東方Project ~異形の玄武が幻想入り~   作:フジパンホンジコミ

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今回のお話は対リグル戦ですが、戦う前に飛鳥はある人物と遭遇します。
その人物とは一体誰なのか。


永夜異変 STAGE 1

 

 

 

異変解決のために地上に出たはいいが、思っていたよりも状況がひどかった。

 

月の様子がおかしい。それが月を見た俺の思ったことだ。

 

正確に言うと空に浮かぶあの月は本物じゃないな。巧妙にできてはいるが何らかの術によって作られた偽物の月。それに紅く輝いてもいたし。

 

人間には影響がないが、人外の連中にはたまったもんじゃないだろう。特に妖怪なんかは―――

 

まあ問題はそれだけじゃないな。流動して動いているはずの雲が全く動いていないのだから。

 

こりゃ今回の異変は厄介極まりない。

 

 

「考えていても仕方ない。俺も移動するとしよう。」

 

 

俺は森の中を歩き始めた。

 

 

 

――――――――

 

 

―――――

 

 

―――

 

 

 

「なんなんだこいつらは―――」

 

 

とりあえず俺は、旦那にもらった地図を見ながら人里に向けて歩いているが、その途中でたくさんの毛玉みたいなものに襲われていた。

 

おそらくは妖怪の一種だと思うが、なんといっても数が多いすぎる。

 

 

「あんまここで体力を消耗はしたくはないが、背に腹は帰らんねぇな。」

 

 

俺が弾幕を放とうとした途端―――

 

 

「そこ動くんじゃないぞ!?」

 

 

俺の背後から弾幕が放たれ、次々と毛玉に当たっていく。

 

数秒もしない内に毛玉はすべて退治された。

 

 

「大丈夫か、人間が森ん中彷徨ってると危ねえぞ。」

 

 

俺は声のした方に振り返ると、ワイシャツに赤いもんぺを着た白髪の少女がいた。

 

 

「えっと、一応ありがとう。」

 

「助けてやったのに一応ってなんだよ。」

 

「まぁ細かいことは気にしなってことで。」

 

「なんだそりゃ。(それよりもあんた見かけない顔だな。新参者か、はたまたあのスキマ妖怪に連れてこられたかだな。)」

 

 

その白髪の少女は俺のことをジッと見ていた。おそらく俺が迷い込んだ人間だと思っていると感じた。

 

 

「ほら、人里まで案内してやるから、あたしの後についてきな。」

 

 

そう言ってその少女は俺の前を歩き始めた。

 

まあ彼女が案内してくれることだし、いいか。

 

そうそう忘れてた。

 

 

「俺は鳳 飛鳥だ。あんたは?」

 

「あたしは、妹紅―――藤原 妹紅だよ。」

 

 

 

――――――――

 

 

――――――

 

 

―――

 

 

あたしは後ろを歩いている奴が気になっていた。

 

こんな夜遅くに森の中を彷徨いているのは可笑しすぎる。

 

それにあの毛玉に囲まれた状況でも顔色ひとつ変えていなかった。

 

やっぱこいつ只者じゃない。

 

 

「飛鳥って言ったかあんたあそこで何してたんだ。」

 

 

あたしは後ろを振り向かずに話しかけた。

 

 

「ん~?人里目指して歩いていたらアレに出くわしたってところかな。」

 

 

こいつ外の人間のくせになんで人里のこと知ってるんだ?

 

やっぱりコイツには何かある、一応警戒はしておかないとな。

 

 

「俺からもひとついいか、妹紅もあの辺りで何してたんだ?」

 

「あたしは友人に頼まれて人里の人間が外に出ていないか調べてたんだ、そしたらあんたに出くわした。」

 

「なるほど、質問に答えてくれてありがと。」

 

「・・・どういたしまして。」

 

 

それからと言うものの会話もなく、あたし達はひたすら歩いていた。

 

それと同時にあたしは心の中で思うところがあった。

 

正直に言ってあたしは、こいつを人里に連れて行っていいのか迷っていた。

 

もしかしたらコイツがこの不可解な現象を起こした犯人じゃないかと思い、ここであたしが倒してしまえばいいんじゃないかと考えていた。

 

そんな考えをしていたら――――

 

 

「妹紅!?」

 

「え?っうわ!?」

 

 

あたしはいきなり飛鳥という男に抱きかかえられ地面に倒れた。

 

い、一体何が・・・

 

 

ドスッ!!!

 

 

そんな音があたしらの背後から聞こえてきた、だからその音のした方に顔を向けると人の顔ぐらいの大きさの虫が木に刺さっていた。

 

でかっ!!!でかすぎんだろ気持ち悪―――それにあの虫明らかにあたしらを狙ってたぞ!!!

 

あたし達は服についた土誇りを落としながら立ち上がった。

 

 

すると茂みの奥から足音が聞こえた。

 

 

「へぇ~今の避けたんだ。凄いね。」

 

 

茂みから出てきたのは緑の髪をした男の子だった。

 

いや人の姿してるがコイツは妖怪だ、気配でわかる。

 

 

「まさか妖怪に出くわすとはな。しかも珍しいことに男の妖怪か。」

 

 

飛鳥の奴は冷静に相手を見ていた。だがその妖怪が男と言われたとたん震え始めた。

 

何かしてくるのかと思っていたら―――

 

 

「こんな格好してるけど私は女だーーーーーっ!!!!」

 

 

突然彼、いや彼女が叫びだした。

 

 

「そいつはすまねえ。」

 

「ってなんであんたも誤ってんだよ!!!」

 

「間違えてたんだ、謝るのは当然のことだぞ。」

 

 

うん、コイツお人好しの馬鹿だ。そうに違いないとあたしは心の中でそう思った。

 

 

「で妖怪のお嬢さんは俺達になんのようだ。」

 

「それはもちろんあなた達を食べるためだよ。ちょうど虫たちもお腹空かしていたしね。」

 

「あたしらは餌ってことか・・・」

 

「だってこんな夜中に人里の外に出てるんだよ、私たちを襲ってくださいって言ってるようなものじゃない。」

 

「そうかい。」

 

「抵抗せずに、おとなしく食べられて。大丈夫だよ肉片一つも残さず食べてあげるから。」

 

 

目の前の奴が手を上げると何処からかともなく虫が集まりだした。てことはコイツは虫の妖怪。

 

 

「それじゃあバイバイ。」

 

 

そう言ってあいつが手を振り下ろすと虫が一斉にあたし達に襲い掛かってきた。

 

あたしは弾幕で応戦しようとしたら飛鳥の奴が虫に向かって歩きだした。

 

 

「っ!?何やってるんだ戻れ!!!」

 

 

そう言ったが飛鳥は歩みを止めづ虫に向かっていた。

 

あたしは弾幕を放とうとしたが、飛鳥は虫に覆われてしまった。

 

 

「あはは、自分から虫の方に来てくれるなんてバカだね。」

 

 

そう言った妖怪をあたしは睨みつけた。

 

 

「大丈夫、あなたも食べてあげるから彼も寂し気ないよ。」

 

 

そいつがまた手を上に上げ始めた。しかし一向に虫たちは反応しなかった。

 

 

「あれ?どうしたの皆?それになんかひどい臭いがする。」

 

 

焦げ臭い匂いが辺りに漂っていた。しかも出処があの虫に覆われたところだった。

 

あたしがそちらに顔を向けた瞬間、いきなり虫に覆われたあいつが青い炎に包まれて燃え出したのだ。

 

ほんの一瞬で虫たちは焼却され無傷のあいつがそこに立っていた。

 

 

「そ、そんな虫に食べられたのになんで生きてるの!!!」

 

 

あたしはそのことにも驚いたが一番驚いたのはあいつが出した炎だ。

 

青い炎、そんな炎を使うやつなんて聞いたこともない。

 

 

「あ、あんた戦えたのか・・・」

 

「俺は一言も戦えないとは言ってないぜ。」

 

「あたしの早とちりだったってわけか。」

 

「まあそういうことだ。」

 

 

飛鳥はあたしの方に向かって歩いてきた。

 

すると虫妖怪の子が言葉を発した。それもとても怯えた表情をしながら

 

 

「あ、あんた何者なの・・・」

 

「俺か、俺は亀山 玄武が弟子の一人、鳳 飛鳥・・・異変解決を依頼されてここに来た。」

 

 

亀山 玄武・・・あの烏天狗の新聞に載っていたバカ強い古代神のことだろ!?しかもあいつがその弟子だって!?

 

 

「さあ構えな虫妖怪の嬢ちゃん。言っとくが容赦はせんぜ。」

 

 

 

―――――――――

 

 

――――――

 

 

―――

 

 

 

俺は相手に向かって走り出した。

 

相手は俺をこちらに近づけさせないように弾幕を放ってきているが焦りすぎていて狙いが定まっていなかった。

 

そのため躱すのが容易だった。

 

ん?何かを取り出したぞ。―――なるほどあれがスペルカードね。

 

 

「く、くるなぁ蛍符『地上の彗星』!!!」

 

 

なかなかの数だな。だが避けきれないものじゃない!!!

 

俺は相手の弾幕を次々に躱していく、時には相手に向けて青い炎をまとった弾幕を放ったりした。

 

ある程度進んだら、俺はポケットに突っ込んでいたスペルカードを取り出した。

 

 

「いくぜぇ炎符『ブルーフレア・フェザーブラインド』!!!」

 

 

背中から青い炎を纏った翼を出現させ、翼を羽ばたかせるたびに羽根型の弾幕が辺一面にばら撒いた。

 

ばら撒かれた羽根型の弾幕は相手の弾幕に接触した途端、誘爆し相手の弾幕を破壊していった。

 

 

「嘘、スペルカードを突破された。こうなったらヤケクソよ!!!」

 

 

相手は俺に向かって飛び蹴りを噛ましてきた。だがな、甘いんだよ。

 

 

「飛び蹴りっていうのはこういう風にやるんだよ!!!!」

 

 

俺も相手に向けて飛び蹴りを噛まし、相手と接触したが俺の方が力が上だったようで弾き返した。

 

 

「うわあぁぁぁぁ!!!」

 

「もひとつおまけ、『幻影脚』!!!」

 

 

目にも止まらぬ連続蹴りで相手にダメージを与えていく。

 

 

「ちょいさ!!!」

 

 

最後に回し蹴りを決め、相手を気に叩きつけた。

 

叩きつけた衝撃で相手は一瞬意識を失ったようだが直ぐに立ち上がった。

 

 

「くぅ、もう怒ったぞ喰らえぇ灯符『ファイヤフライフェノメノン』!!!!」

 

 

まるで蛍の発する光のような弾幕が俺に向かってきた。

 

それだけでなく周囲に飛んでいた虫も俺を襲い始めた。

 

最初の攻撃よりも厄介だな。とりあえずは虫を駆除してからだ!!!

 

 

「おおおおぉぉぉぉ――はあああああぁぁぁぁ!!!」

 

 

俺は全身から青い炎を噴射して周りの虫を一斉に駆除したが弾幕までは消せなかった。

 

だがさっきよりも戦いやすくなった。

 

お返しとばかりに俺は二枚目のスペルカードを発動させた。

 

 

「今度はそっちが耐えてみな、炎符『メテオ・ウイング』!!!」

 

 

翼から火炎弾を次々に放ち、相手を翻弄していく。

 

当然相手は涙目になりながら必死に逃げていた。

 

それを見て少々罪悪感が湧いたが、向こうが初めに仕掛けてきたので考えないようにした。

 

こちらのスペルカードの効力が切れたとき、相手はボロボロに成り果てていた。(主に服がひどかった。)

 

 

「さてもうそろそろ降参したほうがいいんじゃないの?」

 

「う、うるさい、お前なんて私が本気を出せばあっという間なんだからね!!!」

 

 

うん強がりにしか聞こえないな。

 

 

「私を怒らせたことを後悔しろ、蠢『ナイトバグトルネード』!!!」

 

 

正しく嵐のように弾幕が放たれ、流石の俺も避けるだけで精一杯だ。

 

まずは様子を見て隙ができたところを叩く。

 

だから今は耐えよう考え、俺は懸命に避け続けた。

 

そして数十秒が過ぎたあたりから勢いが弱まってきた。

 

俺は好機と思い、3枚目を発動した。

 

 

「俺のとっておきだ、飛翔『神なる鳥の洗礼』」

 

 

俺自身が鳥の形をした青い炎に包まれ、虫妖怪の子に向けて突進した。

 

 

「おりゃあああああああぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「きゅあああああああーーーーーー!!!!」

 

 

直撃した虫妖怪の少女は、地面に倒れ目を回して気絶していた。

 

 

「やりすぎたのかな?」

 

「やりすぎに決まってるだろこのアンポンタン!?」

 

「おおっ妹紅じゃないか!!!―――それよりどうだった俺の弾幕ごっこは。」

 

「ま、まあ良かったんじゃねえの。」

 

「そうか。」

 

 

俺はその答えを聞き、嬉しくなってガッツポーズをした。

 

 

「よっしゃーこの調子でどんどん行くぞ!!!」

 

 

俺は、人里目指して再び歩き始めた。

 

 

「ちょっと待てあたしを置いていくな!?」

 

 

妹紅も俺のあとを追って俺の近くまで走ってきた。

 

俺達は気絶した虫妖怪の少女をそのままにしてこの場から離れていった。

 

 

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