武蔵野中央郵便局はいつも通りの業務に戻った。朝からいつも通り関西と管内の荷物を区分していた。
しかしこの日は、何かが違った。先日あった仙台宛の赤鉄(ロールパレット)を神戸へ誤送した件に関しての会議があった。この会議には、三毛猫も参加していた。
ついに報告結果による会議が、輸送ゆうパック課の会議室で始まった。
「万策尽きたああああああ」と、本田は言っていた。
「理由は木下がこの件について、知っています。本人はあの日、忙しさのあまり行き先の紙を貼らずに赤鉄を出してしまい、それを知らずに関西の一時ロールパレット貯留エリア入れた模様です。そして神戸行と勘違いして誤送しました。」と、本田は言った。
「まあこの手の誤送は異常事態だなあ。木下君には少し処分を受けてもらう必要がある。本人の気の緩みが原因で、大損害が発生した。幸い補償と遺失がなかったのはよかったですが、これは大問題です。」と、三毛猫は言った。するとゆうちょ銀行営業の興津が
「あの部屋使う?」とアドバイスをする。
「塵芥室ですか。」と、本田は言うと三毛猫は
「それで行きましょう。もう反省するまでの間、入ってもらうしかないようです。あと減給とボーナスカットも・・・そして本人の嫌いな営業にも・・・」と、言った。
「営業は私が”いろは”を少し伝授しますね。」と、興津が言うと
「お願いします。」と、三毛猫は言った。
「三毛猫君は、いつも1万円ぐらい毎月コツコツ営業してくれているみたいだねえ。それが一番大事なんだよ。」と、丸川局長は言った。
何も知らされていない木下は、庁舎1階の塵芥室に来ていた。部屋の前には本田の姿があった。
「まあ入ってください。」と、本田は冷めた声で言った。
「へえこの部屋に何か用があるの?」と、木下が言って部屋に入った。その時、本田は木下を塵芥室へ閉じ込めた。
「お前!はめたな!」と、木下が言うと
「先日大誤送をしたので、しばらくはここで業務にあたってもらいます。ごみの区分です。きちっと空き缶空き瓶ペットボトル、キャップはアルミ、鉄、プラスチックに分けてリサイクルに出してください。あと紙は、新聞、雑誌、その他紙、シュレッダー屑、段ボールに分けてください。あと可燃ごみなどはそこのマニュアルがあるので、わからないときは読んでください。」と、本田は言って、
「あとこの業務をさぼったら、電話で注意します。監視カメラで見ていますよ。」と、念を押した。すると
「いやだ~!ヤダヤダヤダヤダヤダヤダ!こんなのやりたくないよ~!」と、木下はダダをこねると
「ダダこねても無駄ですよ。ここでごみの区分業務をやってください。」と、本田は強い口調で言った。
「で、トイレはどこでするの?」と、木下が聞くと
「そこに汚物流しがあるでしょ。あれにそこに置いてある板をかぶせて用を足してください。」と、本田は言った。木下の気分は、完全に絶望のドン底へ突き落された様子であった。
そしてレーンでは、遠藤と下柳が意見の相違で喧嘩をしていた。理由は区分のやり方であった。さらに関係を悪化させた原因は、やはりトラブルメーカーの高梨にあった。
「見ていて遠藤さんを何で止めてくれないんだ。宮森!なんで俺の話を聞かないんだ!」と、高梨が言った。
「まあ私は誤送対応等で、忙しかったので。」と、宮森は答えた。
「遠藤さんのこと、課長などへ報告しないのですか?」と、宮森は高梨に言うと
「今日は休みだろ!それに先日の問題もあったので、これ以上負担かけたくないよ。」と、高梨は答えた。
「やっぱ何かあったの?高梨!」と、矢野が来ると
「いや~宮森が俺に相談したいことがあって・・・」と高梨が返すと
「え!」と、宮森は言った。
「いや~仕事の話ではなくて、プライベートの話で、俺に相談しやすいタイプで・・・ここでは話しにくいから、世話が焼けるなあ。」と、矢野に対して高梨が言った。しかし宮森は
「何言っているんですか!!」と、答えた。
そして宮森と高梨はチルド室へ向かった。
「課長に相談できないのなら、矢野さんに相談したほうがいいんじゃないですか?」と、宮森は言う。しかし
「矢野さん怖いんだもん。宮森こわくないもん!」と、高梨が言った。
「ふう~!もうデスクへ戻ります。これからいろいろやらなきゃいけないので。」と、宮森は言ったとき、
「いやいやそうじゃなくって、宮森やさしいから聞いてくれるよね。みんな大人気なくって、やんなっちゃうよ。」と、高梨が言った。
「高梨さんの愚痴じゃなくって、遠藤さんは何であんなことになっちゃたんですか。」と、宮森が質問すると高梨がこう答えた。
「まあ昨日、下柳さんとちょっともめて、あんなことに・・・」
「そうなのか!」と、宮森は言った。そして高梨は
「事件はこの武蔵野中央郵便局で始まった。」と、言ってこの件の詳細について話し始めた。
実は昨日、武蔵野中央郵便局に到着するゆうパックが増えていた。理由はUターンになって帰省先から勤務地への荷物到着があったからだ。配達日を1日以上かかる鉄道便を利用するゆうパックの割引が始まっていたので、航空便よりシフトされたとはいえ輸送量が増加しまくり、皆が大量の荷物を区分していた。ほとんど区分機が使えないものばかりで、それらを手作業で区分していた。その時に積み方について下柳と遠藤はトラブルになった。下柳がスーツケースを積んでいた時に、使うロールパレットの種類でもめていた。地域宛の積み替え時、赤鉄の100kgを使うのに下柳が新型プラパレットばかり使っていた。それを見た高梨が
「遠藤さん、なぜ赤鉄パレットばかり使うんですか?」と聞いた。
「まあこれは、ロールパレット自体に重量があるから安定するのだよ。それに容積比がちょうどスーツケースにあうんだ。」と、遠藤は言った。そして彼は、下柳らが積んだ荷物から区分検査ついでに積み替えをしていた。すると
「遠藤さんもそんな手間なことしないでください。折角区分したので、このまま発送しちゃいましょうよ。」と、下柳が言った。
「そうそう、そんな手間なことしてまで、赤鉄へ積み替えしなくてもいいと思いますよ。古臭い鉄檻型のロールパレットの時代は終わったのですよ。もう時代は軽量ロールパレットですよ。」と、高梨が遠藤に対して言った。すると
「はあ!私はそんなはずはない。じゃあ鉄檻の赤鉄は不要と言うことか。」と、大声で高梨を怒鳴りつけた。
「もういい!俺は上の階で信書を区分してくる!」と言って、遠藤は自分のヘルメットを投げ捨てて出て行ってしまった。それ以降、手区分は気まずい空気は張りつめていた。また翌日、出勤簿には遠藤の出社のしるしがあった。しかし彼の姿はなく、予想通り特殊郵便課で国際郵便の区分をしていた。その様子を見て、高梨は貨物用エレベーターで特殊郵便課へ行って遠藤を呼び出した。
「遠藤さん、いつまでもすねてないで、ゆうパック課に帰ってください。」と、高梨が言った途端
「は~!お前!また赤鉄へケチつけるんだよなあ。」と、遠藤は言って怒っていたばかりか、そのまま貨物用エレベーターに高梨を放り込んで強制的に帰らせたぐらいだった。
「とっととこれに乗ってゆうパック課へ戻れ!!!!!」と、遠藤が叫びながら、高梨は強制的に発送する普通郵便が詰まったアルミパレット4台とともに1階へ送られた。
一連の話を聞いていた宮森は
「どう考えても高梨さんに問題があるように思えます。」と、言っただけだった。
「だからこの件を相談したいんだよ。」と、高梨が返すと
「もうこの件は、国際郵便の区分をしている三毛猫君へ相談するしかないなあ。あと本田さんや葛城課長へも相談しておく必要があるなあ。」とも、宮森は言った。
「うわ~それだけは堪忍してほしい・・・」と、高梨が返すと
「もうすでにまずい状況でもある。このままでは、遠藤さんなしで区分しなければならないんだよ。」と、宮森は言っていた。
まだ午前中の全国到着の荷物は少なく、区分検査できる状態ではあった。九州航空便がUターンラッシュで運休になったので、ゆうパックは臨時鉄道便で運搬されることになった。そして少し通常業務に戻りつつあった。
配達では瀬川が道順仕立てを行っていた。そして配達するゆうパックを京橋に託す。
「京橋さん、お気をつけて配達行ってください。」と、瀬川が言うと
「ありがとうございます。それでは、無事故無違反無遺失で行ってきます。」と、京橋は返事をして自分の集配車に乗り込んで配達へ向かった。
昼から全国へ発送する荷物は増加する傾向にあった。自分の昼休みが終わってすぐに、宮森のデスクへ集荷の電話が入った。いつもの会社が急ぎ扱いのゆうパック集荷要請であった。それを受けた宮森は、いつも通り車で事務所へ集荷に向かった。
宮森が事務所の集荷を終えて局へ戻る際、あの佐川のハイエースがいた。宮森は再びバトルすることになった。そしてドリフトしながらコーナーを抜け、局へ先回りした。そして到着ホームに一番乗りする。
「またお前か!宮森あおい!」と、富ヶ谷が言うと
「すみません富ヶ谷さん。急ぐので」と、宮森は言ってゆうパックを持って急いで行った。
昼からネット販売のノーステップが、ロールパレット30台分の荷物を発送するためにやってきた。
「通販は本当に多いなあ。まあゴールデンウィーク明けだからかなあ。」と矢野が言うと、
「そうですとも。今まで発送が溜まっていたから、ようやく今日発送できる状態になった。」と、小笠原が答えた。さらに八王子のリサイクルショップも、ロールパレット5台分の発送が重なっていた。
一方の特殊郵便課では、三毛猫が不思議そうな顔でいた。そう遠藤がずっと国際郵便の区分をするからだった。その様子について三毛猫は気にしていた。
「遠藤さんは普段、輸送ゆうパック課でゆうパックの区分じゃないですか?」と、三毛猫は言った。すると
「まあもう下での作業はしたくない。こっちも以前やっていたからな。」と、遠藤は答えた。
「そうですが、少し私も心配です。ゆうパックの業務に支障が出なければいいですが。」と、三毛猫は何があったか気にしつつもそう言ってから、自分の業務に集中していた。
三毛猫の心配は的中した。すぐに彼の内線電話が鳴った。
「あ!ご苦労様です。輸送ゆうパック課の小笠原ですが、至急ゆうパック応援お願いします。」
「確認オオライ!すぐに向かいます!」と、三毛猫は言った。そして三毛猫が輸送ゆうパック課に入ると、大量の午前差出ゆうパックがあった。
「もう遠藤さんと木下さんがいないから、供給係が不足してね。私も円さんも疲れるから、三毛猫君の応援もお願いしたのだよ。」と、山田は言った。そして三毛猫と山田、円の3人で供給作業を行った。
打鍵はいつも通り藤堂が行っていた。そしてノーステップの商品供給へ移った。
「今日はトマトの水煮缶の特売があったみたいだなあ。さらにスパゲッティも・・・20kg入りまでくる。イタリアンセールでもあったのかなあ?」と、三毛猫は言った。この日発送するもののほとんどが重量物。30分おきに供給と区分を交代していた。打鍵の藤堂も疲れの表情を見せ始めた。そして一旦機械を止めて、5分間の休憩を取った。
宮森が局へ戻ってから、彼女は矢野と小笠原とともにデスクでJR貨物へコンテナの手配に追われていた。この日、武蔵野中央から発送するゆうパックの量がいつもより多かったためであった。
「そろそろ午前締切の荷物が終わるところですが、終わる気配がないなあ。」と、矢野は思っていた。
そしてまた宮森の電話が鳴った。やはり集荷のお願いであった。
「やっぱり集荷の連絡多いですね。宮森さん。」と、矢野が言うと
「まあゴールデンウィーク明けだから、書類の発送も多いのかもしれませんね。」と、宮森が返し集荷へ向かった。
局での区分作業は再開した。差し立て時間が遅い管内は後回しにしつつ、全国宛の午前締切を優先的に処理することになった。新東京多摩上り雑は、もう午前締切のロールBoxは満杯になっていた。
16時になり、坂木が出社してきた。安原は薄物の機械区分にまわすゆうパックを、区分機投入口から回収して台車で運んでいた。
「あ!ずかちゃん!この前のオーディションどうだった?」と、安原が言うと
「う~ん、残念な結果になった。でもトレーニングを頑張って、これからもオーディション受かるように頑張るよ。」と、坂木は答えた。そしてレーンに入って、ゆうパックの区分に入った。
「5レーンちょっと手伝って」と、本田は放送を流す。すぐに山田が供給から駆け付け、坂木をフォローした。そして午前締切の差し立ての追い込みに入った。すべての荷物は、何とか16:20には区分完了となった。午前締め切りの九州航空、北海道航空、新東京多摩上り雑のロールパレットやロールBoxを出発ホームに並べる。17時のトラック便に載って、武蔵野中央を後にする。
そして午後差出のゆうパックとノーステップ、管内ゆうパックを供給する。高梨は手区分、安原は薄物と手区分を担当していた。山田と円、三毛猫は供給と区分に交代で入り、坂木と下柳、藤堂、井口はレーンに入っていた。本田は休憩を取っていた。打鍵作業になれば、三毛猫が供給し、下柳が入力していた。18:45になり、機械を止めた。今作業にあたっていた者は、休憩に入った。すると、夜勤に入る本田がやってきた。
「みなさんやっているね。」と、本田がいう。すると
「あったりまえですよ。」と、三毛猫が答えた。
19時ちょうどになり、三毛猫は放送で「今から供給再開します。」と言った。そして区分機を起動し区分していった。すべての処理は20時半に終わり、ゴールデンウィーク明け最初の平日はこうして終わった。
そうこうしているうちに、関西方面の鉄道便、北海道九州航空便の差し立て時間になった。いつも通り出発ホームにロールboxやロールパレットを並べる。そしてコンテナやトラックの荷台に積みこまれ固定される。宮森と矢野、小笠原は帰宅時間を迎え、夜勤に業務を引き継いで帰宅した。
夜間の間は、基本武蔵野中央到着と区分済みロールパレットの発送だけになる。そして5時から午前1号便の区分が始まる。
翌日は通常通り、5時から管内ゆうパックから始まった。そして6時に関西からの最初の便が着いた。
しかしこの日も朝から木下は塵芥室送りであった。まだ反省していない様子であったからだ。本田は
「もう木下さん、反省してもらはないと困ります。この件が今後繰り返されないことを約束できますか?あと木下さんがやったことを十分わかっていますか?」と、本田は言った。
「う~ん、自分もわからない」と、木下が言った。
「わからないでは困ります。」と、本田は返事をした。
その頃、興津が局長室にいた。彼女が木下に営業を教えると、丸川局長へ意見を言いに来ていた。
「まあ本田には内緒になりそうだが、そろそろ塵芥室から連れ出して外回りにだすべきだと思う。あの部屋で反省したと思えば、続いて営業を頑張ってもらうしかないようだなあ。」と、丸川局長は言った。
もうすでに時期は「かもメール」の予約期間になった。さらにふるさと小包やカタログの営業も残っている。そして興津の考えは、区分ではなく営業をさせるというアイディアであった。
区分については、順調であった。鉄道便もトラック便を最初に処理した。9時半に皆は小休憩を取って、新東京多摩下り雑、そして航空便も順調に区分した。武蔵野中央に到着するゆうパックの処理が済んだのは、11:20だった。そしていつも通り2号便で18Xの各郵便局へトラックで差し立てられた。
しかし遠藤は相変わらずこの日も、特殊郵便課で国際郵便の区分だった。
「遠藤さんも、そろそろ仲直りしたほうがいいと思いますよ。」と、三毛猫は言った。
「でもやっぱりまだこっちも怒っている。」と、遠藤は返した。
「もうすでに輸送ゆうパック課も忙しいそうです。あと今日は会議に私が出て意見出しますがねえ。」と、三毛猫は言った。
「それって俺のことか?」と、遠藤が質問すると、
「井口さんのことです。あの方、地域宛ではもったいないので、全国宛をやってもらえないか聞いてみます。」と、三毛猫は言った。
全国宛も13時まで供給なしになった。その間、区分係と矢野は昼食を取り、宮森と小笠原は交代で受け入れ業務にあたっていた。そして皆が戻ってから、宮森と小笠原が食堂へ行った。ゆうパックの量がさほどでもないので、まずは手区分で到着分を処理していた。そしていつも通りEMSを安原と矢野、三毛猫の3人で区分していた。そして3号便で差し立てを行う。
さらにこの日は、急ぎのゆうパックがあった。
「緊急の荷物なので、処理よろしく。」と言って、小笠原が三毛猫へゆうパックを渡した。「OK!」と、三毛猫は言ってから伝票の住所を見て「これは03府中市だね。」と言って、府中行の赤鉄へ荷物を載せた。
そしていよいよ下りのゆうパックを載せたトラックが、18Xの各郵便局から武蔵野中央郵便局へ到着し始める。それらを前日と同じ顔ぶれが処理する。なおこの日は、ノーステップと八王子のリサイクルショップのゆうパックは後から処理した。
高梨は相変わらず手際が悪かった。供給作業をやらせても、投入速度は遅かった。そして三毛猫は
「高梨君、もうすこしペースあげてほしいのだけど!」と、怒り出した。
「わりぃ!」と、高梨は返事をした。
「もう少しスピードが必要だと思う。レーンに入っての区分と違い、伝票の内容物欄だけ注意すれば問題ない。」と、三毛猫は高梨を指導した。
15時になり今井が出社してきた。
「おはようございます。おいちゃん先輩!」と、今井が言う。すると三毛猫は、
「あの~今井さん、もうお昼もお昼15時ですよ。」と、言った。そして四国レーンに入って、区分機から出てきたゆうパックを行先ごとに区分していた。しかしこの日は様子が違った。高松中央宛の紙がロールパレットに貼られてなかった。それに気が付いたのは、なんと杉江だった。
「あの~今井さん、あのロールパレットに行先ないのですが・・・」と言うと、
「すみません。気づかずに作業していました。」と、今井が言った。
「輸送ゆうパック課は細かいことの積み重ね。だから上のフロアの国際郵便と違うから。」と、杉江は言った。今井が注意散漫になっていたのは、明日のゼミが影響している。このことで彼女は頭の中がいっぱいになっていた。それを見た杉江は、すぐに気付いて指導したのであった。
17時になり、坂木は出社してきた。彼女は声優の養成所が終わってから、午後差出のゆうパックの区分をするために来た。しかしこの日は遠藤が抜けていたので、区分係への負担は増えていた。もうすでに安原は限界を迎えてフラフラの状態だった。
「もう少し休んだらいいと思うよ。残りは私がやります。」と言って、落合がやってきて作業を交代した。
そして坂木へ「しっかり頑張ってなっ!」と念を押した。
皆は休憩なしで18:45までゆうパックを処理した。武蔵野中央郵便局下りだけではなく、ノーステップや八王子のリサイクルショップを中心に供給を行い、いつも通り藤堂が打鍵を行った。
19:40に午後締切のゆうパックがほとんど到着した。これ以降は、到着量は少なくなる。そして出発ホームにロールboxやロールパレットを並べていた時に、ついに安原が倒れた。それを見た三毛猫は、すぐに彼女に駆け寄った。
「大丈夫か?けがはないか?」と三毛猫が問いかけると、
「心配ありません。ご迷惑をおかけしました。」と安原は答えた。
「でも安原さん、もう無理はやめて早退したほうがいいですよ。明日もあるので、今日はもう休んでください。私は残業で処理しますよ。」と、三毛猫が言うと
「わかりました。それではお言葉に甘えます。ありがとうございます。あとお疲れ様でした。」と、安原は言って郵便局を後にすることにした。
「さて俺は、一連発起するか!」と言って、残りのゆうパックの区分にあたった。三毛猫と山田は残業し、残りの差し立てを行った。
この日は、繁忙期の学生アルバイトの面接の準備があった。そして配置転換の振り分けがあった日でもあった。20時から輸送ゆうパック課の会議室では、丸川局長と三毛猫、葛城課長の姿があった。
「そろそろ井口さんにも全国宛の処理をお願いできませんか?」と、三毛猫は言った。
「まああの方が優秀なのは事実ですが、地域配達は問題ないですかねえ?」と、葛城課長は言った。
「やっぱり井口さんにも、差し立ての作業に入ってほしいです。」と、三毛猫が言うと
「確かにそうだね。そろそろ来てほしいところだね。繁忙期を迎えるにあたってはね。」と、丸川局長は言った。
「ゆうパックの配達仕立ては、堂本さんと新川さん、瀬川さんにやってもらいます。2名いれば十分まわります。」と、いう結論になった。
次の日はついに一大イベントが待っていた・・・