「あー、とりあえず座ってくれたようだし、これからの予定を話したいと思う」
バサ○ロットから漸く正気に戻った劔菜先輩(黒霧先輩って呼ばれるのがむず痒いらしく、俺と蘭はそう呼ぶように指示された)がホワイトボードに何やら書き込んでいる。
「まず今は五月なんだけど……来月の中旬に全国大会の地区予選がある。ルール上五人一組のチーム戦となってるわ」
「五人一組って、どうしてですか?」
俺がそう聞くと蘭がジト目で睨んでくる。
「……チーム戦の公式ルールは先鋒、中堅、大将というふうになってる。その中で大将以外……つまり先鋒と中堅はタッグデュエルになる可能性もあるから、被りの出ないように五人一組になってる」
「ついでに言うと、予選もブロック制になっていて、ブロック全試合中に必ず全員がデュエルしなきゃならないっていうルールがあるんす」
蘭の説明と亮の補足になるほどな、と納得する。が、そこで少し疑問がおこる。
「でもここには四人しか居ませんよね?もう一人は……」
「正確に言えば、プロデュエリストの私も、こんなの言ったら悪いけどアマチュア大会への出場は原則禁止されてるから、一応あと二人必要」
俺と蘭がそう聞くと、劔菜先輩はアハハ、と乾いた声を出す。
「まぁ一応居ると言えば居るんだけどね……正直出てくれるかどうかは微妙ね……」
「そのこころは?」
「その二人、基本的にタッグデュエリストで、タッグデュエルで自分達より上の人間じゃないと従わないというか……なんというか」
なるほど、つまり先輩一人だとタッグデュエルに成らないから首輪を付けられない、ということか。
「……タッグデュエリストね……」
「ん?どうした蘭?」
「少なくとも、この面子の全員、デッキがタッグデュエルに向くとは思えないと思って」
「「「あー……」」」
何となく理解はできる。何せ俺のデッキはギャンブル要素が高い『ローパワー(?)鳥獣族ビート』、亮は純粋な『スキドレ暗黒界』、蘭は『レッドデーモン』、そして劔菜先輩は『疑似不死ループ』、見事に相性がそれぞれ合わない。強いて言うなら劔菜先輩と亮のデッキならワンチャンあるかないかというところだ。
「……なら俺のもう一つのデッキを使えば、劔菜先輩と」
「だからそれは使用禁止、ていうかせめてエースモンスターを見せてくれないと判断のしようがない」
そう言われたので、俺はカバンの中から予備のデッキを取り出し、その中のエースモンスターを取り出して彼女に渡す
「何々……バトルフェイズ中に破壊されたら相手ライフを1000払って蘇る……しかもこのモンスターによって自分は戦闘ダメージを受けない……さらにターン一回制限すらない……レベル8だからってインチキ効果も大概にしなさい!!」
「デスヨネー」
ちなみに見せたカードはバトスピプレイヤーなら確実に知ってるはずだ。一時期、緑の烈竜が出るまではある意味猛威を奮ったモンスターだしね。
「でも『強制脱出装置』とかバウンスすればワンチャンあるっすね」
「そりゃ『暗黒界』ならそうだろうがね、これは墓地で発動する効果だから『スキドレ』も『ヴェーラー』も意味を成さないよ」
このカードの真の恐ろしさを知ってるからか、劔菜先輩は苦笑いで答える。
「で、その二人は今どこに?」
「あぁ、もうそろそろ……」
「「失礼します!!」」
と、まるでタイミングを見計らったように似通った、しかし少し違う声が二つ聞こえてくる。俺が思わず振り替えると、そこには右目を髪で隠す長身の男子と、それと比するようにちみっこ……
「なんか言ったかな?」
「い、いえ……ナンデモアリマセン、サー!!」
……少し怖い少女がその場に立っていた。
「姉さん、顔怖いって」
「五月蝿いよ裕司、また身長伸びたからって偉そうにしない」
「いや偉そうにしてないし……つうか、一応歳上なんだから」
…………ちょっと待て、今変なことを言わなかったか?
「えっと……お二人は?」
「あぁ、僕は
「
「…………歳間違ってるんじうごぉぉ!!」
意を決して聞いた瞬間に横っ腹に強烈な回し蹴りを食らい、一瞬でダウンしてしまった。
「誰が幼女じゃゴラァァァ!!」
「そ、そこまでは言ってな……ガク」
「姉さん、やりすぎだグホォ!!」
「うっさい!!だいたい双子でこんなに違うのよ!!身長差の半分を寄越しなさい!!」
未だに暴れまわる先輩に、劔菜先輩と蘭がまぁまぁと嗜める。
「だ、大丈夫ですか先輩」
「大丈夫だいじょーぶ、こんなの毎日だからもう馴れたよ」
「……どうしてですかね、俺先輩と同じ空気を感じます」
「アハハ……どうやら君もかなり苦労人みたいだね」
被害者である俺らは互いに手を取り合って笑いあう。
「大丈夫すか兄貴?」
「あぁ、ところで裕司先輩、全国大会の地区予選に出るんですよね」
俺はとりあえず蹴られた脇腹を擦りながら彼に聞くと、少しだけ苦笑いを浮かべる。
「まぁね。もっとも……」
「ふん!!タッグデュエルをただの人数合わせとしか思ってないようなチームと組むつもりはないわ!!」
「……姉さんがあんな調子だからね。タッグデュエルで打ち負かしてくれればなんとかなるんだろうけどね」
なるほど、詰まるところ裕司先輩はそこまで深く考えてはいないけど、お姉さんの方が過剰にそう思ってる……ということか。だったら……
「……劔菜先輩、二人とタッグデュエルしましょう」
「な!!」
俺がそういうと先輩は驚いて目を見開く。
「ふーん、わざわざコンビネーションが難しいタッグデュエルをそっちから言い出すなんて、いい心がけね?」
「メンバーが居なければ試合にすらならないんでね。悪いけど勝たせてもらいます」
俺が軽口を言うと、椿姫先輩はニヤリと口を歪める。
「裕司!!準備しな!!」
「言うと思ったから大丈夫だよ……」
裕司先輩はデュエルディスクを二つ取りだし、黒いフレームの方を椿姫さんに渡し、白いフレームを自分の右腕に取り付ける。
「おいおい蓮、いいのか?お前はタッグデュエルは……」
「大丈夫です。それに、今回使うのは『紫』なんで」
「!!……なるほどな、それならまだチャンスはある」
劔菜先輩がそう言うと、俺はデッキをさっき見せたあのカードのデッキに入れ換える。
「ルールは2対2のタッグデュエル形式、フィールド、墓地、除外ゾーンは共通、順番は……アンタが決めていいわ、後輩くん」
「そうですね……なら俺達は後攻を取らせてもらう」
「OK、なら私→蓮→裕司→劔菜の順番で行かせてもらうわ。それじゃ……」
「「「「デュエル!!」」」」
蓮・劔菜 LIFE8000
椿姫・裕司 LIFE8000
「私のターン、私は魔法カード『手札抹殺』を発動!!私と劔菜は手札を全て墓地へ送る」
「ほう?墓地でこそ輝く私のデッキにカードを送ってよかったのか?」
劔菜先輩の挑発を、椿姫先輩は軽く受け流す。
「そんなもの、一番最後のターンの奴ができるわけないでしょ。私はモンスターをセット、カードを一枚伏せてターンエンド!!」
椿姫・裕司 LIFE8000 手札2・5
フィールド
セットモンスター
伏せカード一枚
「俺のターン!!」
「風山……奴の墓地へ送られたカードを確認してるならわかってると思うが……」
「ええ、ここは速攻で展開します。俺は永続魔法『六分儀天文台』を発動!!」
「!!……へぇ、君も、か……」
「さらに魔法カード『手札断殺』を発動!!互いに手札のカードを二枚墓地へ送り、二枚ドロー!!」
蓮 手札 4→2→4
椿姫 手札 2→0→2
「さらに俺は『シキツル』を通常召喚!!」
『シキツル』 ☆4 闇 A 1000
「召喚時効果で、デッキから一枚ドロー!!……よし、俺はカードを三枚伏せて、エンドフェイズに永続魔法『六分儀天文台』の効果で、自分墓地の悪魔族またはアンデット族モンスターを特殊召喚できる。俺は悪魔族の『シュテン・ドーガ』を特殊召喚!!」
『シュテン・ドーガ』 ☆5 闇 A 2200
「『シュテン・ドーガ』が召喚、特殊召喚された時、墓地のレベル4以下の悪魔族またはアンデット族モンスターを特殊召喚する……俺はアンデット族『ミーアバット』を守備表示で特殊召喚!!」
『ミーアバット』 ☆3 闇 D 800
「……なるほどね、即席とはいえ中々にコンビネーションが取れてるわね。まさか私が『手札抹殺』で劔菜が捨てたカードさえも利用するとはね……」
「まぁな……俺はこれでターンエンド!!」
蓮・劔菜 LIFE 8000 手札 1・5
フィールド
『シキツル』 A 1000
『シュテン・ドーガ』 A 2200
『ミーアバット』 D 800
『六分儀天文台』 永続魔法
伏せカード三枚
「僕のターン……さて……それじゃキリキリといきますかね……俺はセットモンスターをオープン!!『チューニング・サポーター』!!」
『チューニング・サポーター』 ☆1 地 A 800
「シンクロデッキ!!まさか墓地へ送った手札はブラフ……?」
「まぁそれだけじゃないけどね……さて、ここからは殲滅戦だ、俺は手札の『ボルト・ヘッジホッグ』を墓地へ送ることで、魔法カード『ワン・フォー・ワン』を発動!!デッキより現れろ『ジェット・シンクロン』!!」
『ジェット・シンクロン』 ☆1 炎 A 500
「『チューニング・サポーター』はシンクロ召喚の素材とするとき、レベルを2として扱う!!俺はレベル2の『チューニング・サポーター』にレベル1『ジェット・シンクロン』をチューニング!!現れろレベル3!!『ゴヨウ・ディフェンダー』!!」
『ゴヨウ・ディフェンダー』 ☆3 地 A 1000
「『チューニング・サポーター』の効果で一枚ドロー!!……自分フィールドに地属性・戦士族しかいないとき、『ゴヨウ・ディフェンダー』の効果でエクストラデッキから二枚目の『ゴヨウ・ディフェンダー』を特殊召喚!!さらに二枚目の『ゴヨウ・ディフェンダー』の効果で三枚目も特殊召喚!!」
「同名モンスターを三体?……エクシーズ召喚狙いか?」
「残念だけど違うんだよね……これが……俺は手札の『アンノウン・シンクロン』を墓地へ送ることで、墓地の『ジェット・シンクロン』を特殊召喚!!さらに墓地からモンスターが特殊召喚に成功したとき、手札の『ドッペル・ウォリアー』を特殊召喚!!」
『ドッペル・ウォリアー』 ☆2 闇 A 800
「さらにフィールド魔法『スターライト・ジャンクション』を発動し、効果を使う!!『ジェット・シンクロン』をリリースして、デッキから僕は『ジャンク・シンクロン』を特殊召喚!!」
『ジャンク・シンクロン』 ☆3 闇 A 1300
「僕はレベル2『ドッペル・ウォリアー』にレベル3『ジャンク・シンクロン』をチューニング!!シンクロ召喚!!現れろ『アクセル・シンクロン』!!」
『アクセル・シンクロン』 ☆5 闇 D 2100
「『アクセル・シンクロン』の効果!!デッキからレベル2の『シンクロン・エクスプローラー』を墓地へ送ることで、このモンスターのレベルを2つ下げる!!」
『アクセル・シンクロン』 ☆5→3
「レベル4が四体……レベル12……!?まさか!!」
「僕はレベル3『ゴヨウ・ディフェンダー』三体に、レベル3シンクロチューナー『アクセル・シンクロン』をチューニング!!舞い降りろ星繋ぐ竜よ、その光で敵を伐て!!デルタアクセルシンクロ!!現れろレベル12!!『シューティング・クェーサー・ドラゴン』!!」
『シューティング・クェーサー・ドラゴン』 ☆12 光 A 4000
「マジかよ……裕司先輩のエースモンスターって……」
「まだまだ!!僕は姉さんが伏せていた罠カード『リビングデッドの呼び声』を発動!!墓地より姉さんが捨てたレベル5『リューマン・レイランサー』を特殊召喚!!」
『リューマン・レイランサー』 ☆5 炎 A 2000
「出たか……『リューマン』!!」
「さらに僕は魔法カード『死者蘇生』を発動!!墓地の『アクセル・シンクロン』を特殊召喚!!」
「……レベル5が2体……今度こそエクシーズか?」
「いや、僕のデッキにエクシーズモンスターは入ってないよ。僕はレベル5『リューマン・レイランサー』にレベル5『アクセル・シンクロン』をマイナスチューニング!!」
「マ、マイナス!?」
そんな方法で出せるモンスターなんか居たか?というよりも引いたら合計レベルが0なような……
「このモンスターはフィールドのレベル5以上のモンスターとチューナーモンスターをリリースすることで特殊召喚できる!!現れろ『アルティマヤ・ツォルキオン』!!」
『アルティマヤ・ツォルキオン』 ☆12 光 D 0
「攻撃力……0?」
「俺はカードを一枚伏せる……この瞬間、『アルティマヤ・ツォルキオン』の効果!!エクストラデッキからレベル7または8のシンクロモンスターが特殊召喚できる!!」
「んな!!なにそのぶっ壊れ効果!!」
そんなの本当の意味でぶっ壊れてやがるじゃねぇか!!
「俺は『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』を特殊召喚!!」
『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』 ☆8 風 A 2500
「バトルだ!!『シューティング・クェーサー』で『シュテン・ドーガ』を攻撃!!」
「俺は罠カード『聖なるバリア―ミラーフォース』を「『シューティング・クェーサー』の効果で無効にする」んな!!だったら速攻魔法『月の書』!!俺は『クリアウィング』を裏守備表示へ変更ウバァァァァァ!!」
蓮・劔菜 LIFE8000→6200
「ぐぅ……フィールドのモンスターが破壊されたとき、俺は最後の伏せカードを発動!!『呪の覇王 カオティック・セイメイ』!!」
「!!そのカードが本命ね!!」
「このモンスターは魔法、罠ゾーンに裏向きで伏せることができる!!そしてその効果により、俺は『シューティング・クェーサー』の攻撃力を、ターンの終わりまで半分にし、さらに闇属性モンスターが破壊されたことにより特殊召喚する!!現れろ、全てを呪う暗黒の陰陽師!!『呪の覇王 カオティック・セイメイ』!!」
フィールドに五芒星が現れ、そこの中から紫の霧が立ち込めると、悪霊と見間違えそうなモンスターが姿を現した。
『呪の覇王 カオティック・セイメイ』 ☆8 闇 A 2000
『シューティング・クェーサー』 A 4000→2000
「ぐ……『シューティング・クェーサー』で『シキツル』と『ミーアバット』を攻撃!!」
「ぐぅ……」
蓮・劔菜 LIFE6200→5200
「本当なら『クリアウィング』で攻撃したいけど今は裏守備表示……僕は伏せていた『マジック・プランター』を発動!!意味のなくなった『リビングデッドの呼び声』をリリースして二枚ドロー!!……よし、俺はカードを二枚伏せてターンエンド」
椿姫・裕司 LIFE8000 手札2・0
フィールド
『アルティマヤ・ツォルキオン』 D 0
『シューティング・クェーサー・ドラゴン』 A 4000
『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』(裏守備)
『スターライト・ジャンクション』 フィールド魔法
伏せカード二枚
さてさてというか、一応ライフを半分いかずで防いだは良いものの、はっきり言って二回も効果無効とか洒落にならんし、ガチで
「私のターン、ドロー!!……さてさて、どうする?」
「伏せカードが気になりますね……俺が相手なら『かかし』はどちらかに伏せます」
「だろうね、だから私は魔法カード『ハーピィの羽箒』を発動!!相手フィールドの魔法、罠カードを全て破壊する!!」
「させない!!『シューティング・クェーサー』の効果でその効果を無効にする!!」
ドラゴンの一喝によって、吹きそうになった風は消滅する。
「よし、次だ。私は手札の『闇騎士トリスタン』を墓地へ送り、魔法カード『ライニング・ボルテックス』を発動!!」
「ぐ……、『アルティマヤ・ツォルキオン』は対象を取らないカードには無力……けど、裏守備表示の『クリアウィング』は破壊されないし、『シューティング・クェーサー』が破壊されたことにより、エクストラデッキから『シューティング・スター・ドラゴン』を特殊召喚!!」
『シューティング・スター・ドラゴン』 ☆10 A 3300
「さらにフィールド魔法『スターライト・ジャンクション』の効果で、俺は『カオティック・セイメイ』を劔菜さんの手札に戻します」
「やれやれ、せっかく後輩が出したカードを戻すとはね……まぁいい、私は永続魔法『闇の聖剣』を発動!!モンスターを伏せ、カードを伏せてターンエンド。この瞬間、エンドフェイズに私は永続魔法『六分儀天文台』の効果で墓地の『シュテン・ドーガ』を守備表示で特殊召喚し、さらに効果で『ミーアバット』を墓地から特殊召喚する」
蓮・劔菜 LIFE 5200 手札 1・0
フィールド
『シュテン・ドーガ』 D 1800
『ミーアバット』 D 800
セットモンスター
『六分儀天文台』 永続魔法
『闇の聖剣』 永続魔法
伏せカード一枚
「私のターン!!……(伏せカードは確実にセイメイ、下手に攻撃したら余計なことを起こしかねない……)……私はカードを一枚伏せてターンエンド」
椿姫・裕司 LIFE 8000 手札1・0
フィールド
『シューティング・スター・ドラゴン』 A03300
『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』(裏守備)
『スターライト・ジャンクション』 フィールド魔法
伏せカード三枚
「俺のターン、ドロー!!…先輩、使わせてもらいます!!俺はセットモンスターをリバース!!『メタモルポット』!!」
『メタモルポット』 ☆2 地 A 700
「んな!!劔菜のデッキにあんなモンスター存在してないはず!!」
「ふ、今までは偶々引かなかっただけさ。このデッキには常に墓地を肥やせるカードは容れている」
「これにより俺と椿姫先輩は手札を全て捨てて5枚ドローします!!」
「け、けどあんたのフィールドのモンスターは攻撃力が3000に満たない、そんな状況じゃ……」
「さらに俺は魔法カード『サイクロン』を発動!!俺は先輩の伏せカードを破壊します!!」
「させない!!『シューティング・スター』の効果で破壊効果を無効にする!!」
「けどこれで『シューティング・スター』の効果は殆ど消えた!!俺は魔法カード『魔法石の採掘』を発動!!手札のカードを二枚墓地へ送って、墓地の『ハーピィの羽箒』を手札に戻し、発動!!」
「ぐ……『ミラフォ』、『くず鉄のかかし』、『絶甲』が……」
「なんつうカードを伏せてやがるんですか!!俺はさらに『メタモルポット』と『ミーアバット』をリリースする!!闇の星を操りし術師、蘇は呪う、混沌を呼べと猛り狂え!!現れろ、『呪の覇王 カオティック・セイメイ』!!」
『呪の覇王 カオティック・セイメイ』 ☆8 A 2000
「『シュテン・ドーガ』を攻撃表示へ変更し、バトルだ!!『カオティック・セイメイ』で『シューティング・スター』を攻撃!!」
「わざわざ攻撃力の低いカードで!?」
「『カオティック・セイメイ』がバトルするとき、このカードの戦闘によって発生する自分へのへのダメージは0になる!!」
「けど破壊はされ……っ!!しまった!!」
今さら気づいても遅い。フィールドでは『シューティング・スター』のブレスによって『セイメイ』が爆発する。が、爆煙の中から紫の煙が現れる。
「バトルフェイズに破壊された『カオティック・セイメイ』は、相手のライフを1000奪うことで甦る!!呪滅撃!!」
俺がそう言うと、紫の煙が一つに纏まり、再び『カオティック・セイメイ』の形を作り出した。
椿姫・裕司 LIFE 8000→7000
「バトルフェイズ中の特殊召喚のため、『カオティック・セイメイ』はもう一度攻撃できる!!二度目だ!!」
「させない!!……『シューティング・スター』のモンスター効果!!このカードを除外することで、戦闘を無効にする!!」
「けど召喚条件を満たしてないモンスターは舞い戻ることはない!!『シュテン・ドーガ』で裏守備表示の『クリアウィング』を攻撃!!」
「うぁぁぁぁ!!」
とりあえずフィールドの厄介なモンスターが消えたことに少しだけ安堵する。
「メインフェイズ2に入り、俺は魔法カード『貪欲な壺』を発動!!墓地の『シキツル』、『メタモルポット』、『闇騎士トリスタン』、『堕天騎士マモン』、『冥総裁バーゲン』をデッキに戻して二枚ドロー!!……俺はカードを一枚伏せて、ターンエンド!!『六分儀天文台』の効果で『ミーアバット』を蘇生!!」
蓮・劔菜 LIFE5200 手札 1・0
フィールド
『呪の覇王 カオティック・セイメイ』 A 2000
『シュテン・ドーガ』 A 2200
『ミーアバット』 D 800
『六分儀天文台』 永続魔法
『闇の聖剣』 永続魔法
伏せカード二枚
「俺のターン……う~んどうするべきか……というよりも手がないな……」
「ちょ!!なに府抜けたこと言ってるのよ!!何か手の一つや二つがあるでしょ!!」
「残念だけど姉さん、僕の今引いたカードはモンスターじゃないし、『貪欲な壺』みたいなドローカードでもない……はっきり言って手詰まりなんだよ……」
そう言って裕司先輩がため息をつく。
「それに、姉さんだって分かるだろ?僕たちももう三年生なんだから、これが最後の大会なんだってこと」
「それは……ぐ……」
「大丈夫だよ、彼は多分タッグデュエルをバカにするような人間じゃない……そうだろ?」
彼はそう聞いてくるので、俺は何となく頷いた。
「俺、タッグデュエルはこれが初めてですけど……普通のシングルマッチとちがって、相方のカードをどこまで信頼して、互いに互いを支えなきゃいけないってのがよくわかります……」
「…………」
「分かったでしょ姉さん、彼はあいつらとは違うって…………」
諭すように言って、それでも椿姫先輩は何かに耐えている。
「わかってる……そんな分かってるけど……負けたくない!!どんな試合でも、デュエルでも、絶対に!!」
「……!!はぁ、仕方ない、なら付き合ってあげようか、弟として!!俺は魔法カード『光の護封剣』を発動!!これにより、相手は三ターンの間攻撃できない!!」
「げっ!!」
よりにもよってそのカードを引くか!!つか、どこが手がないだよ!!こっちにとっては思いっきり最悪のカードだよ!!
「っ!!アンタ……」
「俺はこれでターンエンド……」
椿姫・裕司 LIFE7000 手札1・0
フィールド
『光の護封剣』
「ふ、そう来なくては面白くないな……私のターン!!……私はチューナーモンスター『闇騎士ケイ』を召喚!!」
『闇騎士ケイ』 ☆4 闇 A 1800
「私はレベル5『シュテン・ドーガ』とレベル3『ミーアバット』に、レベル4『闇騎士ケイ』をチューニング!!漆黒の闇にて振るう暗黒の剣、覇の雷をその目に轟かせ!!シンクロ召喚!!現れろ!!レベル12!!『騎士の覇王 ソーディアス・アーサー』!!」
『騎士の覇王 ソーディアス・アーサー』 ☆12 闇 A 3500
ここで先輩のエースモンスターの登場……騎士と呪、まさに紫の二大覇王の揃い踏みだった。
「『ソーディアス・アーサー』の効果で、墓地の攻撃力2000以下の闇属性モンスター、『ミーアバット』を特殊召喚、さらにエンドフェイズに入り、墓地の『シュテン・ドーガ』を特殊召喚、墓地に悪魔またはアンデット族が存在しないため、『シュテン・ドーガ』の効果は発揮しない……私はこれでターンエンド!!そして『光の護封剣』の持続時間が2ターンに減る」
『光の護封剣』 ターン 3→2
蓮・劔菜 LIFE5200 手札 1・0
フィールド
『呪の覇王 カオティック・セイメイ』 A 2000
『騎士の覇王 ソーディアス・アーサー』 A 3500
『シュテン・ドーガ』 A 2200
『ミーアバット』 D 800
『六分儀天文台』 永続魔法
『闇の聖剣』 永続魔法
伏せカード二枚
「私の……ターン!!……私は『カグツチ・ドラグーン』を召喚!!」
『カグツチ・ドラグーン』 ☆4 炎 A 1900
「さらに私はカードをセット!!バトル!!『カグツチ・ドラグーン』で『ミーアバット』を攻撃!!この瞬間、『カグツチ・ドラグーン』の効果で、一枚ドロー!!」
「フィールドの闇属性モンスターが破壊されたことにより、魔法、罠ゾーンに置かれていた『カオティック・セイメイ』の効果発動!!『カグツチ・ドラグーン』の攻撃力をターンの終わりまで半分にして特殊召喚!!」
「まだよ!!メインフェイズ2に入り、私は魔法カード『ブラックホール』を発動!!全てのモンスターを破壊する!!」
「あ、Arrrrrrthurrrrrrrrrrrrrr!!!!」
なんというチートドローというか……『カオティック・セイメイ』はバトルフェイズで破壊されれば特殊召喚されるが、流石にブラックホール等で破壊されればひとたまりもない。ていうか先輩またバサス○ットになってるし!!
「私はこれで、ターンエンド!!」
椿姫・裕司 LIFE7000 手札1・0
フィールド
『光の護封剣』 永続魔法
「俺のターン!!……俺はエンドフェイズに入り、『六分儀天文台』の効果で、『呪の覇王 カオティック・セイメイ』は蘇り、『護封剣』が残り1ターンになる!!」
『光の護封剣』 ターン 2→1
蓮・劔菜 LIFE5200 手札 2・0
フィールド
『呪の覇王 カオティック・セイメイ』 A 2000
『六分儀天文台』 永続魔法
『闇の聖剣』
「俺のターン!!……俺はモンスターを伏せてターンエンド」
椿姫・裕司 LIFE7000 手札1・0
フィールド
セットモンスター
『光の護封剣』 永続魔法
「
もう声すらバサ○ロットになってるし!!これじゃデュエルできねぇって!!ていうかバサス○ット語をなんで喋れるの!?
「
……ルビが全部アーサーって言ってるよ……というかこの人頭大丈夫なのか?
「『ソーディアス・アーサー』の効果発動!!墓地の『闇騎士ケイ』を復活!!」
「あ、もとに戻った……」
「私はこれでターンエンド!!この瞬間、『六分儀天文台』の効果で、墓地の『シュテン・ドーガ』を復活させ、その効果で、『ミーアバット』を復活!!さらに『光の護封剣』の効果が終了する!!」
蓮・劔菜 LIFE5200 手札 2・0
フィールド
『騎士の覇王 ソーディアス・アーサー』 A 3500
『闇騎士ケイ』 A 1800
『シュテン・ドーガ』 A 2200
『ミーアバット』 D 800
『六分儀天文台』 永続魔法
『闇の聖剣』 永続魔法
「私のターン!!……私はセットモンスターをリリースしてアドバンス召喚!!現れろ『龍皇ジークフリート』!!」
「んな!!」
『龍皇ジークフリート』 ☆6 炎 A 2500
ここでまさかのそいつが来たか……て、いうかマジでヤバイ!!
「さらに私はフィールドの『ジークフリート』をリリースすることで、手札のこのモンスターを特殊召喚する!!赤と白、龍と機械、反する物が交わりし聖皇が来る!!『聖皇ジークフリーデン』、今ここに姿を現せ!!」
『聖皇 ジークフリーデン』 ☆9 A 3500
「『ジークフリーデン』の効果発動!!相手フィールドのレベル8までのモンスターを破壊する!!私は『シュテン・ドーガ』と『ミーアバット』を破壊!!」
まぁ原作にもあった破壊効果が飛んでくる。というか今日何回墓地へ行った二体とも?
「バトル!!『ジークフリーデン』で『闇騎士ケイ』を攻撃!!この瞬間、『ジークフリーデン』相手フィールドの攻撃力2500以下のモンスター2体まで破壊できるけど、残念ながらいないから関係なし!!」
『ジークフリーデン』の発射した砲弾が、『ケイ』を襲い、フィールドに巨大な爆風が巻き起こる。
蓮・劔菜 LIFE 5200→3500
「ぐ……まさかモンスターを三体も消し飛ばすとはな……」
「ふん!!私はこれでターンエンド!!(ジークフリーデンの攻撃力は3500……いくら『ソーディアス・アーサー』と同じでも、『カオティック・セイメイ』がいなければどうとでもなる!!)」
椿姫・裕司 LIFE5200 手札0・0
フィールド
『聖皇 ジークフリーデン』 A 3500
「俺のターン!!……俺は魔法カード『シンクロキャンセル』を発動!!」
「んな!!『シンクロキャンセル』!?」
「これにより、『ソーディアス・アーサー』をエクストラデッキに戻し、墓地の『呪の覇王 カオティック・セイメイ』と『闇騎士ケイ』を特殊召喚!!」
そして、この瞬間、俺の、いや俺達の勝利が確定する。
「先輩、ありがとうございます!!『カオティック・セイメイ』で『ジークフリーデン』に攻撃!!冥王封滅撃!!」
「「うぁぁぁぁ!!」」
椿姫・裕司 LIFE 7000→6000→5000→4000→3000→2000→1000→0
「どうでしたか?」
デュエルが終わり、とりあえず椿姫先輩にそう聞く。
「ふん、即席にしては良くやった方なんじゃないかしら……まぁ……及第点ぐらいは上げてもいいわ」
「!!ありがとうございます!!」
そう言われ、俺は思わず頭を下げる。
「ちょ!!頭なんか下げんなし!!」
「あ、でも」
「良いから!!あと先輩ってつけんな!!普通に名前で良いから!!」
「アハハ……姉さんも青春してるねグホォ!!」
「う、うっさい!!だいたいデュエル中になんであんな大法螺吹くのよアンタは!!」
……なんか分からないけど、一件落着でいいのか?これ?
「…………」
「ん?どうした蘭?」
「……別に、何でもない……」
「いや、そんなに剥れて何でもないわけが……」
「何でもない……」
「兄貴…………少し鈍感です……」
亮がなんか言った気がするが、どういうことなんだ?