Akatetsu   作:けいはんぐらし!

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第4話 失敗こいちまったぜ!

 ゴールデンウィーク前の差し立てが済み、一休みを迎えた武蔵野中央郵便局であった。いつものように管内便を供給し、数日後より関西からはJPレールエクスプレスではなくトラック便で到着した。

「いつもは鉄道で来るが、しばらくはトラックで来ることになった。理由は簡単、ゴールデンウィークは貨物列車が運休するので走らない。」と、丸川局長は言っていた。

到着は少ない荷物であった。

 しかしこの日の朝7:00、宮森が出社してすぐに問題が発生する。神戸から1本の電話が入った。昨日、神戸へ1つロールパレットの誤送が武蔵野中央郵便局発の荷物で発生、本来行くべき荷物は、宮城県仙台市であった。

「もしもし神戸のものですが、武蔵野中央郵便局の葛城課長をお願します。」と、宮森に電話が入った。

「はい!それでは、課長に電話を回しますね。」と、宮森は言って電話を葛城課長に変えた。

「お電話変わりました。武蔵野中央郵便局の葛城課長ですが、何の御用件ですか?」

「実は赤鉄1台分、仙台宛が神戸に来てしまっているんです。」と、神戸の者が言った。

「それは大変なことになっていますね。」と、葛城課長が返すと

「この繁忙期にこんなことが起きてしまって、こちらも処理が大変ですよ。こっちも人手不足で、酷いことになっています。今すぐ2名神戸に来てください。お願いします。まだ帰省ラッシュ始まっていないので、新幹線にも空きあるので、とにかく来てもらえますか。」と、神戸の者は荒げた口調で言ってきた。

「かしこまりました。9時過ぎの新幹線で武蔵野中央より2名神戸へ向かわせます。」と、葛城課長は言った。

そしてこの際に、葛城課長はすぐに丸川局長へ電話を掛けた。

「はいはい、丸川ですが。」

「輸送ゆうパック課の葛城課長ですが、今大変なことになったんです。」

「誤送ですよ。それもロールパレット1台分!困ったことに人員を2名神戸へ派遣しろと言っていています。」と、葛城課長が言うと

「すぐにこの処理に慣れているのは、現場を熟知している三毛猫と事務が得意な小笠原を行かせるといい。その組み合わせが最高だと思う。すぐに新幹線を手配して、その二人を神戸に行かせなさい。」と、丸川局長は言った。

そして葛城課長は、すぐに小笠原と三毛猫を電話で「すぐに郵便局へ出社してくれ!」と電話をした。

 

 寝ぼけて私服のTシャツにシーパンで三毛猫は出社して来た。すぐに葛城課長は、

「大変なことになった。昨日差し立てた仙台宛のロールパレットのうち赤鉄1台が神戸へ行ってしまった。君ならあの郵便局に慣れているので、小笠原さんと一緒に緊急出張をお願いできないかなあ?」と、言うと

「オオライ!承知です!」と言って行動に移った。

「ちゃんと小笠原さんを道や庁舎で迷わないようにしてあげてね。」と、葛城課長は念を押した。

小笠原が出社して来た。いつものようにゴスロリワンピースに身を包み、颯爽と現れた。

「あ!小笠原さん!昨日差し立てた仙台宛のロールパレットのうち赤鉄1台が神戸へ行ってしまった。今から三毛猫君と一緒に緊急出張をお願いできないかなあ?君は事務に慣れているんで、行ってほしいです。」と、葛城課長が言った時、

「まあ私もいいですよ。今から新幹線を手配します。」と、言ってデスクへ行った。

 矢野が出社して来た。

「なんだか今日は、朝っぱらから騒がしいねえ。」と、矢野が言った。

「実は今日、昨日差し立てた仙台宛のロールパレットのうち赤鉄1台が神戸へ行ってしまったみたいです。さらに向こうの郵便局も人手不足になっているみたいです。」と、宮森は言った。

「へえ、それってシャレにならないことだね。完璧に誤送の域を超えた誤送だね。誰があんなことをやらかしたのだろう。」と、矢野が言った。

「おそらく木下か高梨のどちらかだと思います。」と、宮森は言った。

 そして指示を受けた三毛猫と小笠原は、神戸へ向け出発した。

 

 荷物はこの日は少し多いが、本田、井口、宮森、山田、円、藤堂がレーンに入って作業していた。供給は、高梨がやっているが相変わらず手際が悪い。

そして矢野が区分機の投入口にやってきた。

「ちょっと、お酒と割れ物を絶対に機械にかけないでね。今日は人手不足で困っているのよ。」と、矢野が言った。すると「しゃ~す。」と高梨が返した。

機械での区分がひと段落終わると、今度は手区分に移る。

「あ~なんか疲れちゃったなあ。区分機への供給は気遣いすぎちゃってなあ。」と、高梨が言うと

「あんたがそれを言う資格はない。」と、矢野が返す。

「しかし矢野さんは相変わらず毒舌っすねえ。」と高梨がいた途端

「あんたに言われる筋合いはない!」と、矢野が怒り出した。

 この日は三毛猫と小笠原は、緊急出張に行ったため人手不足となった。そのため木下が10時半に繰り下げで出社してきた。

「おはようございます。みなさん」と言って、企画の宮森と矢野に挨拶をする。

「こんなに朝早くからご苦労だね。」と、様子を見に来た丸川局長は木下へ言った。

武蔵野中央郵便局では誤送の対応と新東京多摩下り雑の処理をしていた。大量のゆうパック積載のロールパレットが押し寄せていた。ゴールデンウィーク前に注文した品物や企業の書類などが到着していた。人手不足の中、杉江が台車で薄物の詰まったプラケースを円から受け取って、薄物用の区分機に入れて処理していた。安原と藤堂は、いつも通りレーンに入り区分していた。

 

 しかし武蔵野中央郵便局に全国から到着する供給作業が一段落してすぐ、レーンでは木下と円が言い争っていた。理由はスポットクーラーを使いたいとばかり言っていることであった。

「木下さん、まだクーラーを使うのは早いですよ。だからなんでこの季節にクーラーつけているんですか。」と円が言うと

「だから暑いんですよ。供給作業は動き回るから暑くて仕方がない。」と、木下が言った。

それを見た宮森は、区分機の投入口に行く。

「そうしたのですか?」と、宮森は円に質問すると、

「いや~木下さんが消しても、消してもクーラーをつけちゃって。」と、円が答えた。

「ここって熱こもるし、区分機からも発熱するからなあ。」と木下が言うと

「いえ全然そんなこともない。」と、円が言う。

「まあ寒かったら作業着を着ればいいんじゃないですか?」と木下が言う

「暑かったら脱げばいいんじゃないですか。」と円は言い張る。

「これ以上脱げねえよ!裸になってしまう!」と木下が言う。

「背中にチャックついていますよ!」と円はいうと

「ついてねえよ。」と、木下が答えた。すると円は

「太っているから暑いんですよ。」と急所を突いたことを言う。すると木下は、

「かぁっ!傷つくなあ、その言い方。第一俺、このゆうパックの業務についてから1キロも痩せたんですよ。」と答えた。すると円は

「1キロも痩せたってわかりませんよ。」と言う。

「第一頭冷やさないと、区分機に壊れ物や薄物を流してしまうもん。」と、木下が言ったとたん

「”もん”じゃないっすよ!」と、円は言った。

すると湯沸し室の電子レンジが止まる時間になる。

「あ!ご飯温まった!から揚げ!から揚げ!」と言って、供給から離れる始末であった。

「ったくもう!」と円は言って、スポットクーラーの電源を切った。

 

 そして少し早い休憩に入った。その時、宮森がレーンから戻ってきた安原と会話をした。

「あ!おいちゃん!今日ずかちゃん初めてのアニメ声優のオーディションなんだって。」と、安原が言った。すると宮森は

「へえそうなんだ。受かってほしいなあ。えまちゃんには、連絡あったのだね。」と、言った。

「ずかちゃん、オーディションに受かってくれるといいね。」と、安原は言った。

「それじゃ、みんなで受かるようにお願いに行こうか。」と、安原は提案する。するとそこへ木下が通りかがる。宮森と安原は「お疲れ様で~す!」と、木下に声をかけるが「かっら揚げ!かっら揚げ!から揚げ!!」と彼は言いながら、大量のから揚げの載った皿を持って、戻ってきた。

しかし木下が現場に戻ると

「誰だよ、クーラー切ったの!」と、木下の怒鳴り声が聞こえてきた。

 

 一方の三毛猫はルンルンであった。そう大好きなゴスロリ様こと小笠原と一緒に出掛けられるためであった。さらに久しぶりに神戸へ戻れるのも、彼にとってはよかったみたいであった。

「大好きな小笠原さんと一緒に新幹線。それも隣の席にいる憧れの女性だもんなあ。あ!でもまずは仕事仕事!」と、三毛猫は思っていた。東京駅から岡山行きのN700Aのぞみ号に乗って、新神戸へ向かうことになった。新幹線に乗り込み前に、小笠原と共に昼食の弁当を購入し新幹線に乗りこんだ。車内でかなり早めの昼食を済ませ終わると三毛猫はこんなことを言い出した。

「あの~小笠原さん少しお願いがあるんですが、少しいいですか?」

「ええ何の御用ですか?」と、小笠原は言うと

「実は少しだけ、小笠原さんと手をつなぎたいのですがいいですか。」と、三毛猫は言った。

「かまいませんよ。少しだけなら特別に・・・」と、小笠原は了承してくれた。

そして二人は手を繋いだ。この瞬間に、三毛猫は大興奮の状態になった。

 新神戸へ着くと、神戸の郵便局の方が車で待っていた。

「到着待っていました。あと久しぶりだね、三毛猫君。」と言って、公用車のセダンに乗り込んだ。

神戸の郵便局に到着するや否や、小笠原と三毛猫は武蔵野から来た仙台宛のロールパレットの惨状を目の当たりにする。

「これは酷いなあ。とりあえず入力処理してから誤送のしるしを付けます。航空便に回せるものは当日臨時扱いで処理します。まあ陸路のみなるものは、鉄道便で神戸から仙台へ送ります。どちらも日付と時間指定のあるものと、ないものをここで仕分けていきます。」と、三毛猫は言った。

 

 一方の宮森は、誤送で埼玉県川越市の川越中央郵便局へ走っていた。今度は20個ほど武蔵野中央郵便局に来るはずのゆうパックが、なぜか川越市へ行っていたためであった。荷物を回収しスズキのアルトに積み込み、武蔵野中央郵便局へ急いで帰った。

 昼からはいつも通りの全国宛になる。しかし人手不足の影響は、確実に出ていた。大学生の今井も、早めに出社し、15時から業務にあたることになった。宮森が川越から武蔵野に帰る頃に、信号待ちの車内から携帯でこのことを今井に知らせた。

 そして神戸では、三毛猫と小笠原は荷物の確認を行いながら誤送処理に担当していた。すべての荷物は、14時半に処理が終わり、15時50分発の伊丹発仙台行の航空便で無事に発送された。三毛猫が神戸の古巣に久しぶりに帰ったので、同僚とも久しぶりの話をしてから、武蔵野中央郵便局の葛城課長と丸川局長へ電話で業務完了の報告をした。

「もしもし三毛猫ですが、葛城課長をお願いします。」と矢野に電話をする。

「もしもし三毛猫ですが、先ほど誤送の仙台宛ゆうパック処理完了しました。急ぎの荷物は、航空便でそれ以外は神戸発の荷物と混載しました。」と、三毛猫は報告した。

「お仕事ご苦労様です。まあ無事に処理が終わったのはよかったです。」と、葛城課長は返す。そして

「折角神戸まで戻ったので、実家によって帰っていいですか?」と、三毛猫が言うと、

「これは私ではなく、丸川局長に聞いてほしいなあ。何とも言えないので。」と、課長は言った。そして丸川局長に電話を回し聞くと、

「いいよ。まあいつも三毛猫君は”ふるさと小包”を買って実家に送ってくれているからね。たまには帰ったらいいじゃないのかね。」と、丸川局長は言った。

そして小笠原とともに須磨にある三毛猫の実家へ向かった。JR神戸駅から久しぶりに乗る207系。三毛猫はいろんな思いを胸に電車に乗り込んだ。

「俺実はあの辺でよく鉄道を撮っていた。」と、三毛猫が言うと小笠原は

「へえそうなんですか。写真の趣味があったなんて初めて知りました。」

須磨駅に着くと、改札を出て南側にあるデッキへ向かう。

「ここから海をよく見たなあ。この町が俺を生んだ町なんだよ。夏になると海水浴客であふれるんだ。」と、三毛猫は言った。

 

その後二人は、手土産の地酒を買うために駅前の酒屋に寄った。

「ここでよく猫を触っていたなあ。」と三毛猫は言った。すると

「井口さんみたいですね。あの方も井の頭公園で、猫を触っていますよ。」と、小笠原は言った。

「へえそうなんですか。今度聞いてみます。」と、三毛猫は返事をした。

急な坂を上がり切ってから、しばらく歩いた先にある三毛猫の実家に着いた。

「ただいま。あ!紹介する、武蔵野中央郵便局の輸送ゆうパック課の小笠原綸子さんや。」と、三毛猫は言った。

「初めまして、お世話になります。小笠原綸子と申します。お邪魔します。」と、小笠原は挨拶をした。

「まあ遠いところお越しいただきありがとうございます。ゆっくりしていってね。」と、三毛猫の母親は言った。小笠原はリビングでくつろぐと思ったが、

「三毛猫君、少しあなたの実家の部屋を見せてくれる?」と、言った。「承知です。」と言って、彼の部屋へ行った。

「へえこんな感じなんですか。」と、小笠原は三毛猫の部屋を見て言った。

「まあ学生時代はいろいろあったけど、今はもう東京に持って行っているからなあ。ここにアニメグッズがあったかなあ?」と、三毛猫は言った。次に三毛猫は小笠原とともにキッチンへ行った。

「これ、親に毎月買ってやっているの。四季のごちそう便とふるさと小包!」と、三毛猫が言うと

「へえ親孝行ですね。少し感心します。」と、小笠原は言った。

「まあノルマも達成できるし、親も喜んでいるからなあ。いいものがあると言っている。毎月カタログを私から送っているのだよ。で、リクエストしてくる。」と、三毛猫は言った。

「あとこれも親に預けている。年末に発売される、お年玉付き切手2万円自爆しているよ。これで長田のうまい肉屋から牛肉がチルドゆうパックで届く。」とも三毛猫は言った。小笠原は感心した様子で聞いていた。

二人は三毛猫の実家で夕食を食事して、小笠原は三毛猫の母親と会話した。

19時の新幹線に新神戸から乗って東京へ戻った。

「日帰り出張は疲れるなあ。」と、三毛猫は帰りの新幹線の中で小笠原へ言った。

 

[newpage]

 一方武蔵野中央郵便局では、ゴールデンウィーク前の最後の繁忙期差し立てが行われていた。宮森と矢野も手区分作業に従事していた。

「三毛猫君がいないとEMSの区分に時間がかかるなあ。」と、矢野は言いながら東京国際から到着した荷物の区分をしていた。

「まあ仕方がないですよ。とにかくこの繁忙期に出張となったら。」と、宮森が返事をした。

そういいながら高梨と3人でEMSを区分して3号便で発送した。

そうこうしているうちに15時になり、今井が出社してきた。

「無理言ってすまないね。二人も出張に行ってしまったので。」と、葛城課長は言うと

「いえいえ、まあ私も今日は、授業も早く終わったので来ました。」と、今井は返した。

「じゃあさっそく全国差し立てのレーンに入ってくれる?」と、山田が言った。

この日は、帰省客の荷物で区分が大変であった。手区分へ回る荷物(スーツケースなど)がほとんどで、供給の山田と円が作業にあったっていた。手区分に回される荷物はロールパレットに残し、箱と紙袋を区分機に投入していた。薄物は杉江が回収し、彼が薄物区分機に投入し処理していた。

「いよいよ繁忙期の最終日、輸送ゆうパック課の皆さん頑張ってほしいなあ。」と、丸川局長は言った。

武蔵野中央の管轄で最も遠い場所にある東村山市の午前締切の荷物が到着したのは16時だった。

 

 そしてこの日は、坂木はオーディションで休みとなった。人手不足の状況で繁忙期の最終日を乗り切る。

宮森と矢野も、手区分で頑張っていた。

「もう法人は休みに入りましたし、ノーステップと八王子の法人発送もなし、そして集荷する薄物もないからなあ。」と、宮森が言うと

「確かにね。さらに2人も出張になれば大変だよ。しかし高梨はどこへ行ったのだろ。さっきから手区分にいない。」と、矢野は言っていた。そこへようやく高梨が戻ってきた。

「どこへ行っていたの高梨!」と、矢野は質問すると

「いや~トイレ行っていて遅くなってしまった。」と、高梨が嘘くさいことを言う。

「嘘言うな!絶対に遊んでいたでしょ!食堂か湯沸室でスマホやっていたのでしょ!」と、きつい質問を矢野はした。

「いや~図星だよ。すみませ~んでした!」と、高梨が言った途端、矢野が再び切れた。そして彼女は、そこにあったファイルで高梨の頭を叩いた。

「宮森、こいつの相手をしないで、さっさとチルド便の様子見てきて?」と、矢野がお願いした。

そして時間内に午前締切の荷物はすべて処理し終わったのは、17時前のことだった。最初のトラックは、出発ホームの前に来て普通郵便のアルミパレットが積載されていた時間でもあった。

 

少しの休憩をはさんだ後、今度は午後差出のゆうパックの区分が始まった。人手不足の中で、区分は皆の努力で20時半には終了し全国への発送作業へ入った。ロールパレットの荷物の伝票に記載されている住所と最終確認を皆が行い、行き先の紙に検査した者が印鑑を押す。そしてゴールデンウィーク前の最後の鉄道便の発送が始まる。すべての荷物が目的地へ向けて旅立つ頃、宮森と矢野が帰る時間となった。

「次皆さんのお会いするのは、ゴールデンウィーク明けですね。」と、宮森は言っていた。

そして二人は「お疲れ様です。」と言って、帰って行った。

 

ゴールデンウィーク期間中は、企画の宮森と矢野、区分係では木下と安原、藤堂、杉江は休みになった。その後は差し立ての区分係は3日おきに交代で出社する。小笠原は神戸から帰った翌日1日だけ出社して、三毛猫とともに丸川局長と葛城課長へ出張報告をしていた。その後、三毛猫は普通郵便課と国際郵便の区分業務を行っていた。

 

ゴールデンウィーク前の繁忙期は過ぎ本格的な休みに入った。街は静けさがあった。輸送ゆうパック課では区分機の整備のためにエンジニアが来て、全国差し立てはせず整備していた。そして通期の区分や次の夏の繁忙期に備える準備をしていた。全国差し立てはすべて新東京多摩で行われることになり、武蔵野中央での作業は、各地方別にロールBoxへ分けるのと、到着したゆうパックの地域宛区分と武蔵野中央が配達するものだけとなっていた。

 

 

ゴールデンウィーク明けの最初の平日、朝7時からこの日は通常モードに戻った。宮森は木下と共に早朝に出社した。しかし木下が仙台宛を誤送したことが分かり、本田は怒り狂っていた。彼は朝から

「木下さん、なぜあんなことをしたのですか?なぜ紙を貼らずに発送したのか?」と、本田は言う。

「うん!やった!」と、木下が言った途端、

「じゃああの時、なぜ最終確認をしなかったのですか。」と、本田は返した。

「しなかった。」と、木下が言った途端、

「あれって、どんなに損害が出たと思うのですか。」と、本田は怒った。

「そんなの知らないよ。」と木下が言うと、

「繁忙期に神戸で人手不足が重なって、三毛猫と小笠原が新幹線で走ったばっかりか、航空便を臨時に手配したので、軽く15万円以上も経費が掛かったのですよ。」と、本田は怒った。

「いや~あの時忙しかったし、供給作業をして暑くて注意散漫だったのだよなあ。・・・・・・って、言い訳しても無駄かなあ?」と、木下はしらを切った。そして円は、

「じゃあ、供給エリアをガンガン寒くしてあげましょうか。」と言って、スポットクーラーの温度を下げた。

「ガンガン寒くしてください。マイナスまで行っちゃってください。」と、本田も言った。そして彼は、

「じゃああの日、何があったか正確に教えてください。包み隠さずお願いします。」と、本田は念を押した。

 

さらに遠藤と高梨が喧嘩をして、小競り合いとなっていた。高梨が

「遠藤さん、もっと楽しく仕事しましょうよ。いい加減機嫌直してくださいよ。遠藤さんも大人気ないよなあ。」と、言った途端、

「大人気ないのは、お前の方だろ!」と、遠藤は言った。

 

 武蔵野中央郵便局では、再び問題発生の予感がしていた。

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