はい、見切り発車し尚且つ燃え尽き症候群にかかってしまいすごく時間がかかってしまいました。
もう見てくれる人はいるかわかりませんが第2話です
ドウゾー
「え、イャンガルルガの狩猟?!」
ドントルマの大衆酒場の一角、机を挟んだ二人組のハンターの片方がそう声を上げた。
そのハンター達は一人は女性のハンターだ。彼女は頭装備を外しており、その素顔を見ることができる。その顔つきはどこかお姉さん的な雰囲気をしており、世話焼きな雰囲気を醸し出している。
だが彼女のような女性ハンターは別に珍しくもない。
その体面に座しているのは蒼色の髪をしたハンター。彼は屈強な者が多いハンターには珍しく、まるで子供の様に小柄でその手の女性には受けがいいだろう。所謂ショタという奴である。
「うん、なんでも樹海に現れた同種との戦闘に敗走した個体らしくてね、これならソラ君でも大丈夫かなって」
「最近やっとショウグンギザミを狩れるレベルまで来た僕にいきなりイャンガルルガはちょっと荷が重い気がするんですけど・・・」
「大丈夫だって!私もしっかりついていくから!」
「いやいくらリリーさんが一流のハンターでも流石にこれはきついでしょ!」
ソラと呼ばれた少年はリリーと呼ばれたハンターに抗議の声を上げる。それもそうである。
彼はつい最近ショウグンギザミをリリーの助けを受けながらようやく狩れるようになったばかりでまだまだひよっこと言ってもいいレベルなのである。
その彼にリリーから渡された依頼は『イャンガルルガの狩猟』である。本人がいうようにこれは少し荷が重い事だろうしかしリリーはそんなこと関係ないと言わんばかりにマイペースに事を進めていく。
「ほらほら、受注は私がしておくから準備しといてね~」
「ちょっと!話聞いてますか!?ちょっとぉ!」
ソラの抗議は聞き入れてもらえることは無く、虚しく響いて行く
こうしてソラは各上であろうイャンガルルガを狩りに行かねばならなくなってしまった。
だがこの時の彼は知らない。このクエストが彼等の人生を変える出会いに繋がることを
『パデュム樹海』それは空を覆う木々や大地を彩る草花、そして豊富な水資源によって構成された自然の楽園
そこには現在「支配者」が存在している。その「支配者」は人との関りを避けるためか人の気配を鋭敏に察知し身を隠す習性がある。故にギルドにはその存在が確認されていない。そしてギルドが知らないということは当然、ハンター達も知る由が無い。
だがしかしその「支配者」万華獣カハクは今先日のイャンガルルガの一軒もあってか深い眠りについていた。
――――――――――故に
樹海の入り口からほど近い場所、ハンター達にエリア5と呼ばれている場所に二人の人影が首をひねっていた
イャンガルルガの狩猟に来ていたリリーとソラの二人組である
その視線の先を見ればなぜ首をひねっているかが分かる
「リリーさん・・・あれって・・・イャンガルルガ・・・ですよね?なんで倒れているんですか?」
「なんで倒れてるかは知らないけど・・・イャンガルルガね・・・」
そう彼らの視線の先にいるのは地に倒れ伏した黒狼鳥『イャンガルルガ』
彼らはイャンガルルガを狩りに来たはずであるが、何故その狩猟対象がすでに倒れているのか?彼らの脳裏にはひたすらに疑問が巡る。
「とりあえず調べてみましょ、いつまでもこうしてるわけにもいかないし」
「あ、わかりました・・・突然起き上がったりしませんよね・・・?」
「ゲリョスじゃあるまいし大丈夫よ!・・・・たぶん」
「今多分って言いました!?言いましたよね!?」
「気のせいだって細かいこと気にしてると大きくなれないぞ!」
「関係ないでしょ!」
彼らはコントを広げながら倒れ伏している黒狼鳥へと近づいていく。
だがそれを木の上からじっと見つめる物がいた。
黒狼鳥に注意を向けている彼らはそれに気づいていない。
故に、咄嗟にその攻撃を躱せなかった。
否、気づいていても避けることは難しかったであろう。
何故ならばそれはイャンガルルガを貫いた蔓の槍による地中からの強襲だったのだから。
「ッ!ソラ君避けてッ!!」
「えっ・・・?」
リリーは声を挙げながらソラを突き飛ばす。
前述のとおり不意打ち、しかもソラをかばったことでリリーに蔓が直撃してしまう。
「ガッ・・・ハッ・・・!?」
「リリーさん!?」
ソラはとっさの出来事に理解が追い付かない。リリーに突き飛ばされたと思った次の瞬間にはリリーに蔓が突き刺さっている。
モンスターのブレスなどによる遠距離の奇襲ならばわかる。
小型モンスターによる攻撃でもまだわかる。
だが、これはなんだ?
大地からやけに鋭い蔓が「たった今」成長しリリーを貫いたなど訳が分からない。
ソラに意識の空白ができたまま時間はずるずると過ぎる。
そこに、『それ』は降り立った
ソラはそのモンスターを噂程度に聞いたことがあった。
『白い体躯』に『蒼白の角』を持ち、雷を操る古龍種『キリン』
だがしかし、それは姿形は似ているが体色は緑に近く、角は若葉のような黄緑色となっている。
そして植物の蔓が体に巻き付き、華を咲かせている。
『それ』こそこの樹海の支配者『
カハクは怒っていた。本来ならば人が来れば身を隠すモンスターであったが深い眠りを邪魔されればその限りではなかったようである。
「なんだよ・・?コイツ・・・!?」
カハクはその双眸をソラと貫かれているリリーに向ける。
カハクは侵入者を始末すべくこの場に赴いたのだ。
故にする事は一つ。早急に侵入者を始末する事。
そして力を振るうべく体に力を入れる。
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!」
しかしそれを黙ってみているほどハンターは大人しくない
ソラは恐怖を必死に堪えながら双剣『ギアノスクロウズ改』を振るう
しかし堪えていてもなお感じる本能的な古龍へ対する恐怖は拭えずその攻撃は空を割く。
カハクはその攻撃を回避するべく少しだけ動いたことによって力を振るうのを中断した。
そしてその双眸はソラを捉える。
明確に『見られた』ことによってより濃密に殺気に殺気に当てられる。
「うっ・・・!!」
ソラの体が異常なほど震える。
当然だ、今までリリーの協力があってようやくショウグンギザミを狩れる程度のハンターであるソラが古龍が放つ殺気など耐えきれるはずも無し。それでも意識をつなぎその両足で立つことができたのはハンターとしての生存本能が意識が途切れれば死ぬと必死に告げていたからである。
両者は対峙する。静寂が支配するその時間はソラにとっては悠久のような時にも感じられた。
その静寂を破ったのは意外にもソラであった。
「りゃあああああぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!!」
ソラは恐怖を押し殺し、カハクに向かって地面を蹴り、ギアノスクロウズ改を振るう。しかしその攻撃はカハクに届くことは無い。下位ハンターの剣筋を見切る事などG級相当の実力を持つカハクにとっては容易い事だ。
それでもソラはひたすらに剣を振るう。しかしそれらはやはり届くことは無い。
それでもソラは必死に、「当たってくれ」と願うようにその1対の双剣を振るう。
しかし
剣を振るう。だが躱される。振るう。躱される。振るう。躱される。振るう。躱される。振るう。躱される。
何度その応酬が続いただろうか?無我夢中となって剣を振るうソラには当然わかるわけがない。
しかしそれもついに終わりを告げる。
ソラのスタミナが尽き、動きが一瞬止まった。
カハクがそれを見逃さず植物を操りソラを貫く。
「かっ・・・はぁっ・・・!?」
ソラは力なくその場に倒れこむ。彼の防具ではカハクの一撃は耐えられないだろう。
傷口から全身に走る激痛と貫かれた衝撃によってあっけなくその意識を手放した。
カハクは地に倒れ伏した二人を一度見る事なく再び寝床へと戻っていった。
もともと眠りを邪魔されたが故に排除しに来たのだ。ならばもうなすすべのない人二人など気にするに値しない。
ハンターの二人はこのままならば間もなく絶命するだろう。
当然である。古龍種の操る凶器となった植物をまともに喰らったのだから。
これはある種の運命なのかもしれない。古龍種とは人にはどうしようもない「天災」のようなものなのだから。
「キー・・・キー?キー!」
だが、ここで終わるには何もかもが早すぎる。何故ならば――――
物語は始まったばかりだ。
はい、今後もこのペースが続くかもしれませんが生暖かい目で見守っていただけると幸いです。それでも見てくれる方はぜひ見ててください。頑張りますので。1コメでも付いたのはうれしかったです。