Rail road girl! レールロードガール!   作:けいはんぐらし!

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9駅 チキへの積み込み

 季節は7月初旬の夏、須磨や舞子の海岸には海水浴客が続々と集まる季節、鉄道は過酷な環境になる。そのためによりいっそ保線は重要となる。それに伴い、レール交換に伴う工事用臨時列車の運転が増える。その作業を津和野と小郡の2人が担当することになった。

 朝から大阪の作業本部には、小郡は休憩室に主任らと朝からコーヒーを片手に世間話をしていた。

「夏に海や川、出来ればプールで泳ぐのやったら、制服のままお願いしたいねぇ!」と、小郡は突然バカな話をする。

「ええ~!制服のままかよ?」と、そこにいた電気課作業担当の大宰府が言うと、

「せやで!大宰府君!」と、小郡は答える。

「へえ?どんなんやねえ?」と、主任の高岡は言う。

「そりゃJKに決まっているわ!!」と、小郡が答えると、

「せやなあ。ほんでも、石山ともかさんにだけはお願いするなよ。」と、高岡が言ったとき、

「わかってるわ!それ!もちろん津和野風香にたのむさ!」と、小郡が答えたときに

「でも僕は、こんな感じのがいいなあ。」と、大宰府がビキニのグラビアを、彼のスマートフォンの画面に出して見せながら言う。

「まあビキニはリゾート感満点でええなあ。」と、小郡は答えるのであった。

「津和野君のファッションはイケテルよなあ。かわいいもん!」と、通りすがりの糸魚川が言うと、

「そうそう、あのロリータやなあ。結構ええ着こなししてる。」と、小郡は答える。

「調べてみたら、ロリータは原宿とかで流行ってそうだからなあ。」と、糸魚川は言う。

「そうそう!一昔前に映画とかあったし!ニッポンのkawaii文化やもん!」と、小郡は言う。

「でも僕の友人は、ロシアン風みたいで嫌とか言っていたのを思い出した。」と、大宰府が言ったとき、

「それ!面と向かって津和野の前で入れる自信あるか?」と、糸魚川が言う。

「う~ん?だめ!」と、大宰府は答えるだけだった。

「だろ!女の子の前で服の文句を言うと、喧嘩になるだけやからやめとけ!」と、糸魚川は言う。

「せやなあ。まあロリータはかわいいもん!ただ“ぶりっ子”にはなるときあるけどねえ?」と、大宰府が言う。

「せやな!」と、糸魚川は言うとき、

「お!そろそろ時間やなあ?小郡君?」と、高岡は言うと、

「そうやなあ?そろそろミーティング行くわ!」と、小郡は言って別れた。

 

 

 ミーティング室に入ると、先日神戸で買ったロリータを着た津和野が先に出社していた。

「みなさんおはよう。」と、新宮は言う。

「おはようございます。」と、全員が言うと、

「今日は向日町の工臨積載補助です。小郡君と津和野君はそれをやってもらうわ。」と、新宮は言う。

「そうですか。じゃあ日中の作業ですね。」と、津和野が言うと、

「せやな。まあレールは定尺レール!鷹取工臨準備を二人にはお願いする!」と、新宮はお願いした。

「津和野君も今回はレールセンターでの業務やなあ。」と、小郡が言うと

「そうですねえ。操車場内のあそこ?」と、津和野は答える。

「せやで!めっちゃ大きいとこやで!向日町操車場!」と、小郡が自慢げに言うと、

「小郡君も工臨はやっていたで。忘れたアカン。」と、

「せやったわ!」と、小郡はとぼけた。

「しかし津和野君は、マルチプルタイタンパーで作業失敗したみたいやなあ。」と、新宮は質問すると、

「確かに、手順を確認せずゴーサインを出してしまいました。」と、津和野は答えた。

「それと見落としや!なあ日中の作業では、それ許されへんで!わかった!理由は言うまでもない!」と、新宮は強めの口調で言う。

「線路閉鎖なしだから。」と、津和野が言うと、

「そのとおりやな!意味わかってや!」と、新宮は念を押す。

「徐行しているとはいえ、区間によっては時速70km/hで特急が突っ込んでくる場所やからなあ。」と、小郡も言った。

「オオライ!です。」と、津和野が言うと、

「操車場は危険がつきものやから、指さし呼称は必須やで。あと今度は誘導もある。心しいや!」と、

「ほんなら事故なく怪我なく行ってな!レールはとてつもなく重いからなあ。」と、新宮は言って解散する。

 

 

 一行は着替えて持ち物などを準備すると、大阪駅へ移動する。そして10:45発の新快速長浜行に乗る。発車メロディーの「やっぱすきやねん」がかかり、223系のV5編成(4連+4連)8両編成新快速は一路高槻を目指し発車する。

「津和野君、今日のはええジャンスカとやったなあ。新作?」と、小郡が言うと

「そうだよ。鉄道にちなんだ柄にした。」と、津和野は答えた。

「へえそうなんや!」と、小郡は言うと

「君の通勤着は人形のような姿やねんなあ。」と、高岡は言う。

「ええ!ロリータファッションですからねえ。」と、津和野は答えると、

「なかなかいい感じやったからなあ。おもちゃがいっぱい印刷されてたなあ。」と、高岡は言った。

「ところで、メイド喫茶とか興味ない?」と、小郡が言うと、

「趣味に合わんなあ。俺は競輪やもん!フェンスに顔を近づけて凝視する!」と、高岡は答えるが、

「ええメイド喫茶は、興味あります。」と、津和野は答えた。

「そやねんなあ。ちょっと聞いてみたんや。」と、小郡は言う。

 

 数10分で新快速は、高槻の新快速ホームより改札を横目に各駅停車に乗り換える。山科のウイスキー工場を抜け、競輪で有名な向日町に着く。

「ほんなら今回の作業場所や!降りよか!」と、高岡は言う。

「ドキドキするなあ。」と、津和野は言っていた。

「チキ6000への積載はすごいで!迫力あるわ!」と、高岡は言う。

「楽しみです。」と、津和野が言うと、

「まずは腹ごしらえや!レールセンターの食堂でカレー食べるぞ!」と、小郡は言うと、

「ええなあ!それ!」と、高岡は言う。

食堂で食事を済ませ、いよいよ作業にかかる。漆のように黒い色に塗られたレール輸送用貨車「チキ6000」が門クレーンの前に止められていた。

「これから定尺レールの積み込みやなあ。」と、小郡は言うと、

「せやでえ。久々やなあ。小郡君!」と、言いながら吉備がやってくる。

「お世話になります。津和野と申します。」と、彼女は言う。

「うわさに聞いた、女性エンジニアやなあ?こんなところまで女の子が来るとわなあ?」と、吉備は言った。

「最近では女性自衛官とか、女性パイロットもいるから、保線にも女の子も出てくるんや!」と、小郡も言う。

「ほんなら作業場所へ行こか!」と、高岡は言って一行は移動する。

 

 

 そして向日町操車場の中心にあるレールセンターへ、一行は向かう。

門型の大きなクレーンのそばでは、ハンドスコッチと手ブレーキで止められたチキ6000がいた。

「津和野君、足元に注意しいや。これからレールの積み込みやからなあ。」と、高岡は言う。

「せやせや!」と、吉備も言う。

「よお!君が新人だねえ。最近女性の社会進出も盛んなんだねえ。」と、丸刈り頭の長島がそう言いつつレール積載準備をしていた。

「はい!こう見えて親も鉄道関係です。」と、津和野が答える。

「そやねんなあ。で、なんや?」と、吉備が尋ねると

「運転士です!それもカシオペア号の!」と、津和野が返した。

「すげえ!ぶったまげた!」と、小郡は驚くどころか、あ然としていた。

「そりゃ鉄道好きになるわ!御嬢さんでもなあ!」と、乗りよく吉備は津和野の肩をたたいた。

「ゆくゆく君は大きくなるなあ。」と、長島も関した様子だった。

「ほんなら工臨への積載を始めよか!」と、高岡は言う。

「レールを治具クランプ(万力)で掴んでから、クレーンで吊り上げ頼むわ。」と、吉備は指示を出す。

「俺は玉掛けやから、クランプ操作やわ!暑いからボケとるな!」と、高岡は言う。

「これからですもんなあ。」と、小郡は言うと、

「緊張しますね。」と、津和野も言った。

 門クレーンのフックはレール積載のために、万力型のものになっている。津和野はこれの操作を長島から学ぶ。

「レールはなあ、頭と足があるから頭の部分にクランプをひっかけて、ネジを締めて固定する。積み方は(レールの)頭と足が交互に来るようにするんや。このバールのような工具を使ってひっくり返す。小郡君が反対側をやってくれるから、この操作は助かると思う。」と、長島は指導した、

「それなら大丈夫っすね!」と、津和野が言うと、

「やりまっせ!」と、小郡は答える。

 

 

 そして皆は1本目のレール積載作業に入る。

「クランプを中央につける。固定完了後吊り上げるわ。」と、吉備が拡声器で言う。

「中央固定完了。」と、津和野がサインを送ると、

「OK!吊り上げて!」と、高岡は言う。そして吉備が無線リモコンでクレーンを操作し、積み込み線に留置中の2連のレール運搬貨車「チキ6000」に積み込む。運搬貨車の上では、長島が手慣れた手つきでクランプからレールを外す。長島がサインを出すと、クレーンは津和野たちの場所へ移動する。

「2本目積み込み」と、高岡が言うと、

「右側、クランプ固定確認よし!」と、津和野がワイヤーを引っ張り確認する。

「左側も固定よし!」と、小郡が言うと、ゆっくりとレールが吉備の運転するクレーンで吊り上げられる。

そして順調に9本積載は進んだ。しかし10本目のレール吊り上げ時、問題が起きる。

 

「吊り下げ具、固定よし!」と、津和野が言ったときに、

「ちょっと待ちやがれ!吊り具の引っ掛かりが甘い!危ないから作業やめんか!」と、高岡が言う。

「え!何が!」と、津和野は困惑した様子で答えると、

「あのなあ!吊り具はしっかり確認せなあかんのや!このままやったら重大事故になるとこやったで!しっかりせんか!」と、高岡は強く指導する。

「すみません!見落としでした!」と、津和野が言うと、

「まあわしが確認するから、ちょっと任せて。」と、玉掛けの資格のある高岡は、手慣れた手つきで作業する。一通り吊り具の調整作業が終わりレールを固定すると、

「ほんなら吊り上げて!」と、高岡が指示を出すと、ゆっくりと安全にレールは貨車へ運ばれた。

「小郡君、津和野君、そろそろ(レールを)ひっくり返しながらいこか!」と、高岡は言う。

「オオライ!」と、二人は答える。そしてバールのような大きな器具を用いて、レールを上下反転させる作業をする。

「大体12本やって!今度の工臨は22本送りやから!」と、高岡は言う。

上下反転したレールを、今度は地面に締結する側に吊り下げ具が来る。

「はい!ストップ!再調整する。」と、高岡は言って作業する。

「そろそろ載せるで!」と、吉備は言うと、

「ほな頼む!」と、高岡は答える。

 

 

「レールって重いねえ。定尺とか言って短いのだけど。」と、津和野がそう言いながら作業をすると、

「せやなあ。まあ鉄の塊やもん。これが今度、たくさんの人や物を繋ぐのだよなあ。ある意味すごいんや!」と、小郡は答える。

「だから保線が大切なんだ。」と、津和野が言うと、

「せやせや!」と、小郡が言いながらレールをひっくり返すバールのような器具で、いい感じにレールを上下反転させる。

「ほんなら吊り上げ具準備!」と、高岡は言うと

「固定開始!」と、小郡は言いつつクランプを定位置に固定する。そして移動開始の指示を出す。

そして無事に22本のレールの積み込みを終える。

「最後の1本やなあ。」と、小郡が言うと、

「無事にレールの積み込み終わりましたねえ。」と、津和野が言うと、

「気を抜くなよ!」と、高岡は言う。

「固定完了したら最後の1本を積み込むわ!」と、吉備も言う。

「右クランプ固定完了!」と、津和野が顔に汗だらけになりながら言う。

「左クランプも固定完了!」と、小郡も言うと、

「ほんなら行くわ!」と、吉備が言ってクレーンでレールを吊り上げ、貨車へ積み込む。

「これで全部終了やなあ。みんなええ仕事やったわ!ご苦労さん!」と、主任の高岡は言う。

 

 

 そして積み込んだレールが外れないように、締結器具で固定する。

「う~ん。このレンチ、普通の女の子には無理だよ。固い!」と、津和野が言うと、

「ほんなら、わしが手を貸すよ。いち!にの!さん!」と、長島がやってきて手伝うと、固定具のボルトが閉まりレールが貨車へ固定される。

「無事に固定終了やなあ。」と、小郡も言う。

「みんなようやってくれた!こんな盆地のクソ暑い京都でね!」と、高岡はねぎらう。

「そうでんなあ。」と、吉備も言う。

「まあこっちは、あっちのレール削正車の配給準備を手伝ってくる。」と、高岡は言う。

「それなら休憩後、ちょっと御嬢さん来てくれへんかねえ?」と、長島が尋ねると、

「いいですよ。」と、津和野は答える。

「そりゃよかった。」と、長島は納得した様子で返した。

津和野は長嶋と一緒に、レール運搬貨車へ反射板(後部標識)とワイヤー固定作業をする。

「これをつけると、貨物列車らしくなりますねえ。」と、津和野がそういいながら反射板を取り付ける。

「せやなあ。まあカンテラ型もあるけど、京阪神緩行線は暖地やから、それでないほうでいい!」と、長島はそう言いつつ、レールの両端にある穴にワイヤーを通しながら答える。

「ほんならこれで完成や!!おつかれさん!」と、長島は言った。

「明日の工臨、本当に待ち遠しいです。」と、津和野が言うと、

「せやな!」と、長島は言った。

 

 

 その後、一行は器具の片付けを行う。最後は貨車を作業位置から留置線へ移動させる。

「ほんならスイッチャーで移動させておくわ!」と、吉備が言って移動すると、

「後でええって!」と、高岡は答えた。

「せやなあ!ぼけとったわ!」と、吉備は答えるのであった。

 そして16時過ぎに、津和野と小郡と高岡の3人は、向日町レールセンターのメンバーに別れを告げて、16時半発の快速へ乗る。17時に大阪の本部へ戻りこの日の業務は終了となった。

「明日はいよいよ工臨だなあ。めっちゃ楽しみジャン!」と、津和野がロリータに着替えて話すと、

「せやなあ。まあせいぜい頑張るんやで!」と、高岡は言う。

 

 いよいよ真夏の鷹取工臨。津和野は小郡とともに、誘導と引き受けをするために鷹取にある神戸貨物ターミナルへ行くことになる。

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