ダンボール戦機 禁忌の箱を守りし幻影   作:砂岩改(やや復活)

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なんかエンジンかかってきたのでたくさんストックを生産中。
一応。三週間分までストックできました。

ストックがなくなるまで毎週水曜の深夜0時に投稿します。



第15幻 ガンダム開発計画

 無事にイジテウスを破壊したバンたちは格納庫内に鳴り響く声に耳を傾ける。その内容は既にお父さんはここには居ないという内容だった。

 

「博士を返して欲しければ次のアングラビシダスに出場して優勝せよ」

 

「アングラビシダス?」

 

「噂で聞いたことがある。LBXの地下大会だ」

 

 アングラビシダス。その言葉を聞いたカイトはあからさまに嫌な顔をする。確かあの大会も優勝商品は世界大会アルテミスの出場権だったはず。すでに手に入れている手前、出場できないし。もし出場してしまえば正体がアミたちにバレてしまう。それだけは避けたかった。

 

「檜山さん!」

 

「むちゃしやがって…。帰るぞ」

 

 そんな時、地下の隠し通路から喫茶店の店主。檜山さんが姿を現した。檜山の案内のもと無事に帰れた四人は拓也の運転する車の中で様々な話を聞いた。

 

(パンドラ…)

 

 神谷重工とイノベーターの繋がり。バンたちも彼らにとっては大切だと言うこと。他の人たちが話し合っている間、カイトはパンドラの事で頭が一杯だった。

 

(ついに見つけた。これで俺は新たな機体を作れる)

 

 中破したパワードジムを握り締めながらカイトは笑みを浮かべるのだった。

 

ーー

 

「もう朝か…」

 

 昨日のエンジェルスター侵入から一晩開けた翌朝。カイトは徹夜でLBXを開発していた。

 

 名前は決めてある。ガンダム試作1号機《ゼフィランサス》ガンダムは勝手に頭に浮かんだ名前。

 ゼフィランサスは花の名前だ。花子言葉は期待、持てる全ての技術を注ぎ込んでいる機体にふさわしい名前だ。

 

 予定だけだが完成まで二週間は掛かる。設計図は前からあった、問題は外装をどうしようかだったが。パンドラを見て思い付いた、白亜の機体の美しさ、それに力強さを加えたデザインにした。

 

「アルテミスにはお前が出てもらう。ゼフィランサス」

 

 まだ形となっていない相棒にカイトは静かに話しかける。

 

(最大の問題はアングラビシダスをどするかだな)

 

 目の前の問題に対して溜め息をつきながら栄養ドリンクを飲み干し学校に向かうのだった。

 

「徹夜したの?」

 

「あぁ、おかげで凄くしんどい」

 

 グダっとしているカイトをアミは心配そうに見つめる。学校ではリュウが転校生の話で盛り上がっているが正直、眠気の方が強かった。

 

「戦闘機だ!」

 

 カイトが半分、寝ている中。クラスの一人がそう叫ぶと流石の彼も目を開けて窓を見る。

 

「こっちに来るわ!」

 

「ぶつかる!」

 

 そこに映ったのは真っ正面に突っ込んでくる戦闘機。

 

「カイト、助けてくれ!」

 

「無理☆」

 

「ぎゃぁぁぁ!」

 

 流石に己の死を確認したカイトの答えは実に清々しいものだった。それに対し、リュウは絶叫しカイトにしがみつく。突っ込んで来た戦闘機は急制動。機体を横に移して翼を窓に寄せた。

 

「パーフェクト」

 

 どこがパーフェクトじゃ。こっちの心臓はズタボロだわ。

 

 戦闘機の後部座席から姿を現したのは黒と白色の髪を持つ少年。そんな彼はバンを一瞬だけ睨み付けると教室に降り立つ。

 

(アイツ…どこかで見た気が…)

 

 その少年を見た瞬間、カイトはふとした感覚に陥るがその正体は分からないままだった。

 

「遅れてすいませんでした」

 

「まさか…」

 

「戦闘機登校かよ!」

 

 戦闘機登校というパワーワードに全員が唖然としているとその中心人物は何事もなかったのように教室を移動するのだった。

 

ーー

 

「へぇ、海道ジンって言うのか。俺たちの教室からも見えてたぜ戦闘機登校」

 

「おかげで目が覚めた」

 

「よく言うわよ。その後、爆睡だったくせに」

 

「いてて」

 

 ジト目のアミに頬をつねられるカイト。痛がってはいるが反応が薄い。やっぱり本格的に眠たいようだ。

 

 海道ジンは言うなれば異質。他人との接触を完全に絶ち近寄らせない空気がある。

 

「ねぇ、話しかけづらいでしょ」

 

「まぁ、転校してきたばかりだし。そういう奴もいるさ。それよりもさ今日の放課後」

 

「分かってる、ブルーキャッツよね。アングラビシダスの事を聞かないと」

 

「俺はパス」

 

「「「え!?」」」

 

 てっきりカイトも着いてくると思っていた三人は声をあげる。

 

「LBXがまだ直ってないしやりたいことがある。アングラビシダスの件は俺は抜けさせて貰う」

 

「でも…」

 

「悪いなアミ。アングラビシダスだけで戦いが終わるわけがない、その為に俺は出来ることをする」

 

 アミがしょぼんとするのを見て無理してでも出ようと思うがカイトはなんとか踏みとどまり背を向ける。

 

「全員の健闘を祈る」

 

 そう言ってカイトは3人を後にしてその場を去る。

 

(これで腹が決まった。おそらくイノベーターはアルテミスでも仕掛けてくるはず)

 

 ゼフィランサスを完成させるために凡てを注ぐと決めたのだ。

 

ーー

 

 文字通り、学校以外の全ての時間を使って開発に注力した。ゼフィランサス開発中、アミが心配し様子を見に来るがカイトは寝る間も惜しんで開発に没頭していた。

 

「よし、チョバム・アーマーは完璧。後はパージ機能のテストをして運動テスト…」

 

 ガンダム試作1号機ゼフィランサス《チョバム・アーマー装備》頭部にジム風のゴーグル型フェイスガードを装着しているせいで今までと変わらぬジム顔だか性能は桁違い。

 

「あとは運動テスト…」

 

 一応、完成したのは見つからぬように布を被せるとそのままカイトは就寝するのだった。

 

ーー

 

 開発から一週間、なんとか形にしたものの今までとは違う概念などを盛り込んだせいで不安な点が多い。これからが大変なのだ。

 

運動テスト

 ↓

調整

 ↓

運動テスト

 ↓

調整or手直し

 

 このようなことを問題がなくなるまでやるという気の遠い作業が待っている。今までの機体はあくまでもジムという物を母体としたカスタム機でしかない。それ故に短期間での開発で済んだが今回ばかりはなんともならない。

 

「無理、休憩」

 

 ついに根を上げたカイトは気分転換のために外を出るとなんとなく商店街をぶらつき、檜山のいるブルーキャッツに入っていった。

 

「久しぶりだな」

 

「お久しぶりです。檜山さん」

 

 一晩だけ爆睡はしたが眠気は収まらない。そんな様子を見た檜山は濃いコーヒーをカイトに差し出す。

 

「それで今回はどうするんだ?闇の男爵は…」

 

「バンたちにはバレたくないんですが。開発も一段落したし参加するのもありかなと」

 

 バンたちには参加しないと言ったが正直、ここまで顔を突っ込んでしまえば気にしないというわけにはいかない。

 

「なら登録しておこう。機体はどうする?」

 

「ちょっと考えが…秘密ということで」

 

 実は出す機体は決まっている。陸戦型ガンダム、ゼフィランサスの試作時に大量に発生した未使用パーツを有り合わせた機体だ。だが駆動部はゼフィランサスと同じ駆動部を使用しているためパワー、機動力はかなりのものだ。

 頭部も今までのと違いゴーグル型ではなくツインアイ型なのでバンたちにバレることもないだろう。

 

 全てはゼフィランサスを作り上げるための布石だ。

 

「それよりレックス。この戦いで山野博士が帰ってくると思いますか?」

 

「やはり知っていたか…」

 

「当然、地下に潜ってる奴ならみんな知ってますよ」

 

「それもそうか…」

 

 不適に笑う檜山ことレックスを見ながらコーヒーを飲み干すと代金を置いてその場を後にする。

 

「ご馳走さま」

 

「大会は三日後だからな」

 

「分かってますって」

 

 濃すぎるコーヒーのせいで目が覚めたカイトはもう一弄りぐらいはしておこうと帰路につく。そんな時、人目のつかない路地で道を塞ぐように和服の女性が立っていた。

 

「貴様がカイトという者か…」

 

「そうだな…」

 

 カイトの答えを聞くと相手は満足したように笑いDキューブを展開。展開されたのは都市部のジオラマ。

 

「なんのつもりだ?」

 

「……」

 

 相手は答えずに機体をジオラマ投下。ドム(ガトーカラー)が投下され1つ目が怪しく光る。

 

「その機体は…」

 

 財前総理の暗殺未済事件にて相手した機体に酷似した機体。

 

「お前との戦いが忘れられなくてな」

 

「へぇ。美人に覚えて貰うのは光栄だね。ジム改高機動型!」

 

 紺と黄色、そして赤いバイザーのジムが都市部に降り立ち戦闘体制に入る。

 

「いざ尋常に!」

 

「勝負!」

 

 二機の機体が得物を持って駆ける。裏路地で二人のバトルが繰り広げられるのだった。

 

 

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