いよいよ繁忙期もピーク!2週目に突入した武蔵野中央郵便局では、朝から大忙しであった。午前配達のゆうパックも大量に到着するようになった。31フィートウイングコンテナが毎日5台、12フィートコンテナも数個、武蔵野中央に朝到着する。東北、関西、九州からも大量のギフトゆうパックも到着する。早朝の5時に第一便が到着し、6時半に関西からの鉄道便が到着する。
この日は三毛猫と本田が早朝より作業があるため出社した。毎日大量に到着するコンテナ、トラックを裁くためには、早朝から頑張る必要があった。午前配達は1号便結束で優先的に処理される。7時半に間に合うように区分機を動かし区分を行った。人手が足りない郵便局では、普通郵便課の社員も駆り出されている状況であった。6時になりようやく高梨と山田がやってきた。
「あ!高梨君!山田さん、すぐに区分に入って!」と、本田は言っていた。午前配達は約40パレットある。4人で手際よく作業して、1号便に間に合わせる。そして7時になり、安原と瀬川、下柳、井口、葛城課長がやってきた。
「安原さん!瀬川さん!ミーティングはいいですから、今から区分に入ってください。」と、三毛猫は言っていた。すぐに府中、小金井、調布、西東京のレーンに入っていた。人手が足りないため、区分機の警報が鳴りまくる。膨大な量のゆうパックと闘いながら、誤送なく正確に区分する。
「あ!安原さん!3レーン入って!」や「瀬川さん、エンド入って。」などと指示を出す。1号便で配達できる荷物は、時間内に区分完了し発送ができた。しかしこれからが勝負の11時の2号便と9時半の臨時便が待っている。
8時になりようやく塩沢と宮森、矢野、小笠原が出社してきた。塩沢以外はすぐにデスクに入り差し立ての管理を行い、小笠原は手区分に入った。手区分の米袋などの重量物も、小笠原は易々に積み替えていた。新東京多摩下り雑も9時になると到着する。その状況でさらに人手不足の状況となれば、業務はパンク寸前であった。
9時になると高梨と藤堂、杉江が遅れて出社し、この日の顔ぶれがそろいミーティングとなった。
「みなさん、おはよう!」と、丸川局長が挨拶をし、
「今日は繁忙期第2週目。もっとも忙しい週です。みなさん、事故・怪我・誤送の内容に頑張ってください。」と、激励した。そして葛城課長が
「今日は午後にノーステップ、百貨店の全国宛が100台、管内が120台到着予定です。もっとも厳しくなるので、みなさんがんばりましょう。またかもめーる営業も合わせてお願いします。」と、言った。
ミーティング終了後、杉江は特殊郵便課で国際郵便の区分に、宮森と矢野は差し立て管理、高梨は手区分に入った。ベルトコンベアでは大量のゆうパックが流れていた。関西から鉄道で到着したものだけで、31フィートコンテナ換算で2個分。さらに全国からのトラック便や航空便もある。
三毛猫は山田と葛城課長とともに第一供給に回り、ベルトコンベアにゆうパックを流す作業をする。また葛城課長は様子を見ながら、チルド室へ行って小笠原の作業の支援をする。藤堂と安原はペアを組み、膨大な量の百貨店のゆうパックを正確に積載していく。フラットソーターもフル稼働であった。
しかしこの日は何か違う。それを察していたのは、三毛猫であった。予想は的中する。越後からJRコンテナが1つ武蔵野中央に到着した。しかもそのコンテナの様子が何か違う。内容は地ビールのギフトであった。機械による区分は不可能なものが赤鉄4台分到着した。到着するとロールパレットは、葛城課長によって所定位置へ移動し処理未済のフラッグをつける。これらは3号便なので慌てて区分する必要がない。到着後、宮森はこの荷物の事務手続きをすることになり、パソコンに向かっている。宮森は同時に、転送扱いのゆうパックの再差し立てを行っていた。一軒ずつ住所確認後、シールを伝票に貼り入力する。それらを管内、2号便の各手区分に分ける。
「転送扱いは機械ダメだなあ。あと住所変更があるオークション用も。」と、矢野がぼやいていた。
「確かにそうですね。手間がかかりますね。」と、宮森が返す。
この後の到着物は多かったが、機械区分が落ち着いたらすぐに手区分に社員が集められた。
「みんな!今から大量の手区分を処理するで!山田さん、矢野さん、入力お願いします。」と、三毛猫は言って彼も携帯端末を片手に入力した。そして機械区分できないゆうパックを皆が手作業で区分した。大量にあったものも20分ほどで処理が済んだ。
最後の到着、九州航空便が定時の10:45に武蔵野に着いた。最後の到着処理が始まる。ロールパレット8台分であった。11:20分には、機械区分できるものはすべて入った。残りの手区分は3号便を除いて、まだ8台ほどあった。スイカや農産品がメインであるので、ここからが時間との勝負であった。トラックは11:45には出発する。それに間に合わせるため、皆は早歩きで区分する。しかし塩沢は手際が非常に割る虚空率の悪い区分をする。
「塩沢さん、しっかりしてください。ペースあげて!」と、瀬川に言われた。
「はい!すみません!上の空だったので。」と、塩沢は答えた。なんとか2号便は大量にあったが、差し立ての時間に、間に合った。順次膨大な量のロールパレットは9台のトラックに乗せられて、武蔵野中央を後にする。
レーンは全国宛にロールパレットを設置するのと同時に、手区分ではあの3号便の地ビールの区分が待っている。それだけではなく他にも、臨時便が1本到着する。赤鉄にぎっしり収まっている段ボールを取り出し、正確に入力区分する。端末入力が済んだものは、床に直接置かれる。それらを区分係は回収し、住所に従って指定のロールパレットへ積み込む。地ビールの区分が一段落した時、もうすでに正午を過ぎていた。そして本田が
「臨時着いたよ。」と、言ってロールパレットを持ってきた。三毛猫は入れ替わるように到着ホームへロールパレットを取りに行き、手区分へそれを持って行く。内容は通信事務であった。
「ギフトだね!」と言って、三毛猫と山田は端末を手に入力し、床へ直置きで処理済物を並べる。この日の昼食休憩は交代でとり作業にあたる。前半は塩沢、安原、高梨、山田が抜けた。
昼の13時、木下が出社して来た。よく見ると彼はかもめーるとカタログ営業を取ってきた。
「お!頑張りましたね!木下さん!」と本田が言う。すると
「まあこれでも頑張ったよ!本田君と興津さんのおかげで、カタログとかもめーる営業が取れたよ。」と、木下は答えた。
「これで木下さんも成長しましたね。・・・これで私も安心して辞められるよ。郵便局員にピリオドを打つ。」と、本田は言って食堂へ向かった。
一方の三毛猫は早朝からの業務があるので、12時から1時間半、昼食と昼寝休憩を取った。愛用のアニメキャラのひざ掛けを使い仮眠を食堂の和室でとった。
「相変わらず輸送のあいつは痛いなあ。」と、普通郵便課の人間が横で言っていた。しかし三毛猫は気にしなかったのであった。そこへ昼食のために、本田が来た。
「三毛猫君、そろそろ休憩終わるよ。」と、言いに来た。三毛猫は
「ほい!じゃあ行くか!」と、言って重い腰を上げて起きてきた。
本田は郵便局をやめるつもりだった。理由は自分の夢に向かうためだった。それを知ったものは、驚きを隠せなかった。
「本当に辞めるんすか!本田さん!」と、高梨は驚いていた。
「まあ9月まで居るから。」と、本田は返す。すると矢野は
「別の物流会社へ転職するのですか?」と、質問すると
「本田君はね、ケーキ屋さんで働くんだって!ようやくやりたいことが見えてきたんだよ。」と、丸川局長が言った。
「本当に好きなことをして、行こうと思ったんだ。」と、本田は言った。
「そう言えば以前に差し入れで持ってきてくれましたね。」と、矢野が言った時に
「まあ確かに本田さんなら似合いそうですけど。どこのお店ですか?」と宮森は尋ねる。すると
「吉祥寺駅前のケーキ屋さんなんだ。差し入れもたまにしますよ。」と、本田は答える。
「そういえば三毛猫君は、何の夢があったのです?」と、宮森が質問する。
「う~ん、私は“電車の運転士”か“重機オペレーター”だった!」と、三毛猫は答えた。
「へえ、すごいですねえ。って、趣味は何ですか?」と、矢野が質問すると
「アニメと鉄道だね!」と、三毛猫は返した。
「さて繁忙期2週目!総力戦だ!人をまとめて、午後からの全国がんばるぞ!」と、本田は言った。
13時からは通常通り、集荷されてきたゆうパックを供給する。しかし集荷物ですら多かった。ロールパレット換算で3台であった。その後、各郵便局から全国宛と管内のものが到着し始める。また百貨店からのギフトゆうパックも到着する。午前締切と全地域雑、管内の3種類に分けて、それらを高梨や出発ホーム管理の社員とともに一時貯留場所に移動させる。
さらに国際郵便もあったので、杉江が降りてきた。
「そろそろEMSの時間だね!」と、と彼が言う。その通りであった。東京国際郵便局から13:20ちょうどにトラックが着いた。荷物のほとんどが府中宛だった。
「府中は東芝があるからね。」と、三毛猫は言ったとき
「よく知っているね。なぜかな?」と、杉江は言った。
「私は、鉄道が好きだから。府中には東芝の機関車工場がある。」と、三毛猫は答えた。
まだEMSはアルミパレット3台と少なかった。しかし家電のネット販売ゆうパックは多かった。ロールBox2台が満杯で到着した。
「うわぁ。これはすごいなあ。重量物は三毛猫君が頼むよ。」と、杉江はお願いした。
「確認オオライ」と、三毛猫は言って、電子レンジ、プリンターの区分作業を行い、軽量物や小物は杉江と矢野が行った。
手区分が済んだら三毛猫と杉江は供給に行った。ベルトコンベア供給作業は、三毛猫、山田、木下の3人が作業に当たり、薄物フラットソーターは杉江が行った。残りの社員はレーンで作業した。しかし区分量が増えているので、管内・ノーステップを除くものを優先する。それでも赤鉄換算で50台あった。
「繁忙期は供給しても供給しても減りませんね。赤鉄が!」と、木下が言うと
「確かにそうですね。」と、三毛猫は答える。
レーンでは皆が走り回っていた。
「エンド関西キャンセルお願い!ペースアップ!ペースアップ!」と、葛城課長が放送する。
しかしこの日は、集金があった。今までは振り込みでいた事業所が、小切手による支払いがしたいと言ってきたためであった。取引先の店舗を廻り小切手を回収し、輸送ゆうパック課の社員が集計後、ゆうちょ銀行の興津に渡し現金化する。配達集荷係の京橋から、この日は午前配達帰局時に受け取ることになっている。
その時、宮森に1本の電話がある。内容は新しい取引先の自動車板金工場だった。静脈輸送の自動車部品の発送お願いであった。すぐに宮森は集荷へ向かう。
集荷先に着いた。伊波政彦と言う野球ユニフォーム姿の社長が出てきた。
「あ!郵便局の方だね!すまないねえ!いつも佐川ばっかり使っていたけど、値上がりしているのと、サイズオンリーで発送できるからね。今回からゆうパックを使うよ。」と、言った。
「ありがとうございます。それでは伝票に送り先を書いてください。」と、宮森は言って伝票を差し出した。
受け取った荷物は、なんとかなりの重量があった。
「エンジンのパーツだよ。あと電子部品とかいろいろね。豊田市まで大切にお願いね。」と、伊波が言うと、
「はい!それでは、大切にお預かりします。」と、宮森が言った時に
「はあ~やはり猫好きのあの方が、がんになって商売休んだのは失敗だなあ。こっちも忙しい。まあしゃないかなあ?」と、伊波と愚痴をこぼした。
昼ごろ一旦帰局した京橋から、法人一括の小切手を受け取る。矢野は代金に間違いがないか確認をしてから、ゆうちょ銀行の興津を電話で呼び出す。そして小切手を現金化してくるように指示した。
「お!これがその小切手ですね!じゃあ現金化しますので、2日後にお持ちしますね。」と、興津は言って預かり証を渡し持ち場である3階ゆうちょ事務所へ戻った。
まだ全国午前は一段落すら迎えていなかった。理由は茶沢のトラックが大量に百貨店ギフトを積んできた。そして企画に搬入書を提出する。しかしここでも態度が悪かった。
「遅れちゃってすんませ~ン!新京阪物流の茶沢です。変な話、百貨店から武蔵野中央までの道が混んでいてねえ。でも遠いっすね!武蔵境は!」と、茶沢が言ったとき
「あの~もう少し定時運行確保はできますか?あと塩沢さんにちょっかいはやめてください。」と、葛城課長はお願いした。
「あ!百貨店2号便あるので、今からまたトラックで行かなきゃいけないんで!」と、茶沢は言って企画デスクを後にした。そして塩沢が来た時にやはり声をかけた。
「お~!塩沢さ~ん!こっち!こっち!」と、茶沢が言うと塩沢はヘルメットを脱いで、きれいになった髪を振りながら到着ホームにやってきた。
「茶沢さん!会いたかったよ!」と、言ったとき
「繁忙期が終わって落ち着いたら逗子か三浦まで泳ぎに行かない?車あるし!」と、茶沢が提案すると
「やった~!」と塩沢は喜んだ。そこへ三毛猫が来た。
「塩沢さん、いい加減持ち場に戻ってください。まだ大量に作業ありますよ。」と、彼が言うと塩沢は持ち場へ戻った。
15時になっても、まだ大量に荷物が残っている。大阪方面のロールBoxもあっという間に満杯になる。安原は北陸も金沢や富山を誤送なく区分し、ロールパレットを一時貯留場所へ移動する。それを見た井口は
「やすはらっち!誤送ゼロになったね!よく頑張った!よろしくね!」と言って、自分の持ち場である関西キャンセルのエンドレーンへ向かう。遠藤も手区分を準備とロールパレットの移動作業をしている。
「遠藤さん!お疲れ様です!そろそろ打鍵したいので、キャンセルを供給まで持ってきてください。」と、宮森が言う。
「了解。じゃあ持っていくので準備してください。」と、遠藤は言った。
「お!そろそろキャンセルだね!じゃあ放送する!」と言って、木下はキャンセル準備をする。
「今からキャンセル供給をします。絶対に機械の警報音がしないように作業してください。まずは引くことを優先して、区分やパレット積み込みは後からでお願いします。」と、三毛猫は放送をした。打鍵は遠藤が、供給は木下が行った。三毛猫は3号便準備と全国手区分を高梨と一緒にやっていた。
「やっぱり手区分多いっすね!お酒とか」と、高梨が言うと
「確かにそうだなあ。」と、三毛猫は答えた。
「ここのところ景気が上向いているからねえ。大変だよ。こっちは早朝から勤務だし。」と、三毛猫は言った。
16時になり、今井と坂木が出社してきた
「お!お疲れっす!三毛猫くん!」と、今井が言うと
「ディーゼルさん!こんにちは!今日も荷物大量だから頑張ってね!」と、三毛猫は答えた。
人手がある程度揃ったところで、区分速度は向上した。第一供給には、山田、木下、三毛猫が入り、打鍵になると藤堂がやってくる。16:45、ようやく午前締切がすべて入った。
「やっとこれで発送が行えるなあ。」と、皆は安心した。レーンに残ったものと手区分を合わせて、午前発送のロールパレットを出発ホームに並べる。安原は一旦休憩に入った。
「お!えまちゃん!いまから休憩だね!」と、宮森が言うと
「ええ!少し休みます。」と、安原は言った。
17時になり、末永達や船越風香の学生アルバイトが出社してきた。そして船越風香の知り合いである、風間翠という少女がやってきた。
「お!後半から来た風間翠さんだね!船越風香さんの御知り合いの!」と、葛城課長が言うと
「はい!お世話になります!風間翠です!」と、彼女は答えて頭を下げた。
「じゃあみんなから仕事の仕方を教えてもらってね!レーンでの作業がメインになるから。」と、葛城課長は言った。ミーティングが始まり、今日の注意事項が言われる。
「今日は百貨店ギフトゆうパックや八王子のリサイクルショップ、そしてノーステップも大量に来ます。皆さんの頑張りがこの繁忙期を乗り越えるために必要です。一致団結して乗り切りましょう。」と、丸川局長が言う。
作業開始早々、風間は大切なものを忘れていた。ヘルメットをせずに作業をしようとしていた。
「新入りの風間さん!ヘルメット忘れているで!」と、三毛猫は言った。すぐにヘルメットは、
「あ!すみません!今からします!」と、言って作業をした。郵便番号と住所を確認しながら、大量に供給されるゆうパックを正確に仕分けるのは至難の業だった。
北陸のレーンでは、安原と末永が作業していた。
「相変わらず多いねえ!午後締切」と、末永が言うと
「まあ午前に区分なしだったから。」と、安原は答えた。
管内レーンでは、坂木のところに風間は居た。慣れない彼女に一から指導していた。
「ここはまだまだ見慣れた地名が多いからね。」と、坂木は言って安心させていた。でも初心者には厳しかった。すぐにブザー音が鳴りだし、ベルトコンベア上は大量のギフトであふれる。
「管内レーン応援お願いします!」と、坂木が叫ぶとすぐに井口と今井が駆け付けた。
「ずかちゃん!カオスなことになっていますね!」と、今井は言って作業した。そして四人でベルトコンベア上の荷物を片付けた。
塩沢はこの日は18時まで残業となった。理由は百貨店第2便とノーステップの到着があるからである。到着ホームには午後発送のゆうパックの入ったロールパレットが到着するのと同時に、ノーステップのロールパレットまで運ばれてくる。
「めっちゃ大変だなあ。」と、木下が言うと
「まあこれからが勝負ですよ。」と、三毛猫は言った。
そして大量のギフトをベルトコンベアへ供給する。また管内も、供給する。
「皆さん、今から管内流します。管外レーンの方は、中央の管内レーンに入ってください。あと機械を止めないように、ゆうメイトの方は社員の後に続いて荷物を受け取って、パレット積載していってください。」と、葛城課長は放送する。慣れない風間は、坂木とともに作業する。
「風間さん、比較的簡単な18X武蔵野をやって!場所が終点だからね!」と、井口は言う。
「うん!がんばるよ!」と、風間は答えた。そして順次、ビールや洗剤、缶詰などのギフトが流れてくる。
「みんな軽い奴は上段、重いビールなどは下段やで!守りや!」と、三毛猫は放送する。
18時になり、塩沢が戻ろうとしたときに、またトラック運転手の茶沢が声をかけた。
「ねえ!今度、8月の初めに海行かない?」と、茶沢が言うと
「うん!じゃあいつがいい?」と、塩沢が答えると
「じゃあ水曜でも!非番だから。」と、茶沢が言った。
レーンは大忙しであった。全国の残りとノーステップ、八王子のリサイクルショップが到着したためであった。さらに打鍵も必要なものも多々あった。
「そろそろノーステップを供給します。打鍵と重量物なので気を付けて!」と、木下が放送し、藤堂と三毛猫、木下が供給する。山田はこの間、手区分に入り作業をする。すると船越が
「重量物来るなあ。缶詰2ダース入りが2箱。すごく重い。」と、言った時だった。そこになんとあの風間が居た。
「私も一緒だよ!頑張ろう!」と、言ってレーンに入った。そして重量物が来たときは、二人で積み込みをした。
18:45の休憩時間まで機械は止まらない。ノーステップ、八王子のリサイクルショップの処理が終わると、百貨店、一般物、集荷物をベルトコンベアに流す。その間は、普通郵便と国際郵便の発送を行う。アルミパレットや国際交換局へ向かう灰鉄(ロールパレット)がエレベーターで下りてくる。それらが出発ホームに並べ終わるときは休憩後だった。そして19時からは最後の追込みに入る。
「みんな!一致団結して乗り切るで!」と、本田は放送して区分機の電源を入れる。手区分では、三毛猫と高梨が携帯端末片手に、フラットソーターでは安原が薄物を区分していた。供給から来たロールパレットは、手区分を受け、薄物はフラットソーターで区分する。
企画デスクでは、宮森、矢野がトラックの管理に追われている。
「やっぱり大変だね。トラックに空きがないなあ。鉄道便も31フィートがフルだよ。」と、矢野が言っていた。
「そうですか?北海道向けが鉄道しか使えないのは厳しいですね。フェリーがあの状況ではね。」と、宮森は答えた。
20時を向かえても、区分は終わる気配がなかった。まだまだ処理しなければいけない荷物が、ロールパレット50台分残っていたからだ。
「白澤さん、ペースあげて!」と、三毛猫は言った。すると中国四国レーンに居合わせた井口が
「積み込みは私がやるから、とりあえずレーンに荷物を区分して。」と、言った。
星雲は遠藤と手を組み、東北をやっていた。
「仙台相変わらず多いなあ。積み終わるかなあ?あ!星雲君、新しいロールパレット持ってきて!」と、遠藤が言うと「了解!」と返事をした。
残りの区分は順調であった。最後にキャンセルを打鍵で入力し、手区分と薄物を合わせて発送する。杉江は薄物をフラットソーターで区分し、各レーンにプラケースを持ってくる。区分係はそれらを空いているロールパレットのスペースに積み込む。
21時、関西方面の発送の時刻が近づいて来た。出発ホームには31フィートコンテナを積載したトレーラーが来ていた。
「いよいよ大阪、北陸、九州鉄道締切りです。準備してください。」と、葛城課長が放送する。
しかしその時、星雲は間違った場所に指定されたロールパレットを持って行ってしまう。
「おい!君!間違っているぞ!出発ホームはあっちだ!」と、山田は言う。
「すみません!間違っていました。」と、星雲は言って正しい場所へ持って行った。
21時半に、ゆうメイトの学生は帰宅した。その後も下柳などの一部社員は残り作業をする。
北海道鉄道、国内航空便、管内の順に発送していく。すべての発送は順調であった。
そして企画の宮森たちは23時に帰宅する。三毛猫と高梨は、この日は夜勤をした。
「お疲れさん!俺は夜勤頑張るぜ!」と、三毛猫は言うとき
「まっかせてください!事故なくこなします」と、高梨が言うと
「絶対積み間違えるなよ。」と、矢野は念を押し帰宅した。夜勤の二人は、残りの発送作業をした。
三毛猫と高梨は、朝7時に引継ぎ後、帰宅した。
翌日は朝から大忙しであった。また全国から膨大な量のゆうパックの到着があった。JPレールエクスプレスも7時半に武蔵野中央に到着する。供給には朝から木下、円、山田の顔ぶれがあった。
「どんなつが来ようと、太郎や塩沢よりはマシでしょう。」と、円が言うと
「ああ~!そう言う考え方あったなあ。ポジティブシンキングだね!」と、山田が答える。
「しかし今募集って、春入社で非正規を入れるんじゃないと思っていた。」と、円が言いながら荷物を供給する。
「新しい法人営業が決まれば、人手不足に拍車がまたかかる。だからじゃやない?」と、木下が言う。
「三毛猫君も来たのにね。」と、円が言ったら
「まあ本田が抜けるからじゃない?」と、山田は答える。
そしてこの日は、秋入社の非正規社員の面接があった。局長メインであったが、葛城課長と宮森も抜擢された。
「なぜ私が面接するのですか?人を評価できる自信が…」と、宮森が言うと、
「君はね、輸送ゆうパック課の葛城君と矢野君が、宮森君を推薦したのだよ。社員面接だったけど。」と、丸川局長は言った。
「これから、この課で働く長期のゆうメイトさんを探すから、ぜひ宮森君も参加してほしいなあ。」と、丸川局長がお願いする。
「別に人をどうこうするかじゃない!一緒にいい仕事ができて、コンプライアンスや法律を破るような社員がいないかを見るんだ!郵便の使命を支える方を探す!」と、本田は言った。すると三毛猫が
「そう言えば、私の友人に親宛の手紙を捨てるとか言っていた奴いたなあ。」と、思い出すように言った。
「それはね、明らかに犯罪だよ。郵便法違反だ。そんな人は、郵便の仕事をする資格はない!」と、丸川局長が答えた。そして面接が行われる会議室へ宮森、葛城課長、丸川局長は向かった。
区分のこの日も、特に変わりはなかった。ただ残業が多かったのは言うまでもない。そんな日々の繰り返し中でも、激務の第2週は皆の努力で乗り切ることができた。そして戦いは3週目に突入する。