BLEACH ~the decay eyes~   作:バーサ

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 プロローグです。宜しくお願いします。


現世篇
0話 the decay eyes


 幼い頃から幽霊が見えた。

 

 不思議と怖いなどいう感情はなく、むしろ親しみを覚えていた。

 

 当時は生きてる人間と幽霊の区別がつかなくて、よく近所の人や学校の同級生などに誰もいないところで話してるなんて気味悪がられていたが、両親と妹は違った。

 

 父親も母親も霊感などと呼ばれるものは全くないらしく、幽霊は見えないと言っていた。同じく妹もだ。でも幽霊はいるんだと言えば信じてくれた。

 

 友達はいなかった。でも幽霊はいてくれた。

 

 家族と幽霊がいれば何も不満などなかったんだ。

 

 今思えば、それが全ての間違いだったのかもしれない。

 

 

 

 

    ◆

 

 

 

 

 朝。目覚まし時計がけたたましく鳴り響き、彼の耳を刺激する。

 一時的に覚醒した思考の中で布団から手だけを出し、辺りを探る。睡眠を妨害する騒音機を発見と同時に止め、もう一度心地よいまどろみの中へ──入ろうとして起き上がった。

 

 

「…転校初日から遅刻はまずいか」

 

 

 頭を掻きながら半分寝ぼけた状態で独り言ちる。布団から苦渋の思いで抜け出し洗面台へ行くといつにも増して腐った目が鏡に映っていた。

 

 

「…顔を洗うのと一緒に目も綺麗になりゃいいのにな」

 

 

 そんな自嘲めいたことを呟いて彼は冷たい水を両手に掬い顔を洗う。どこかふわふわしていた思考は鮮明になり、タオルで水をふき取ったところで息を吐いた。

 そのままぴょんと跳ねた自慢のアホ毛を軽く整え、自室に戻って新しい制服に袖を通し声を漏らした。

 

 

「あーそういや」

 

 

 朝食用に食材を何も買っていなかったことを思い出す。何せ昨日引っ越してきたのだ。バタバタしてて忘れていた。

 

 

「…早めに出てコンビニ行くか」

 

 

 本来ならゆっくりと朝食を食べモーニングコーヒー(MAXコーヒー)を優雅に楽しめたはずなのだが仕方ない。

 まだこちらの土地勘もないのだし、迷子になる可能性も考えれば早めに出ることも悪くないと自分に言い聞かせ、玄関へ向かう。すると引っ越しの挨拶用に買った粗品が目に入った。

 

 

「そういえばまだ隣に挨拶に行ってなかったな」

 

 

 確か隣は町医者をやっている医院だと不動産の人が言っていた。朝からは迷惑かと思ったが一応持って行って平気そうなら挨拶をしようと決める。

 靴を履いてカバンと粗品を持ったことを確認したあと、玄関に飾られた写真に微笑み、ドアを開けた。

 

 

「じゃあ行ってくるよ。親父、お袋、小町」

 

 

 返事は、返ってこない。

 

 

 

 

 比企谷八幡/15歳

 髪の特徴/アホ毛

 目の特徴/腐っている

 職業/高校生

 

 特技/幽霊が見えた(・・・)

 

 

 

 

 

 

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