東方Project ~異形の玄武が幻想入り~ 作:フジパンホンジコミ
残酷な描写が含まれます。
俺は永遠亭に着いた後、通信機を取り出し旦那と姐さんに現状を報告していた。
『なるほど、異変の方は解決したってことか。』
「はい、ですが新種のギャオスの方に関しては未だ姿を現していないので、どこにいるのか見当がついておりやせん。」
『そうですか・・・では地上に留まり搜索にあたってください。あの新種が何をしでかすかわかりませんから。』
搜索か・・・確かにあんなのが暴れまわったら大変なことになるな。
『一応新種に関するデータを送信しておいたので後で見ておいてください。』
「わかりました。フーの奴にも伝えておきます。」
『お願いしますね。ところで紫さんは近くにおられますか?』
紫さんを呼ぶなんてなんか話すことがあんのか?まぁ俺が知ることでもないし紫さんを呼ばねぇとな。
「ちょっとお待ちを・・・紫さーん姐さんから話があるそうですがー。」
「今行くわー。」
紫さんが駆け足で俺のもとにやって来た。
―ここからは紫とさとりの会話―
『お久しぶりです紫さん。お元気そうで何よりです。』
「さとりも元気そうでよかったわ。前に閻魔様から地底でのあなたの扱いを聞いたとき私も幽々子も心配してたんだから。」
『確かに前はそうでしたが、玄武さんが地底に来てから地底の人たちともうまくやっていけてるので大丈夫ですよ。』
「安心したわ。ところで私に話しって何かしら。」
『話というのは私や飛鳥さんが持っているこの携帯電話みたいな物のことです。』
「これのこと?」
『はい投影型の携帯通信機器といいます。これがあればどこにいても通信できるので紫さん達にも持っていて欲しいんです。』
「こんな便利な物もらっていいの?」
『構いませんよ玄武さんには許可をもらっていますし、ギャオス対策にもなるので。』
「そうね。ありがたくもらっておくわ。ふふこれでいつでも話ができるね。」
『そうですね。』
「それじゃあ彼に返すわね。」
―紫とさとりの会話終了―
紫さんが俺の携帯通信機器(俺たちはMCって呼んでるけどな)を返して、元の場所に戻っていった。
「さぁーて俺も皆のところに戻りますかね。」
俺はMCを懐にしまい、永遠亭の屋内に戻ろうとした。ところがどこからともなく血の匂いが漂ってきた。
俺は周囲を見渡し血の匂いがどこからしてくるのか探した。もちろん警戒も怠っていないがな。
血の匂いをたどって着いた場所には妖怪の残骸らしきものが多数その場に横たわっていた。
「血の匂いはこれが原因だったか、だがこの妖怪たちの死体―――”上半身”が無いってのはおかしすぎる。ん?」
俺は目を凝らして周囲を見てみると竹に赤い液体のようなものとピンク色の何かがついていた。
この竹についている赤い液体は血だな、そしてピンク色のものは肉片――ということはこの妖怪たちは内側か吹き飛んだってことか!?
普通のギャオスではありえない光景だな。
まさかとは思うが新種のしわざか。
「こりゃ気を引き締めなきゃならんほどの厄介な相手かもしれんな。とにかく、急いでフーの奴にこのことを伝えないと。」
俺は連絡を入れようとMCを取り出そうとしたら――
「ギャオオオオォォ!!!」
「なっ!?」
ギャオスだと!?クソッなんでこんな時に現れるんだよ!!!
伝えにゃならんのにこれじゃあ連絡できやしねぇ。
時間はかけてられねぇ速攻でカタをつけてやる。
「急いでんだ邪魔すんじゃねぇーーー!!!」
俺はギャオスに炎を纏いながら突っ込んでいった。
――――――――――
――――――
―――
一方人里にいるフーはというと人里の門の前で警備をしていた。
そしてフーの隣には異様なものが存在していた。
「人里に襲い掛かってきた妖怪はこれで全部だな。」
実はこの異変を機に人里に住む人たちを襲おうとやってきた妖怪たちがいたのだが、その時人里を警護していたフーに見つかり逆に返り討ちにあっていたのだ。
その為、負けた妖怪たちは無造作に山のごとく積み重ねられていた。
「済まないなフー、お前の手を煩わせてしまって。」
「気にすることはない、守ることが私たちの本分なのだから。」
「そうか・・・先ほど家に戻った時にこれを見つけたのだがこれはフーのものか?」
慧音はポケットから先ほど飛鳥から渡されたMCをポケットから取り出した。
「ああ、それは私のものではあるのだがどうかしたのか?」
「先程からピカピカ光っていたから気になったものでな。」
「っ!?慧音殿済まないそれを私に!?」
「え、ああ」
フーは慧音からMCを受け取り起動させた。
起動させたと同時に目の前の空間に玄武が映し出された。
『出るのが遅かったようだが何かあったのか。』
「すみません師父、妖怪たちが襲いかかってきたものですから壊してはいけないため慧音殿の家にMCを置きっぱなしにしていました。」
『お前にしては珍しいな。―――まぁこんな話は後回しにして重要な要件を伝える。』
「重要な要件とは?」
『新種が現れた。二体のうち一体は俺とさとりが始末したがもう一匹には地上に逃げられてしまったんだ。』
「師父から逃げ出せるとはその新種かなりの俊敏性を持っているということですか。」
『ああ、おまけに隠密性も高くてな見つけ出すのに苦労した。だから地上に向かった奴には気をつけろ。詳細はデータにまとめて送っておいたから』
「わかりました確認の方はしておきます。」
『無事を祈っているぞ。』
そこで玄武からの通信は切れた。
玄武との通信が切れたのと同時に竹林のある方向から巨大な青い火柱が上がるのをフーと慧音は見た。
「あの火柱は何だ?」
「あれは飛鳥だ。戦っている相手はギャオスだろう。」
「何!?助けに行かなくていいのかフー。」
「あのぐらいの相手ならば加勢しなくても平気だ。それに私が加勢に行っている間にギャオスが来てしまったら元も子もないだろう。」
「そうか。では我々は」
「ああ、先ほど話があった新種に対して警戒しておいたほうがいいだろう。」
その瞬間フーは地面が微弱に揺れていることに気づいた。
しかもその揺れが定期的なものでなく不規則に揺れている。
すぐさま地面の下に何かが蠢いてるのを感じ、慧音にここから離れるように指示する。
「慧音殿、すぐにここから離れたほうがいい。」
「どういうことだ?」
「早く離れてくれ・・・」
「・・・わかった。」
フーから放たれる威圧に気圧され、渋々そこから離れる慧音。
「離れてくれたか。行くぞ!?」
フーは空中に飛び上がり、揺れの発生している中心点に向かって技を放った。
「オオオオォォ――『猛虎爆砕脚』!!!」
フーの放った技は地面に直撃し、大きな揺れが起こった。
その直後、揺れの中心点から10mほど離れた場所から何かが飛び出してきた。
頭の形状は口は蛇のようになっており、他の部分は通常のギャオスと酷似している。
胴体に至っては完全に形状が異なり、完全に蛇の胴体になってた。
フーは飛び出してきた新種のギャオスを睨みつけていた。
「これが新種のギャオスか・・送られてきたデータと形状が一致しない。」
MCの画面に映されたデータとは形状が異なっていることに気づくフー。
「凄まじいほどの成長速度だ。」
「キシャーーーーーー!!!」
「人里の者たちを襲おうとでも言うのかならば―――私は貴様を止めなければならん。」
両者は互いににらみ合いを続けていた。
しかしそれも束の間、相手は口を開きフーめがけて超音波メスを放った。
フーは軽やかな動きで超音波メスを避けると一瞬のうちに相手の懐に飛び込んで技を放つ。
「ハアアアアァァァァ!!!――『猛虎爆砕拳』!!!」
しかし技を放つも相手は身体をひねり回避してみせた。
技を避けられたフーは驚いていた。
「(なんという俊敏性なんだ・・・師父の技がほとんど決まらなかったというのはホントのようだな。とりあえずは力のある技ではなく速さ重視の技でいくしかない。)」
フーはすぐに思考を切り替え攻撃を仕掛けた。だが相手も攻撃を受けないように避けたり攻撃を仕掛けたりと激しい戦闘が行われていた。
しかし正面の相手のことばかり警戒していたフーに突如後ろから何かが襲いかかってきた。
「くうっ!?今のは一体。」
後ろを振り返ると何かが地面から出ていた。
「尻尾の方か!?クソッ前ばかりに気を取られて地面の下にあった尻尾の行動に気づけなかったとは不覚・・・」
フーは前方と後方を気にしながら戦わなくてはならない状況に追い込まれてしまった。
そこから相手の激しい攻撃がフーを襲う。だがフーも攻撃を受けないように躱していく。
「(頭を警戒すれば尾が攻撃してきて、尻尾に警戒すれば頭が攻撃してくる・・・ギャオスの割には利口な戦い方だな・・・)」
「キシャーーーー!!!」
「だが負けるわけにはいかん、私の後ろには守るべき者達がいるのだから!!!」
口を開き噛み付いてくる新種のギャオスを紙一重で交わし叩きつけようとしてくる尻尾を蹴りで弾き返す。
そして隙ができると同時に攻撃を仕掛けた。
「オオオオォォ――『猛虎豪破脚』!!!」
ドゴンという凄まじい音が相手の体から響き渡る。その威力は最初に放った『猛虎爆砕脚』を超えており相手を後方に弾き飛ばしながら地面から引きずり出した。
「あれが奴の全容か、目測で70m位は軽くあるな。」
新種のギャオスの全容に少々驚フー。しかし怯むことなく相手から視線を外さずに攻撃の機会を伺う。
そこに―――
「ギュアアアァァァ!!!」
炎に包まれながら叫び声を上げて突っ込んでくるギャオスが目に映った。
「キシャーーーーー!?」
炎に包まれたギャオスは新種のギャオスに衝突し二匹は派手に倒れる。
その直後に上空から飛鳥が現れフーの横に着地する。
「大丈夫かフー。」
「飛鳥かなんとかな。」
「あれが新種か、姐さんからもらったデータとはちょっと違うな。」
飛鳥はMCで新種のギャオスのデータを見ていた。
「どうやら地上に出るまでに変化したらしい。」
「なるほどな。で攻撃方法は・・・」
「噛み付きに尻尾の打撃だけだ。」
「他にはないのか?」
飛鳥の意味ありげな言葉を聞き、フーは訪ねた。
「どういうことだ、ほかのも攻撃方法があるとでも言うのか?」
「実はギャオスと遭遇する前に妖怪の変死体を見つけyたんだ。」
「どのような変死体だったのだ。」
「上半身のない死体。死因は内部から吹き飛んだの事以外わからん。」
「キシャーーーーー!!!」
倒れていた新種のギャオスはギャオスを上から除けると体を持ち上げ飛鳥とフーを睨みつけていた。
どうやらかなりご立腹な感じの新種のギャオス。
その新種のギャオスは突如口を大きく開き始めた。
その時飛鳥とフーはその新種の口の中の一部分に注目していた。
「なぁあの舌って何かに似てねぇか?」
「ああ、見たことがあるのは確かだがなんだったのか思い出せん。」
「なんだか嫌な予感がする。」
「私もそう感じている。」
口を大きく開いた新種は二股に分かれた舌を上下に動かし始めた。
舌は次第に早くなっていきその舌からキィィィィという音が鳴り響いてきた。
それと同時に新種の近くにあった木や岩が次々と破壊されていく。
「うおおおっ!耳がいてぇ!?」
「まさか妖怪たちの死因はこれが原因だったのか!?」
新種は体を仰け反り何かの発射体勢に入った。
飛鳥たちはこの超ド級の超音波のせいで身動きが取れずにいた。
そして新種は飛鳥たちはめがけて何かを打ち出した。
しかし発射したものがなんなのかまったく見えないが、地面を削りながら突き進み飛鳥たちを吹き飛ばした。
「がはぁ!?」
「ぶふっ!?」
先ほどの攻撃でかなりのダメージを受けてしまう飛鳥とフー。
けれどなんとか立ち上がって見せる二人。
「さっきのは何なんだ。」
「恐らく超音波による衝撃波を打ち出したのだろう。」
「厄介もんを使いやがるぜ。」
「もう一体のギャオスはどうしたのだ。」
「あれ見ろよ。」
指を刺した方フーは見てみると、頭が弾け飛んだギャオスが横たわっていた。
「近くであんなもん使われたんだ、ああなって当然だ。」
「だがこれでは我々も近づけなくなったぞ、どうするのだ飛鳥。」
「向こうがその気なら俺たちも神獣化で行くぞ。」
「そうだなこのぐらいの相手でなるまでもないと思っていたが私もまだ甘かったということか。」
「やるぞ!!」
「おお!!」
飛鳥は青い炎で全身を包み込み、フーは巨大な竜巻に身を包み込んだ。
――――――――――
―――――――
―――
一方永遠亭にいた者たちは人里目指して飛んでいた。
「ったく飛鳥のやつどこに行きやがったんだ。」
「青い火柱が見えたからどっかで戦ってるんじゃねぇか?」
「ええ、物凄いのと戦ってるわねあいつ・・・」
霊夢が人里から離れた森に指を指す。
霊夢を除いた全員がその方向に目線を向けると――人里近くの森で蠢く新種のギャオスの姿が見えた。
「おいおいこっからでもわかるデカさって・・・」
「その上気色の悪いやつね。」
「あれが進化したギャオスね。普通のは見たことがあるけどあのような形状をしたギャオスは初めて見たわ。」
永琳はかつて見たギャオスの姿と照らし合わせていた。
「あ、あんなのと戦うんですか、お師匠様。」
「戦わないわ。あれの相手ができるのは古代神クラスの存在だけよ。」
「そうですか(よかった。)。」
鈴仙が安心してほっとした直後、その近くで青い火柱と竜巻が発生。
永琳を除いた永遠亭組と妹紅以外はこの現象を全員は知っていた。
火柱と竜巻が止むと巨大な青い鳥と白い虎が姿を現した。
「フェニアスとラオウ。」
「なんだその名前?」
「彼等のもう一つの名よ。亀山 玄武にもガメラという名があるじゃない。」
「なるほど。」
「それにしても飛鳥って不死鳥になれば神々しいほどの美しくなるのね。」
「あっちの白虎もかっこいいですよ幽々子様。」
「あんたら黙って見ることができないのか。」
「ほっときなさい霊夢・・・あいつらが動き出すわよ。」
レミリアの言葉を聞き、霊夢はフェニアスとラオウに視線を向けた。
フェニアスは翼を広げ上空に飛び上がり相手の頭上を旋回し、ラオウはゆっくりと右方向に円を描くように歩き出す。
新種のギャオスは先程と同様に口を大きく開け、超音波を放ち始めた。
この超音波は離れていた霊夢たちにも影響が出ていた。
「あ、頭が割れるように痛い。」
「これだけ距離が・・・離れてるのに・・・影響があるなんて・・・なんて攻撃。」
この超音波の中で影響が出ているにも関わらずラオウは空気を吸い込み始めた。
2、30秒ほど空気を吸い込んだあとラオウは咆哮を始めた。
「グオオオオォォォォーーーーーーン!!!」
この咆哮でギャオスの放っていた超音波をかき消した。
フェニアスは超音波が消えたのを確認すると新種のギャオスめがけて突っ込んでいった。
新種のギャオスは突進を受けて大きく弾き飛ばされる。だが飛ばされた先には既にラオウが先回りしており、既に攻撃態勢に入っていた。
そしてラオウによる爪の攻撃を受け、体を切り裂かれたギャオスは悲鳴を上げながら、のたうち回っていた。
そののたうち回っているギャオスに向けてフェニアスは火炎、ラオウは風を圧縮した球を口から吐き出し攻撃する。
絶妙なコンビネーションを見せつけるフェニアスとラオウ。
攻撃を受けるたびにダメージを負うギャオスはその痛みから逃げるために地中に潜った。
「あいつ地面に潜りやがったぜ。」
「逃げたのかしら。」
「わからないわ。」
フェニアスとラオウは互いに顔を見合いうなづいたあと、フェニアスは翼を広げ上空に飛び上がりラオウは前足と後ろ足の横に風の渦を発生させ飛び上がった。
上空に上がったことによってギャオスの感知から逃れるフェニアストラオウ。
二柱の気配が感じられなくなり地上に出てくる新種のギャオス。
地面から出てきた瞬間、ラオウは横に回転し竜巻を纏いながら相手に突進を仕掛けた。
直撃を受けた新種のギャオスは真ん中あたりで引きちぎられた。引きちぎられた部分から大量の血が吹き出しあたりを赤く染めていく。
痛みに耐えながらここから逃げようと地面を這いずりはじめるが、上空が青く光り始めた。
その方向に視線を向けると青い炎の鳥に変貌したフェニアスの姿が見えた。
その姿を見た瞬間、あれは自分を滅する力だと理解したギャオスはなりふり構わずこの場から逃げようとしたが―――
「ゴオアアアアァァァァ!!!!」
ラオウの咆哮によって体が硬直してしまい逃げることができなくなった。
数秒後に体の硬直が解け逃げようとしたが時すでに遅く、既に目の前までに青い炎の鳥は来ていた。
「クオオオオォォォォ!!!!」
「ゲギャアアアアアアアァァァァァ!!!!」
青い炎の鳥の突進を受けた新種のギャオスは凄まじいほどの断末魔をあげながら炎に焼かれこの世から消滅した。
戦いが終わると同時に二柱の神は空に向かい勝利の雄叫びを上げていた。
この戦いをもってようやく永夜異変は終わりを迎えた。
作者のフジパンです。今回登場した新種のギャオスはモンハンのガララ・アジャラとヘビを足して割った感じのモンスターです。振動による衝撃波などのガララ・アジャラの技を使いましたがいかがでしたでしょうか?技を使用する場合、ギャオスには背びれがないということなのでどのようにしたらいいか考えた末に思いついたのが舌を音叉のような形にして衝撃波を放つという風にしてみました。
これからもオリジナルの敵などを取り入れていこうと思っています。感想などもお待ちしておりますので応援よろしくお願いします。