我が第二の人生・・それは底辺から   作:光帝

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二次を除いては初めての作品です。
読んでいただけると嬉しいです。


序章 転生?!期待!早い者勝ち!?

 

この俺、不動 影道(フドウ カゲミチ)は今非常に困った事態にある。

俺は確か死んだはずなのだ。だが、目の前にある光景は異様なものだ。

視界に広がるのは本で覆われた棚。まるで図書館だ。

そして、周囲には俺のように周りを見渡す老若男女が複数。

出身国も見た目からしてさまざまなようだし、服装も寝間着から作業着まで多種多様である。

ますます混乱した。

 

なぜ、こうなったのか?

確か、俺はコンビニに買い物に出かけたんだ。

そして、明らかに速度超過の車が道を外れ、突っ込んできたのだ。

体中に痛みが走ったように感じたところまでは覚えている。

そして、次に目覚めたらこの訳のわからない図書館?にいた。

・・あれは夢だったのだろうか?なら、今のこの光景は?

 

そう考えた時、銅鑼(ドラ)の音が鳴り響く。

嫌でも耳に入る音に俺をはじめ、皆が音がした方を仰ぎ見た。

そこには、聖職者風の格好をした男が立っていた。ただ、日本でよく見るキリ〇ト教や〇スラム教などとは少し違う。ただ、俺には既視感があった。俺は心でつい呟いていた。

 

(何か『ドラモン・ファンタジー』に出てくる賢者様みたいだ。)

 

『ドラモン・ファンタジー』。

俺の国で流行っているゲームソフトの一つだ。

野生のドラゴンが徘徊する荒れた世界を主人公が再生するために、仲間と共に冒険するというゲームだった。俺も、中学生のころにやったことがある。高校に上がってからも続編が出ていた。

・・この前、失業したばかりの時も『シーズンⅩ』を出していたと記憶している。

思い出したくない事実も一緒に思い出して苦い笑みになってしまう。

そんな俺や、困惑している周囲の者たちのこともただの風景のように男は言葉を紡ぎだした。

 

「みなさん。ようこそ死後の世界へ・・というのも変でしょうか?まだ、死んでないし。現状、みなさんはまだ死んでいません。ご安心ください。」

 

それを聞いていた俺と同年代の男が質問を投げかけた。

 

「すいません。ちなみに、俺は会社の同僚にナイフで刺されたのですが。死んでないということは、ここにいるのは治療による結果ということですか?」

「いいえ、違います。ナイフで刺されたのは事実です。厳密に言えば、肉体は既に死んでいます。ですが、まだ皆さんの魂は死んでいないということです。ここではっきり言っておきましょう。ここにいる方々は魂が戻るための肉体が無い状態とご理解ください。」

 

肉体は死んだが、魂は生きている?

だから、元の肉体に戻ることはできない。つまり、生き返れないということらしい。

正直、受け入れたくない現実だが現状が俺の思考を強制的に冷静なものにしている。

死んだという実感が薄いせいもあるかもしれないが。

ただ、今質問したやつ!いったい何をしてナイフで刺された?

明らかに恨みか陰謀のにおいがするぞ。

 

「本来、死んだ魂は輪廻の輪に組み込まれて別の生命として誕生します。ですが、何十年かに一度、輪廻の輪に組み込まれない魂が出てしまうのです。しかも大量に」

 

おい、魂の管理が雑なように感じるのは俺だけか?

そのような俺の心の叫びを無視するように話は続く。

 

「とはいえ、このまま魂の消去なんてことは我々もしません。そこで代わりに行っているのが別世界への転生というものです。」

「キター!転生モノだ!!」

「そこ、静かにしてください。魂消しますよ!」

 

それによって、周りが静寂に包まれた。魂を集めることができるのだから消すのも簡単であろう。

ただ、俺は言いたい。誰だ、今叫んだバカは!どこのゲーム脳野郎だ!

 

「それでは、話を続けます。みなさんが転生する予定の世界は『ガルフィニア』という世界です。

科学よりも魔法が進化している世界となります。転生時、記憶も維持されますし基本的な言語も大半が共通しているので問題ありません。」

「ちょっと待ってください!私たち、向こうの世界の一般常識が欠けているのに裸一貫で放り出されるということですか?!それはあんまりです!」

「ご最もな意見ですね。ただ、話は最後まで聞きましょう。みなさんにはこちらから少なからぬ特典が与えられます。それをうまく活用してください。それでは、その特典について説明します。」

 

そう言って、男は淡々と説明を始めた。

それは以下のようなものだった。

 

 

転生特典は好きなスキル(特殊技能・体質)を一つ持って転生できるというものだ。

ただし、いくつか規制も追加されていた。

 

規制

1.種族は転生時にランダムで決定される。選択は不可。

2.現在の年齢での転生となる。変更は不可。

3.転生時の肉体能力は生前の値が基になります。

4.3の条件は転生時スキルによる強化は例外となる。

5.言語・文字は基本共通であるが少数・魔物などは例外もある。スキルによる解決は可能

 

という5つの規制。男曰く、『転生五箇条』なるもの基準があるらしい。

こんなところだけはしっかり定めるなら他の部分をしっかりさせろと言いたい。

 

「このような条件はありますが、スキル選択は基本的に自由となります。」

「それで、スキルはどのように選択するのですか?ウインドウなどの操作は特にできないようですし、PCなどもありませんが?」

「スキルは既に目の前に広がっているではありませんか。」

 

そういって、男は手を左右に広げながら挙げる。

そこには先ほどからある本棚とそこにびっしり詰まった本の山。

まさかと思いたい。いや、魂になっているのにそんな事と言いたい。だが。

 

「ここにある本すべてがそのスキルです。詳しい特徴も同本に記載されていますので選択の参考にもなるでしょう。ただ、ここで注意を2点言わせていただきます。」

 

そして、この後に言われる一言で周囲の者たちが慌てふためくことになる。

 

「スキルは早い者勝ちです。優良スキルも多数取り揃えているので決まった方から、本を持って私か係りの者のところに来てください。制限時間は24時間ですのでそれにも注意してください。」

 

この一言によって周りの人々は四方に広がる本に向かって殺到することになった。

それはもう、蟻が砂糖に群がるように。

俺?もちろん、その一人でした。

俺も基本的に、欲のある凡人(現代人)なのだから仕方ないはずだ。

 

 

この騒々しい光景を見ていた、神官長補佐『ルッペル』は隣をにらみながらため息交じりに文句を言う。

 

「神官長殿。人が悪すぎます。こうなることが解っているのにそれを解決しようとしないのは。」

「これは罪のない楽しみだよルッペル君。それに、人は苦労して見つけてこそ宝物のありがたみを実感するのだよ。」

「単純に整理が億劫で放置した結果じゃないですか!!」

 

毎度、この光景は繰り替えされてきた。

その度に整理するべきだと進言しているのだが、答えはいつも決まっていた。

『数十年に一回しか使わないのにいちいち整理するなんて時間と労力の無駄だよ。』という神官長をはじめこの天界を管理する神官たちの総意だった。

だが、当事者たちにとってはたまったものではないだろう。

自分たちの第二の人生を左右する『可能性』なのだから。

だが、ルッペルはあくまで補佐でしかない。

彼は、一人でも多くの者が自身にあったスキルを持つことを祈るしかなかった。

 

 

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