東方Project ~異形の玄武が幻想入り~ 作:フジパンホンジコミ
玄武とさとりが地底に行く前
「え、妹やペットたちに今の状況を知らせたい?」
「はい、あの子達のことですからきっと私のことを探しています。それに」
さとりが考えてることはなんとなくわかった。
「事故現場を見てしまったらってことだろ。」
「ええ、もしあんなの見てしまったらと思うと考えたくないんです。」
俺はどうしようか迷っている。
今さとりは安静にしないといけない状態だ。
無理に連れて行くことはできないし、かと言って俺だけが行っても絶対に間違えられて襲われるだろう。
やっぱさとりを連れて行くしかないのか。
そしたらさとりの体に影響を与えないようにするにはどうしたらいいだろう。
そうだ!?あれがあるじゃないか。あれを使えばなんとかなる。
「ちょっと待っててくれ。」
「え、ええわかりました。」
俺は急いで部屋から出て、研究室に来た。
「えーっとあれはどこに置いたっけ。」
俺はあたりを探し回りようやくお目当てのモノを見つけた。
「これがあれば大丈夫だな。」
俺はそれを持って研究室をあとにした。
「済まないな、遅れてしまって。」
「いいえ、でお目当てのモノは見つかったんですか?」
「ああ、さとりにはこれをつけていてもらいたい。」
俺はさとりにそれを見せた。
そうオリハルコンでできた勾玉だ。
「こいつは特殊な勾玉でね俺の力を共有することができるんだ。」
「つまりこれを身につけていれば玄武さんの力が使えるようになるんですか?」
「訓練次第だけどね、でも訓練せずに持っているだけでも治癒力を上げてくれる。」
そう言って俺は勾玉のペンダントとしてさとりの首にかけた。
「これだったら外に連れて行ける。」
「じゃあ」
「ああいこう、地底に。」
そして今現在
「あんたらここで何してるだ?」「皆さんどうしたのですか?」
勇儀達は声のした方を向くと驚いて声が出なかった。
玄武の側には車椅子に乗せられたさとりがいた。
怪我を負って痛々し姿だったが生きていてくれたことが何よりも嬉しかった。
「勇儀さん、これはどうしたんですか。」
「あーあたしらのことはいいからあんたの妹とペット二人をどうにかしてくれ。」
「わかりました。玄武さんお願いします。」
「あいわかった。」
玄武はそう答えるとさとりの乗っている車椅子ごと持ち上げこいしたちの方に向かった。
勇儀は玄武の背中を見ていた。
それに気づいたパルスィは勇儀に話しかけた。
「どうしたの勇儀?」
「いやさとりと一緒にいたあの男なんだけどね。」
「あの男がどうしたの?」
「そこが見えなかった・・・」
「へ?」
「あいつ相当強いよ。」
勇儀が笑みを浮かべていた。
玄武さんにこいし達のところに連れてきてもらいましたが、三人とも目に生気がありませんでした。
私のせいで三人を悲しませてしまったことが苦しかった。
「玄武さんここでいいですよ。」
「わかった。」
私は平らなところを選んで降ろしてもらった。
そして三人に声をかけた。
「こいし、お燐、お空。」
すると三人は私の方を向いた。
目を見開いて、ずっと私の方を見ていた。
そしてこいしが私に話しかけてきた。
「おね・・・え・ちゃ・・ん」
「ええ、私はここにいますよ。」
三人は私の声を聞いたとたん私に向かって走り出しだ。
そして私に抱きついてきた。
少々傷にしみましたが我慢しました。
「お姉ちゃん・ひっく・・お姉ちゃん。」
「「さ゛と゛り゛さま~。」」
私は三人を離さないように左手で精一杯抱きしめました。
数分後
「ほらもう泣き止んで。」
私は三人を慰めている。
三人は頷いて私から離れた。
「ところでお姉ちゃん。」
「何ですか。」
「そこの人誰?」
そこの人・・・ああ彼のことですね。
「彼は私の命の恩人です。彼がいなかったら私は助かっていませんでしたから。」
三人は彼の方に顔を向け、見つめていた。
「「「お姉ちゃん(さとり様)を助けてくれてありがとう(ございます)。」」」
「助けた甲斐があるってもんだ。」
彼は笑いながらそう言った。
「それでこれからどうするんだい。」
勇儀さんが私たちに近づいて話しかけてきた。
「まずはここをどうにかしないと。」
「そうですねここをこのような状態のままほおっておくわけにはいきません。」
「それだったらあたしらも手伝うよ。」
「そいつは助かる。」
「あたしは星熊 勇儀。あんたは?」
「俺は亀山 玄武だ。」
なぜでしょう勇儀さんと彼のやり取りを見ているとなんだかムカムカしてきます。
この気持ちは本当に何なんでしょうか。
――――――――
―――――
―――
作業が終わり、俺達は地霊殿にやってきた。
勇儀達は作業が終わると同時にそれぞれの場所に帰っていったためこの場にはいない。
地霊殿のさとりの寝室に俺たちはいる。
「改めてお礼をいいます。私を助けてくれてありがとうございます。」
「俺は助けたかったから助けたんだ。」
「でも私は覚妖怪ですよ。」
「助けるのに種族は関係ないよ。」
「ほんとに素直な人なんですね玄武さんは。」
俺とさとりが話をしていたら他の三人も混じってきた。
「私、古明地 こいし。お姉ちゃんと同じ覚妖怪だよ。」
「あたいは火焔猫 燐、火車の妖怪。でこっちは霊烏路 空、地獄ガラスの妖怪。あたいらはさとり様のペット。」
「うにゅ。」
三人から自己紹介してもらったんだから俺もしないとな。
「俺は亀山 玄武。人間でも妖怪でもないがよろしく。」
三人はすこし驚いていた。
「妖怪じゃないの?」
「片手で岩持ち上げてたのに?」
「うにゅ?」
俺は三人に質問攻めにあっていたが、さとりが気を利かせてくれた。
「ほら彼が困ってるからそこまでにしときなさい。」
「「「はーい」」」
そう言って三人は部屋から出ていった。
「すみませんね。」
「なに、いい子達じゃないか。」
「ありがとうございます。・・・あの私からも質問いいですか。」
「構わないが、何が聞きたいんだい。」
「玄武さんはこの後どうするんですか。」
「俺は地上に行ってみようと考えてるよ。」
「地上に・・・ですか?」
さとりは驚いていた。
そりゃそうだろうな。
「でも地上と地底は干渉を禁止しているんですよ。」
「それは妖怪同士じゃないのか。妖怪じゃない俺が地上に行っても大丈夫だろう。」
「あなたが地上に行ってしまったら私は寂しいです。」
えーっとさとりさん、もしかして拗ねてらっしゃるのですか?
拗ねてる顔も可愛いな。
「拗ねてません。」
「いや、その膨れっ面はどう見ても拗ねてるでしょ。」
「拗ねてませんってば。」
「大丈夫だよ。ずっと地上にいるってわけじゃない。俺は暖かいところが好きでね活動拠点を地底にすればいいし、それに勾玉がある。」
「この勾玉ですか?」
さとりは掌に勾玉を載せる。
「そいつは通信機にもなっていてね。それがあればいつどこにいても俺と会話ができる。」
「便利なんですね。」
「これは俺たち二人の秘密な。」
さとりは一瞬キョトンとしたが
「はい。」
笑顔で答えた。
それからと言うものの俺はさとりの怪我が治るまで地霊殿に泊まりさとりの世話をした。
まぁ結構いろんなハプニングがあったよなー。
まあそれもいい思い出か。
そして―――
「じゃあ行こうとするかね。」
「もう行くんですか?もう少しゆっくりして言ってもいいのですよ。」
「それでもいいんだけど、何やら地上の方でなにか起きようとしているのを感じたんた。」
「そう・・・ですか。気をつけてください。あといつでもここに帰ってきてください。私はここで待っているので。」
「ああ、地上で起きたことたくさん聞かせてやるよ。」
「それと、こっちに来てくれませんか。」
「なんだ?」
なんだろうな。
さとりに近寄ったら俺の頬になにか柔らかいものが触れた。
「いってらっしゃい。」
さとりの顔を見ると頬を赤く染めていた。
え、いまのってまさかキ・・・スされたのか。
俺は自分の頬が赤くなるのを感じた。
「い、行ってきます。」
俺は両手足を同時に出しながら部屋を出ていった。
彼が部屋から出て言って私は顔を真っ赤に染めた。
そして自分の気持ちがなんなのかはっきりわかった。
今まで誰かを好きになったことなんてありませんでしたけど、彼と出会って芽生えた気持ち。
「これが、恋・・・なんですね。」