東方Project ~異形の玄武が幻想入り~ 作:フジパンホンジコミ
「ここが永遠亭だ。」
竹林を抜けた俺たちの目の前には武家屋敷のような造りの家が目に入った。
和風な家だな。地霊殿は対照的に洋風な造りだったから新鮮味が出てる。
「あの~いいですか・・・」
「なんだい。」
「なぜ私までこんな格好なんですか!?」
今の鈴仙はてゐっていうのと同じように簀巻きの状態で地面に転がされていた。。
「この方が運びやすいとおもったから。」
「それだった普通に歩いたほうがマシですよ!!っていうかほどいてください!?」
「―――さぁ、乗り込むぞ!」
「え!?ちょっと人の話聞いてるんですか!?」
「おっ邪魔しまーす。」
「いやぁーーーーーおーろーしーてー!!!」
紅魔組と魔法使い組に玄関先で待機してもらい、俺は鈴仙をかついだまま残りを連れて永遠亭に入っていった。
ちなみにてゐは魔理沙たちのところに残してきた。
―――――――――
――――――
―――
俺たちは永遠亭を廊下に沿って進んでいた。
「そういや姐さんから画像が届いてたんだっけ・・・(ガサゴソ)ほれポチッとなっと。」
俺はポケットから先ほどの黒い物体・・・持ち運び型通信機(玄武作)を取り出し起動させた。
俺は姐さんから届いていた画像をみんなが見えるように空中に映し出した。
コイツが新種のギャオスか・・・まるで蛇だな。うねうねしてて攻撃を当てるのは難しそうだ。
「あ、あの・・・」
「なんだい?」
「これが噂のギャオスなんですか?」
そういや鈴仙は初めて見るんだったな。
「通常のギャオスとは違うけど、コイツは確かにギャオスだ。」
「こ、こんな化物が本当にいるんですね。」
「言っとくけど実物は映像なんかよりももっと恐ろしいわよ。」
「それに獰猛で私たちのことを餌としか見てなかったわ。」
「ほんとねあの時玄武がいなかったら私たち食べられてたわ。」
「萃香さんの異変の時はさらにすごいのが来ましたけどね。」
「・・・・・・・」
みんなの話を聞いて血の気が引いて顔が真っ青になっていく鈴仙。
「心配すんな、幻想郷には古代神が三柱もいるから大丈夫だ。」
「ほ、ホントですか?」
「ああホントだ。」
「それなら安心です。」
ん?前方からなにかくる・・・・・・あれは矢と弾幕だ!?
「霊夢、妖夢!?鈴仙頼んだぞ!!」
「えっ!?ちょと何するのよ!!!」
俺は霊夢と妖夢に鈴仙を投げわたし、一歩前に出た。
「そぉい!!!」
俺は回し蹴りで矢と弾幕を蹴り砕いた。
「いきなりのご挨拶どうもありがと。」
「気に入ってもらえたかしら。」
廊下の奥から女性と少女が現れた。
間違いないこの二人が異変の首謀者で鈴仙の―――
「・・・あんたが鈴仙の師匠さんであってるか?」
「ええ、八意 永琳と言うわ。」
「そんでそっちの隣にいるのが。」
「蓬莱山 輝夜よ・・・あなたは何者なのかしら?」
「鳳 飛鳥だ。宜しくなおふたりさん。」
「こちらこそ。」
「前置きは十分でしょ永琳・・・ねぇそこのあなたは私の難題に応えられるかし「あんたの相手は私だ。」らって誰よ話に割り込んでくるのは。」
妹紅が俺の隣に立ち止まる。
「妹紅じゃない、久しぶりね。」
「そうだな輝夜。」
二人の間で火花が散っているように見える。
まぁこの二人はほおっておいても大丈夫だな。
「あんたの相手は俺ってことか。」
「お手柔らかに。」
「俺が勝てば月を元に戻してもらうぞ。」
「わかったわ、もし私が勝ったらこの異変が終わるまで私たちのボディガードをお願いしようかしら。」
「ボディガード?」
一体何のために・・・
俺は理由を聞こうと思ったが読まれていたのか永琳がこう伝えてきた。
「理由は弾幕ごっこの後で説明するわ。」
「了解、それと一つ言いたいことがある。」
「なにかしら。」
「手加減しないからな。」
「もちろんそうでなくては面白くないわ。」
「へっ!・・・それにしても。」
俺は視線をとある方向に向けた。
「あっちは凄まじいな。」
妹紅と輝夜の弾幕ごっこがすでに始まっており、凄まじいほどまでの濃密な弾幕ごっこというより寧ろ殺し合い?をしていた。
「そ、そうね。(家が持つかしら)」
なにか心配しているようだが気にしなでおこう。
さぁ久しぶりに全開でいくぜ!!!
俺は背中から青い羽を生やし永琳に向かって突っ込んでいった。
永琳も俺に向かって弾幕をばら撒いてきた。
今まで戦ってきたやつよりも弾幕の密度、弾幕の速度が段違い。
圧倒的な数で攻めてきたギャオスたちの超音波メスもたしかこんな感じで迫ってきてたよな。
でも―――
「あの時の戦いよりかまだぬるいぜ!!!」
俺も普段の弾幕よりもより密度のある弾幕を放つ。
俺たちの中間で弾幕どうしがぶつかり合い相殺していく。
弾幕がぶつかりあったことで爆煙が発生し、周りが見えなくなったが―――
「炎符『ブルーフレア・フェザーブラインド』!!!」
「天丸『壺中の天地』!!!」
ほぼ同時にスペルカードを使用し、煙の向こう側にいる相手を攻撃し始めた。
嵐のごとく弾幕が飛び交う様はスペルカードの効力が切れるまで凄まじかった。
今のところ1枚ずつスペルカードを使用したが俺も永琳も未だに被弾した様子は見られない。
やはり相手は相当の手練だ、気をつけなきゃいけないな。
「次はこれよ!――神符『天人の系譜』!!」
今度のはレーザーが加わったタイプか、ならこのスペルカードだな。
「焼き尽くせ!!――神鳥『アカシック・バスター』!!!」
俺はミスティアとの弾幕ごっこと同じように魔法陣を出現させそこに飛び込み、青い炎の鳥となって永琳の弾幕に突っ込んだ。
レーザーを弾き弾幕を燃や散らしていくが尋常でない弾幕のため、永琳の所に到達することができなかった。
「くそっ!ブレイクは出来たがダメージを与えられんかった!」
「それはこちらも同じよ。」
「「勝負!!」」
俺たちは互いににらみ合い次のスペルカードを取り出した。
「炎符『コロナ・ストリーム』!!!」
「蘇生『ライジングゲーム』!!!」
俺たちはスペルカードを使用し、弾幕を放った。
永遠亭の一区画が弾幕によって綺麗に吹き飛んだ。
吹き飛ばす際に大きな爆発が起こり俺と永琳はそれに巻き込まれ、永遠亭の外へと飛ばされた。
俺は空中で体勢を整え、前を見据えた。
その視線の先には、同じようにこちらを見ている永琳がいた。
ちなみに俺達は傷一つ負っていないが、先ほどの爆風で少し汚れてしまっていた。
「永琳、あんたって最高だよ!!俺と互角に渡り合う人なんて旦那や姐さん、幼馴染二人くらいだったのによぉ。」
「それは光栄ね、古代神にそう言っていただけるなんて。」
「やっぱ気づかれたか.」
「青い炎が使えるのは不死鳥の帝王(カイザーフェニックス)と呼ばれたフェニアス以外にいないわ。」
「ご明察だ、元この星の住人よ。」
「こっちの方も見抜いていたってことね。」
「鈴仙だけではわからんかったがお前さんの姿を見てわかったからな。」
「そう・・・でもお喋りはここまでにして続きをしましょう?血が疼いてしょうがないのよ。」
「それは俺も同じだ。」
「感謝するは最強と謳われた四人の内の一人とこうして戦えることに!!!」
「だったらもう一度俺たちの強さってやつを心に刻み込んでやらぁ!!!」
―――――――――
――――――
―――
あれから凄まじい攻防を繰り返し、どれくらい時間が経ったのかわからない。
飛鳥たちは互いに一枚のスペルカードを使用した。
その時飛鳥は被弾しなかったが、永琳は何箇所か被弾した形跡が見られた。
つまり永琳には最初のように動けるほどの体力がなくなってきている。
そのことに気づいた飛鳥は勝機と思いさらに永琳に追い討ちを仕掛けた。
「くっ!(まずいわね、向こうは根っからの戦闘者、比べて私は研究者・・・ここに来て体力の有無が出てきてしまった。なんとかしなくては・・・)」
「どうした動きが鈍くなってきてるぜ、永琳さんよぉ!!!」
飛鳥は一瞬の隙をついて永琳の懐に飛び込んだ。
「しまった!?」
「無影鳳炎脚!!」
炎を纏った連続蹴りが永琳を襲う。
その腹に数発蹴りを受けた地面に叩きつけられたその拍子に永琳は吐血した。
「くはぁ!!」
気を失いかけたが永琳はなんとか意識を保ち、地面から起き上がる。
「ゲホゲホッ・・・ハァハァ・・・(まずいわ、もう体力が残り少ない・・・妖力もせいぜいスペルカード一枚分。どうする。)」
永琳は瞬時に自分の現状を簡潔に調べ上げ、最後の一手を考えていた。
しかし―――
「ハアァァァァ!!!」
「チッ!!」
飛鳥の猛攻によって、作戦を練る暇がなくなり永琳はそのまま戦闘を続行することになった。
この戦況をどうするか飛鳥の攻撃を躱しながら考えているが、躱しながらではまともな思考ができずにいる永琳。
そこであることを思いつき賭けに出ることにした。
その賭けとは―――
「でりゃーーー!!!」
「ぐぅ!!!」
飛鳥の攻撃で大きく飛ばされる永琳。だがその顔はしてやったりといった表情をしていた。
そう永琳の考えた作戦とは、ワザと攻撃をくらい遠くに飛ばされたように見せかけてその場から離れることであった。
そのことに気づいた飛鳥は、飛ばされた永琳を追いかけた。
だが永琳は既にスペルカードを構えている状態であった。
飛鳥もスペルカードを取り出そうとするが永琳の方が早くスペルカードを宣言した。
「これがラスト・・・禁薬『蓬莱の薬』!!!」
これまでにないくらいの弾幕が放たれ飛鳥に襲い掛かってくる。
飛鳥も弾幕が来る前に最後のスペルカードを宣言することができた。
「決着をつける!!―――神火『劫火灰塵―全て滅ぼす原初の火―』!!!」
飛鳥は巨大な弾幕を一つ作り出し、永琳に向かって投げた。
巨大な弾幕と膨大な数の弾幕郡が正面からぶつかりあった。
永琳の弾幕郡は凄まじい数と規模で飛鳥の巨大な弾幕の進行を阻止していた。
だが飛鳥の弾幕に変化が生じてきた。巨大な弾幕の表面から散弾のように細かい弾幕が飛び出してきた。
細かい弾幕が永琳の放つ弾幕を相殺し始め、巨大な弾幕は徐々に永琳に迫ってきていた。
ところが巨大な弾幕も細かい弾幕を放っているため少しずつ小さくなってきていた。
「あああああぁぁぁぁ!!!」
「おおおおおぉぉぉぉ!!!」
飛鳥は永琳の弾幕を突破しようと、永琳は飛鳥の弾幕を破壊しようと己の弾幕に力を込めた。
だが時間が経つにつれ永琳の弾幕は徐々に勢いを失ってきた。
それを見た飛鳥はチャンスと想い今持ってる力を全て弾幕に注ぎ込んだ。
「いっけえええぇぇぇ!!!!」
飛鳥の弾幕に勢いがつき、遂に永琳の弾幕を突破した。
そして大きな爆発と閃光が辺りを照らした。
閃光が止み、飛鳥の目の前には辛うじて意識が残っている永琳が浮いていた。
「私の・・・負け・・ね。」
そう言って永琳の意識は途絶えた。
飛鳥は永琳の意識が途絶えると同時に動き、永琳を抱きとめ地面に降り立った。
心の中で『もっと精進せねば』と考えながら飛鳥は永遠亭に向けて歩き始めた。
飛鳥はその時疲れていて気づくことができなかった。大きな眼が二人を見ていたことに。