東方Project ~異形の玄武が幻想入り~   作:フジパンホンジコミ

54 / 57
今回はほのぼのとした話の内容になっております。


5章 風神録編
地霊殿の日常


 

 

 

地霊殿の庭の一角にある建物からぶつかり合う音が響いていた。

 

その建物の中には玄武と飛鳥が胴着を着て組手をしていた。

 

その様子をさとりとこいしが端のほうで観戦していた。

 

 

「ふっ!せいや!」

 

「おわっ!?旦那ちょっ、ちょっとタンマ!?」

 

「どうしたこれしきのことでへばったのか?なまっている証拠だぞ。」

 

「な、なまってるのは確かだ、だからってこれはちょっと飛ばしすぎだぜ旦那!?初っ端からこの組手はねーだろ!!!」

 

 

玄武たちの行っている組手はさとりやこいしもしたことのある組手だ。

 

この組手の特徴は玄武が指示した課題をクリアし次の課題に移るという変わった組手である。

 

一言言っててしまえば課題が終わらなければ延々とその課題が続くということだ。

 

ちなみに今回、飛鳥に出した課題は玄武に1時間避け続けるか明確なダメージを入れるかだ。

 

それを聞いた時の飛鳥は燃え尽きたように真っ白になったとか。

 

現在飛鳥は今の状況を打破できないか考えながら玄武の攻撃を捌いていた。

 

その様子をこいしは懸命に飛鳥を応援していた。(既にこいしと飛鳥は付き合っています。)

 

 

「頑張れ飛鳥ー!!!お兄ちゃんをぶっ飛ばしちゃえ!!!」

 

「んな無茶なこと言うなよこいし!?」

 

「俺と組手をしている最中におしゃべりとはいただけないな。」

 

「やべっ!!」

 

「破岩掌!」

 

「ぐおっ!?」

 

 

飛鳥は派手に飛ばされた。

 

だが玄武は攻撃した時の感触がいまいちだったことに気づいた。

 

 

「当たる寸前に後ろに飛んだか・・・勘だけは鈍っていないみたいだな。」

 

「いてててちょっとしか当たってないのにこのダメージ、さすが旦那だ。でもこれで旦那からは距離がとれた。」

 

 

飛鳥は鳩尾をさすりながら立ち上がり、片膝を少し曲げて構えを取った。

 

 

「今度はこっちから行くぜ!!!」

 

 

縮地を使い玄武に接近しミドルキックを放つ。

 

それを玄武は左腕でガードし反撃に出ようとしたが既に飛鳥が次の攻撃態勢に入っていた。

 

 

「まだまだぁぁぁぁ!!!」

 

 

飛鳥は残像が見えるほどの連続蹴り『無影脚』をくりだした。

 

玄武はその技を両腕でガードし攻撃に耐えていた。

 

飛鳥はチャンスと思い、さらに攻勢に出始めた。

 

玄武が防御の姿勢をとっていることにさとりとこいしは驚いていた。

 

いつもだったら攻撃を受け流してカウンターを仕掛けているところだと。

 

だが実際には攻撃せずに防御をしているだけ。

 

何か考えがあるのだろうとさとりとこいしは考えていた。もちろんそれは模擬戦をしている飛鳥も思っていた。

 

だが今のチャンスを逃してはいけないと考えながら飛鳥は玄武に回し蹴りを浴びせた。

 

すると玄武の体からバチィという音がした。

 

飛鳥は苦痛の表情を浮かべそこから離脱しようとしたが玄武に足を掴まれて動くことができなかった。そしてそのまま後方へと投げ飛ばされた。

 

飛鳥は空中で体勢を整え着地にし、後ろを振り向くと玄武の右手から青い発光体が放出されているの見て自身も右足に青い炎を纏い始めた。

 

二人は同時に駆け出し技を放った。

 

 

「『武神流 雷光豪破掌』!!!」

 

「『蒼炎空砂塵』!!!」

 

 

互いの技の威力が互角だったため二人は同時に弾き飛んだ。

 

二人が弾きとんだ瞬間衝撃破が発生した。

 

その衝撃波は観戦していたさとりとこいしに襲いかかったが咄嗟に結界を張り難を逃れた。

 

そして衝撃波が止むと同時にさとりとこいしはそれぞれの人のところに向かっていった。

 

 

「飛鳥大丈夫?」

 

「ああ、大丈夫だ。」

 

「よかった。」

 

「心配してくれてありがとうなこいし。」

 

「えへへ。」

 

 

そこへ

 

 

「大丈夫だったか飛鳥?」

 

「旦那も無事でってその左腕の傷どうしたんすか!?」

 

 

玄武の左腕の一部に切り傷が出来ていた。

 

 

「これか?これはお前がつけたものだよ。」

 

「えっとどういうことで・・」

 

 

玄武とさとりがその時の状況を説明してくれた。

 

 

「じゃ、じゃあ俺はこの課題を・・・」

 

「ああお前はこの課題をクリアしたんだ。」

 

 

そして玄武は飛鳥にこの一言を言った。

 

 

「おめでとう。よく頑張った。」

 

「いよっしゃー!!!」

 

「今日はこれくらいにしておこう、これ以上やったらこの道場が壊れてしまうからな。」

 

「そうっすね。」

 

 

玄武たちは修業を切り上げ道場をあとにした。

 

自室に戻った玄武はさとりに手当をしてもらっていた。

 

 

「全く玄武さんは。」

 

「心配かけたな。」

 

「ホントですよ。無茶をするのは大概にして下さいね。」

 

「なるべくそうできるように努力しよう。」

 

「はい、終わりましたよ。それから今日1日は安静にして下さいね、傷口が開いてしまいますので。」

 

「わかった。」

 

 

 

――――――――――

 

 

 

――――――

 

 

 

―――

 

 

 

「ここまでゆっくりできるのは久しぶりだ。怪我の功名ってやつか。」

 

「大抵は仕事で休みが取れるのは週に1、2回ぐらいですからね。」

 

 

さとりに膝枕をしてもらいソファーに寝転がっている玄武。

 

 

「そういやさとりは仕事はもう終わったのか?」

 

「今日の分はもう終わらせてあります。」

 

 

さとりは玄武の頬を撫でながら答えた。

 

 

「そうか。ならさとりもゆっくりできるな。」

 

「玄武さん。」

 

「さとり。」

 

 

玄武はさとりの膝から起き上がり、顔をさとりに近づけていった。

 

もちろんさとりも玄武に顔を近づけ目をつぶった。

 

唇同士が触れ合おうとした時、ドアのノックする音が聞こえ誰かが入ってきた。

 

玄武とさとりは残像が残るほどの速さで顔を離した。

 

 

「さとり様、お兄さんおやつを持ってきましたよ。」

 

「お、お燐ありがとうね。」

 

「にゃ?さとり様どうしたんですか顔が赤いですよ。」

 

 

ニヤニヤと笑いながらさとりに話しかけるお燐。

 

さとりもお燐の心を読んでからかっていることに気づき、さとりはお燐に怒鳴りつけた。

 

 

「おーりーん!!!」

 

「おーこわいにゃー、あっおやつここにおいておきますね。」

 

 

お燐はそう言ってそそくさと部屋から退散していった。

 

 

「あっ!?待ちなさい!?もう逃げ足だけは早いんですからあの子は。」

 

「また一本取られたな。」

 

「玄武さんまでからかわないでくださいよ。」

 

 

ぷうっと頬を膨らませながら不機嫌にになるさとり。

 

そんなさとりを可愛いなと思いながら見ている玄武。

 

そして玄武はさとりに声をかけ顔をこちらに向けた瞬間不意を突くような形でキスをした。

 

一瞬だが目を見開いて驚くさとりであったが直ぐに目を閉じ今の状況に身を委ねた。

 

2分位経ったあと

 

 

「不意打ちのような手を使うなんて卑怯です。」

 

 

頬を赤く染めながらジト目で玄武を見ているさとり。

 

 

「でもさとりだって満更でもなかったくせに。」

 

「・・・バカ/////」

 

 

さとりはそう言いながらも玄武の肩に自身の頭を置いた。

 

 

「あの・・・玄武さんに質問したいんですけどいいですか///」

 

 

さとりは頬を赤く染めながら玄武に話しかけた。

 

 

「なんだ?」

 

「その・・・こ、子供は何人欲しいですか////」

 

「こ、子供////」

 

 

そんな質問をされ玄武は顔を赤くしてうろたえていた。

 

さとりの顔は早く答えて欲しいなという表情をしており、玄武は恥ずかしそうにしながら答えた。

 

 

「い、一応女の子と男の子ひとりずつかな//////」

 

「そ、そうですか////」

 

 

二人は顔を真っ赤にしながら視線を合わせ無いように別々の方を向いていた。

 

会話が途切れあたりが静まり時計の針の動く音だけが部屋に響いていた。

 

二人はお燐が呼びに来るまで顔を赤くして固まっていたらしい。

 

 

後に玄武の言ったことが本当になることになるとは誰も思わなかった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。