Akatetsu   作:けいはんぐらし!

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第2話 コンテナ入ります!

 丸川局長が東京中央郵便局から戻り、局長室に入り私服に着替えてから会議結果を整理する業務をしていた。「今回の会議は、いい結果になったなあ。」と、彼はつぶやいていた。

 そこへゆうちょ銀行の興津が、局長室へ入ってきた。

「丸川局長、失礼します。本日NiSAの営業で、いい結果が出ました。新規営業獲得です。」と、興津が言った。すると

「おお!君もやるねえ!この小さい郵便局でも、かなりやり手の社員だからね。興津さんのおかげで営業実績が上がった。特に金融商品は君の得意分野だから助かるよ。」と、丸川局長は返した。

「皆の営業のおかげで、新しい社員の方が今度から武蔵野中央郵便局に来ることが決まった。これで少し業務が楽になる。また給料が増えることにもなった。いい情報だから、明日のミーティングで皆に私から伝える予定だよ。」と、局長は言った。

 一方のそのころ輸送ゆうパック課は、坂木と安原と木下は残業で業務をしていた。薄物区分機もベルトコンベアもフル稼働で荷物を捌いている。宮森と矢野は夜勤担当に挨拶してから帰宅した。この日の差し立ては時間通りすべて終わり、皆安堵の表情を浮かべていた。

 

 翌朝、管外は大阪からの鉄道便から始まる。この日は貨物が多く、31フィートコンテナ2個と12フィート3個が関西から到着した。このため区分係は、1号便は管内便のみとなり、大阪からの荷物は7:00から区分となった。そして管外下り臨時便(地域差仕立て臨時)で、荷物を発送することになった。人手不足の状態になり、やむを得ず宮森と井口も区分係として作業することになった。

「まあたまには体を動かして、いい気分転換になるなあ。」と、宮森は言っていた。一方の井口は、

「いつもは配達担当だからここでの作業もたまにはいい。」と、言った。しかし関西からついたコンテナは5個満杯。さらに31フィート1つはゆうパック専用便。ロールパレットやロールBoxもかなりの数がある。それを少人数で裁くのは至難の業であった。もうすでに未処理パレットエリアは、大阪・神戸からの荷物であふれていた。供給はものすごいスピードでベルトコンベアに荷物を入れ、薄物はプラケースに入れてから薄物区分機の場所へ運ばれる。

 そして葛城課長と小笠原は、チルド室で区分作業していた。小笠原はコートにゴスロリの組み合わせで作業に臨んでいた。

「いや~小笠原さんはこんなに力持ちだとは思わなかったですよ。」と、葛城課長が言うと、

「私も前に居た郵便局では、レーンでの作業でした。」と、小笠原は返事をした。

「民営化後は、ゆうパックの取扱量が増えたなあ。」と、小笠原はつぶやいた。すると葛城課長が

「そうだねえ。私も武蔵野中央郵便局に来る前は、別の郵便局にいた。わしも郵政省の時からいるからなあ。」と、言いながらチルド便の入力をしていた。

 一方ベルトコンベアでは、藤堂らはシュートから出てきた大量のゆうパックをロールパレットに積み込んでいた。「ファンファンファンファン」とサイレンが響きわたる庁舎内で、皆走り回って作業していた。

「6レーン応援お願いします。」と、宮森は叫んでいた。すると山田と佐倉が駆けつけ、大量のゆうパックを次々に投げて積み込んでいく。

「これだけのゆうパックが来たのは珍しいなあ。」と、矢野は言っていた。

 そして新東京多摩下り雑が着いて、状況は悪化する。「もう区分の限界を超えそうだよ。」と、皆思っていた。

 手区分は米袋から衣装ケースが、到着し高梨が入力後、各行き先のロールパレットに積み込んでいた。旅行用のスーツケースやゴルフバッグ、米袋を分けてからそれぞれ積載していく。「今回は対策として、差し立てる6局を2台ずつロールパレットを用意する。そして行先札に米とカバンと書いて専用のものにすること。その後、レーンから来た荷物を検査後、手区分のものを空きスペースに突っ込んでから発送すること。」と、矢野が言っていた。これで少しは区分中のトラブルは減ると思われた。しかし問題は発生してしまった。

「やべえ!米袋の口が開いてしまった。中身が見える!どうすりゃいい!」と、高梨は叫んでいた。するとここへチルド室から小笠原が駆け付けた。彼女はすぐにガムテープで開いた米袋に応急処置をした。

「これで一応差し出せるよ。しかしなぜこんな送り方するのか訳が分からないよ。」と、小笠原は言ってから元の持ち場に戻った。

 

 9:00になり輸送ゆうパック課のすべての社員は、ベルトコンベアの投入口近くの空きスペースに集合しミーティングをする。そしてここに丸川局長の姿があった。

「みなさん、朝早くからご苦労様です。今日はいいニュースがあります。今度から武蔵野中央郵便局に新しい仲間が来ることになりました。神戸から1名来てくれることになりました。この方は、かなり優秀な社員の方で、これで少しは業務がよくなると思います。また今井さんも、もうじき特殊郵便課から輸送ゆうパック課に移動する可能性も出てきました。本人の希望があるので、私も協力しようと思っています。」と、丸川局長は皆に話した。

 すると高梨は

「めっちゃいいニュースだ!今度から新しい仲間が来るんですねえ。」と、興奮した口調で話した。

「本当にいいニュースですね。丸川局長!」と、宮森は喜んでいた。

「しかしこの方、少しだけ気難しい点があるので、接するときは注意してあげてほしい。ただかなり優秀なのは事実ですが、話し方やいろんな面で気を付けてほしいです。」と、丸川局長は釘を刺した。

 大量のゆうパックがまだ残っている状態に、皆は頭を抱えていた。さらにチルド室も処理待ちの荷物が並んでいる。小笠原と葛城課長はチルドの作業を続けている。ベルトコンベアはフル稼働で処理していく。

 矢野はトラックを手配し、無事に臨時便を手配し各郵便局への輸送を確保した。

「今ゆうパック専用の下り便をトラック3台分手配しました。9:45に10台ずつ発送します。」と、矢野は報告した。すると本田は

「発送準備にこれから入る。出発ホームにあるものは、順次発送します。」と、放送を彼は流していた。

 その後、局での全国到着の作業は順調に終わる。しかしチルド室での問題が発生した。床がドレンから漏れた水で床が濡れていた。

「ありゃ~!チルド便で使う冷蔵ロールパレットから、ドレン水が漏れているなあ。床がびちゃびちゃになっている。これは危ないなあ。」と、葛城課長は言っていた。すると矢野がチルド室の様子を見に来た。この時、葛城課長は

「お!ちょっと矢野さん。チルド室の床が、さっき壊れた冷蔵ロールパレットからのドレン水で漏れてしまっているので、すまないが清掃担当に内線電話連絡して、清掃をお願いできるかなあ?」と言った。

 すぐに矢野は、入力端末で清掃担当へ内線電話連絡する。

 レーンでは、ようやくすべての荷物の中継処理が終了。2号便の発送が始まる。

「あれだけ大量のパレットも、今ではすべて供給して無くなりなりましたねえ。」と、宮森は言っていた。すると

「あたりまえだよ!いつも宮森は車で走り回っていて、あまりレーンは見ていないからなあ。」と、藤堂が答えた。

 

 しかしこの日は、大口の八王子市にあるリサイクルショップのネット販売部が、トラック1台分、ロールパレットにして20台分が一気に武蔵野中央郵便局に来ることになって、それも一部は打鍵で処理することになっている。

「これは大変なことになるなあ。武蔵野中央到着は15時。全差第1便が来るのは、14時だからなあ。かぶるから大変なことになりそうだなあ。」と、矢野は思っていた。12:00からは通常通りの休憩時間。矢野と宮森が交代で到着ゆうパックの個数確認の処理をする。13:00からは普段通りの集配が取ってきた荷物の供給が始まる。しかしこれの供給に、高梨は手こずっていた。

「おい!ペースもっと上げろ!高梨!このままでは、お客様のトラックがついて区分が追い付かない状況になる。」と、円が怒る!

 14:00過ぎ八王子市にあるリサイクルショップのトラックが到着ホームに着いた。ロールパレット14台分がトラックから降ろされた。これらを本田と木下が投入することになる。しかし問題が発生する。機械へ投入禁止の小型家具やテレビを投入する。すぐに宮森が異常に気付いたので、区分機を非常停止させ大事には至らなかった。

「誰?重量物や壊れ物を機械へ投入したのは?」と、宮森は言っていた。すると葛城課長は

「大ごとにならなかったのは幸いだった。手区分を間違って機械にあのまま入っていたら破損していたに違いない。藤堂も見ていないので、少し供給は大変だよ。さて、誰があんなものを供給したのかだなあ。」と言った。すると木下が

「私です。」と、言った。葛城課長は

「後でチルド室に来てくれるかなあ?話がある。」と言い残して、デスクに戻った。

 一方の宮森はデスクの戻った途端、電話が鳴った。いつもゆうパックを使ってくれるお店からの集荷連絡だった。

「お電話ありがとうございます。武蔵野中央郵便局 輸送ゆうパック課担当の宮森です。」と、言う。

「いつもお世話になっています。今日もゆうパックの集荷お願いします。少し急ぎの荷物なので、今からできますか?」と、店のものが言う。

「かしこまりました。それでは今からお伺いしますので、30分少々お待ちください。」と、宮森は答えた。

 デスクを離れた宮森に、葛城課長は「やるね!宮森!さっきは助かったよ。」と、言っていた。課長へ返事をした後、宮森は集荷へ向かった。

 一方の区分の部署は、武蔵野中央からの個人受託の全差が行われていた。しかしここでも下柳が混乱を招くことを言っていた。

「八王子市のリサイクルショップとノーステップを供給して!」と、下柳のこの一言が供給係を混乱される。

「じゃあ、供給しますね。」と、本田が言った。

 すると葛城課長は

「とりあえず個人受託から供給して。それは16時結束なので、そっちを優先して。」と、言った。これにより本田と木下はどれを流せばいいか困惑していた。

「じゃあどれを最初に供給すべきですか?これではわかりません。」と、本田は言った。するとここへ小笠原が来た。

「結束時間が短い午前締めから供給して。つまり個人受託。」と、言ってデスクに戻った。

 供給担当の木下と本田に対して、どっちのパレットを流すのかで混乱をきたすことになっていたが、小笠原の一言で終息した。その後、順調に進むと思われたが、また地域配達で問題が発生した。

 堂本が配達担当に渡しそびれて、配達指定時間に迫る事態になっていた。

「ちょっと、この荷物、配達指定時間に近づいている。どうしたらいいの。」と、堂本は言っていた。すると瀬川は

「なぜこうなったの?まさか配達指示し忘れたの!それは困る!ちゃんと荷物を配達担当に指示する書類を渡してしておかなければ、荷物を持って行ってくれないよ。口先だけでは伝えられないから、しっかりして欲しい。」と、瀬川は言った。

「すぐに上の方に相談して、対策をしなくては。でも井口は今、区分係に駆り出されているからなあ。相談したくてもいないので、これは困るなあ。」と、瀬川が言ったとき偶然杉江が様子をのぞきにやってきた。

「何か問題かねえ?」と、杉江が言った時に、瀬川はこの件について相談した。

「それなら手が空いている社員に配達を頼んだほうがいいと思う。かなり今日はゆうパックの量が多い。だから不可抗力なので、仕方がないと思う。コンテナ5個なら仕方がない。でも宮森にお願いするのは、今はできないなあ。集荷に行っている。」と、杉江は言った。そして内線電話で、配達員の空きを調べて無事に受取人のもとへその荷物は届けられた。

 

 しかし葛城課長は、少し問題視している。配達がこれでは何度でも繰り返される。本日地域配達の空き時間に、対策について話し合うと決めた。

 その頃、チルド室では清掃が入っていた。荷物がない時間帯に室内を清掃し、清潔に保つ。ここでも担当の問題行為がわかる。行先札をそこら辺にポイ捨てする行為により、不潔な状態になっていた。このことを清掃担当が察知し、葛城課長へ報告する。

「何か対策を考えねば」と、小笠原は言った。

 そしてことは再び悪化する。原因はもちろん木下と高梨が起こす。この日は大阪方面の冷凍便の差し立てがあった。チルド室の中には、レンガぐらいの大きさのドライアイスが数個出されていた。木下と高梨は、冷凍ゆうパックを専用ケースに入れる際、大阪まで持つだけのドライアイスを入れていた。しかしこの二人は黙って作業していたのではなく、女性には卑猥な下ネタをしゃべりまくっていた。そこへ矢野が作業の進捗状況を確認にやってきた。その瞬間に二人が黙らず下ネタを吐きまくって作業していたのを見てしまう。そしてついに矢野の怒りの逆鱗に触れる。

「君たち二人!もういい加減にしろ!黙って作業はできないのか!」と、大声を張り上げて、そこに置いてあったドライアイスを思いっきり投げつけた。ドライアイスは見事に清掃担当の置いたバケツに直球ストライクで飛び込んだ。大量の煙がバケツから吹き上がり、全員緊急避難する事態になった。葛城課長と小笠原はすぐに駆け付けた。

「大変だ!大量の二酸化炭素ガスが発生して、気密性の高いチルド室内では危ないことになる。酸欠になって危険だなあ。」と、葛城課長はいった後、小笠原は対策に走る。

「すぐに大型扇風機と出発ホームのドアを全開にして!換気を行って!早く!」と、小笠原も指示を出す。そして宮森が集荷から帰ってきたとき、輸送ゆうパック課は騒然となっていた。

「何がったのですか?」と、宮森が言った時に

「君も今すぐ手伝ってほしい。大変なことになっている。理由は矢野がドライアイスを投げてしまって、大量の二酸化炭素ガスがチルド室にたちこめている。それを何とか追い出さなくては。」と、小笠原は言った。すぐに宮森はそばにあった台車で、扇風機を運搬して指定の場所に設置した。換気は最低で2時間かかった。幸い遠隔操作で温度管理できるので、内部の温度上昇は最小に抑えることができた。

 換気作業が一段落して、ようやく区分作業に移れる状態になったのは、15時ちょうどだった。区分機をフル稼働で動かし、16時の午前締切に間に合わせる。フル稼働で機械は動くが、一向に荷物は減らない。やはり先ほどの行為が影響を与え始めた。

 丸川局長は矢野を宿直室に呼び出し、話すことにした。何が原因だったかを聞き出すためであった。

「少しあの二人が下ネタを言って、作業をしていなかったので、カッとなってあんなことをあった。」と、矢野は答えた。すると

「あの二人が一緒にいた時に、要らないことを話していたのだねえ。まあわしからも話をしてみることにするよ。もう二度と卑猥な話をさせないようにする。だから君は、あんなことを二度としないでほしい。」と、丸川局長はそう言って矢野と約束した。

 

 しかしこの日は、葛城課長は問題の処理に追われることになる。木下と高梨が起こしたドライアイス問題だけではなく、ここ最近ゆうパックの配達積み忘れの対策処理に追われている。

「ここ最近、武蔵野中央はトラブル続きだなあ?」と、葛城課長は言ったときに丸川局長が様子を見に来た。

「困ったことかなあ?葛城君?」と、丸川局長が言った。

「ここ数日、配達の積み忘れが多く遅配になりかねない事態が発生しているのです。」と葛城課長は答えると、「対策を考えるには、やはり古株の杉江に聞いたほうがいい。教育係なのでうまいこと言ってくれると思う。あとあの二人が行ったことについては、わしから言ってみるよ。君はノータッチでいい。」と、丸川局長は言った。そして木下と高梨をテレビモニタのそばに呼び出した。

「今日、君たちは問題を起こしたようだなあ?」と、丸川局長は木下と高梨に対し言った。すると木下が、

「ええ!いきなり矢野がレンガぐらいの大きさのドライアイスを、こっちに投げてきました。」と、言った。

 すると丸川局長は

「それは何が原因だったかわかるかな?君たちはなぜ下ネタをチルド室で話していたのかね?」と、質問してきた。

「作業が退屈で面白くないし、ちょうど木下さんがいたので一緒に話していたら、ついつい下ネタが出ちゃったのです。」と、高梨は言った。

「下ネタは輸送ゆうパック課では厳禁だよ。ここの部署は女性社員が多い。だから君たちは配慮する必要がある。そうすればお互いに気持ちよく仕事ができるはず。」と、丸川局長は二人に対して言った。

 16時になり遅番の今井と坂木が出社して来た。

「坂木さんと今井さん、こんにちは。それより今日は、差し立て荷物が多いので頑張ってね。あと午前出しの荷物が問題行為発生で、全然処理できていないの。だからしっかり区分お願いね!」と、宮森は言った。

「わかった!今から頑張れば、なんとか間に合いそう。午前だしの最初のトラックが出るのは、17:20それまでに何とかする。みんなやるぞ!」と、坂木は答えた。そして宮森もレーンに加わり作業する。

 最後の午前締切の一般が終了するのは17時前のことだった。最後のキャンセルを藤堂が打鍵して処理し、手区分を合わせて発送作業に移る。

「おい!もう時間ないぞ!みな急いで作業お願い!」と、矢野が指示の放送をする。

「みんなここからが勝負だよ。行き先を間違えないようにして速やかに積み込んでいくよ。」と、坂木は言った。そしてすべての荷物がロールパレットに積み終わり、無事出発ホームに並べられたが、トラックはもうすでに到着して待っている状態であった。

 

 そして午後差出の荷物が来るまでの間に、ノーステップと八王子市のリサイクルショップの商品の発送作業にあたる。

「よっしゃ!ノーステップ流すよ!みんな準備してね!」と、木下が放送で呼びかける。ブザーが鳴り区分機がものすごい音を立てて動き出す。大量の荷物を処理していく。

 安原は重量物の取り扱いが厳しいので、円と落合に応援を頼む。そして彼女はフラットソーターのところでの作業をする。

「あの~落合さん、私もう重量物の取り扱いが厳しいので、薄物区分機の作業に移動させてください。」と、安原は頼む。すると落合は、「いいよ。すぐに行って作業して!」と、言って引き受けた。

 宮森がいつものように車に乗って法人向け集荷から帰ってくると、安原にゆうパックを渡した。

「今日は珍しいねえ。安原さんが薄物区分機の作業とは。」と、宮森は言ったとき安原はこう答えた。

「ええ!ちょっとレーンでの作業は疲れたので、こっちにさせてもらいました。」と、安原は言った。

 無事にノーステップの商品を半分供給し終わる頃、いよいよ八王子市のリサイクルショップの商品の供給が始まるのと同時に、午後差出のゆうパックの到着が始まる。

「おい!大量にあるのにまだ処理終わらないのか!」と、円が怒り出す。

「すみません。まだまだ処理が終わる気配がありません。」と、本田は言う。

「とにかくもう少しペースあげてもらえないかなあ?このままでは時間内に終わらない。何とかしてほしい。」と、円は答えた。

 一方のレーンでは、藤堂と今井がシュートから落ちてくるゆうパックを正しい行先のロールパレットへ積み込んでいく。「管内便はどれかなあ?」「川越はどれ?」「さてどこへ入れようかなあ?」とか、今井はそう思いながら作業するので処理が遅い。それを見た藤堂は、「何もたもた作業しているの!もっと早く処理しなさい!」と、焦りから言ってしまう。それを見た佐倉は、今井に指導する。

「まあ壊れ物でなければ、投げるしかないなあ?」と言って、今井のレーンに入り応援する。そして大量のゆうパックが瞬く間に片付いた。

 しかしまだノーステップと午後差出のゆうパックがかなりの台数残っている状況であった。さらにキャンセルも4台ほどある。ノーステップとキャンセルは、すべてを藤堂と木下が打鍵処理する。

 そして宮森は、車で事務所や店舗を回り集荷にあったっていた。

「今日は集荷が多いなあ。」と宮森は思いながら、車を走らせ大急ぎで郵便局へ戻った。戻るや否やすぐに薄物と箱、紙袋を仕分け、薄物区分機の作業をしている安原へプラケースに入れて渡す。

「今日は薄物だけでもかなりの数があるから、気を付けて作業してね。」と、宮森は言った。そして自分のデスクにつくと、矢野と小笠原とともに差し立てをする。JRコンテナやトラックの手配、スケジュール管理に追われていた。

「今日は荷物が本当に多い。営業が頑張って大口をいくつも取ってきたからかなあ?」と、矢野が言うと

「そうね。今日から新しく八王子市のリサイクルショップとかも加わったらからなあ?」と、小笠原は矢野へ返事をした。

 

 一方のレーンでは、大量のゆうパックを処理している。キャンセルとノーステップが終わり、ようやく残りの一般物が供給可能な状態になる。皆が息を合わせて、全国へゆうパックを差し出していく。

「4レーン手伝って」や「5レーン・終点手伝って」などと、葛城課長は放送で指示し区分機が止まらないようにする。

 つかの間の休憩の際、今度は国際郵便の発送が始まる。海外あての郵便物も非常に多く、エレベーターでロールパレットがたくさん降ろされてくる。それらを指定の出発ホームに並べて発送する。

「国際発送開始」と、遠藤が言っていた。しかし人手不足なので、木下と今井も応援していた。さらに普通郵便が満載されたアルミパレットも大量に降りてくる。

 再び供給時間になり、大量のゆうパックがベルトコンベアに流れている。

 そして九州沖縄航空、北海道東北、新東京多摩上り雑の時間を迎えた。レーンにあるロールパレットで九州沖縄航空、北海道東北のものを発送差し立てに入る。手区分のものをレーンにあるロールパレットやロールBoxの隙間に詰め込んでいく。詰め終るといつものように出発ホームに並べてトラックやコンテナに積み込んで固定する。さらにこの日は、鉄道便もなるべく早く発送することになった。次の関西方面の荷物や航空便でないゆうパックを鉄道輸送するためのものも並行で準備している。500kgを超えたロールBoxは坂木ひとりでは運べないので、安原が応援に駆け付けてふたりで押す。そして22時にこの日も無事にすべての荷物を差し立てすることができた。

 作業が一段落した時に、丸川局長が突然輸送ゆうパック課の様子を見に来て、宮森たちが帰り際にこう話をした。

「皆さん本当にお疲れ様。明日から新人の方が2人武蔵野中央郵便局に来ることになったよ。これで少しは助かる。でもその代り明日、またまた荷物が増えると思う。繁忙期に入る。なんせ今年は、景気が上向いているので荷物が増えるのは当たり前。特にこいのぼりとか子供の日ギフトが多く供給するので、まあみんな頑張ってほしい。」と、彼は言った。宮森は

「え!また荷物が増えるの!それは本当に大変なことになりそうだなあ。世間はゴールデンウィーク前という状況なのに。」と、答えた。

「みなさんにしっかり頑張ってもらいたいだからこうしてわしは来た。」と、丸川局長は言った。

 

 そしてゴールデンウィーク前の最初の繁忙期が始まる。

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