「……ドウシテコウナッタ」
やぁ、読者の方々おはこんにちわ、風山蓮です。現在俺は――
「「「ワァーーーーーー!!!!!!」」」
――プロのデュエルフィールドに立っています。
いやね、別にデュエルすること自体には対して問題はないんだよ?けどね、まさかエキシビションとはいえプロデュエリストとデュエルすることになるなんて誰が想像する?
しかもTV中継されてるという羞恥プレイ!!絶対明日劔菜先輩とかにネタにされるじゃん!!
「やれやれ、対戦相手が急に変わるなんて、思いもしなかったぜ。しかもこんなガキによ……」
相手の……なぜか第三部の空○承太○にの格好に似ているデュエリストも苦笑いだ。
「まぁ、いい。折角デュエルできるんだ……誰が相手でも叩き潰す!!」
「あはは、精一杯相手をさせてもらいます……」
俺も軽く苦笑いでそう言うと、レフェリーの男性が真横に立った
『それではこれより、赤コーナー、一条承乃介選手と青コーナー、風山蓮選手によるエキシビションデュエルを開始します!!』
「「デュエル!!」」
承乃介 LIFE8000
蓮 LIFE8000
『コイントスにより、先行は承乃介選手です』
「やれやれ、俺のターン!!」
相手選手がドローをした瞬間、俺は相手のデッキを予想する。
(見た目での俺の予想通りなら、恐らくは戦士族デッキ、それも多分……)
「……俺は魔法カード『手札断殺』を発動!!互いに手札を二枚、墓地へ送り二枚ドローするぜ」
承乃介 手札4→2→4
蓮 手札5→3→5
「俺はこの効果で墓地へ送った『BK グラスジョー』の効果を発動する。墓地へ存在する『BK スイッチヒッター』を手札に戻す」
(やっぱり肉弾戦の『BK』か!!となると次のターンが鬼門か……)
「俺はさらに今手札に加えた『BK スイッチヒッター』を通常召喚する。このとき、『スイッチヒッター』の効果で墓地の『グラスジョー』をフィールドに呼び出させてもらうぜ?」
「……手札にチェーンできるカードはありません」
『BK スイッチヒッター』 ☆4 A 1500
『BK グラスジョー』 ☆4 A 2000
「よし、ならば俺はレベル4の『スイッチヒッター』と『グラスジョー』でオーバーレイ!!エクシーズ召喚!!現れろ封じられし荒者、『BK 拘束蛮兵リードブロー』!!」
『BK 拘束蛮兵リードブロー』 ★4 A 2200
「さらに俺は『リードブロー』のオーバーレイユニット(スイッチヒッター)を取り除き、手札の『BK シャドー』を特殊召喚」
『BK シャドー』 ☆4 A 1800
「そして、『リードブロー』の効果が発動する。このカードからORUが取り除かれる度に、攻撃力が800アップする」
『BK 拘束蛮兵リードブロー』 A2200→3000
「さらに俺は魔法カード『増援』を発動する。デッキからレベル4『BK スパー』を手札に加え、自身の効果で特殊召喚」
『BK スパー』 ☆4 A 1200
「俺は二体のモンスターでオーバーレイ!!エクシーズ召喚!!現れろ、二体目の『リードブロー』!!」
『BK 拘束蛮兵リードブロー』 ★4 A 2200
「俺はこれでターンエンドだ……」
承乃介 LIFE8000 手札一枚
フィールド
『BK 拘束蛮兵リードブロー』 A 3000
『BK 拘束蛮兵リードブロー』 A 2200
「(初手で『リードブロー』二枚も出すとはな……)俺のターン!!……俺は永続魔法『神樹の切り株都市』と『聖者の樹の実』を発動!!」
「ほう……風属性デッキか?」
「(まさか二枚だけでバレた!?)……まぁ『切り株都市』がある時点で分かりますよね」
「確かにな……まぁ、今の俺に対処するカードは無いがな」
「それなら、俺は魔法カード『死者蘇生』を発動!!墓地から俺のエースモンスターを呼ばさせてもらいます!!」
まさか初手引きするとは思ってなかったが、相手のおかげで対応できた。
「疾風を纏いし武神よ、天高らかに翼を広げ、その爪で敵を裂け!!現れろ、『鳥武神シシグイ』!!」
『鳥武神シシグイ』 ☆5 A 500
「『シシグイ』……なるほど、鳥獣ビートって奴か……」
「さらに俺は速攻魔法『地獄の暴走召喚』を発動!!フィールドに攻撃力1500以下のモンスターが特殊召喚されたとき、そのモンスターと同名モンスターを手札及びデッキから特殊召喚できる!!」
「俺もモンスター選択して特殊召喚できるが……『リードブロー』はエクシーズモンスターだから不可能だ」
「よって、来い!!我がエース達!!」
『鳥武神シシグイ』×2 ☆5 A 500
「『シシグイ』の効果!!フィールドの風属性モンスターは、フィールドの鳥獣族モンスター一体につき攻撃力が200アップする!!」
「今そっちには『シシグイ』が三体……200×3×3……1800アップか」
『シシグイ』×3 A500→2300
「(モンスター1体出しても、『シシグイ』の攻撃力は2900……ぎりぎり『リードブロー』を破壊できない)……俺は『ジョーニン・トンビ』を召喚!!」
『ジョーニン・トンビ』 ☆4 A 1800
「『ジョーニン・トンビ』も風属性であり、かつ鳥獣族、よって『シシグイ』の効果で攻撃力がアップ!!」
『シシグイ』×3 A2300→2900
『ジョーニン・トンビ』 A1800→4200
「バトルだ!!『ジョーニン・トンビ』で攻撃力2200の『リードブロー』を攻撃!!」
「(なるほど、『シシグイ』が破壊されないように、か)『リードブロー』の効果!!ORU(シャドー)を一つ取り除き、破壊を無効にする!!」
「けどダメージは受ける!!」
承乃介 LIFE8000→6000
「ぐ……、『リードブロー』の効果で攻撃力が800アップ」
『リードブロー』 A2200→3000
「……俺はこれでターンエンド、エンドフェイズに『切り株都市』の効果でデッキトップを一枚オープンし、それが風属性モンスターならば特殊召喚できる!!……カードは『ハーピィ・レディ1』!!よって特殊召喚!!」
『ハーピィ・レディ1』 ☆4 A 1600
「『ハーピィ・レディ1』も風属性であり、鳥獣族、さらに『ハーピィ・レディ1』の効果でさらに攻撃力がアップ!!」
『シシグイ』×3 A2900→3500→3800
『ジョーニン・トンビ』 A4200→4800→5100
『ハーピィ・レディ1』 A1600→4600→4900
蓮 LIFE8000 手札一枚
フィールド
『シシグイ』×3 A3800
『ジョーニン・トンビ』 A5100
『ハーピィ・レディ1』 A4900
『神樹の切り株都市』 永続魔法
『聖者の樹の実』 永続魔法
「俺のターン!!……やれやれ、攻撃力が全員3500オーバー、か……普通なら諦めそうなところなんだが……やられっぱなしはしゃくに触るな」
「!!(なんか、来る!!)」
「俺は魔法カード『エクシーズギフト』を発動!!フィールドの『リードブロー』二体からそれぞれ一つずつORUを取り除き、デッキから二枚ドロー!!さらに墓地へ送られた『グラスジョー』の効果で、『スイッチヒッター』を手札に戻す」
い、いきなり二アドかよ!!しかも『リードブロー』のORUが消えたって事はつまり
「さらに『リードブロー』の攻撃力はそれぞれ800アップ!!」
『リードブロー』×2 A3000→3800
や、ヤバイ!!このパターンは一番ヤバイ!!もし手札に『エクシーズ・ユニット』なんか持ってたりしたら……て、フラグ立てちまった!!
「俺は装備魔法『エクシーズ・ユニット』を『リードブロー』一体に装備!!」
(フラグ回収しちまったよぉぉぉ!?)
「これにより、『リードブロー』の攻撃力は800アップ!!」
『リードブロー』 A3800→4600
「け、けどこの瞬間、永続魔法『聖者の樹の実』の効果で、メインフェイズ1を強制終了させる」
「ならバトルだ、『エクシーズ・ユニット』を装備した『リードブロー』で『シシグイ』一体を攻撃!!」
「ぬぁぁぁぁ!!」
蓮 LIFE8000→7200
「この瞬間、『聖者の樹の実』の効果で、戦闘ダメージを受けたことによりデッキから一枚ドロー!!」
「だが、『シシグイ』が一体消えたことにより、フィールドのモンスターの攻撃力はかなり下がる」
『シシグイ』×2 A3800→2400
『ジョーニン・トンビ』 A5100→3700
『ハーピィ・レディ1』 A4900→3500
「続けてもう一体の『リードブロー』で『シシグイ』を攻撃!!」
「『聖者の樹の実』の効果で、一枚ドロー!!うぁぁぁぁぁぁ!!」
蓮 LIFE7200→5800
「『シシグイ』が再び消えたことにより、フィールドのモンスターの攻撃力は下がる」
『シシグイ』 A2400→1400
『ジョーニン・トンビ』 A3700→2700
『ハーピィ・レディ1』 A3500→2500
「俺はカードを一枚伏せてターンエンド……」
承乃介 LIFE6000 手札二枚(スイッチヒッター)
フィールド
『BK 拘束蛮兵リードブロー(装備有り)』 A4600
『BK 拘束蛮兵リードブロー』 A 3800
『エクシーズ・ユニット(リードブロー)』 装備魔法
伏せカード一枚
「俺のターン!!……ドロー!!俺は永続魔法『一族の結束』を発動!!これにより攻撃力が800アップ!!」
『シシグイ』 A1400→2200
『ジョーニン・トンビ』 A2700→3500
『ハーピィ・レディ1』 A2500→3300
「だが、それでも攻撃力は及ばないな……」
「まだだ!!俺は手札の『チューニン・ツバメ』を召喚!!」
『チューニン・ツバメ』 ☆3 A 1500
「俺はレベル4『ジョーニン・トンビ』にレベル3の『チューニン・ツバメ』をチューニング!!シンクロ召喚!!現れろ!!『光牙鳳凰レックウマル』!!」
『光牙鳳凰レックウマル』 ☆7 A 2500
「『レックウマル』も風属性、鳥獣族!!よって攻撃力アップ!!」
『レックウマル』 A2500→4200
「さらに『レックウマル』が特殊召喚に成功したとき、フィールドに分身トークンを二体特殊召喚する!!」
『分身トークン』 ☆4 A1000
「バトルだ!!『レックウマル』で攻撃力の低い『リードブロー』を攻撃!!」
「やれやれ、それでもライフが同じぐらいになるだけだ」
「そんなわけあるか!!『レックウマル』の攻撃時、フィールドの風属性モンスターをリリースすることで、リリースした数分、相手フィールドのカードを手札に戻す!!」
「なんだと!?」
「私は二体の『分身トークン』をリリース!!そして選ぶのは伏せカードと攻撃力の高い『リードブロー』!!」
「ぐ、伏せカードはともかく、『リードブロー』は手札ではなくエクストラデッキに戻る……やるな」
「行け!!『レックウマル』!!ストライク・ストリーム!!」
承乃介 LIFE6000→5600
「続けて『シシグイ』でダイレクトアタック!!」
「ぬぁぁぁぁ!!」
承乃介 LIFE5600→3400
「この瞬間、手札の『BK ベイル』の効果が発動する!!自分が戦闘ダメージを受けたとき、このカードを特殊召喚し、受けたダメージ分ライフを回復する」
『BK ベイル』 ☆4 D 1800
承乃介 LIFE3400→5600
「く、『ハーピィ・レディ1』で『ベイル』を攻撃!!そしてカードを一枚伏せて、エンドフェイズに『切り株都市』の効果で、デッキトップ確認!!……カードは『霧の谷の戦士』!!よって特殊召喚!!」
『霧の谷の戦士』 ☆4 A1700
「さらに『霧の谷の戦士』も鳥獣族、よって攻撃力アップ!!ターンエンド」
蓮 LIFE5800 手札一枚
フィールド
『鳥武神シシグイ』 A 2400
『光牙鳳凰レックウマル』 A 4400
『ハーピィ・レディ1』 A 3500
『霧の谷の戦士』 A 3600
『神樹の切り株都市』 永続魔法
『聖者の樹の実』 永続魔法
『一族の結束』 永続魔法
「ふむ、俺のターン!!……俺は『BK スイッチヒッター』を通常召喚!!さらに効果で、墓地の『グラスジョー』を復活。さらに手札から魔法カード『バーニング・ナックル・スピリッツ』を発動!!デッキトップを墓地へ送り、墓地の『シャドー』を特殊召喚!!」
「このタイミングで三枚の『BK』!?」
「俺は三体でオーバレイ!!光の拳、熱き魂の鼓動を持って立ち塞がるものを殴り飛ばせ!!エクシーズ召喚!!現れろ、『No.105 BK 流星のセスタス』!!」
『No.105 BK 流星のセスタス』 ★4 A 2500
「バトルだ!!『セスタス』で『シシグイ』を攻撃!!この時『セスタス』のモンスター効果を発動!!ORU(グラスジョー)を墓地へ送り、このカードは戦闘では破壊されず、バトルする相手モンスターの効果を無効にする!!」
「な!!てことはシシグイの永続効果も!?」
『シシグイ』 A2400→1600
「いけ『セスタス』!!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「グァバ!!」
蓮 LIFE5800→4700
「だ、だか!!俺は『聖者の樹の実』の効果で、一枚ドロー!!」
「俺は『グラスジョー』の効果で、『ベイル』を手札に戻し、カードを一枚伏せてターンエンド」
承乃介 LIFE5600 手札一枚(ベイル)
フィールド
『No.105 BK 流星のセスタス』 A 2500
伏せカード一枚
「俺のターン!!……ドロー!!」
俺は引いたカードを確認するが、この状況を覆せるものではなかった。フィールドにも解決策になるカードはない。
(せめてエクシーズモンスターの『カステル』でも容れておくべきだったな)
「ん?なにもしないのか?」
「そんなわけあるか!!バトルだ、『霧の谷の戦士』で『セスタス』に攻撃!!」
「『セスタス』のORU(シャドー)を墓地へ送り、破壊されない上にダメージ反射、能力を無効!!」
「グゥッ!!」
蓮 LIFE4700→4400
「だが、『聖者の樹の実』の効果で、一枚ドロー!!」
「ほう、反射ダメージでもドローできるのか……厄介だな」
「『ハーピィ・レディ1』で『セスタス』を攻撃!!」
「(なるほど、ORUを使わせる作戦か……仕方ないとはいえ癪だな)俺はセスタスの効果発動」
「ぬぁぁぁぁ!!」
蓮 LIFE4400→4200
「ぐ……『聖者の樹の実』の効果で、一枚ドロー!!」
「まさか、ドローするために多少とはいえライフを削るとはな……」
「ついでにORUも尽きた、これで『セスタス』の効果はもう使えない!!いけ、『レックウマル』!!」
「罠カード『魔法の筒』攻撃を無効にして、その攻撃力分のダメージを受けろ!!」
「な!!うぁぁぁぁぁぁ!!」
蓮 LIFE4200→800
「ぐ……俺はカードを……二枚伏せて……ターンエンド。『切り株』の効果で、デッキをオープン!!……モンスターは『ジョーニン・トンビ』、よって俺は守備表示で特殊召喚!!」
蓮 LIFE800 手札一枚
フィールド
『ジョーニン・トンビ』 D 2000
『光牙鳳凰レックウマル』 A 3600
『ハーピィ・レディ1』 A 2700
『霧の谷の戦士』 A 2800
『神樹の切り株都市』 永続魔法
『聖者の樹の実』 永続魔法
『一族の結束』 永続魔法
伏せカード二枚
「俺のターン!!……俺は速攻魔法『サイクロン』を発動!!『一枚の結束』を破壊!!」
「ぐ……(これでまた攻撃力が……)」
「……バトルだ!!俺は『ハーピィ・レディ1』に攻撃!!」
「これ以上ライフは減らせない!!俺は伏せていた速攻魔法『ストームウィンド』を発動!!自分フィールドの守備モンスターを攻撃表示に、相手フィールドの攻撃表示モンスターを一体守備表示に変更する!!」
「(なるほど破壊ではなく表示形式の変更……だが)手札より速攻魔法『RUM-クイック・カオス』を発動!!『セスタス』を素材に、ランクが一つ上の同じ『No.』の『CNo.』にエクシーズ召喚する!!」
「ぐ……まさかそこでその魔法を使ってくるなんて!!」
「現れろ、CNo.105!!混沌を貫く赤き彗星、その拳で立ちはだかる闇を凪ぎ払え!!ランクアップ・エクシーズチェンジ!!『BK 彗星のカエストス』!!」
『CNo.105 BK 彗星のカエストス』 ★5 A 2800
『ジョーニン・トンビ』 A2100
「くそ……まさか防いだと思ったのに……」
「『カエストス』はバトルフェイズに特殊召喚されたモンスター、よって攻撃権が存在する!!『カエストス』で『ハーピィ・レディ1』に攻撃!!今度こそこれで!!」
カエストスの燃え盛る鉄拳が、ハーピィを貫いて爆発、爆煙をあげる。
「…………おかしい、なぜデュエル終了のブザーが」
「――罠カード『デルタバリア』」
「!?」
蓮 ライフ800→10
「このターン、相手の効果およびレベル、ランクが4以上のモンスターの攻撃によってダメージを受けるとき、ライフは10までしか減らない。そして『聖者の樹の実』の効果で一枚ドローする」
煙に紛れて現れた俺を見て、相手は驚きの表情を浮かべていた。
「……まさか、二枚も防御札を積み込んでるとは思ってなかった」
「正直『樹の実』様々って感じですけどね、さっきのリフレクトダメージで引けたもので」
正直、それでもぎりぎりだ。『デルタバリア』のおかげで『カエストス』のバーン効果も防げた。が、正真正銘、崖っぷちだ。
「……俺はこれでターンエンド」
承乃介 LIFE5600 手札一枚(ベイル)
フィールド
『CNo.105 BK 彗星のカエストス』
「俺のターン……」
俺は正真正銘、最後になるであろうドローに心を澄ませる。
(相手のライフは5000以上、さらに手札にはダメージを回復する『ベイル』、正直戦況は最悪、けど)
不思議と負ける気は更々なかった。そしてカードに指をかけると、何時ものように『シシグイ』の咆哮が聞こえてきた。
「(頼むぜ、俺に力を貸してくれ……)ドロー!!」
運命のドロー、今まで五月蝿いくらい飛ばしていた観客の野次が、引いた瞬間に無へと還る。
「……こいつは」
引いたカード、そのカードに俺は驚き戸惑う。けど、どこか納得してしまう自分がいた。
「(やっぱり、お前が見守ってくれてたんだな……)俺は手札から魔法カード『
「な!!融合魔法だと!?」
「この効果により、自分のフィールド、手札の鳥獣族モンスターを素材に融合召喚する!!俺は手札の『神帝マッハホウオウガ』とフィールドの『ジョーニン・トンビ』、『レックウマル』、『霧の谷の戦士』を融合!!天翔る神鳥、天覆う武の羽翼、別たれし狭間の世界より絆の力で現れろ!!『鳥武姫神シシグイ・アスカ』!!」
『鳥武姫神シシグイ・アスカ』 ☆10 A 2000
現れたそのモンスターは、シシグイとほぼ同じフォルムだったが、翼の白かったところが朱色に輝き、二翼一対が四翼二対へと変貌した大鷲のようなモンスターで、その鬣には、妹の好きだった牡丹の簪が結われていた。
「『シシグイ・アスカ』……なんて強力なオーラを纏ってやがる」
「当然だ、こいつは俺の、いや、三つの気持ちが組合わさったモンスターだからな」
俺がそういうと、『シシグイ・アスカ』は俺に頬擦りするように頭を擦り付けてくる。
「――行くぜ、飛鳥、シシグイ」
『『当然!!』』
懐かしい妹の声と、野太く力強い声が俺の背中を押してくれる。
「『シシグイ・アスカ』の、モンスター効果!!このカードが融合召喚に成功したとき、素材となったモンスター一体につき、墓地の鳥獣族モンスターをフィールドに復活させる!!ハウリングテンポ!!」
俺の言葉を受けて、野太く力強い雄叫びがフィールドを木霊する。すると天空から、『シシグイ』が三体と『ハーピィ・レディ1』が囲むように舞い降りてきた。
『鳥武神シシグイ』×3 A 500
『ハーピィ・レディ1』 A 1600
「四体のモンスターの効果で、攻撃力が全体で3300アップ!!」
『シシグイ・アスカ』 A2000→5300
『シシグイ』×3 A500→3800
『ハーピィ・レディ1』 A1600→4900
「攻撃力が上回っただと!?」
「バトルだ!!『シシグイ・アスカ』で『彗星のカエストス』を攻撃!!」
「だが、それでもこっちのライフは残る!!」
「『シシグイ・アスカ』が攻撃するとき!!フィールドの攻撃してないモンスターの攻撃権を放棄する代わりに、このモンスターの攻撃力に、放棄したモンスター全ての攻撃力を追加する!!シェイクハンドユニヴァース!!」
『シシグイ・アスカ』 A 5300→9100→12900→16700→21500
「こ、攻撃力……21500だとォ!?バカな!?」
「喰らえぇ!!烈風のスクラム・ブラスター!!」
まるで某スイカバーのMSのように風のオーラを纏ったその一撃は、それなりに巨大なカエストスさえも土手っ腹に風穴をあけ、フィールド内に正しく裂くような鎌鼬の嵐が弾けとぶ。
「ぬ、ぬぉぉぉぉぉ!?」
承乃介 LIFE5800→0
対戦相手、プロが吹き飛ぶと、回りが再びシンと静まり返る。息の荒い俺はなんとか気力を振り絞り、そして、右手を高く突き上げた。
『ワァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!』
その瞬間に、待ってましたと言わんばかりに歓声が鳴り響く。指笛、拍手、声援、どれもが俺に向けて皆が送ってくれている。
「やれやれだな、まさか、プロでもそれなりに実力は高い方と自負してたんだが……まさか負けるとは思わなかったよ」
「承乃介さん……」
「Congratulations、間違いなく君は、過去最高レベルに熱いデュエリストだった」
「ありがとう……ござい…………ま……す」
お礼を言おうとした瞬間、まるで見計らったかのように体から力が抜け、意識が朦朧となり崩れ落ちる。けど、それでも俺は、悪い気分はしなかった。
(俺も……プロに……)
視点 蘭
「…………凄かったよ、蓮」
私は入り口付近でぼそりと呟くと、隣にいた亮がかなりウズウズとしていた。
「凄いっす……兄貴は本当に」
「うん、本当にそう……だね」
私がそう呟くと、気絶した彼を背負ってやって来た承乃介さんが姿を現した。
「やれやれだな……蘭もそうだが、最近の若い奴は気が抜けないな」
「……当然、私は何れ、総合王者になるんだから」
「そうか……」
そう言うと彼は亮に蓮の事を任せると、まるで風来坊とでも言うように去っていった。
「……蘭、俺も決めたよ」
「?」
「俺も……プロになる。そしていつか、プロの舞台でテメェから『悪魔』のタイトルを奪う!!」
亮のその言葉は、正しく宣戦布告であり、友人として一番に嬉しいものだった。
「……貴方の実力で奪うなんて、少なくとも15年は早いわ」
「あ?そりゃ、15年はタイトルを守り続けるって見て良いんだよな?」
「当然、私がタイトルを譲るのは、プロの世界を降りるときだけ、それまで、私を越せる実力を付けなさい」
私はそう言うと、デッキをディスクに嵌め込み、表舞台に上がる。ここからは一人の少女である朱志那蘭じゃない、プロデュエリストであり朱の悪魔の異名をもつ最凶のデュエリスト朱志那蘭としての出番。
「お楽しみは……これからよ、蓮」
オリカ紹介
『鳥武姫神シシグイ・アスカ』
☆10/風/鳥獣/A 2000/D 2800/融合
鳥獣族モンスター×2体以上
①このカードが融合召喚に成功したとき、墓地からこのカードの素材となった数だけ、鳥獣族モンスターを特殊召喚できる。
②このカードの攻撃時、このターン攻撃権してないモンスターの攻撃権を任意の数無くす代わりに、このモンスターの攻撃力は、この効果で攻撃できなくなったモンスターの攻撃力の全てを加える。
③このカードが破壊されたとき、墓地からこのカード以外の鳥獣族モンスターを一体特殊召喚する。