俺は兄貴の過去を聞いて少しだけ苦しくなっ。
「じゃあ、兄貴が今使ってるデッキは……」
「……そうだ亮、これの元は妹の生前デッキをベースにしてある。キーカードやエースカードは一枚たりとも抜いてない」
やはり兄貴はそう言った。だからこそ、蘭さんがこの前指摘していたようにレベルが繁雑になっていたのだろう。
「…………理解できない」
と、その時蘭さんがため息をついてそう言った。
「そのデッキが形見なのは分かった。けど、それに拘って負けたら意味がない」
「っ!!ふざけんな!!」
その言葉に俺は少し……いや、確実にキレた。両手を机に叩きつけ、怒鳴るように叫ぶ。
「意味がないだ?大切なデッキに拘って何が悪いんだ!!あぁ!!」
「それは別に人の考えだから良いも悪いもない、でもデュエリストの意義は勝ってこそある。たとえ拘っても勝てないなら意味がないも同然」
「デュエルは勝ち負けだけじゃねぇだろ!!自分の信念を貫いて勝つからこそ楽しいって感じるんだろうが!!」
「……楽しい?勝つこと以外の何が楽しいの?」
「テメェ!!」
俺は思わず殴りかかろうとするが、総司先輩に止められる。
「落ちついて亮、暴力はダメだって」
「離してください先輩!!こいつは!!」
「問題を起こしたら、それこそ大会に出られなくなるよ」
それでも俺はこいつを殴らないと気が済まなかった。
「……ならデュエルで決着を着けなさい」
「姉さん!!何言ってるの!?」
「ふむ、確かにこうなってしまえば、あとはデュエルで語る他があるまいだろうな」
「劔菜まで何を言ってるんです!?喧嘩はダメです!!」
女子の先輩二人のお言葉に、唯一の男の先輩である総司さんは突っ込む。
「総司、これはデュエリストの矜持に関わることだ。ならば我々が出る巻くではない、デュエリストはデュエルで語るのみ……それが我々デュエリストの本分の一つだろ?」
「それは……でも蘭さんはプロデュエリスト何だろ?大会前に心を折られでもしたら……」
先輩の指摘は最もだ。相手は二つ名持ちのプロデュエリスト、しかも高火力全体破壊が得意の『レッド・デーモン』デッキ、だが
「……負けないですよ」
「む?それは私に勝つってこと?」
「ええ!!少なくとも、ただ勝つことしか意味を持てないテメェには負けるわけがない!!」
そこまで言われて火がついたのか、蘭もゆっくりとだが、しかし殺意満面に気を当てながら立ち上がる。どうやら本気モードというやつだろう
「……いいよ。私が負ければこの事については謝るし、考え方を少しだけ変えてあげる」
「負けたときの事を先に言うたぁ随分な余裕だな、で、お前が勝ったら?」
「別に、プロデュエリストである私が負けるわけがない」
「上等だ!!」
そう言って俺たちはデュエルディスクを構える。
「「デュエル!!」」
亮 LIFE8000
蘭 LIFE8000
「先行は俺だ!!俺は魔法カード『暗黒界の取引』を発動!!互いにデッキから一枚ドローして、手札を一枚捨てる」
「墓地肥やしね……私のデッキも、墓地で活躍するカードは結構ある」
「ほざけ!!俺はこの効果で墓地へ送った『スノウ』の効果発動!!デッキから二枚目の『取引』を手札に加えて、発動!!そしてこの効果で捨てた『ブラウ』の効果で一枚ドロー!!……俺はカードを二枚伏せ、魔法カード『手札抹殺』を発動!!俺は残った手札二枚を墓地へ送って二枚ドロー!!」
「私は五枚捨てて、五枚ドロー……」
「さらにこの効果で墓地へ送られた『暗黒界の尖兵ベージ』を、自身の効果で特殊召喚!!さらに俺はこいつを手札に戻して、墓地の『暗黒界の龍神 グラファ』を特殊召喚!!」
『暗黒界の龍神 グラファ』 ☆8 A 2700
「俺はこれでターンエンド!!」
亮 手札2枚(『ベージ』) LIFE8000
フィールド
『暗黒界の龍神 グラファ』 A 2700
伏せカード二枚
「私のターン、ドロー」
「俺はこの瞬間、永続罠『スキルドレイン』を発動!!ライフを1000支払い、フィールドのモンスター効果を全て無効にする!!」
亮 LIFE8000→7000
「……私は魔法カード『サイクロン』を発動。『スキルドレイン』を破壊「永続罠『宮廷のしきたり』を発動!!これにより『スキルドレイン』は破壊されない!!」……なら私は手札の『バイス・ドラゴン』を特殊召喚。デメリットは『スキルドレイン』の効果で無効になる」
『バイス・ドラゴン』 ☆5 A 2000
「そして『ダーク・リゾネーター』を召喚、私はレベル5の『バイス・ドラゴン』にレベル3『ダーク・リゾネーター』をチューニング!!シンクロ召喚、出てきて、『レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト』」
『スカーライト』 ☆8 A 3000
「バトル、『スカーライト』で『グラファ』を攻撃」
「ぐぅ……」
亮 LIFE7000→6700
「私はカードを一枚伏せ、ターンエンド」
蘭 手札二枚 LIFE800
フィールド
『スカーライト』 A 3000
伏せカード一枚
「俺のターン、ドロー!!……よし!!俺はカードを一枚伏せて、魔法カード『墓穴の道連れ』を発動!!互いに手札を確認して、相手の手札一枚を墓地へ捨てる。最も、俺の手札には『ページ』一枚だがな」
「……私の手札には『エフェクト・ヴェーラー』と『バトル・フェーダー』」
「なら『バトル・フェーダー』を墓地へ!!その後互いにデッキから一枚ドローする。さらに『ページ』を墓地から復活!!」
『暗黒界の尖兵 ベージ』 ☆4 A 1600
「そして俺は『ページ』を手札に戻して、『グラファ』を墓地から復活!!」
「……擬似的なループね」
なんか蘭が言ってるが、そんなんはどうでもいい!!これでテメェは潰れる!!
「そして俺は『グラファ』をリリースして、手札から『シャドール・ビースト』をアドハンス召喚!!」
「!?『暗黒シャドール』……!?」
『シャドール・ビースト』 ☆5 A 2000
やはり驚いてるだろうな。何せこいつは兄貴と一緒に考えて、考え抜いて入れたカードだ。そんで
「そして俺はさっき伏せた速攻魔法『超融合』を発動!!」
「っ!!しまった……」
「俺は『シャドール・ビースト』と蘭のフィールドの『スカーライト』を融合!!影の獣よ、傷持つ魔龍と合わさりて姿を見せろ!!融合召喚!!こい!!『エルシャドール・ミラージュ』!!」
『エルシャドール・ミラージュ』 ☆5 A 2200
「『ビースト』の効果で一枚ドロー!!……本来なら『ミラージュ』には特殊召喚の制限があるんだが、『スキルドレイン』の効果内だからそれもない!!俺は今引いた二枚目の『墓穴の道連れ』を発動!!手札確認……って言ってもまた俺の手札には『ページ』しかいないがな」
「……『ヴェーラー』と『ブラックホール』」
「なら『ブラックホール』を墓地へ捨ててもらう!!そして互いに一枚ドロー!!さらに『ベージ』を墓地から復活、そして手札に戻して、三度『グラファ』を復活!!バトルだ!!『ミラージュ』と『グラファ』でダイレクトアタック!!」
「ぐっ!!」
蘭 LIFE8000→5300→3100
「俺はこれで、ターンエンド!!どうだプロデュエリスト!!」
亮 LIFE6700 手札二枚(『ベージ』)
フィールド
『暗黒界の龍神 グラファ』 A 2700
『エルシャドール・ミラージュ』 A 2200
『スキルドレイン』 永続罠
『宮廷のしきたり』 永続罠
「……確かに少しはやる……けど、私のターン、ドロー。……私は魔法カード『貪欲な壺』を発動。『バイス・ドラゴン』『ダーク・リゾネーター』『レッド・リゾネーター』『バトル・フェーダー』『チェーン・リゾネーター』をデッキに戻して、二枚ドロー……」
(後半三枚は俺が墓地へ落としたカードか……)
どうやら大分事故っていたらしく、仕方ないとはいえ少しこれは辛い。
「さらに私は魔法カード『死者蘇生』を発動、墓地の『スカーライト』を復活、バトル、『スカーライト』で『グラファ』を攻撃!!」
「ちぃ!!」
亮 LIFE6700→6400
「さらに罠カード『バスター・モード』を発動!!『レッド・デーモンズ・ドラゴン』扱いの『スカーライト』をリリースして、『レッド・デーモンズ・ドラゴン/バスター』をデッキから特殊召喚」
『レッド・デーモンズ・ドラゴン/バスター』 ☆10 A 3500
「『/バスター』で『ミラージュ』を攻撃」
「うぁぁぁ!!」
亮 LIFE6400→5100
「……私はカードを一枚伏せてターンエンド」
蘭 手札二枚 LIFE3100
フィールド
『/バスター』 A 3500
伏せカード一枚
「く……俺のターン!!……よし、俺は魔法カード『ブラックホール』を発動!!」
「けど、『/バスター』の効果で、墓地の『スカーライト』を復活」
「関係ねぇ!!俺はモンスターをセットして、ターンエンド!!」
亮 LIFE5100 手札一枚
フィールド
セットモンスター
『スキルドレイン』 永続罠
『宮廷のしきたり』 永続罠
「私のターン、……『スカーライト』で守備モンスターを攻撃」
「守備モンスターは『セルリ』だ」
「……私はモンスターをセットして、ターンエンド」
蘭 LIFE2100 手札二枚
フィールド
『スカーライト』 A 3000
セットモンスター
伏せカード一枚
「俺のターン!!……来た!!俺は魔法カード『テラ・フォーミング』を発動!!デッキから『暗黒界の門』を手札に加えて、発動!!さらに『門』の効果!!墓地の『ブラウ』を除外して、手札の『ベージ』を墓地へ送って一枚ドロー!!そして『ベージ』は特殊召喚され、こいつを手札に戻して『グラファ』を復活!!」
「なるほど……攻撃力3000になったから、相討ちにして、ページを通常召喚してからの復活……それが狙いね」
「バトルだ!!『グラファ』で『スカーライト』を攻撃!!」
「けど、罠カード『デモンズ・チェーン』を発動。『グラファ』を選択して、攻撃できなくする」
「ぐ……俺はこれでターンエンド」
亮 LIFE5100 手札二枚(『ページ』)
フィールド
『暗黒界の龍神 グラファ』 A 3000
『暗黒界の門』 フィールド魔法
『スキルドレイン』 永続罠
『宮廷のしきたり』 永続罠
「私のターン、私は『スキルドレイン』を墓地へ送って『トラップイーター』を特殊召喚!!」
「な!!」
まさかそのカードを仕込んでくるとは思ってなかった。そのせいでこっちのフィールドはほぼがら空きになってしまった。
「これで『スキルドレイン』の効果は無くなった。『スカーライト』の効果、このカードの攻撃力以下の特殊召喚されたモンスター全てを破壊する。さらに破壊した枚数×500ポイントのダメージ」
「フィールドには特殊召喚された『グラファ』と『トラップイーター』がいる……てことは」
「1000ポイントのダメージを受けなさい……」
「うぁぁぁ!!」
亮 LIFE5100→4100
「そして『スカーライト』でダイレクトアタック、灼熱のヘルダイブ・バーニング……」
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
亮 LIFE4100→1100
「私はこれでターンエンド……」
蘭 手札二枚 LIFE3100
フィールド
『スカーライト』 A 3000
セットモンスター
「俺のターン……」
かなりボロボロになりながら、俺はドローカードに手をかける。が、蘭は逆にどこか覚めた目でディスクを下げる
「……もう勝負はついたわ」
「あぁ!?どういうことだ」
「私の場にはスカーライトと伏せモンスターがいる。いくら貴方がグラファを出せたとしても、倒せるのは1体だけ、次のターンで貴方は確実に負ける」
「それでも、俺は絶体に逃げない!!」
「……勝ち目の無い試合に、意味なんてない」
俺はかなりイラッとした。その発言にじゃない、そのやる気のない目にだ。
「ならテメェは、勝てるからプロデュエリストやってるのか!!絶対に勝てるからプロデュエリストやってるのか!!」
「…………る」
「あ?」
「貴様に何が分かる!!親もいず、家もまともな食事もない、お金もなく何も食べられないひもじさが……苦しさが……分かるというの!!」
「「「「!!」」」」
その言葉は、今までの無感情な声ではなく、悲痛な気持ちを宿した本音だった。
「お前……まさか」
「……私には血の繋がった親が居ない、朱志乃の名字も、ただ私を拾ってくれた人がそうだったから。生活はいつも苦しくて、それでも満足だった。けど……」
そこで蘭は口を閉ざした。いや、閉ざさるを得なかったのだろう。
「私はあの人に何もしてあげられなかった。読み書きやいろんな事を教えてもらったのに、何も返してあげられなかった」
「…………」
「そんなあの人が私に残してくれたのは、私のために作ってくれたデッキと、ほんの少しの貯金、はじめてデッキを持ったとき、運命を感じた。そして私は大会に出続け、勝ち続けた。スカウトマンの目に止まってプロになった。けど、あの人への恩返しはどうやってもできない……」
「…………なんだよ、それ」
俺は歯を食い縛った。それ以上に苛立ちが募る。
「蘭……そのデッキはまだ持ってるのか?」
「…………もう、そのデッキは存在しない。けど、その時のカードの数枚は、今もこのデッキに眠ってる」
「そうかよ…………だったら、俺も何も言わねぇ、全力で叩き潰す!!ドロー!!」
俺は引いたカードを見た瞬間、電撃が疾るような感覚が芽生えた。
「行くぜ!!俺は手札から魔法カード『暗黒界の取引』を発動!!」
「ッ!!三枚目…………」
「これにより互いに一枚ドローして、一枚捨てる!!さらに捨てられた『ページ』を墓地から特殊召喚して、さらに手札に戻して『グラファ』を復活!!」
「……それでも、私のモンスターは残る」
「まだだ!!俺はさらに墓地の『スノウ』を除外して、『暗黒界の門』の効果発動!!手札の『ページ』を捨てて、一枚ドロー!!……こいつは!!」
俺は躊躇いなくドローする。そしてそのカードを見たとき、驚愕した。何故ならそれは、
「(……このカードなら、もしかしたら!!)俺は墓地へ送られた『ページ』を蘇生!!」
「……それでも、私のライフにダメージは与えられない」
「かもな……けど、俺はまだ終わってねぇ!!俺はカードを一枚伏せ、儀式魔法『六絶神の生誕』を発動!!」
「!!儀式魔法……」
「「「ろ、六絶神!!」」」
なんか先輩と兄貴がメッチャ驚いてるけど、気にしたら敗けだ!!
「このカードは自分のフィールド及び墓地から儀式モンスターに必要なレベルと同じようになるように除外して、手札の『六絶神』と名のつくモンスターを、儀式召喚する!!」
「……けど、貴方の手札は0、儀式召喚の対象になるモンスターはいないはず……」
「普通なら、な。だが『六絶神の生誕』は、相手よりライフが少ないとき、さらにライフを半分にすることで、デッキから対応する儀式モンスターを特殊召喚できる!!」
「!!なにそのぶっ壊れ効果……」
亮 LIFE1100→550
「俺は墓地の『シャドール・ビースト』を除外!!欲望の紫石から産まれし死の神よ、我がフィールドに舞い降り、あまねく全てを冥界へ送れ!!儀式召喚!!現れろ!!『六絶神 欲望のデス・ガル・ヴァトス』!!」
『六絶神 欲望のデス・ガル・ヴァトス』 ☆5 A 2000
フィールドに現れたのは、紫の剣を持った漆黒の魔王といったモンスターで、その回りには魂のような物がORUのように浮遊してやがる。
「「「ぶっ壊れ効果モンスター出たぁぁ!!」」」
「……?ぶっ壊れ効果?」
「『デス・ガル・ヴァトス』の効果!!と、伏せていた速攻魔法『異次元からの埋葬』を発動!!チェーン処理にて、『埋葬』の効果で、墓地の『ビースト』『ブラウ』『スノウ』を墓地へ戻す」
「……(このタイミングで戻す?いったいなんの意味が……)」
「そして『デス・ガル・ヴァトス』の効果!!このカードが儀式召喚に成功したとき、墓地に闇属性モンスターが5枚以上存在するとき、デッキから手札が5枚になるようにドローする!!」
「…………は?」
蘭はまるで意味が分からないというように顔をぽかんとしている。
「……少しタイム、今の効果をもう一回言って?」
「?墓地に闇属性モンスター5枚以上あれば、手札が5枚になるようにドローする」
「……ぶ、ぶっ壊れ効果も大概になさい!!」
なんか蘭にメッチャ怒られたんだけど……、というか先輩方もウンウンって頷いてるし……。
「バトルだ!!『デス・ガル・ヴァトス』で『スカーライト』を攻撃!!」
「……自爆で終わらせるつもり?」
「まさか!!『デス・ガル・ヴァトス』の戦闘によって自分はバトルダメージを一切受けない!!」
巨大な紫の剣が、スカーライトの爪とぶつかり合う。互いに何度も何度もぶつかり、そしてスカーライトの炎の息吹によって、『デス・ガル・ヴァトス』は燃え尽きる。
「『デス・ガル・ヴァトス』の効果!!このカードが戦闘及び効果で破壊されたとき、このカード以外の自分の手札、フィールド、墓地のカードの枚数が合計20枚以上の時、相手フィールドのカードを全て墓地へ送る!!」
「な!!墓地へ送る効果!?」
「俺の手札、フィールド、墓地のカードの合計は29枚、よって、効果の条件を満たしてる!!『デス・ガル・ヴァトス』!!冥落のスペルヴィア!!」
フィールドの地面が突然闇の渦に代わり、蘭のフィールドのカード全てが、飲み込まれるように消えていった。
「とどめだ!!『ページ』と『グラファ』でダイレクトアタック!!」
「キャァァァァァ!!」
蘭 LIFE3100→1500→0
「……」ムスー
「いや、何剥れてるんだよ蘭……」
デュエルが終わった直後、蘭はまるで風船のように頬を膨らませ、いかにも私怒ってます、といったアピールをしていた。見た目が美人だから顔芸にしか見えないけど……
「……私は負けてない……あんなモンスター出なかったら私が余裕で捻り潰してた……」
「いや、プロデュエリストがそんなこと言ったらダメっすよ……」
とりあえず機嫌を治してもらおうとポッ○ーを箱ごとあげると、まるでハムスターのようにぽりぽり食べ始める。けど、なんか俺のことは睨んでるし……
「しかし亮、お前あんなカード持ってたのか?」
と、兄貴が驚いたように聞いてくる。
「えっと……俺も最初確認したときは入ってなかったんすけど……なんかドローしたら出てきたっす」
「……何それ、カードは創造したじゃねぇんだからよ……」
「いや、そんなことを言われてもっすね……」
実際あのときまでは入ってるとは思わなかったのだ。見たことも無いカードだったし……
(けど、まぁいっか)
俺は今日の勝利に貢献したこのカードに感謝しつつ、再びデッキに戻した。
「……蓮、お腹すいた」
「またか!!どんだけ燃費悪いんだよお前は!!」
「デュエルのあとは適度な食事……それがデュエリストの体調管理」
「なんでそうなる……まぁいっか、亮行こうぜ!!」
「う、うっす!!兄貴!!」
部室から出る兄貴を俺は慌てて後を追いかける。
『…………精進しろ』
「え?」
突然聞こえた謎の声に振り返るが、そこには誰も居ない。気のせいと考え、俺は兄貴達に追い付くために走り出した。