Rail road girl! レールロードガール! 作:けいはんぐらし!
夏といえば海やプールなどのレジャーに出かける季節。前倒しでお盆休暇となった津和野達は、鳥飼の実家である「鳥飼旅館」へ行くことになる。朝9時の大阪駅3番ホーム、カンカン帽をかぶりロリィタに身を包んだ津和野がいた。
「お!君はすぐわかるよなあ~!おっは~!」と、小郡が来る。
「おっは~!ロリィタはやっぱり目立つんだなあ。あ!約束通りの服を持ってきたよ。」と、津和野が言うと、
「うそやん!めっちゃ楽しみにしている!こっちはかわいい浮き輪を持っているし!」と、小郡は答える。
「へえ!小郡君は変わっているなあ?!」と、津和野が尋ねると、
「まあ女子力男子ってやつだよ!」と、小郡は答える。
「お待たせ~!ってなわけで行きますか!」と、鳥飼もキャリーバッグを転がしやってくる。
「主任の糸魚川君は、たぶんいつものことやから、寝坊してるはずやなあ。前日まで仕事あったわ。」と、鳥飼は言う。そう言っている中、橋上改札下りエスカレーターから、
「おっは~!お待たせ~!いろいろあって遅れたわ!」と、糸魚川がやってきた。
「では”特急スーパーはまかぜ”で、出発しまひょか!」と、鳥飼は言う。そう言っている間にも、キハ189が6両編成でホームへ滑り込んできた。
「お~今日は増結しているなあ。」と、小郡は言う。
「夏やから利用者多いから当たり前やで。乗るぞ!」と、鳥飼は言う。
定刻通りJR西日本の最新型の気動車は、ゆっくりとしたスピードで大阪駅を離れる。車内チャイムの「アルプスの牧場」がかかる頃、糸魚川が話し出す。
「うちの嫁さんと子供2人が僕の実家へ行くと言い出して、何かと振り回されてたんだ。」と、彼が言うと
「そうやったんか。さらに前日があれではねえ。」と、鳥飼が答えた。
「せやねん!残業!」と、糸魚川は答えた、
「へえ!糸魚川さんは2児のパパでしたか。」と、津和野が言うと、
「せやねえ。まあまだ小学生やけど、これからは進学していくと何かと大変やで。」と、糸魚川は答えた。
「お子さんは今どうしているの?」と、小郡が尋ねると、
「今はねえ、実家で嫁はんと一緒に遊んでいるわ!」と、糸魚川は答える。
「ふ~ん!そうなんですか。」と、津和野が答えた。
「せやけど、俺は庶民やったから在来線特急は贅沢品やったわ!基本18きっぷやった!」と、糸魚川は言う。
「せやったんか!まあ学生のうちは、そんなもんやな!」と、鳥飼は答える。
「まあ私は在来線特急は、当たり前だったのかもしれないですね。関東在住でしたし。」と、津和野が言うと、
「ほんまかいな!で、どこにおったん!」と、鳥飼は尋ねてくる。
「黒磯です。」と、津和野は答えると、
「ええとこやないか!那須御用邸のある場所近いし!すげえ!」と、小郡が言う。
「ほんまええとこやで!」と、鳥飼も言った。
「原宿へ遊びに行くときは、上野までは特急だった!」と、津和野が答える。
「友人とつるんで服屋めぐり、君らしいよ!」と、小郡が言うと、
「そうだね。ロリィタを(親に)買ってもらってた。最初のものは、古着だったけど。」と、津和野は答えた。
「やっぱり親が運転士って裏山やなあ。」と、糸魚川が言うと、
「そうですね!特急券も格安で買えるし、ある意味、恵まれていたなあ。」と、津和野は答えた。
淀川を渡り、尼崎、三宮、神戸を抜けると、須磨の海見えてくる。
「お!もうこんなとこなんか!」と、糸魚川は言うと、
「せやなあ。ここから見どころやなあ。」と、鳥飼は答える。小郡はアニメ動画を持参したパソコンで鑑賞していたが、しばし風景を楽しんでいた。
列車は山陽電鉄との並走区間に入る。そして明石、姫路と停車する。姫路からは播但線を抜け、和田山から山陰本線に入る。
「俺の実家は香住なんや!駅から、ちょっと行った場所にある老舗旅館が俺の実家やねん!」と、鳥飼は言う。
「そうなんですか。楽しみですねえ。」と、津和野が答える。
「プールもあるで!狭いながらもね!」と、鳥飼が言うと、
「小郡君から聞いてますよ!もちろん準備しましたし!」と、津和野が答える。
「おおお!楽しみやなあ?!」と、小郡は言った。
城崎温泉を通過し、非電化区間を抜け、車窓には森が広がっている。そして大阪駅から3時間で香住に到着する。駅から歩いて20分ほどで、鳥飼の実家の古びた築80年以上の年季の入った旅館に到着する。
「この建物はなあ、戦前の昭和一桁に立ったんだぜ!兵庫県の文化財なんや!」と、鳥飼は言うと、
「なかなか味がある建物ですね。原宿駅みたい。」と、津和野は感心する。
「いやいや!僕が見るからには、アニメに出てきた旅館に似ている。」と、小郡は言う。
「お前はサブカルばっかやもんなあ。でも歴史が入っている感じだよ。」と、糸魚川は言う。
鳥飼旅館に着くと早速、彼の両親が登場する。
「香住まで、列車の旅でお疲れでしょう。ようこそ!」と、女将をしている、鳥飼の母が挨拶する。
「お世話になります!!」と、一行は言って入った。
そこへ二人の幼稚園ぐらいの子供が、駆け足でやって来る。
「お~お前らも元気にしとったか!千歳と彩美!」と、鳥飼は言うと、
「うん!」と、親戚の子供2人は答えた。
「紹介するわ!夏場は2週間ぐらい遊びに来ている親戚の子や。家の都合で、鳥飼旅館で手伝いをしながら過ごしている。」と、鳥飼は言う。
「へえ!小さい子なのにえらいねえ。」と、津和野は感心すると、
「いらっしゃいませ!鳥飼旅館へ!」と、二人は息のあった声で言う。
「はい!」と津和野が言うと、
「お世話になるわ!」と、他の男性社員は、敬礼する!
「お姉ちゃんと兄ちゃんは、何の仕事しているの?」と、千歳が尋ねると、
「鉄道の線路を修理する仕事をしているんや!」と、小郡は言う。
「すごいねえ!」と、千歳が感心する。
「それでは今日は、遊んで食べて温泉入って、思いっきり楽しんじゃいましょう!」と、津和野が言うと、
「せやな!羽目を外してもええんか!」と、小郡も言う。
「ええけど、注意しいや!」と、糸魚川は言うが、
「気にせんでええって!楽しんできてね!」と、鳥飼は言う。
「ごゆっくりお楽しみください!」と、彩美が言うと
「もう小さな仲居さんやなあ。」と、鳥飼の父が靴を片付けながら失笑しつつ言う。
「ほんなら部屋へ移動してな!僕は親と話してくるから!あと千歳と彩美もね!」と、鳥飼は言って立ち入り禁止エリアを通って、彼の自宅へ行った。
部屋は一番安い2階の6畳間で、一人一部屋となった。
「おい!津和野君、後であそぼな!」と、廊下で小郡は部屋に入ろうとした津和野に言う。
「わかったよ!この後準備する。」と、津和野は答える。準備が済むと彼女は、小郡の部屋へ向かう。彼がプールの準備する姿を見て、津和野は興味深く見る。
「へえ!小郡君の浮き輪、めっちゃかわいいね!」と、津和野が言うと、
「せやなあ。まあ僕の趣味といった具合かも!」と、小郡は答える。
「猫の柄だからね。」と、津和野が興味深く言うと、
「せやなあ。まあ普通すぎるのもあれだし、やっぱりこれにした。」と、小郡は答える。
「ふ~ん、小郡君はかわいい趣味あるんだ!」と、津和野は言った。
そして二人は、プールへ移動する。そのとき、鳥飼は二人を捕まえて話しかけてくる。
「ちょっとお願いあるんやけど、親戚の子たちの面倒見てくれる?頼むわ!」と、彼が言うと、
「いいですよ!面倒見ます。で、何をすればいい?」と、津和野が答える。
「あ!お洋服のままプールにほっぴんジャンプだから、服を着ての泳ぎ方も教えられたらできるか?とにかく遊んでやってくれ。」と、鳥飼はお願いした。
「津和野君は優しいからねえ。小っちゃい子の面倒も楽勝だよ。」と、小郡は言う。
「かまいませんよ!」と、津和野が答えると、
「いや~たすかったわ!急な用事があるからね。」と、鳥飼は言って別れた。
大浴場への通路の反対側にあるドアを抜けると、外にある小さい目の15mプールがある。そこに千歳と彩美がいた。
「お~い!お姉ちゃんとお兄ちゃん待っていたよ!」と、二人の子供が言う。
「せやなあ!君たち足はやい!」と、小郡は言う。
「お待たせ!準備していたから!ところで、君たちもかわいいパジャマだね。お人形さんが印刷されている。」と、津和野が答える。
「いいでしょ!お気に入りなんだ!」と、その子供は言う。
「お洋服を着てプールって不自然だけど、濡らしちゃって大丈夫かなあ?」と、彩美が言うと、
「溺れたりしないかなあ?」と、千歳も言う。
「そうなったら、お姉ちゃんに任せなさい!」と、津和野も言う。
「今回はロリィタの下は水着よ! そしてお洋服のままプールって、なんだか興奮する!!!!」と、津和野は言い始める。
「おう!やっぱええなあ!僕も好きだよ!」と、小郡はカメラを構え答える。
「おねえちゃんの服、とってもかわいいねえ!お人形さんみたい!」と、鳥飼の親戚の子供は言う。
「これはねえ?ロリィタファッションっていうんだよ。お人形さんみたいな服だと思ってね!」と、津和野が答える。
「いい感じだよ!みんななあ!防水カメラ持参でよかったよ!」と、小郡は言うと、
「え~!写真撮るの!」と、津和野が答える。
「せやで!記念になるんや!」と、小郡は自慢げに言うと、
「まあ恥ずかしいけど、これもいい思い出になるからいいね!」と、津和野は快く答えた。
そして津和野と千歳と彩美の三人は、プールへ服を着たまま飛び込む。濡れた衣服が肌に貼り付くと、
「うわ~!服って濡れると重いねえ。」と、千歳が言うと、
「私もそうだよ。腕が重い・・・」と、彩美も言う。
「そうだねえ。服が水を吸うと重いんだよねえ。でも着ておいたほうがいい。」と、津和野が言う。
「じゃあとりあえず、浮くことだけを考えようか。」と、津和野が言うと、
「そうだね!」と、千歳が答える。
「うん!」と、彩美も答える。
「こうやって、お洋服と肌の間に空気を入れると浮きやすいよ。」と、津和野は彩美の背中を支えつつ、服と肌の間に空気を送り込む。
「服を風船みたいにするんだね!」と、千歳が言う。
「そうだね!見えなくないね!」と、津和野は答える。
浮く練習をしたり、プールで歩いたりして、3人が楽しんでいた。その様子を、小郡はカメラで写真を撮る。
「お~やっぱええなあ!濡れ透け!」と、小郡は言いながらシャッターを切る。
「もう!小郡君、エッチだなあ!」と、津和野が言った途端、小郡の足を掴みプールへ引きずり込む。
「やめてくれ~!!」と、小郡は言いながら見事にプールへ落水する。
「お~!お姉ちゃんは力持ちなんだ!」と、千歳が言うと、
「そうだね!線路の修理してるからね!」と、津和野が答える。
「やりやがって!まったくだ!」と、小郡は呆れた様子であった。
その後は、みんなで浮き輪を使ったりして、思い思いプールで楽しむのであった。
一方の鳥飼は親と話していた。
「そろそろこの旅館も後継者を決めないとなあ。」と、鳥飼の母親が言うと、
「せやなあ。まあ番頭さんが確か次ぎたいとか言っている。」と、彼の父が言う。
「そうなのか。僕も今は新京阪に勤務だし、旅館の運営は無理だよ。」と、鳥飼勝は答える。
「妹も姉さんも修行している。世継ぎも番頭さんが次ぐか、ゆっくり決めなくてはなあ。」と、彼の父が言った。
夕方になると、プール遊んでいた津和野と小郡が部屋へ戻ってきた。そしておやつ休憩をする。
「いや~プールで泳ぐとお腹すくなあ?」と、津和野が言うと、
「せやなあ?僕もだよ!」と、小郡は答えて菓子を食べていた。
「ほんなら、風呂でも行くか!それから宴会だな!」と、糸魚川が呼びに来る。
「そうでんなあ!?そろそろ行きますわ!」と、小郡は言って大浴場へ移動する。
その頃、津和野も女湯へ浸かっていた。そこへ鳥飼の娘たちが乱入する。
「お姉ちゃんも入浴してたんだ!」と、千歳が言うと、
「さっきは楽しかったよ。」と、彩美も言う。
「私も楽しかったよ!とってもいいお風呂だねえ。」と、津和野が言うと、
「いいでしょ!私もお手伝いしているもん!」と、千歳が答えると、
「シャンプーとか補充しているんだ!」と、彩美も言う。
「そうなんだ!いつかこの旅館を守っていくと思うよ。」と、津和野が言う。
「お~い!千歳!彩美!晩御飯だから手伝って!」と、鳥飼の父親が女湯の外で呼ぶ。
「ではごゆっくりと!」と、二人は言って、浴場を後にした。
一方の男湯では、小郡が散々な目にあっていた。
「おい!小郡君、なんかやってみようぜ!潜水時間競争とか!一緒に潜ってどっちが長く潜っていられるか!」と、糸魚川がふざけたことを言う。
「え~!大人にもなって、そんなことしないといけませんの!」と、小郡は答える。
「当たり前やで!ついてこい!」と、糸魚川は言い始めるばかりか、潜水を始めた。案の定、二人とも10秒でギブアップだった。
「おいおい!ハメ外しすぎだぞ!」と、鳥飼も様子を見に来た。
「そうでんなあ!」と、糸魚川が気づく。
「もうさっきもプールで大変だったのに・・・」と小郡は答える。
「津和野の水着みれたか?いいなあ!」と、糸魚川が言うと、
「ちゃいまっせ!服のままプールでした・・・」と、小郡は答えると、
「あ~残念だよなあ!ビキニ見たかった!」と、糸魚川がボヤいていた。
「まあ彼女は服のままが好きみたいやなあ。市民プールでもラッシュガードだったそうだ。」と、小郡が言うと、
「せやねんなあ。露出が低いといった具合なんだ!」と、糸魚川は言う。
「そやねん!変わっているよ!」と、小郡は言うと、
「女の子の気持ち、マジわからんわ!」と、鳥飼は言った。
「たぶん日焼けしたくないからかなあ?服のまま?まあ理にかなっているよ!」と、小郡は言った。
風呂が終わると4人は千歳と彩美も一緒に宴会をした。
食事が終わると皆はカラオケをした。小郡は相変わらずアニソンだった。
「またお前はその曲か!まあアップテンポだからええなあ!」と、糸魚川も酔った勢いで話す。
「いいんじゃないですか?」と、津和野は答えた。
「せやせや!楽しまなあかんで!」と、鳥飼も言う。
「ほんだなあ!」と、糸魚川は納得した様子で言った。
津和野も相変わらず人気アイドルの曲だった。
「こっちもええなあ!そんな歌えるのか!」と、小郡は答えた。
「ええんちゃう!」と、糸魚川が言うと、
「せやせや!」と、鳥飼も言った。
翌日は朝のスーパーはまかぜ2号に乗って、大阪に一行は戻る。
「現実戻るみたいで辛いわ!」と、糸魚川が言うと、
「せやなあ!明日からまた保線業務やもん!」と、鳥飼は答える。
「そうですもんなあ。あ~このまま休みが続いて~!」と、小郡も言う。
「仕事はあるけど、また楽しみ見つけなきゃ!」と、津和野は言った。
「せやなあ。今度津和野君と一緒に、メイド喫茶に行きたいなあ?」と、小郡はうなづいた。
「うん!」と、津和野が答えると、
「ええなあ。お前ら共通の話題で!こっちも競馬場でもあいつら行くか!」と、鳥飼は言った。
楽しいひと時はあっという間に過ぎる。そして今度は新たな路線へ保線のために出発する。