あなたは経験があるだろうか。目が覚めた瞬間に目の前で老人が正座で待っていたことが。
「ほんとすいませんでした!」
なんだろうこのじいさん。ひとが目を開けた瞬間真っ青な顔で土下座してきて、まるで俺が老人虐めてるみたいじゃねぇか。
というか、ここはどこなんだ?何もないし、真っ白だし。
てか、このじいさん羽つけて、頭に輪っかつけてコスプレにしては似合いすぎてんな。
「あの…話をしてもいいじゃろか?」
「あ?忘れてた、どうぞ。」
「おぬし、この状況で恐ろしいほど冷静じゃのう。普通はもっと取り乱すぞ?」
「いや、なんか色々ありすぎてめんどくさくなったから話聞いてから考えることにした。」
このじいさん取り乱す原因のクセに人の心配してきやがった。
「まぁそれもそうじゃの。まず、第一におぬしは死んでしまったのじゃ。」
「…それで?」
「相も変わらず冷静じゃが、これは冗談ではないぞ?」
「いや、今度は理解が追いつかなくなった。」
「それもそうじゃろうな。それで説明を続けると、おぬしはこちらの手違いで死んでしまったのじゃ。そして、そのお詫びに新たな世界に転生させようと思う。」
「ああ。」
このじいさん何言ってんだろうか。俺は現にここでピンピンしてるし、突然死ぬようなこともしていない。とりあえず家に帰ってベッドで寝たいけどな。
「そして、こちらの手違いで死なせてしまったおぬしにはチカラを与えようと思うのじゃ。」
「チカラ?」
「そうじゃ。おぬしはリボーンを知っておるか?」
「リボーン?あのジャンプのか?」
まさかこのじいさんの口からリボーンがでてくるとはな。
「そうじゃ。おぬしの次の転生先は闘いの多い世界での。そこでおぬしにはリボーンの大空、嵐、雨、晴、雲、霧、雷の7つの炎のチカラ。そして、匣を授けようと思う。」
「はいはい。わかったわかった。」
この厨二病全開のじいさんの戯言は軽く流してさっさと終わらせよう。
「話が早くて助かるわい。それでは次の人生悔いなく頑張るんじゃぞ。」
さて、話もおわったし、出口を探そう…
パカッ‼︎
じいさんの体が消えたと思った瞬間に足下に開いた穴に落ちたのは俺の方だった。
上を見ると白いハンカチを振りながら見送るじいさんの姿がそこにあった。
「ジジイ!てめえ次会ったら確実に殺すからな!」
そう言いながら落ちていく俺は静かに意識を失っていった。
薄れゆく意識の中であのジジイに復讐を誓いながら。
「…あのチカラを持ったあやつに会ったらほんとに殺されそう、わし。」
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