生まれる。

 けたたましい叫びと共に現れる三つ首の機械竜。その尻尾も頭の様になっているので、正確には四頭の竜か。

 

ATK2700

LV7

 

「古代の機械合成竜で、針三千本を攻撃!」

 

「馬鹿め!合成竜の攻撃力は針三千本よりも低い!だがこれで終わりだ!リバースカードオープン!魔法の筒!相手モンスターの攻撃を無効にし、その攻撃力分のダメージを相手に与える!」

 

「……あなた、クロノス先生とデュエルしたこと無いんですね」

 

「……は?」

 

「古代の機械合成竜の効果、自分のアンティーク・ギアと名の付くモンスターの攻撃宣言時、相手はモンスターの効果・魔法・罠を発動することはできない!」

 

 4つの頭を持つ機械竜が、莫大なエネルギーを貯める。だが攻撃力が足りないのは確かだ。

 

「さらに私はダメージ計算時に、速攻魔法リミッター解除を発動。その効果で機械族モンスターの攻撃力は、2倍になります」

 

ATK2700→5400

 

 機械竜に、容量を超えた過剰なエネルギーが蓄積される。相手にアンティーク・ギアの攻撃を防ぐ手段は――無い!

 

「く……っ、ぐぁぁぁっ!」

 

LP2400→0

 

 歓声があがる。観客席では、既にデュエルを終えていたらしい悠乃が手を振っていた。

 

「それでは、ありがとうございました」

 

 一礼し、その場を後にする。かなり失礼な言動をしてしまったかもしれないが、この結果なら合格は間違いないだろう。







「今回の最強カードは~?」
「え、悠乃何してるの?」
「いやほら、お約束のコーナーだよ」
「お約束?」
「そそ、ほら、優葉も一緒に!」
「え、あ、こっ、」

「「今回の最強カードは~?」」

古代の機械魔神(アンティーク・ギア・デビル)
融合・効果モンスター
星8/地属性/機械族/攻1000/守1800
「アンティーク・ギア」モンスター×2
「古代の機械魔神」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードは他のカードの効果を受けない。
(2):自分メインフェイズに発動できる。
相手に1000ダメージを与える。
(3):このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「アンティーク・ギア」モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。

「完全な耐性、低めのステータス。絶対自爆特攻するマシンだね」
「まぁ、それがこの子の役目だし……」
「戦闘破壊されれば古代の機械をリクルート、放っておけば小さくないバーンダメージ。厄介なモンスターだね」
「その上出しやすいのも魅力。古代の機械猟犬にはお世話になってるよ」
「ま、あたしの壊獣達の手にかかれば……」
「やめろ」
「あっははは!それやるといっつも泣きそうになるよね」
「……そりゃそうだよ。って言うか、言っちゃって良かったの?デッキの内容」
「……あ」



ここまでお読みいただきありがとうございました。古代の機械には昔から憧れていましたね。古代の機械究極巨人が当たったときには大喜びしたものです。……その後古代の機械巨人と融合を持っていないことに気づいたんですけどね。ですがずっと眠っていた私の究極巨人にもついに日の目が……?

それでは、投稿スペースはゆっくりになりますが、また次回も読んでいただけたら作者は泣いて喜びます。
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