東方Project ~異形の玄武が幻想入り~ 作:フジパンホンジコミ
「これが・・・玄武さんの本来の姿。」
いきなりこの姿見せたのはまずかったかもしれないと思った玄武。
以前、月に移る前の月の民を助けたことがあったときは、相当怖がられたからだ。
それゆえにさとりはどう思っているんだろうか怖かった。
「・・・格好良い・・・」
「(・・・ん?)」
「・・・あの格好良いと思いますよ。その姿。」
「(ええええっ!この姿が格好良いって・・・)」
「どうしたんですか?」
「グオオオ(いや、この姿になって怖がれることほうが多かったが、格好良いと言われたのは初めてだ。)」
「確かに顔はちょっと怖いですね。」
「グウウ・・・(やっぱり・・・)」
玄武としてはさとりにもそう思われていたのは少々ショックだった。
たしかに顔が怖いのはそういう設定なのだから仕方ないかもしれない。
玄武はそのことで落ち込んでしまったが
「でも私はそう思わないんであまり落ち込まないでください。」
さとりがそう言ってくれるだけでもありがたいと玄武は思った。
「それでその姿になってどうするんですか?」
「グオー(潜るんだよ。)」
「潜るといっても息がそう長くは続かないと思いますよ。」
「ガウ(大丈夫だ。この姿だったら1万年くらい息継ぎしなくても平気だから。)」
「・・・生物としてそれはありなんですか。」
「ゴアアアア(生物として逸脱した存在だからな俺は。)」
ごく普通に言う玄武であったが
「グガアアア(ちなみに俺の心臓は熱エネルギー変換炉とも言われていて常に900℃前後の熱量で機能している。)」
「・・・非常識な存在の私が言うのもなんですがそれ以上の非常識ですね玄武さんは。」
「・・・ギャウ(・・・自分でもそう思ってるからあまり言わんといて。)」
「す、すみません。」
とてつもなく重い空気が張り詰めた。
「グ、グガア(そ、それじゃあ行ってくるから。)」
「あ、待ってください玄武さん。」
玄武は水の中に潜っていった。
「私以上に非常識・・・だなんて言ってしまったんでしょうか。」
私はなんであんなことを言ってしまったのか後悔していた。
あんなこと言われれば誰だって傷つくに決まっている。
そう思うと心が痛くてしょうがなかった。
まして彼は一度たりとも種族や能力に関係なく接してくれていたというのに。
だから私は彼に謝りたい。“ごめんなさい”と一言言いたかった。
ゴポゴポゴポ
水面に気泡が発生しているが見えた。
そして
ザッバーン
彼が戻ってきた。
大量の魚を両腕に抱えて。
陸に上がった彼は地面に魚を起き、人型に戻った。
私はその場で彼に向かって走り出した。
「フー大量大量っとこれくらいあればな〈ドン〉うおっと、ん?・・さとりどうしたんだ?」
「・・・めん・・さい」
「?」
「ごめんなさい・・ごめんなさい。」
「!?・・・さとりもしかしてさっきのこと気にしていたのか?」
「だって!酷い事言ったんですよ私は!」
「俺は別に気にしてないから。」
「でも!」
「俺はなこの非常識の力に感謝もしてるんだよ。」
なんでそんなことを言うのか意味がわからなかった。
「この力がなければあいつらを殲滅することはできなかったし・・・なにより。」
私は顔を上げて彼の顔を見たら笑っていた。
「さとり達にも会えたことが嬉しかった。」
「!?」
「もしこの力がなかったら俺は生きていないし、ましてやさとりたちも存在していたかわからない。」
「・・玄武さん。」
「だからそんなに自分を責めないでくれ。」
玄武さんは私を抱きしめてくれた。
この人の優しさはすべてを包み込んでくれる暖かさがあって心地よかった。
自分のことよりも他人のことを優先してしまうのは玄武さんの悪い癖だが今だけは嬉しかった。
マイナス思考だった私の心は彼のおかげで落ち着くことができた。
そうですね、玄武さんがこの星を守ってくれたおかげで今はこうして暮らしていけてることを。
「もう少しこのままでいいですか。」
「ああ、さとりの気が済むまでこうしててあげるから。」
「・・・ありがとうございます。」
私はこの人を好きになってよかった。
だから今日、彼に私の気持ちを打ち明けようと決心した。
「「「ご馳走様ー。」」」
「御馳走様でした。」
私達は玄武さんの作った料理を堪能していました。
その料理がとても美味しく女として敗北感がありましたが彼の方が料理歴が長いので致しかたないと思いました。
「いかがだったかな、今回の料理は。」
「美味しかったです。特に魚料理は絶品でした。」
「また食べたいなぁ。」
「うにゃー、今度は違う魚料理が食べたい。」
「うにゅう、お腹いっぱい。」
「それは良かったよ。」
玄武さんは笑顔でそう言いました。
そのあと玄武さんは食器などをキッチンの水道まで運び、洗い始めた。
ちまみに私も手伝っています。
「今日はありがとうございます。」
「約束していたことだからな。」
「今度私にも料理を教えてくれますか。」
「さとりは料理できるだろ?」
「もっと上手くなりたいんです。玄武さんのように。」
「成程、それくらいだったらお安い御用だ。」
「ありがとうございます。・・・あの玄武さん。」
「何だい?」
「あとでお話があるので私の部屋に来ていただけますか?」
「さとりの部屋だな。あとで行くよ。」
私は真剣な表情をして玄武さんに言いました。
「待ってますから。絶対来てくださいね。」
―――――――――
――――――
―――
俺は今さとりの部屋に向かって歩いている。
理由はさとりに部屋に来て欲しいと言われたからである。
それもとても真剣な顔で。
「・・・初めて見たよなさとりのあんな真剣な表情は。」
っと考え事しているうちにさとりの部屋の前まで来ていた。
コンコン
俺は部屋のドアをノックした。
「はいどうぞ中に入ってください。」
さとりの返事が返ってきたため俺は部屋の中に入った。
部屋の中に入るとさとりはベットの端に腰掛けていた。
「お待ちしてました。」
俺はさとりに近づき、呼んだ理由を聞こう横に座った。
「で、俺に話したいことってなんだ。」
「私の想っていることを正直に話そうと思いまして。」
「正直な想いって?」
さとりが顔を上げて潤んだ瞳で俺を見た。
「私は・・・貴方のことが・・・好き・・なんです。」
恥ずかしさもあったのか声は小さかったがさとりの思いが込められた声でもあった。
「玄武さんは私のことをどう思っているのですか。」
「お、おれは・・・その・・・なんていうか。」
それを言われてさすがの俺も告白されたのが初めてだったためどう答えていいのかわからなかった。
俺はさとりに目を向けると
小刻みに震えているのが見えた。
どれほどの勇気を振り絞って言ったのか俺でもわかった。
だから俺もこれまでのことを思い返してみることにした。
俺は生まれた時からいつもひとりだった。
でも幻想郷に来てから一人ではなかった。
常にさとりがそばにいてくれた。地霊殿のみんながいてくれた。
彼女がそばにいると落ち着くし、なにより嬉しい自分がいた。
彼女と出会ったことで俺は大きく変われたのかもしれない。
いや変わったんだと思う。
他人を思いやる気持ちが芽生えたんだと思う。
そうか俺は出会った時からさとりに惹かれていたんだと気づいた。
だから地霊殿から離れたくなかったんだ。
「なんだ、もう答えがあったんじゃないか。」
「玄武・・・さん?」
「さとり、俺も正直に答えるよ。」
俺は自分の気持ちを彼女にぶつけた。
「俺も君のことが好きだ。」
さとりは目を見開いて俺を見ていた。
「本当・・・ですか?」
「ホントだ。」
「嘘じゃないんですよね。」
「心を読んで見てもいいんだよ。」
「あなた気持ちは全部分っています。でもあなたの口からもう一度聞きたいです。」
「こんな種族もわからないような俺だけど、それでも俺のそばにいて欲しい。
だから俺と付き合って欲しい。君のことが好きだから(君のことが好きだから。)」
さとりは俺の真っ直ぐな気持ちを聴き、涙を流しながら抱きついてきた。
「玄武・・・さん。(あなたとだったらいつまでも一緒に居られ居られるような気がします。)」
「(安心しろ俺はどこにもいかないし離れたりしないからずっとそばにいてやる。)」
「!?・・・はい、もう離さないで。」
「約束する。」
さとりは抱きついていた俺から離れ、俺の目の前にたった。
「これからもよろしくお願いします、玄武さん。」
さとりは今までに見たことがない笑顔で笑いかけてきた。
「ああよろしく。」
次回、さとりの身に大変な事が起こります。