コラボ編 プロローグ
「……どうしてこうなった?」
あ、ありのまま起こったことを話すぜ?俺達デュエル部の面々は大会直前ということもあってカード探しにいつもの強面カードショップに向かおうとしてたら、突然何やら近未来的な建物が並ぶ街の公園に一瞬で移動してた……
何を言ってるのかわからないと思うけど、俺達自身さっぱりだった。精霊世界やらアクセルシンクロとかそんなちゃちなもんじゃ……
「蓮、それ以上はいけない」
「そうは言うけど蘭、この状況でポルらなきゃどないせい言うんです?」
「大丈夫っすよ兄貴!!逆に考えれば良いんす!!ここでも良いのさ、って」
「亮、君もそれはいけないと思うんだがね……」
劔菜先輩も苦笑いを浮かべてる。そして逆に……
「あれ?椿姫先輩……どうしたんすか?そんなウキウキして?」
彼女の方はまるでお伽の国にでも来たような面持ちで周りを見渡してる。
「なによアンタ達!!ここがどこか分からないの!!」
「む?そういう椿姫は分かってるような口ぶりだが?」
「当然!!寧ろ分からない方がおかしいくらいよ!!」
堂々と胸を張って言うが、低身長でどこも育ってもない体でやられても子供のようにし「アディオスグラッシアー!!」アギャ!!
「誰が子供体型だこら!!誰が豆粒なめくじだあぁ!?後輩の癖に私より目線が高いなんて一万年と二千年早いのよ!!」
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」
「姉さん!!ヘッドロック通り越して蓮の首が曲がっちゃいけない角度にまで曲がってるよ!!そしてなんでアク○リオ○!?」
祐司先輩の突っ込みさえも無視して行われるこの地獄に、俺は口から出てはいけないものが出そうに……飛鳥、俺もすぐに向かうからね……
「蓮……それは向かってはいけない方向だからダメ」
「そうっす!!ともかく椿姫先輩、そこら辺でお願いしますっす!!」
亮の言葉に未だにフシューと鼻息が荒くなってるが了承してくれた先輩が漸く首から離れてくれた。
「イタタ……なんでこんなことに」
「大丈夫かい蓮くん?」
「大丈夫だと思うんでしたら、できれば首をもとに戻してくれませんか?どうも視点が真横になってて……」
自分で治すにもどう曲がってるのかさっぱりのため祐司先輩に頼むと、優しく、それでいて力強く元に戻してくれた。
「イテテ……それで椿姫先輩、ここってどこなんです?」
「ふっふっふ……それはね……」
「なぁ、何か困ってんのか? 俺たちでよければ相談に乗るぜ?」
「目上の方々に失礼でしょう、星史。すみません、私の幼馴染が……もし、自分たちに何かお手伝いできる事があれば、お話しいただけますでしょうか?」
椿姫先輩が言おうとしてたちょうどその時、彼女の方の背後から2名のやや大人びた声が聞こえ、皆が皆そちらへと視線を向ける。
そこに立っていたのは黄色のシャツに袖が黒の赤いジャンパーを羽織り水色のGパンに赤い紐の黒シューズを履いた少しクセッ毛の茶髪と青い眼を持つ、星史……と呼ばれた青年と、彼……星史を幼馴染と称する紫色の生地に淡い桜色の桜模様が描かれた浴衣のような和装に足袋と下駄というザ・日本人ともいえる服装をしている黒目がちのややぼんやりとした目に、丸いラウンドで長めの黒髪ショートで耳から顎下へと前下がりに切りそろえて横髪が輪郭にかかっているまだ小学生と中学生の間位の背丈の少年ともとれる程に小柄な男子の2名であった。
「(一人は兎も角、もう一人は随分と凝った服装だな)いやさ、ここってどこだか分かる?実は俺達カードショップに行くつもりだったんだけどさ、道に迷っちまって」
俺がそう聞くと二人は苦笑いでこう答えた。
「カードショップ? つっても、どんな名前のお店なんだ?」
「そうですね、どんな感じのカードショップなのか、欲しいカードの種類は昔のカードなのか、最新パックなのか……それだけでも向かうカードショップは違いますからね」
「あれ?…………ちょっと待ってくれ?念のために聞くけど、ここって何市?」
俺の知ってる限り、カードショップにそんな分類分けしてる店なんてなかった筈だ。恐る恐るといった質問に、少年は不思議がりながら
「え、この舞網市のカードショップにご予定があったのでは?」
……どうやら俺達はパラレルワールドに来てしまったようだった。
「えっと……なんか悪いな、いきなり遊勝塾に連れてきてもらって」
俺の謝罪に、星史と呼ばれていた少年は苦笑いを浮かべる。もう一人の彼……火無菊とかいう少年も大分ひきつっている。
ちなみに現在俺達は台詞の通り遊勝塾に向かっていて、今現在塾の階段を昇ってる真っ最中だ。
「しかも道に迷ったうえに別の市に来てたとか……なんか情けない通り越して自分でも呆れちまいそうだよ」
「とんだ迷子じゃないですか、それ……方向音痴でも他の街なんてそうそう来ませんよ?」
「面目次第もないからな……まぁかの有名な遊勝塾に来れただけでもラッキーって考えればいいのか」
俺の言葉に蘭や劔菜先輩達はうんうんと頷いてる。何せ調べたところアニメの第二、三話直後辺り……詰まるところペンデュラム召喚が出た直後だ、ラッキーどころの話じゃない。
「……そういえば、二人も遊勝塾のメンバーなんだよな?」
「おう! それが、どうかしたか?」
「いや、別に……」
俺もアニメは半分以下ぐらいしか見てないが、少なくともこんなメンバーは遊勝塾に居たという記憶はない。詰まるところ……
(ARC-Ⅴの更なる平行世界か……まぁ別段どうでも良いんだけどな)
ただ、まさか中坊らしき星史に未だにタメ口きかれるとは思ってなかった。まぁ自己紹介はおろか年齢すら言ってないんだから当然か。
「と、到着か」
階段を登り終えて、星史によって開かれたドアを開けると、
「あ、遊輔先生ー。おはよー!」
「ん…………星史……と火無菊か。どうした……ってその人達は?」
と、アニメに出てくる柚子を始め、何やら外に跳ねてる茶髪の少女と、かなり大人びた青年が中にはいた。
「なんか、舞網市までカードを買いに来たらしいんですけど、道に迷っていらしてて。お店の名前をお訊きしても分からないので先生や塾長なら何かご存知かと思ってお連れしたんです」
「風山蓮です。高校二年生だ」
「……朱志那蘭、同じく二年」
「不動島亮っす!!同じく二年っす」
「黒霧劔菜だ。一応高校三年生で私達の部活のリーダーだから、よろしく頼むよ」
「僕は三納代祐司、三年生でタッグデュエリスト。そしてこっちのが相方兼姉の」
「こっちの言うな!!……三納代椿姫よ、これでも三年生だから、小さいとか思ったら焼き尽くすからね?」
椿姫先輩の台詞にどことなく全員苦笑いを浮かべてる。多分似たような人間が居たんだろうな……。
「まぁ、俺たちの自己紹介するまでもねぇが……改めて自己紹介するとしたら……俺は
「星史の幼馴染の同じく中学2年生。遊勝塾所属の
「私は柊柚子です。星史や火無菊と同じ中学2年生で、遊勝塾所属です」
「アタシは高校3年。
「ここにいるメンバーでは俺がラストだな。星野 遊輔、18歳。一応これでも、遊勝塾の臨時講師だ。現在塾長は別件で不在でな……後は我が遊勝塾の誇るペンデュラムの開祖兄弟の中学2年の榊遊矢と俺と同い年の高校3年、榊遊牙(さかき ゆうが)がいるんだが……今は生憎とペンデュラム召喚の確認中で今は別室にいる。他にも小学生メンバーがいるんだが……今日は生憎と学校行事でな。他にも1人いるのだが、実家の手伝いで忙しいらしい。よって、今いるのは俺を含めて7人だけだが、まぁゆっくりしていきな」
ゆっくりと言われても……と、なぜか蘭が遊輔さんの事を睨むように見つめている。
「おい、蘭さん?いったい何をするつもりなんですかね?」
「……別に」
「否定するならこっちの顔を見ろよ……」
まぁもっとも気持ちは分からないでもないが、もう少しポーカーフェイスを覚えてほしい。
「あの、ここってアクションデュエルできるんすか?」
「おい待て亮、何を口走ってるんだ?」
俺は突っ込むが、その表情は真剣そのものだった。
「折角舞網市に来た上にここは遊勝塾っすよ!!アクションデュエルしたいじゃないっすか!!」
「その気持ちはわかるけどすぐに言う奴があるか!!」
「それに自分達は大会直前なんすよ!!自分の見間違いじゃなかったら、全員トップクラスといっても過言じゃない実力を持ってそうですし、調整にはもってこいじゃないすか!!」
なんともはや、ここまで来ると流石はデュエリストと言いたくなるような頭の作り方だ。いい意味でも悪い意味でも、
「はぁ、劔菜先輩からもなんとか言ってくれませ……」
「全員デッキの準備をしたまえ、遊輔さんと話して練習試合を組んで貰った!!これにメンバーの順番を書き込んで相手と交換すれば良いから、出撃順を決めるぞ。後、話し合いの結果ダブルバトルを3戦目に組み込んだ5回戦となっている」
「行動速いっすね!!あと人の話聞いて!?」
もうなんなの、アンタら全員満足同盟員なの!?どんだけヒャッハーやら弾けたりしたいわけ!?
というわけで話し合った結果……
「うっしゃあ!!俺が最初っす!!」
一番手は生け贄……もとい特攻隊長こと亮になった。まぁぶっちゃけこの中だと実力的に最下位だし、本人がやる気だから大丈夫かな。
「あ、そういや亮、『超融合』は兎も角『スターヴ』は使うなよ?」
「へ?なんでっすか?」
「ここがARC-Ⅴの世界だって分かってる上でそれを言うなら、柚子さんからハリセン借りてぶっとばすぞ?」
俺がそう言うとハッとしたのか、メンバーのうち亮、蘭、祐司先輩がすぐさまエクストラデッキから何枚かカードを抜き始める。
「いや、蘭は別に良いだろ、傷レモンの元キングはこっちの世界に来ないんだし……」
「……傷レモンって言わないで。なんだか価値が下がりそう」
「う~ん、『クリア』と『クリスタル』の枠……いっそのこと『魔王超龍』でも容れようかな」
「アンタのデッキに闇属性チューナー居ないんだから意味ないでしょ。普通に『スクドラ』とか『フォーミュラ』でも突っ込みなさい」
「蓮、可能ならば君の『アレ』を借りたいんだが……」
「アレって……あぁアレですか?別に構いませんけど、デッキバランス大丈夫です?」
「問題ない、それに私のデッキと『アレ』は相性が良いからな」
そう言って急遽デッキ改造(主にエクストラデッキ)を改造してるのを眺めながらフィールドを確認する。ん?俺?……鳥獣属使うメンバー居ないから混ざれないんだよコンチクショー……(涙)
「さて、互いに決まったようだな。俺達遊勝塾チームは……」
「俺、高井星史が先発で行かせてもらうぜ!」
どうやら相手は星史らしい。まぁ何となく初めに会ったときから亮と似たような感覚を覚えたから別にいいんだが……
「一応、ここは俺たちのホームみたいなもんだし……アクションデュエルかスタンディングデュエルか、好きなの選ばせてやるよ」
この敬語の一切の無さ、まるで5D'sの龍亞を思わせるよ、ホント。
「まぁ当然俺はアクションデュエルをやらせてもらうんだがな……一応歳の差あるんだからよ、少しは敬語とか……」
「んなもん知るかっての。別に俺はいつもこんなんだし、変えろって方が無理だっつーの」
「ブチッ……えっと、管制さん?アクションフィールド展開お願いします」
(あ、亮のやつキレた……)
俺は直感的にそう悟った。何せこめかみがかなり引きつってるからな……こりゃ荒れるな、初っぱなから
『アクションフィールド発動!!『悪魔の巣窟 伏魔殿』』
その音声ガイダンスが流れた瞬間、フィールド内が重々しい姿へと変貌し、景色が暗黒に変わる。
「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!!」
「モンスターと共に地を蹴り、宙を舞い、フィールド内を駆け巡る!!」
『見よ!!これがデュエルの最終進化系!!アクショ~ン……』
「「デュエル」」